泡影の異世界勇者《アウトサイダー》

吉銅ガト

文字の大きさ
35 / 74
第2章 王都フレンテと魔王の影

33話 王城前防衛戦

しおりを挟む
 突如として王都の各所に現れたドラゴンたち。俺を含めたマナーゼンたちによって大きな被害を出すこともなくドラゴンたちは討伐されたが、それから少しして、今度は王城の前に五倍ほどの大きさはあろうかという黄金色の竜が襲来した。そしてその巨竜は、あろうことか光線を放ち堅牢そうな王城に巨大な穴を穿って見せたのだった。

 ようやく視覚と聴覚が元に戻り、なんとなくではあるが俺はこの竜の、ひいては先ほどの竜たちの襲撃の目的が分かった気がした。恐らく狙われているのは王城に住まう王その人だ。そして俺たちが倒した黒い竜の襲撃は、黄金の竜が王城を襲うまでの時間稼ぎ、あるいはこちら側の戦力の分散を狙っていたのだろう。
 幸いなことにさっきの黒いドラゴンなら通り抜けられそうなほどの穴を開けられても王城は崩れ落ちるなどということにはならなかったが、今もなお、ここフレントーラの国王が存命かどうかは不明だ。ぼろぼろと大穴の近辺から瓦礫をこぼす王城に向かって黄金の巨竜はゆっくりと歩を進めていく。まるで標的がまだ生存していることが分かっているかのような行動だが、果たしてこの魔物にそれほどの感知能力、そもそもそれほどの知性があるのだろうか。
 四足で城へ近づいた巨竜は手前で立ち止まると、上体を逸らして二足で立ち上がると右腕を大きく振り上げた。光線の一撃で崩壊しなかった王城を、今度こそはその膂力を以ってまるで積み木の城のように突き崩す気なのだ。
 上限まで振り上げられた黄金の右腕が王城目がけて振り下ろされる。あまりのスケールの大きさに、なんだか特撮映画を見ているような感覚にさせられる。現実離れしたその光景を俺たちは一歩たちとも動けずにただ眺めていた。

 そして巨竜の鉤爪付きの節くれだった腕が王城を叩き崩さんとした瞬間。突如として飛来した氷の槍が曇り空の薄明りを反射して煌めきながらドラゴンの手に直撃した。それに続いて次々に岩石やら黒い矢やら光線やらが飛んでいき、竜の攻撃を阻止していく。これにはさすがの巨竜も焦りを見せて一旦王城から後退った。
「王城を死守しろおお!! これ以上魔物どもの好きにはさせんぞおお!!!」
「おう!!!」
 男の叫び声に続いて大勢の男の野太い雄たけびが響き渡る。そこでようやく竜のプレッシャーから解放された俺は窓に飛びつくように近づいて声の方向を見やる。そこにいたのは王都に点々を散らばっていたはずの歴戦のマナーゼンたちだった。

 自慢の武器を手に果敢にも巨竜に飛びかかっていく者、後方から魔法を飛ばして攻撃する者、そして彼らを守るために大盾を並べ構える者。マナーゼンたちの役割はそれぞれでバラバラだが、むしろそれらがうまく噛み合い圧倒的な体格差のあるドラゴンを押していく。
 しかし、彼らが相対しているのは人間などとは比べ物にならないほど強大で凶悪な魔物なのだ。怒りを隠せない様子の黄金のドラゴンはうるさい羽虫を払うかのように全長の半分を占める棘付きの尾を鞭のように振り回した。最前線で戦って居たマナーゼンたちが尾の直撃を食らってあっけなく弾き飛ばされていく。周りのマナーゼンたちを蹴散らし終えると今度は口を開いて光線を発射する。王城への照射よりは多少威力が低いおかげでなんとか視認できるその光線は、後方のマナーゼンたち目がけて左右に薙ぎ払われていき、あちこちで断末魔の叫び声とも思える悲鳴が上がった。この化け物は人間がどうこうできる範疇から外れている、俺はそう思ってしまった。こいつは魔物ではなく、もはや災害だ。
 マナーゼンたちから大幅に戦力を奪ったドラゴンは一旦彼らから距離を取ると、何を思ったか雨の降る空に向かって咆哮を上げた。先ほどまでの威嚇するような吠え声とはどこか異なる大音響が空一杯に響いた数秒後、それに応答するように同じような声が空から聞こえてきた。空を滑るようにして下りてきたのは三体の黒い竜。俺が戦ったものと同じくらいの大きさの黒竜たちは、まだ生き残っているマナーゼンたちを蹂躙せんと襲い掛かっていく。そしてその脅威の矛先は俺たちの今いる集会所にも向けられていた。
「こっちに来る……っ! みんな伏せろおおッ!!」
 俺の突然の叫び声に反応したのは窓側で竜たちの襲撃を見ていた人たち。しかし、大多数の人々は何が起こったのかわからない様子でこちらを見返している。刹那、集会所の壁を突き破って黒い竜が飛び込んできた。そのまま集会所の中央辺りに突っ込んでいき、伏せることが出来なかった人たちが無残にも薙ぎ倒されていく。まずい、まずいすぎる。ドラゴンが入ってきたことで集会所の中は逃げ惑う人で混乱状態、たとえ外に逃げたとて他のドラゴンたちが待ち構えているので、事実上ここに逃げ場は存在しないのだ。唯一の活路はこのドラゴンを倒すことでしか開かれない。
「くそ! 俺が相手だッ!」
 痛む体に鞭打って、俺は鞘から剣を抜き放つと全速力で竜の眼前に躍り出た。この集会所には俺以外のマナーゼンはいなかったので恐らくこのドラゴンに立ち向かうことが出来るのも俺だけということになる。体は無論万全の状態からは程遠いがそんな言い訳をこぼしている暇はないのだ。
「ゴアアアアアッ!!」
 至近距離で黒い竜が咆哮を轟かせ両腕を振り上げる。大木のようなあの腕にそして鋭い爪に少しでも当たろうものなら俺の体はあっけなく粉砕されてしまうだろう。俺は体内のマナを根こそぎ足に集めて後方に向けて纏いを発動した。マナが空っぽになった時特有の虚脱感を覚える中、ぎりぎり回避に成功した俺の顔を数センチ先を爪がまっすぐ下に振り下ろされていき、集会所の板張りの床がめちゃくちゃに破壊される。
 集会所のあちこちから悲鳴が上がっているのだろうが、俺の耳にはもはや届いてなどいなかった。この化け物を殺すのには集会所の他の人たちを巻き込まないように細心の注意を払う必要がある。もし俺以外に人がいないのであれば逃げ回って地の利を生かすような戦い方もできたかもしれないが、今回は周りに人がいるため、結果的に平坦な集会所の中央でのみの戦闘に限定されているのだ。となれば体格が俺よりもはるかに大きい奴の方が圧倒的に有利になる。
 背中を汗が流れるのを感じながら俺は左手でグアルドの短剣を引き抜いた。狙いはドラゴンの腕と足。正確に斬撃を刺しこめれば奴の動きを停止させることが出来るかもしれない。俺は倒れそうなほど姿勢を低くしてドラゴンに向かって飛び出した。治療院での戦闘も含め、奴の腕攻撃はいったん腕を振り上げてから行われている。そこで体を低くして全力て突っ込めば攻撃をかいくぐれるのではないかと考えたのだ。俺の読み通りドラゴンは走り寄る俺を叩き潰さんと左腕を持ち上げ始めたので、しめたとばかりに地面を蹴る足を速めてドラゴンの腹の下に滑り込んだ。背後にドラゴンの左腕が地面に叩きつけられた騒音と風圧を感じながら、そのまま駆け抜けて未だ地に着いた右腕の裏に二刀で斬撃を放つ。分厚い鱗に覆われた表側よりも幾分柔らかいその皮を切り裂き、中にある恐らく腱と思しき太いひものようなものを断ち切ったところで俺はドラゴンの下から半ば転がるようにして脱出した。俺が再びドラゴンのほうに向きなおろうとした瞬間に反撃の尻尾の一閃が走り、俺は反応することもできずに胸当ての下あたりに直撃を食らった。瞬間、肺の中の空気が一気に吐き出され、真っ赤に熱した鉄の塊を叩きつけられたかのような激痛が襲いかかり、俺の体はゴム毬よろしく床をバウンドしながら壁の近くに置いてあった木箱の山に背中から突っ込んだ。俺が装備している胸当てはささやかだが背中側にも装甲が付いているので木箱の破片が突き刺さるようなことにはならなかったが、だからと言って無傷だというわけでは全くなく、全身を打ち付けて俺は声も出せずに転がっていた。もはや自分の体がどこまであるのか分からないほどに四肢の感覚が激痛と引き換えにどこかへ行ってしまっているようだ。口端からはな像の損傷が原因であろう血が絶え間なく零れ続けていた。
 すぐに立ち上がらなければと力を込めるが、俺の体はピクリとも動かない。かすかに見える視界の中で怒りの希薄を放射するドラゴンがこちらに向かってきているのが見えた。諦める気は毛頭ないが体が動かせないのでもうどうしようもないのだ。そもそも両手に握っていたはずの剣がどちらも見当たらないので、もし動いたとしても無謀ではあるが。
 しかしその絶望的な状況は一瞬の出来事で大きく動いた。ゆっくりと接近してくるドラゴンと俺の間にきらりと光る小さな何かが投げ込まれると、地面に激突して控えめな破砕音とともに真っ白い煙が爆発した。先も見通せないほどの濃い煙の中で誰かが俺を背後から持ち上げて引きずっていく。物陰まで引きずられた後、影にもたれかかるような姿勢にされた俺は何者かに頬をぺちぺちと叩かれた。
「おい、まだ意識はあるか?」
 そのかすれ気味の低い声には聞き覚えがある。何とか視界のきかない煙の中で目を凝らすとやはり見覚えのある顔がそこにあった。
「トレトさん……、ですか?」
「ああ、今から俺が言うことを黙って聞け。……いいか、今のお前は全身を強打して体がバラバラになりかけている。この煙幕であいつがお前を見失っているうちに俺たち治療士であいつを引き付けて助けが来る時間を稼ぐ、だからお前はここで隠れていろ」
 何を言っているのだ。治療士で時間を稼ぐ? 戦闘経験のある俺でもこのざまなのに、非戦闘員である治療士たちで一体どれだけのことが出来るというのだ。そもそも外もマナーゼンたちが窮地に追い込まれている状況で、一体誰の助けを待てというのだ。
「そんなの無茶ですよ……! 俺はまだ戦えます、から、……マナポーションを、下さい……」
 さっきの治療院での戦いのようにマナポーションを使って超回復をすればまた戦線に復帰できる。しかし俺の懇願をトレトさんは険しい顔で強くはねのけた。
「馬鹿言え! これ以上マナポーションで傷を治せば肉体は治っても魂がボロボロになるぞ!」
 人間の魂というのはマナでできていると、かつてライさんに話していたことがあったのを思い出す。しかし俺はそんなデメリットだけで止まるわけにはいかないのだ。再びグレン村のような災厄を招きたくない。フェルテルのような犠牲を生みたくない。
「傷つくのは、血を流すのはもう俺だけで十分なんだよッ!!」
 そこで俺の心臓辺りで何か温かいものが脈動するのを感じた。どくん、どくんと波打ちが次第に大きくなっていくにつれて冷え切った体の隅々に血が通っていくような感覚が増していく。そうして何とか立ち上がれるまでになると俺はドラゴンの方へ向き直った。欲しいのはドラゴンの殺す力。奴の膂力を上回るほど強く、奴の動きを制するほど早く、奴の硬い鱗を切り裂けるほど鋭く──。
テネロ闇よエンボード具現化せよルーン魔法実行
 俺の詠唱に従って現れたのは普段の紫光煌めく魔法陣ではなく、その空間をハサミで切り抜いたかのような真っ黒い円の集合。そして最後の式句を唱えた直後、俺は体の奥底から何か大切なものが削られる感覚を味わいながら黒く歪な長剣を召喚した。
 どこか普通の魔法とは根本的に異なる何か──グラン村でのオークとの戦いのときも使用していたおぼろげな記憶があるが、どちらも何か絶対に侵してはならないラインを踏み越えているかのような嫌な感覚があった。つまりはこの感覚こそが俺に宿る”心喰の呪い”の発動を示しているのだろう。
 しかしそんなことはどうでもいい。俺の過熱された思考の中には、もはやこのドラゴンを殺すこと以外何もなかった。
「行くぞッ!!」
 段々と薄くなってきた煙を切り裂きながら俺はドラゴンに向かって駆け出した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

世界最強の七賢者がお世話係の俺にだけはデレデレすぎる件

Y.
恋愛
国の頂点に君臨し、神にも等しい力を持つ『七賢者』。 火・水・風・土・光・闇・氷の属性を極めた彼女たちは、畏怖の対象として国民から崇められていた。 ――だが、その「聖域」の扉を一枚隔てた先では、とんでもない光景が広がっていた。 「アルトぉ、この服脱がせてー。熱いから魔法で燃やしちゃった」 「……アルトが隣にいないと、私、一生布団から出ないから」 「いいじゃない、減るもんじゃないし。さあ、私と混ざり合いましょう?」 彼女たちの正体は、私生活が壊滅的にポンコツで、特定の一人に依存しきったデレデレな美少女たちだった! 魔法の才能ゼロの雑用係・アルトは、世界で唯一「彼女たちの暴走魔力に耐えられる」という理由で、24時間体制の身の回りのお世話をすることに。 着替え、食事の介助、添い寝(!?)まで……。 世界最強の7人に取り合われ、振り回され、いじり倒される。 胃袋と心根をガッチリ掴んだお世話係と、愛が重すぎる最強ヒロインたちによる、至福の異世界ハーレムラブコメ、開幕!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...