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出会い
空から。
しおりを挟むいつもと同じように、部活が終わって帰路につく。部活の友達と1人だけ家の方向が違う俺は、早足で帰り出す。
団地の曲がり道に差し掛かった時だった。上から…空から。何かが落ちてきたのである。
一瞬の眩い光と、耳を塞ぎたくなるほど大きな音を連れて、何かが落ちてきたのである。
自分の目の前に落ちたものを確認すれば、それは、身長が小さいと言われる俺よりも、さらに小さな、綺麗な長い黒髪に不健康に見える白い肌、ルビーをはめ込んだかのように赤く美しい瞳の、同い年か年下くらいの女の子だった。不思議な服を着て、よくアニメやゲームで見る魔法陣がその子の周りにクルクルと回っていた。
「…だ、大丈夫、ですか?」
目の前に落ちた以上、周りに誰もいないとはいえ変な正義感が溢れてきたので、声をかけてみた。あきらかに不審だし、本当に人間だったらあれほどの衝撃食らったら死ぬはずだけど、そもそもそこまで考えられないほどに混乱していたのかもしれない。そもそもありえないことが起きてしまえば、誰だって混乱して思いもよらぬ行動に至ってしまうのだろう、そう信じることにした。
声をかけたわずか数秒後。目がぼんやりと空いて、指や手首がぴくっと動いたと思うと、何事も無かったかのように、派手な着地を痛がる素振りもせずに女の子は立ち上がった。
もはや頭で理解できる域を超えすぎて呆然とし女の子を見つめるしかなかった。立っているとわかる、結構長い…腰より長い髪の毛、美しく、相手を怯ませるような赤い瞳。そしてなにより、ちょこんっと出てきた黒い羽。そりゃあ、いきなり過ぎて言葉を出そうとすると喉が閉ざされるような感覚だ。体がいうことを聞かないくらい驚いたということだろう。
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