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第三章 再挑戦
インドア派高校二年生、卓球はじめました
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「ごめん。待たせた」
俺は卓球台に着くと、待ちくたびれた様子の西本が腕を組んで待っていた。
「遅い。セット間でどれだけ相手選手を待たせるつもりだ」
「ああ。本当に申し訳なかった」
こればかりは完全に俺のせいなので、俺は腰を折って西本に謝った。
「フン。これだけ待たせたんだ。………少しはマシになってるんだろうな?」
「ああ。やっとお前と卓球、出来そうだよ」
「……そうか」
短く返事をした西本は静かにレシーブの体制になる。
(これ以上は卓球でってことか……)
俺もバック側でサーブの形に入る。
今から、本当の意味で卓球をやる。そう考えるとワクワクしてくる。今までにない感情に俺は少しだけ戸惑ったが、すぐに順応してくる。
(早くやりたい……!)
そう思ったその時には、すでに俺はトスを上げていた。
まだ出すサーブは決まっていない、がそんなのはすでにどうでもよかった。
高く上がった球が頂点へ達し、そのまま落下してくる。
(みんなの思いを、自分自身の思いを、西本に伝えたいことを乗せて!!)
俺はその思いを真っ直ぐ伝えるため、バック側からナックルロングサーブを放った。
「……!?」
西本が一瞬困惑したように見えたが、すぐに真剣な表情に戻ってバックドライブをループ気味に打つ。
バックに来ることは予測できていたので、俺はすぐに回り込んでからフォアカウンターで相手のミドルに攻撃した。
(だいぶ際どい所を突いたけど……)
しかし、西本は余裕のある動作であっさりとフォアカウンターをしてきた。
――――――甘いな。所詮その程度か。
そう言われたような、殴りかかってくるような感覚に俺は一瞬ひるんだ。
(けど………負けられないのはお前だけじゃない!!!)
すると、俺の頭の中で突然イメージが出てきた。一見氷のように冷静な、しかし灼熱を帯びたあの清水の試合が。
同時に俺の感覚にも変化が出た。
(ボールが、ゆっくり見える……!?)
これならいける!そう直感した俺はフォアに来たボールを飛びついて確実にラケットで上側を擦り、狙うべきコースにカウンターをした。
そのボールはわずかに空いた隙――――――西本側のフォアサイドめがけて進んでいく。
そしてボールはサイドラインぎりぎりに着き、そのまま台の外に出ていった。
西本はそれを追いかけようとする。しかし不可能だと思ったのだろう、途中で追いかけるのをやめていた。
「ワンラブ」
得点が入り、1-0となる。たった一点。それでも点数以上にこの得点には意味があったと思う。なぜなら。
「俺は……一人じゃなかったんだな」
俺の中には確かに仲間がいた。それを確信することが出来たからだ。
「……いける。いけるぞ!」
それを確信して俺の中には自信が、希望が宿った。
ちょうどその時、ボールを拾ってきた西本が俺に球を投げ渡した。
「……どうやら少しはやるようになったようだな」
「ああ。どうやら俺の今までのプレーは少し霞んでいたらしいが……今ならお前にだって引けを取らないぐらいの試合ができる!」
「ほう……?それはおもしろい」
西本はそう言うと、俺のほうを指さし。
「さあ――――――卓球をやろうじゃないか!」
「ああ!全力でぶつかってやる!」
こうして試合はほぼ互角のまま進んでいく。時には西村先輩のように少しだけカットショットを取り入れたり。宮崎や木村のように遊びを取り入れてみたり。近藤みたいに攻め攻めのプレーをした。もちろん自己流にアレンジして。
他にも今まで練習したこと、今までの試合で得たもの。そのすべてを自分の実力に還元し、サーブやレシーブにその他の技術に取り入れたりと、俺はいままでの練習の成果に加えて試してみたかったことを積極的に取り入れてプレーした。
西本もさっきまでとは違い動きや反応速度、色々な技術全般がけた違いにパワーアップしていた。
(……すごい。すごいすごいすごい!)
試合が進むたびだんだん楽しくなっていく。点数を取った喜び、得点された時の悔しさ。色々な場面で色々な発見がある。そのすべてが『楽しい』という感情に変わっていく。
そして互いが互いを刺激していくかのように時間が経つにつれ戦いが激しくなっている。時には長い時間ドライブラリーを続けたりして会場が沸いているのが分かった。
(そっか。やっと分かった)
ついに第五セット。その途中、俺はやっと気づくことが出来た。
自分と試合相手。後ろに控えている仲間や、相手のチーム。顧問やコーチの方。この大会に出場していた他の選手。そして会場に来た観客たち。この一つの会場に集まったありとあらゆる人たちが一つとなって生まれるもの。それはきっとどのスポーツにも当てはまるかもしれない。けど何かの縁で集まった『今だからこそ』生まれるもの。数あるスポーツの中の一つ。それが――――――
「卓球、なんだな!」
こうして真夏の太陽のような灼熱を帯び、雷のように激しい戦いは両者僅差のまま続いていった――――――。
俺は卓球台に着くと、待ちくたびれた様子の西本が腕を組んで待っていた。
「遅い。セット間でどれだけ相手選手を待たせるつもりだ」
「ああ。本当に申し訳なかった」
こればかりは完全に俺のせいなので、俺は腰を折って西本に謝った。
「フン。これだけ待たせたんだ。………少しはマシになってるんだろうな?」
「ああ。やっとお前と卓球、出来そうだよ」
「……そうか」
短く返事をした西本は静かにレシーブの体制になる。
(これ以上は卓球でってことか……)
俺もバック側でサーブの形に入る。
今から、本当の意味で卓球をやる。そう考えるとワクワクしてくる。今までにない感情に俺は少しだけ戸惑ったが、すぐに順応してくる。
(早くやりたい……!)
そう思ったその時には、すでに俺はトスを上げていた。
まだ出すサーブは決まっていない、がそんなのはすでにどうでもよかった。
高く上がった球が頂点へ達し、そのまま落下してくる。
(みんなの思いを、自分自身の思いを、西本に伝えたいことを乗せて!!)
俺はその思いを真っ直ぐ伝えるため、バック側からナックルロングサーブを放った。
「……!?」
西本が一瞬困惑したように見えたが、すぐに真剣な表情に戻ってバックドライブをループ気味に打つ。
バックに来ることは予測できていたので、俺はすぐに回り込んでからフォアカウンターで相手のミドルに攻撃した。
(だいぶ際どい所を突いたけど……)
しかし、西本は余裕のある動作であっさりとフォアカウンターをしてきた。
――――――甘いな。所詮その程度か。
そう言われたような、殴りかかってくるような感覚に俺は一瞬ひるんだ。
(けど………負けられないのはお前だけじゃない!!!)
すると、俺の頭の中で突然イメージが出てきた。一見氷のように冷静な、しかし灼熱を帯びたあの清水の試合が。
同時に俺の感覚にも変化が出た。
(ボールが、ゆっくり見える……!?)
これならいける!そう直感した俺はフォアに来たボールを飛びついて確実にラケットで上側を擦り、狙うべきコースにカウンターをした。
そのボールはわずかに空いた隙――――――西本側のフォアサイドめがけて進んでいく。
そしてボールはサイドラインぎりぎりに着き、そのまま台の外に出ていった。
西本はそれを追いかけようとする。しかし不可能だと思ったのだろう、途中で追いかけるのをやめていた。
「ワンラブ」
得点が入り、1-0となる。たった一点。それでも点数以上にこの得点には意味があったと思う。なぜなら。
「俺は……一人じゃなかったんだな」
俺の中には確かに仲間がいた。それを確信することが出来たからだ。
「……いける。いけるぞ!」
それを確信して俺の中には自信が、希望が宿った。
ちょうどその時、ボールを拾ってきた西本が俺に球を投げ渡した。
「……どうやら少しはやるようになったようだな」
「ああ。どうやら俺の今までのプレーは少し霞んでいたらしいが……今ならお前にだって引けを取らないぐらいの試合ができる!」
「ほう……?それはおもしろい」
西本はそう言うと、俺のほうを指さし。
「さあ――――――卓球をやろうじゃないか!」
「ああ!全力でぶつかってやる!」
こうして試合はほぼ互角のまま進んでいく。時には西村先輩のように少しだけカットショットを取り入れたり。宮崎や木村のように遊びを取り入れてみたり。近藤みたいに攻め攻めのプレーをした。もちろん自己流にアレンジして。
他にも今まで練習したこと、今までの試合で得たもの。そのすべてを自分の実力に還元し、サーブやレシーブにその他の技術に取り入れたりと、俺はいままでの練習の成果に加えて試してみたかったことを積極的に取り入れてプレーした。
西本もさっきまでとは違い動きや反応速度、色々な技術全般がけた違いにパワーアップしていた。
(……すごい。すごいすごいすごい!)
試合が進むたびだんだん楽しくなっていく。点数を取った喜び、得点された時の悔しさ。色々な場面で色々な発見がある。そのすべてが『楽しい』という感情に変わっていく。
そして互いが互いを刺激していくかのように時間が経つにつれ戦いが激しくなっている。時には長い時間ドライブラリーを続けたりして会場が沸いているのが分かった。
(そっか。やっと分かった)
ついに第五セット。その途中、俺はやっと気づくことが出来た。
自分と試合相手。後ろに控えている仲間や、相手のチーム。顧問やコーチの方。この大会に出場していた他の選手。そして会場に来た観客たち。この一つの会場に集まったありとあらゆる人たちが一つとなって生まれるもの。それはきっとどのスポーツにも当てはまるかもしれない。けど何かの縁で集まった『今だからこそ』生まれるもの。数あるスポーツの中の一つ。それが――――――
「卓球、なんだな!」
こうして真夏の太陽のような灼熱を帯び、雷のように激しい戦いは両者僅差のまま続いていった――――――。
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