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転移編
6の1.何で固まるのっ!
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やって来ましたハルの家。
ここに着くまで一歩も歩かせてもらえなかった。ずっと抱っこのまま、背中や頭をスリスリ、スリスリ……
「……鬱陶しいわぃ! やめろってば」
「でもこの毛並み、触ってると気持ちいいんだよねぇ」
サランディアさんの家から移動中、ずっとこの繰り返しだった。
ハルの家は王都とサランディアさんの家との中間くらいの、キーラ、という街の一角なんだそうだ。
街並みは私が想像していたよりもずっと清潔で秩序があり、国の基盤や治安維持がしっかり保たれているんだと思わせるような造りになっている。
「なんかどっかで見たような街なんだよなぁ。ファンタジーのお約束だから、この中世の外国ぽい設定なんだろうけど……」
うーん、と首を捻っていると、玄関のドアがカチャッと開いて、綺麗なお姉さんが入ってきた。
「ハルー、お帰りー。しばらく顔見てなかったから、もう王都の学校入っちゃったかと思ったわよ。あら? 可愛いネコ連れてるじゃない、貸して」
「え、ヤダよ。サーラは俺のモン。それからちゃんとノックしてよ、彼女ビックリしてるでしょ? 待ったくレティはガサツなんだから」
はいはい、と言いながらレティと呼ばれたお姉さんは、私の襟首をヒョイと摘まんで自分の懐に移動させた。
「んー、可愛いー」
と言いながら抱きしめて、頬ずりまでしてくれるのだが、何せお姉さんの豊満なボディの一部が私の呼吸機能を停止させようと襲ってくる。
「っぷはっ。お姉さんの柔らかなお胸が、バインバインと私を襲うので息が苦しいです……」
「あらごめん。珍しいわね、喋れるネコなんて」
私はハルに説明したように、お姉さんにも自己紹介と現在私が置かれている状況を説明した。
「ふうん、わかったわ。ならあなたが帰る方法を見つけるまではここに住むってことね。よろしく、サーラ、私はレティシア、レティって呼んで。わからないことがあったら、このレティ様に聞きなさい。ハルなんかアテにならないからさ」
おー、頼り甲斐のあるお姉さんゲットだぜー。情報収集はこの二人にお願いしとくとしよう。
「ところでサーラ、まだ一度も元の姿に戻ってないのよね。住む場所も決まったことだし、ここはひとつ、お試しで変身してみない?」
確かに、サランディアさんに一部の魔法を解除してもらったとは言え、実際にどうなるかなんて体験してみないとわからないしね。瀕死の状態っぽい時の魔法だし、マトモに元に戻るという保証も今のところない。
変身とか言うと、スッピンから化粧した姿へ、とかを想像するしかないが、これから試すのはホンマモンの変身だ。
ファンタジーだからこその挑戦に、私のドキドキが止まらない。
「わ、わかった。一回挑戦してみるよ。ただし笑わないでよ」
「わかったわ」
「うん、サーラならどんな子でも可愛いと思うよ。俺期待しちゃうー」
おい、ハルってば……勝手にハードル上げんじゃないわよ。人間になってガッカリとか、ホント笑えないんですけど。
ええい、ままよっと考えて、外に準備してもらったタライに自分と月を映し出してみた。
パアッと水鏡が光り、眩しさが収まったと思うと、見慣れた人間の両手が現れた。
「やったーっ! 戻ってる、戻ってる!」
あまりの嬉しさにピョンピョン跳ねて、ハルに向かって飛びついた。
ん? ハルの様子が何か変?
と思った瞬間、ドーンと彼を押し倒してしまったようで「ぐぁっ」という声が頭の上の方から聞こえてきた。
「ごっめーん、あんまり久しぶりで自分の体重とか大きさ考えてなかったわ」
ハルから自分の体を離して、改めて彼を見てみると、真っ赤な顔をしてキツく目を瞑っている。
おんやぁ? と首を傾げてレティを見ると、レティはレティで、目をまん丸くしながら私を指差して固まっている。
「ハル? 頭打ってるけど大丈夫?」
心配して話しかけてみてるけど、ハルはビシッと固まったまま目を開けようとしない。
「サーラ、アンタのその格好、裸よりエロいわ。しかも十五の爽やか少年、初心なハルにはその距離マズいかも」
ここに着くまで一歩も歩かせてもらえなかった。ずっと抱っこのまま、背中や頭をスリスリ、スリスリ……
「……鬱陶しいわぃ! やめろってば」
「でもこの毛並み、触ってると気持ちいいんだよねぇ」
サランディアさんの家から移動中、ずっとこの繰り返しだった。
ハルの家は王都とサランディアさんの家との中間くらいの、キーラ、という街の一角なんだそうだ。
街並みは私が想像していたよりもずっと清潔で秩序があり、国の基盤や治安維持がしっかり保たれているんだと思わせるような造りになっている。
「なんかどっかで見たような街なんだよなぁ。ファンタジーのお約束だから、この中世の外国ぽい設定なんだろうけど……」
うーん、と首を捻っていると、玄関のドアがカチャッと開いて、綺麗なお姉さんが入ってきた。
「ハルー、お帰りー。しばらく顔見てなかったから、もう王都の学校入っちゃったかと思ったわよ。あら? 可愛いネコ連れてるじゃない、貸して」
「え、ヤダよ。サーラは俺のモン。それからちゃんとノックしてよ、彼女ビックリしてるでしょ? 待ったくレティはガサツなんだから」
はいはい、と言いながらレティと呼ばれたお姉さんは、私の襟首をヒョイと摘まんで自分の懐に移動させた。
「んー、可愛いー」
と言いながら抱きしめて、頬ずりまでしてくれるのだが、何せお姉さんの豊満なボディの一部が私の呼吸機能を停止させようと襲ってくる。
「っぷはっ。お姉さんの柔らかなお胸が、バインバインと私を襲うので息が苦しいです……」
「あらごめん。珍しいわね、喋れるネコなんて」
私はハルに説明したように、お姉さんにも自己紹介と現在私が置かれている状況を説明した。
「ふうん、わかったわ。ならあなたが帰る方法を見つけるまではここに住むってことね。よろしく、サーラ、私はレティシア、レティって呼んで。わからないことがあったら、このレティ様に聞きなさい。ハルなんかアテにならないからさ」
おー、頼り甲斐のあるお姉さんゲットだぜー。情報収集はこの二人にお願いしとくとしよう。
「ところでサーラ、まだ一度も元の姿に戻ってないのよね。住む場所も決まったことだし、ここはひとつ、お試しで変身してみない?」
確かに、サランディアさんに一部の魔法を解除してもらったとは言え、実際にどうなるかなんて体験してみないとわからないしね。瀕死の状態っぽい時の魔法だし、マトモに元に戻るという保証も今のところない。
変身とか言うと、スッピンから化粧した姿へ、とかを想像するしかないが、これから試すのはホンマモンの変身だ。
ファンタジーだからこその挑戦に、私のドキドキが止まらない。
「わ、わかった。一回挑戦してみるよ。ただし笑わないでよ」
「わかったわ」
「うん、サーラならどんな子でも可愛いと思うよ。俺期待しちゃうー」
おい、ハルってば……勝手にハードル上げんじゃないわよ。人間になってガッカリとか、ホント笑えないんですけど。
ええい、ままよっと考えて、外に準備してもらったタライに自分と月を映し出してみた。
パアッと水鏡が光り、眩しさが収まったと思うと、見慣れた人間の両手が現れた。
「やったーっ! 戻ってる、戻ってる!」
あまりの嬉しさにピョンピョン跳ねて、ハルに向かって飛びついた。
ん? ハルの様子が何か変?
と思った瞬間、ドーンと彼を押し倒してしまったようで「ぐぁっ」という声が頭の上の方から聞こえてきた。
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おんやぁ? と首を傾げてレティを見ると、レティはレティで、目をまん丸くしながら私を指差して固まっている。
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