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第2章
39話
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「ただいま~」
「お帰り、姉上。またずいぶんと派手な立ち回りをしたものだねぇ」
腕を吊ってニコラスが現れ、階段の上から不機嫌そうな声で私に挨拶してくれた。
うっ、と固まって、上目遣いにゆっくりと階段を見上げると、今まで見たこともないようなニコラスが、デーンと構えていた。まるで鬼みたいな顔なの、あのニコラスがだよ?
「ハハ……まあ、何と言いますか、たまたまですが殿下の命を救えたので、よかったなと思ってる次第です……ごめんなさい」
最後は消え入りそうな声でションボリと謝った。ニコラスはハアッと大きなため息を吐いて階段を降り、吊ってない方の手を頭に回して、ギュッと抱きしめてくれた。
「ジェイク様だって私以上に心配なさってるんですからね、イタズラ心に危なっかしいことはしないで下さい」
「うん、今回ばかりはホントに恐かった。外国の情勢とか、自分には関係ない世界だと思ってたから。反省してます」
「わかったならよろしい。これからは女性らしく過ごした方がいいですよ。なんてったって王族になる訳ですから」
あん? 何だって? 何で王族になるの?
理解できなくて眉をひそめながら首を傾げてると、呆れたニコラスがガッツリと説明してくれた。
「いいですか? ジェイク様は第三王子なのですよ? その方と結婚するとなったら、姉上は王族に組み込まれるんですよ。姉上の産む子供には継承権まで付くと思いますけど?」
ほえ? 今さらながら、ジェイクってすごいんだ、とか思っちゃった。考えてみれば、お兄さんたちに何か問題があったらジェイクが王様になることだってあり得るんだ。
子供? あんなことやらこんなことして出来ちゃうワケだし。結婚するとシちゃうワケだしぃ……
あらあら、アルベリアの使者とかそこらへんの貴族に関わって死ぬ目に遭うなんて、トンデモないってやっと実感してきた……私が人質になったらジェイクってば逆らえそうにないモンね。そんだけ想われてるってことなんだけど。えへへ。
いろんな考えが頭の中でグルグル渦巻いて、ヤバい、ちょっと顔が赤くなってくる。赤ちゃんだってさ。キャー、恥ずかしい。
両手で顔を覆い俯くと、ニコラスが鼻をフンと鳴らして私に言った。
「今さら照れてどうするんですか、全く無自覚にも程がありますからね。姉上は騎士団行きも控えてください、いいですか?」
「はぁい、わかった……です」
、
いつも以上に厳しいニコラスの物言いに、少しシュンとしながらも、素直に聞くことにした。しばらくは静かにしてるよ、ホントに。
珍しく聞き入れた私に対して、ホッとした表情をしながら頭をポンとひと撫でしてくれた。
なんかニコラスの方が年上になったみたいで変な感じ。いつまでも小さな弟のつもりだったのに、知らないうちに成長してるのね、ちょっと誇らしく思って微笑んだ。
「ニコーーーーーール!」
え? 空耳かしら?
お父様の声が聞こえる。予定ではまだエリン公国に出張だよねぇ。
バンッという音とともに玄関の扉が開かれ、お父様が顔を出す。
「ニコルっ、無事か?」
「あら、お父様、お早いお戻りで」
「お戻りで、じゃないっ。刺されたと聞いて、慌てて戻ってきた。何で王宮なんかに居たんだ。確かニコラスの休暇届けを出しただけだよなぁ」
んぎゃっ、お父様は私の両肩に手を置いて前後に揺すぶる。あわわわ……
「ただの休暇届け提出で、なんでお前が第二王子の護衛やったり、パーティーにニコラスの格好で出たりしたんだ?」
「父上、パーティーに私の格好で、とは?」
「ああ、第二王子から命を救ってもらったお礼を言われたのと、パーティーに潜入して内偵を手伝っていたらしい、と聞かされたよ。全くお前はなんて落ち着きがない娘なんだ」
うっわぁ、ラスティ様ったら、なんでお父様にまでバラすのよ。そんなことまで伝わったら、当分騎士団まで行けないじゃないの……
まあ、ニコラスには止められてるけどさっ。
「はあ? あ、姉上っ、そんな、の……聞いてないですよっ、もう、いい加減にしなさーーーーいっ!」
「だ、だってそれはっ」
「だってもそれもなーーーーいっ!」
「ひゃぁ、ご、ごめんなさーーーーい」
いや、ホント悪かったって。
「お帰り、姉上。またずいぶんと派手な立ち回りをしたものだねぇ」
腕を吊ってニコラスが現れ、階段の上から不機嫌そうな声で私に挨拶してくれた。
うっ、と固まって、上目遣いにゆっくりと階段を見上げると、今まで見たこともないようなニコラスが、デーンと構えていた。まるで鬼みたいな顔なの、あのニコラスがだよ?
「ハハ……まあ、何と言いますか、たまたまですが殿下の命を救えたので、よかったなと思ってる次第です……ごめんなさい」
最後は消え入りそうな声でションボリと謝った。ニコラスはハアッと大きなため息を吐いて階段を降り、吊ってない方の手を頭に回して、ギュッと抱きしめてくれた。
「ジェイク様だって私以上に心配なさってるんですからね、イタズラ心に危なっかしいことはしないで下さい」
「うん、今回ばかりはホントに恐かった。外国の情勢とか、自分には関係ない世界だと思ってたから。反省してます」
「わかったならよろしい。これからは女性らしく過ごした方がいいですよ。なんてったって王族になる訳ですから」
あん? 何だって? 何で王族になるの?
理解できなくて眉をひそめながら首を傾げてると、呆れたニコラスがガッツリと説明してくれた。
「いいですか? ジェイク様は第三王子なのですよ? その方と結婚するとなったら、姉上は王族に組み込まれるんですよ。姉上の産む子供には継承権まで付くと思いますけど?」
ほえ? 今さらながら、ジェイクってすごいんだ、とか思っちゃった。考えてみれば、お兄さんたちに何か問題があったらジェイクが王様になることだってあり得るんだ。
子供? あんなことやらこんなことして出来ちゃうワケだし。結婚するとシちゃうワケだしぃ……
あらあら、アルベリアの使者とかそこらへんの貴族に関わって死ぬ目に遭うなんて、トンデモないってやっと実感してきた……私が人質になったらジェイクってば逆らえそうにないモンね。そんだけ想われてるってことなんだけど。えへへ。
いろんな考えが頭の中でグルグル渦巻いて、ヤバい、ちょっと顔が赤くなってくる。赤ちゃんだってさ。キャー、恥ずかしい。
両手で顔を覆い俯くと、ニコラスが鼻をフンと鳴らして私に言った。
「今さら照れてどうするんですか、全く無自覚にも程がありますからね。姉上は騎士団行きも控えてください、いいですか?」
「はぁい、わかった……です」
、
いつも以上に厳しいニコラスの物言いに、少しシュンとしながらも、素直に聞くことにした。しばらくは静かにしてるよ、ホントに。
珍しく聞き入れた私に対して、ホッとした表情をしながら頭をポンとひと撫でしてくれた。
なんかニコラスの方が年上になったみたいで変な感じ。いつまでも小さな弟のつもりだったのに、知らないうちに成長してるのね、ちょっと誇らしく思って微笑んだ。
「ニコーーーーーール!」
え? 空耳かしら?
お父様の声が聞こえる。予定ではまだエリン公国に出張だよねぇ。
バンッという音とともに玄関の扉が開かれ、お父様が顔を出す。
「ニコルっ、無事か?」
「あら、お父様、お早いお戻りで」
「お戻りで、じゃないっ。刺されたと聞いて、慌てて戻ってきた。何で王宮なんかに居たんだ。確かニコラスの休暇届けを出しただけだよなぁ」
んぎゃっ、お父様は私の両肩に手を置いて前後に揺すぶる。あわわわ……
「ただの休暇届け提出で、なんでお前が第二王子の護衛やったり、パーティーにニコラスの格好で出たりしたんだ?」
「父上、パーティーに私の格好で、とは?」
「ああ、第二王子から命を救ってもらったお礼を言われたのと、パーティーに潜入して内偵を手伝っていたらしい、と聞かされたよ。全くお前はなんて落ち着きがない娘なんだ」
うっわぁ、ラスティ様ったら、なんでお父様にまでバラすのよ。そんなことまで伝わったら、当分騎士団まで行けないじゃないの……
まあ、ニコラスには止められてるけどさっ。
「はあ? あ、姉上っ、そんな、の……聞いてないですよっ、もう、いい加減にしなさーーーーいっ!」
「だ、だってそれはっ」
「だってもそれもなーーーーいっ!」
「ひゃぁ、ご、ごめんなさーーーーい」
いや、ホント悪かったって。
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