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第1章
7話
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やっぱ思ったよりハードな一日だったみたいね、気づいたのは朝だったし。
しっかり着替えだけは済ませてるあたり、サーラたちに面倒みてもらったんだ、重かったでしょ? ごめんね。
今日から出勤じゃん。
少し早めに行かなきゃ。顏出しだけで今日は終わるけどさ。
制服、制服っと。……の前に何よこれ、長い布の束。
「サーラ? 制服の他に布が置かれてるけど」
「ああ、それですか。ニコラス様に成り切るにはさすがにその体型はマズいと奥様が」
「確かにそれは注意すべきとこよね」
「この布で、お可愛いらしい胸と貧弱な腰をグルグル巻きにしてボディメイクしますから」
ん? 今無視できない二つの単語が耳に届いたが? ギッとサーラをみても、思いっきりスルーされてしまう。そうだよね、哀しい事実は変えられない。
もういいです、ひと思いにやっちゃってください、サーラさん。
覚悟を決めた途端、サーラの目つきが変わる。お母様にまで声をかけて私をミイラに変身させる算段を始めた。何だろ、この二人のギラギラオーラは。朝からこのテンションはヤバいでしょ、サーラの鼻、膨らんでるからぁ。
私の悲鳴の回数分グルグル巻かれ、見事なミイラボディの完成だ。これに制服着込んで、と。気分は人型ロボットだけどね。決して酒樽型じゃないから、そこ大事。
そんじゃ出動。ニコル、行きまーーす!
「本日付けで移動になりました、ニコ……ラス・テイラードです。よろしくお願いします」
扉を開けて、即行挨拶した。新人イジメに合わない対策だ。
言ってから気がついた、何だこの部屋、汚なすぎやん……しかも誰もいないっつーのもどーよ?
慌てて時計を探した。うん、定時だよ? 私は遅刻してないし、早すぎでもない。何で? どういうこったぃ?
ゆっくりと部屋の中へ入り、散らばった書類をかき分けて机っぽいとこに荷物を置いた。
「うー……ぁぁ……」
ひえっと声を出しちゃったのは不可効力だから。地の底から出てきそうな唸り声とソファの上に長靴の先が見える。それに向かってもう一度声をかけてみよう。
「あのー……今日から……」
「ぅぅ、煩いっ! ったぁ、自分の声が痛ぇ」
相手はひどい二日酔いらしい、とりあえず水でも渡して会話できる状況まで持っていくか。水差し……も使わない方が安全っぽいし。ハア……とため息をついて、小さな声で「少し席を外します」と断りをいれて部屋をでた。
何だよあの部屋。汚すにも限度ってもんがあるでしょうに。あの人がまともに話せるようになったら、まずは掃除だな。あとは備品を倉庫からもらってくるか。と、その前に水。
わざわざ食堂まで出向いて水をもらって、部屋の住人に手渡した。酔いを醒ましてもらう間に備品調達をして、ついでに掃除道具まで確保した。申請とか必要なんかな? とりあえずお父様の名前で拝借した一覧を倉庫に貼り出して部屋に戻った。
入り口近くを手早く片付け、住人はそこの一角に退去してもらうことにした。煩ければ廊下にでも出てるだろうし、私も動きやすい。
さあ、始めよう。窓を開け、床の書類集めから始まり、ある程度の目処がつく頃にはお昼もだいぶ過ぎた時間だった。
「お前、すげぇなぁ、この部屋の床が見えるなんて日が来るとは思わんかったぜ」
「まだ執務室としては機能しないよ? 何てったって書類の区分ができてないからね、あとは団長の仕事。って、ああ、もうお昼も過ぎてるし!」
今日は団長の王子様も不在っぽいし、明日出直すってことでいいよね? ご飯食べて帰ろっと。一応この人に明日出直す旨伝えておいたし、手落ちはないね、そんじゃ帰る。
「おい、昼メシまだなんだろ? 片付けの礼だ、奢ってやるよ。ちょっと待ってろ」
男が制服を羽織りながら髪の毛を軽く整える。あら意外、結構いい男じゃないか。目の保養も兼ねて食事を付き合ってやらんでもない。ちょっと上機嫌になりつつあった時、爆弾が投下された。
「ところでお前、女装が趣味なの?」
しっかり着替えだけは済ませてるあたり、サーラたちに面倒みてもらったんだ、重かったでしょ? ごめんね。
今日から出勤じゃん。
少し早めに行かなきゃ。顏出しだけで今日は終わるけどさ。
制服、制服っと。……の前に何よこれ、長い布の束。
「サーラ? 制服の他に布が置かれてるけど」
「ああ、それですか。ニコラス様に成り切るにはさすがにその体型はマズいと奥様が」
「確かにそれは注意すべきとこよね」
「この布で、お可愛いらしい胸と貧弱な腰をグルグル巻きにしてボディメイクしますから」
ん? 今無視できない二つの単語が耳に届いたが? ギッとサーラをみても、思いっきりスルーされてしまう。そうだよね、哀しい事実は変えられない。
もういいです、ひと思いにやっちゃってください、サーラさん。
覚悟を決めた途端、サーラの目つきが変わる。お母様にまで声をかけて私をミイラに変身させる算段を始めた。何だろ、この二人のギラギラオーラは。朝からこのテンションはヤバいでしょ、サーラの鼻、膨らんでるからぁ。
私の悲鳴の回数分グルグル巻かれ、見事なミイラボディの完成だ。これに制服着込んで、と。気分は人型ロボットだけどね。決して酒樽型じゃないから、そこ大事。
そんじゃ出動。ニコル、行きまーーす!
「本日付けで移動になりました、ニコ……ラス・テイラードです。よろしくお願いします」
扉を開けて、即行挨拶した。新人イジメに合わない対策だ。
言ってから気がついた、何だこの部屋、汚なすぎやん……しかも誰もいないっつーのもどーよ?
慌てて時計を探した。うん、定時だよ? 私は遅刻してないし、早すぎでもない。何で? どういうこったぃ?
ゆっくりと部屋の中へ入り、散らばった書類をかき分けて机っぽいとこに荷物を置いた。
「うー……ぁぁ……」
ひえっと声を出しちゃったのは不可効力だから。地の底から出てきそうな唸り声とソファの上に長靴の先が見える。それに向かってもう一度声をかけてみよう。
「あのー……今日から……」
「ぅぅ、煩いっ! ったぁ、自分の声が痛ぇ」
相手はひどい二日酔いらしい、とりあえず水でも渡して会話できる状況まで持っていくか。水差し……も使わない方が安全っぽいし。ハア……とため息をついて、小さな声で「少し席を外します」と断りをいれて部屋をでた。
何だよあの部屋。汚すにも限度ってもんがあるでしょうに。あの人がまともに話せるようになったら、まずは掃除だな。あとは備品を倉庫からもらってくるか。と、その前に水。
わざわざ食堂まで出向いて水をもらって、部屋の住人に手渡した。酔いを醒ましてもらう間に備品調達をして、ついでに掃除道具まで確保した。申請とか必要なんかな? とりあえずお父様の名前で拝借した一覧を倉庫に貼り出して部屋に戻った。
入り口近くを手早く片付け、住人はそこの一角に退去してもらうことにした。煩ければ廊下にでも出てるだろうし、私も動きやすい。
さあ、始めよう。窓を開け、床の書類集めから始まり、ある程度の目処がつく頃にはお昼もだいぶ過ぎた時間だった。
「お前、すげぇなぁ、この部屋の床が見えるなんて日が来るとは思わんかったぜ」
「まだ執務室としては機能しないよ? 何てったって書類の区分ができてないからね、あとは団長の仕事。って、ああ、もうお昼も過ぎてるし!」
今日は団長の王子様も不在っぽいし、明日出直すってことでいいよね? ご飯食べて帰ろっと。一応この人に明日出直す旨伝えておいたし、手落ちはないね、そんじゃ帰る。
「おい、昼メシまだなんだろ? 片付けの礼だ、奢ってやるよ。ちょっと待ってろ」
男が制服を羽織りながら髪の毛を軽く整える。あら意外、結構いい男じゃないか。目の保養も兼ねて食事を付き合ってやらんでもない。ちょっと上機嫌になりつつあった時、爆弾が投下された。
「ところでお前、女装が趣味なの?」
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