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「左腕の竜(蟲)」裏
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かつてこの世を君臨した神は両腕に破壊力のある蛇達を宿した。
だが、人々の信仰から性の開花を完全に知ろうとしない「完璧だと想える夜」が失われ、神の能力はヒトと呼ばれる子の何人かに受け継がれた。
レイはその一人で神の後を継ぐ左腕の竜(蟲)ライという少女を倒しに来た。
陽光の中、左腕の竜(蟲)を閃かすライは寿命を蝕まれていた。
「闘いを挑む。頼もう」レイはライしか居ない埃っぽい居城に乗り込んだ。着飾ったライはその寿命とは裏腹に健全そうな顔をしていた。
「完璧だと思える夜とはな、体が白濁して角も手足も磨りきれた蛇の事を言うのさ」とレイが言うと、「それは違う本当の完璧は白光の中左腕に宿す竜が飲み込まれない事なんだよ」とライは言った。
「取り引きをしないか?」というライの言葉にレイは神経質に爪を噛みながらも耳を傾けた。「能力を使い続けた私はもう寿命だ」若々しい顔で続ける。「お前の寿命を半分くれたら」この神の後継ぎの座を一旦譲ってやると。
記憶を無くした私がその座を奪還しにくるまで、栄華を楽しむと良い。レイは「判った」と決断してライの左腕と自分の右腕をあわせた。
不思議な模様が二人に光りとして降り注いだ後、体に染み込まれていった。
こうしてレイは豪奢な身なり、ライは質素な身なりに生まれ変わった。そしてライの姿が居城から消えた。
つづく
だが、人々の信仰から性の開花を完全に知ろうとしない「完璧だと想える夜」が失われ、神の能力はヒトと呼ばれる子の何人かに受け継がれた。
レイはその一人で神の後を継ぐ左腕の竜(蟲)ライという少女を倒しに来た。
陽光の中、左腕の竜(蟲)を閃かすライは寿命を蝕まれていた。
「闘いを挑む。頼もう」レイはライしか居ない埃っぽい居城に乗り込んだ。着飾ったライはその寿命とは裏腹に健全そうな顔をしていた。
「完璧だと思える夜とはな、体が白濁して角も手足も磨りきれた蛇の事を言うのさ」とレイが言うと、「それは違う本当の完璧は白光の中左腕に宿す竜が飲み込まれない事なんだよ」とライは言った。
「取り引きをしないか?」というライの言葉にレイは神経質に爪を噛みながらも耳を傾けた。「能力を使い続けた私はもう寿命だ」若々しい顔で続ける。「お前の寿命を半分くれたら」この神の後継ぎの座を一旦譲ってやると。
記憶を無くした私がその座を奪還しにくるまで、栄華を楽しむと良い。レイは「判った」と決断してライの左腕と自分の右腕をあわせた。
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