異世界行って黒ネコに変身してしまった私の話。

しろっくま

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転移編

6の2.何で固まるのっ!

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   その格好ってどの格好?
 と自分を見たら、こっちの世界に飛ばされたルームウェアのままだった。

「別にエロくないと思うよ、いたって普通のルームウェアだし。抱き着いたのは悪かったわ。未成年押し倒しちゃったら犯罪よね」
「んー、犯罪にはならないんだけどね。ハルってアタシのハグにようやく慣れたくらい女性に免疫ないからさ、アンタのその格好だけでも刺激が強いんだよ」
「はあ……なるほど」

 夏場の盛りを少し過ぎた季節、しかもお風呂上がりだったから、ブラトップの上に透け感のあるパーカー、下はコットンの短パン、という、ちょい薄手な出で立ちだ。
 外に出るには恥ずかしいかもだけど、そんなにエロくはないと思うんだが……

「とりあえずアタシは服持ってくるから、サーラはハルのこと見といてね。頭打ってるし」
「うん、わかった」

 それにしても、ハルが十五ってのにビックリだわ。私より十歳くらい下ってどうよ、絶対見えなかったし。私よりちょい年下かなって感じだったもん。年齢詐称で訴えてもいいくらいよ。
 密着していた体を離し、ハルの側に座り直してから彼に聞いてみた。

「ねえハル、アンタ十五って嘘でしょ?   もっと上だよね。だいたい私の周りの十五っていったら、もうちょい初々しい感じだし、ハルみたいに色気ないし」
「な、なんだよ色気って!   俺は正真正銘の十五だ!    アンタが、ガキっぽ過ぎなんじゃねえのかよ!」

 ガバッと起き上がったハルだったが、私と目があった途端に「あぅ……」とか言ってまたへたり込んでしまった。

「あー、サーラ?   頼むから今は俺を挑発しないで。目のやり場に困っちまう……俺ホント女の人とあんま喋ったことないから」

 両手で顔を塞いで俯いて喋る姿は、確かに初心な少年を体現しているようで、思わずほっこりとしてしまった。
 ネコでいた時とのギャップにクスッと笑ってしまったが、こっちを見てないのでわからなかっただろう。彼の思わぬ一面をみれて満足した気分になった。

「ねえ、変に怒らせてごめん。目を瞑ったままでいいから少し話しをしようよ。なんでハルって女の人とあんまり接触なかったの?   学校とかで同級生とか一緒じゃなかった?」

 しばらく無言でいたハルだったが、やがて大きなため息をついてから、ポツリポツリと話し始めた。

「俺、ホントは十八。ケガしてしばらく寝てたから四年分みんなより遅れてるんだ。小さい頃は家が厳しくって、友達なんていなかったし、病院や療養所なんて大人ばっかだったしね」

 この国の学校は十五から三年間学び、将来の仕事の指針にするのだそうだ。文官になるも武官になるも、魔法使いとして国を守るのも、すべて本人の希望により将来の職場と職は保証されるという。

 ただし、国が保証してくれるのは、学校を卒業した一番最初の時期であり、就職するタイミングを逃したり、ドロップアウトした者は自力で仕事を獲得しなければならない。再就職者への風当たりは厳しく、転職してから自分の満足する職を手に入れる者は、ほんの一握りしかいないらしい。

「俺の場合、療養期間中の四年は猶予をもらってるから後ろめたくはないんだけどね、同級生と年が違うって変に敬遠されてもイヤだから十五って言ってんの。しかもみんな十八で仕事決めんのに、俺だけ特別視されるのもなんかね」

 へえ、ただの、のほほんとした少年だと思ってたら、意外といろんなこと考えてるんだ。

 しかしここの国ってもっと小さい頃から教育に力入れてるかと思ってたけど、そうでもないのかねぇ。
 もっといろんな情報を知りたいが、今はここまでにしておこう。

「ちなみにレティは……親戚筋のおばさん。学校行くまでの間、少しだけ自由にさせてもらったんだ、そのお目付役ってところかな」

 へ?   ハルのおばさんってことは結構年取ってるってことよね……レティ様、恐るべし魔性の女。

 その後、レティが持ってきてくれた服は、私のサイズではお胸の周りがカパカパしているようで、ガックリとうなだれてしまった。

 その様子を二人に見られて、腹を抱えて大笑いされたのはご愛嬌ということで。
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