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王宮編
70の2.なんと!
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「お嬢様?」
「沙羅、どうした。まだ本調子ではないのか?」
二人が同時に私の心配をして呼びかけてくる。
ただでさえ心配させているんだ。これ以上私のために時間を割いたり、余計な気遣いはして欲しくない。
「なんでもないよ。起き抜けだったから、貧血か何かだったと思う。もう平気」
「この部屋……魔力の痕跡が残って……」
「大丈夫っ、だからっ。心配ないっ。早く部屋に戻ろうよ」
ラッセルの言いかけた言葉を半ばさえぎるようにして強引に話しを切り上げた。
頑なな私の態度を察してくれたのか、二人ともそれ以上は喋らずに、静かに移動準備を始めた。
「お嬢様、先ほどの事件が解決するまでの間、王宮内の魔力使用が禁止されています。ユーグレイ公の移動魔術も使えないとのことで、歩いての移動になりますが、よろしいですか?」
「うん、体力的にも大丈夫よ。さぁ、早く帰ろ」
あの気持ち悪い男がいた空間から一刻も早く抜け出したくて、一番最初に部屋を出た。
「そういえばミリィちゃん、ハルには会った? 今日はお出かけみたいだけど」
「はい、殿下には事前に。大変ご無礼をしてしまって、合わせる顔もございませんでしたが、おおらかな方ですね、すぐにお許しくださいました。むしろ同級生として直さなければならない箇所は指摘して欲しいとまで言われましたよ」
「そうなんだ。私からもお願い。ハルってば、たまにフラフラしちゃって頼りないところあるし。まだまだヘタレで甘ったれだからさ」
ほんの少しの苦笑いとバツが悪いような表情で、ハルと話したことを教えてくれた。一緒に聞いていたラッセルが、クスリと笑う。
「ん? 何よ、笑うとこなんてなかったでしょうに」
小馬鹿にされた感を感じ、ちょっとカッとなってラッセルに噛みつくと、面白そうな声をして会話に加わってきた。
「いや、沙羅お嬢様も殿下の気遣いができるほど成長されましたね、と思ってな」
「なっ、何よっ、エッラそうにっ! 言っとくけど私の方がアンタよりお姉さんなんだからねっ! 少しは歳上を敬いなさいよっ!」
「ああそうだったな。大変失礼しました、お姉様」
クスクスと笑いを噛み殺し、貴族の女性に対してのバカ丁寧な挨拶をするラッセルに、さらに小馬鹿にされたと思ってキツくにらみ返す。
シャーっと指を曲げて、ネコの威嚇のようなポーズをとってみたら、かなりツボに入ったらしく、壁に手をついて肩を震わせながら笑いを堪えている始末。
もうっ、知らんっ!
プイッとそっぽを向いた先には、完全に足を止めて私たちを愕然と見つめるミリィちゃんがいた。
あ、ヤバい……ミリィちゃんってば、私の年齢とか知らなかったよねぇ。てか、私とラッセルとコークス先生くらいじゃない? ホントの年齢知ってるのって。あ、あとハルがいたか。
「あー、あのね、ミリィちゃん。実は私、ホントの年齢を誤魔化してて……ホントは二十四歳なのっ。騙しててゴメンっ!」
バレたんなら早いうちに謝るのが問題解決の秘訣。
目をギュッと瞑って思いっきり彼女に向かって頭を下げた。
下げた頭を少しだけあげて薄っすらと目を開けると、未だに呆然としたミリィちゃんがそこにいる。衝撃がおおき過ぎたのか、まだ目の焦点が合っていない。
「ミ、ミリィちゃん? 驚くのも無理ないよね。だって私、ハルと同い年って……六つもサバ読んじゃってるし」
あーショック。
歳を誤魔化してるのは認識してたけど、実際に自分の口から事実をいうと、思いのほかショックを受けてしまう。
私ってばチョーオバサンじゃん。
やっぱ結婚するとかムリありすぎ。残念感ハンパないっス。第一私がハルと結婚する気にならないし、もうちょっと若い子がいいと思うんだよねぇ。
口にした自分の発言に落ち込んでいたら、やっとのことでミリィちゃんの口から言葉が出てきた。
「信じられない……」
ホントそうだよね、ゴメン。
穴があったら入りたい衝動にかられながも再び頭を下げて謝った。
「ユーグレイ公……『氷の魔術師』にこんな一面があるなんて……」
なんとっ、そっちかいっ!
「沙羅、どうした。まだ本調子ではないのか?」
二人が同時に私の心配をして呼びかけてくる。
ただでさえ心配させているんだ。これ以上私のために時間を割いたり、余計な気遣いはして欲しくない。
「なんでもないよ。起き抜けだったから、貧血か何かだったと思う。もう平気」
「この部屋……魔力の痕跡が残って……」
「大丈夫っ、だからっ。心配ないっ。早く部屋に戻ろうよ」
ラッセルの言いかけた言葉を半ばさえぎるようにして強引に話しを切り上げた。
頑なな私の態度を察してくれたのか、二人ともそれ以上は喋らずに、静かに移動準備を始めた。
「お嬢様、先ほどの事件が解決するまでの間、王宮内の魔力使用が禁止されています。ユーグレイ公の移動魔術も使えないとのことで、歩いての移動になりますが、よろしいですか?」
「うん、体力的にも大丈夫よ。さぁ、早く帰ろ」
あの気持ち悪い男がいた空間から一刻も早く抜け出したくて、一番最初に部屋を出た。
「そういえばミリィちゃん、ハルには会った? 今日はお出かけみたいだけど」
「はい、殿下には事前に。大変ご無礼をしてしまって、合わせる顔もございませんでしたが、おおらかな方ですね、すぐにお許しくださいました。むしろ同級生として直さなければならない箇所は指摘して欲しいとまで言われましたよ」
「そうなんだ。私からもお願い。ハルってば、たまにフラフラしちゃって頼りないところあるし。まだまだヘタレで甘ったれだからさ」
ほんの少しの苦笑いとバツが悪いような表情で、ハルと話したことを教えてくれた。一緒に聞いていたラッセルが、クスリと笑う。
「ん? 何よ、笑うとこなんてなかったでしょうに」
小馬鹿にされた感を感じ、ちょっとカッとなってラッセルに噛みつくと、面白そうな声をして会話に加わってきた。
「いや、沙羅お嬢様も殿下の気遣いができるほど成長されましたね、と思ってな」
「なっ、何よっ、エッラそうにっ! 言っとくけど私の方がアンタよりお姉さんなんだからねっ! 少しは歳上を敬いなさいよっ!」
「ああそうだったな。大変失礼しました、お姉様」
クスクスと笑いを噛み殺し、貴族の女性に対してのバカ丁寧な挨拶をするラッセルに、さらに小馬鹿にされたと思ってキツくにらみ返す。
シャーっと指を曲げて、ネコの威嚇のようなポーズをとってみたら、かなりツボに入ったらしく、壁に手をついて肩を震わせながら笑いを堪えている始末。
もうっ、知らんっ!
プイッとそっぽを向いた先には、完全に足を止めて私たちを愕然と見つめるミリィちゃんがいた。
あ、ヤバい……ミリィちゃんってば、私の年齢とか知らなかったよねぇ。てか、私とラッセルとコークス先生くらいじゃない? ホントの年齢知ってるのって。あ、あとハルがいたか。
「あー、あのね、ミリィちゃん。実は私、ホントの年齢を誤魔化してて……ホントは二十四歳なのっ。騙しててゴメンっ!」
バレたんなら早いうちに謝るのが問題解決の秘訣。
目をギュッと瞑って思いっきり彼女に向かって頭を下げた。
下げた頭を少しだけあげて薄っすらと目を開けると、未だに呆然としたミリィちゃんがそこにいる。衝撃がおおき過ぎたのか、まだ目の焦点が合っていない。
「ミ、ミリィちゃん? 驚くのも無理ないよね。だって私、ハルと同い年って……六つもサバ読んじゃってるし」
あーショック。
歳を誤魔化してるのは認識してたけど、実際に自分の口から事実をいうと、思いのほかショックを受けてしまう。
私ってばチョーオバサンじゃん。
やっぱ結婚するとかムリありすぎ。残念感ハンパないっス。第一私がハルと結婚する気にならないし、もうちょっと若い子がいいと思うんだよねぇ。
口にした自分の発言に落ち込んでいたら、やっとのことでミリィちゃんの口から言葉が出てきた。
「信じられない……」
ホントそうだよね、ゴメン。
穴があったら入りたい衝動にかられながも再び頭を下げて謝った。
「ユーグレイ公……『氷の魔術師』にこんな一面があるなんて……」
なんとっ、そっちかいっ!
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