インドア派高校二年生、卓球始めました……?

天道 一真

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第三章 再挑戦

決戦前のひと時

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 開会式が終わりいよいよ夏の大会個人戦が始まる。と、その前に。俺は一度体育館の出口近くのベンチに腰を下ろし、水分を補給していた。
 「……てかさすがに熱すぎじゃないか?」
 今日の最高気温が30度と外であの暑さ。中で大会が始まれば体育館が地獄と化してしまう。水分不足だけは何としても避けなければと時間のあるうちに水分を補給しているのだ。
 俺の出番は第三試合なので後のほうになる。同じブロックの中に西本はいなかった。が、そいつと同じ学校のやつがいるので警戒はしなければいけない。当たるとすれば四回戦辺りになるだろう。
 と、そんなことを考えていると誰かが俺の背後から声をかけてきた。
 「よう。どうやら俺の忠告を無視したらしいな」
 「っ!?」
 西本伊吹……。前回の大会で俺を完膚なきまで叩きのめした張本人である。
 「ああ。あんなことを言われて素直に立ち下がるほど腐ってはないからな」
 「ほう?」
 お互い不敵な笑みを浮かべながら話を進める。
 「実力もましになっているといいがな。前回みたいな茶番はごめんだ」
 「そこは安心しろ。前よりかはましになってるよ」
 そうして西本は馬鹿にするように、
 「口だけでないといいな」
 そう言って体育館に去って行った。
 「………相変わらず苦手だ」
 すっきりしない気分のまま時が過ぎ、俺は第一試合に挑んだ。

 お昼。俺はまた朝と同じベンチで昼食をとっていた。
 一回戦、二回戦、三回戦は快勝。前回より余裕をもって試合に臨めた。何より楽しめた……そのことが一番大きかった。
 近藤、清水、西村も俺と同じく、三回戦まで駒を進めることができたらしい。が、宮本と木村のみ一回戦敗退になってしまった。対戦相手が西本と同じ学校の選手だったらしいが、近藤によればそこまで強くはないとのことだった。何があったのだろうか。
 「……ところでなんのようだ?煽りに来たのか?」
 「ただ昼ご飯を食べているだけなのにその言い草はなんだ?そちらこそ煽っているのではないか?」
 そう。俺がベンチに座ってからすぐに西本が隣に座り黙々と食べていたのだ。ライバル視している人が隣にいることに耐えられなくなった俺は思わず訪ねてしまったのだ。
 「それだけならいい。じゃあ何で……その、俺のほうをちょこちょこチラ見してくんの?」
 そう、さっき……弁当を開いて昼飯を食べ始めた時からチラチラとこちらを見続けているのだ。正直いい気分ではない。
 「っ!?いや、みていない……そんなことは、ない」
 「いいや見てるね。あからさまに俺の弁当を見続けてる。そんなに俺の弁当羨ましい?」
 「そんなことはない。ただ、そのだな……」
 「見てることは否定しないのな」
 「ぐっ……!」
 なんで悔しがってんの?
 「と、とにかく!次の試合では戦う立場。一緒にいるのは気まずいだろう?俺は行く。手加減はしないからな!」
 そう言ってカバンを背負い、弁当片手にどこかに行ってしまった。
 なんだったんだマジで。 
 
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