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第3章 蒼き海原と氷雪の砦
59話 茨の罠
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マナーゼンの男たちの覚悟によって何とか敵の本拠地と思しき大灯台の前までたどり着いた俺とカイナは、灯台の押し潰されそうなほどの威圧感に気圧されていた。茨を思わせる異質な形状の氷でぐるぐる巻きにされた灯台は半ばでへし折られ内部からは簡単に登れそうにもないが、それ以外の方法で犯人が居座っていると思われる頂上部の氷でできた蕾に到達するのは難しそうだ。よほどのことがない限りは灯台内部を通って頂上を目指したいが、果たしてうまくいくだろうか。
ひとまず横抱きにしていたカイナを地面に下ろすとまっすぐ彼の顔を見つめた。その瞳には恐怖、困惑、その他もろもろの感情がないまぜになって映っているように見える。
「カイナ、よく聞いてくれ。多分ここからはさっき以上に危険になると思う。どこか安全なところに隠れて待ってることもできるけどどうする?」
俺の質問にカイナはわずかに目を見開いた。先ほどの惨状を見た上でさらに危険などと煽られればまあ至極当然の反応といえるだろう。戦闘の訓練を初めてたった二週間ほどのカイナをそんな戦場に無理やり連れて行くなんて真似は俺にはできない。
しかしその直後、カイナの薄藍色の目に強い光が宿った。それが何の感情の表れか瞬時に判別できずに恐らく揺れているであろう俺の目を凛と見つめたまま彼は口を開く。
「一緒に行くよ。せっかく戦い方を教えてくれたんだからさ」
「でも、死ぬかもしれないんだぞ? それでも本当についてくるの?」
多分俺はカイナを連れていきたくないのだろう。たとえカイナを留まらせるという行為が俺のエゴだったとしても、たった二週間ほどの付き合いだったとしても、それでもこの少年の命を散らしたくないのだ。しかしそんな俺のエゴをはねのけるように、カイナは俺に背を向けると灯台を見上げて言った。
「うん。だって危なくなったらこの前みたいにソーマが助けてくれるんでしょ?」
初めてカイナの口から放たれた言葉が軽口なのだと一瞬遅れて気づいておいおいと呟くと俺も大灯台を見据える。視界を埋める巨大な白い塔はさっき見たよりもほんの少しだけ小さくなって見えた。
「よし、行くか」
俺の言葉にカイナが頷いたのを見てにやりと笑い返すと、俺は鞘から長剣を抜き放って灯台の巨大な扉のノブに手をかけた。
「中もやっぱり凍っているみたいだな……」
重い扉を四十五度ほど開いて中に入り込んだ俺たちの目の先にあったのは一面の青い氷。氷の蔓で不格好につながれた上部の隙間からは陽光が差し込み、対照的に異様なほど滑らかに内壁を覆う氷を照らしていた。そして大規模な凍結によるものなのか、それまで灯台の最上階に上るためにあった中心を貫く柱と螺旋階段が跡形もなく消失していた。支柱を失った今でも倒壊を免れているのは恐らく氷が姿勢を維持しているからなのだろう。
階段がないのであれば力づくでよじ登るしかない。俺は逆手で短剣を抜くと氷の壁にえいやと刃を突き立てる。キン! という鉄琴のような甲高い音を響かせながら短剣は氷を深さ数センチ抉り取った。しばらく見ていても門を塞いでいた氷の壁のように復活する様子はなかったので一応は氷を削って足がかりにできるとは思うが、だとしても一手あたり数センチを頂上まで続けていられるほどの時間の余裕も体力の余裕もない。制御は難しいが魔法で足場を複数作って登るしかあるまい。
「テネロ・スレウド……」
壁に向けて左腕を突き出し式句を唱え始めたその時、不意につい最近耳にした声が上空から響いてきた。思わず詠唱を途中で止めてしまったために手のひらの先に形成されつつあった魔法陣はぼんやりと形を失って消え去る。氷を思わせる何の感情の包含も感じられない女の声は、まさしくゴーレムが現れる前に魔法陣から聞こえてきた犯人と思しき人物の声そのものだ。
「あらあら、てっきり私のゴーレムたちが全員まとめてすり潰したと思ってたんだけど、どうやら二匹取り逃したみたいね。私、そういう自己犠牲の擦り付け合いみたいなのが一番嫌いなのよね。……まあいいわ、神聖なる私の塔を拝めたことを感謝しながら虫けららしく死になさい」
なんとも不遜極まりない言葉を俺たちにひとしきり浴びせかけると再びその声は止んだ。人語を操るということは発言主も人間であるはずなのに、俺たちをまるで人間扱いしていない。自分が神であるとでも言いたいのだろうか。それに己の危険を顧みずに俺たちを送り出したマナーゼンたちを愚弄したことが俺の怒りをふつふつとこみ上げさせていた。
心の中の焦りを押しつぶす勢いで薄気味悪さと憤りがこみ上げてきた俺の目に、直後灯台の上空から急速に滑り降りてくる何かが映った。
「カイナ、扉の方に避けろ!」
カイナにそう叫ぶや否や俺も出口に向かって飛び出すと扉を蹴り飛ばして外に転がり出た。俺に続いて空いた扉をカイナが通り抜け、一瞬遅れて大質量の落下音が灯台内に響き渡った。なんとか体勢を持ち直して扉の隙間から中を覗くとそこにあった、いやいたのは先ほどとは異なる形状のゴーレムだった。胴体から透けて見える上部の半球状の頭部は全く同じだが、その胴体が前のよりも倍は径が大きく高さは半分ほど。そしてそんな体の側面から蜘蛛のような多脚が伸びている。
「くそ……ッ!」
どうしてこうも急がなけれなならないときに次々に障害が立ち塞がるのだ。俺は素早く剣を鞘に納めると再びカイナをひょいと左脇に抱えて纏いで地面を思い切り蹴り、重力に逆らって上空に飛び上がった。ゴーレムが入口を塞いでいるとなるともう外を無理やり登っていくしかあるまい。幸い灯台は他の建物と違って太い氷の蔓が巻き付いたような奇妙な凍り方をしているので足がかりとして使えないこともない。目標の着地地点を視界の端に捉えると空中でバランスを取りながら外壁に突っ込む勢いで氷に降り立った。一瞬滑落するかと不安がよぎったが、ブーツ裏のスパイクのおかげで存外しっかりと氷に立つことが出来る。続けて纏いを発動しようと膝を曲げたその瞬間、突如として氷を踏みつける足に鋭い激痛が走った。極寒の冷気で感覚を失いつつあった足の痛覚を強引に呼び覚ますほど強烈な刺すような痛みが足を伝って脳に響く。
「ああっ! なんだいきなり……!?」
痛みで焦点の定まらない目を凝らして下を見ると、氷の蔦を踏むブーツを貫通して両足の甲から氷柱が飛び出し絶え間なく赤い血を垂れ流していた。着地した直後はこんなもの生えていなかったはずなので俺の着地に反応して氷柱を生成したのだろう。よく考えれば灯台の内部を登れないようにして外周におあつらえ向きに蔓のような氷を巻きつけていたのはどう見てもトラップではないか。意識が飛びそうな激痛をこらえながら、今すぐこの場を離れるために改めて纏いを放とうとマナを集中させる俺に左脇のカイナが上空を見て叫ぶ。
「ソーマ! 上!」
言われるがままに空を見上げた俺の目に映ったのは、先ほどまで灯台の下層で入り口をふさいでいたはずのゴーレムが折れた灯台の隙間を無理やりこじりながら這い出てくる姿だった。
ひとまず横抱きにしていたカイナを地面に下ろすとまっすぐ彼の顔を見つめた。その瞳には恐怖、困惑、その他もろもろの感情がないまぜになって映っているように見える。
「カイナ、よく聞いてくれ。多分ここからはさっき以上に危険になると思う。どこか安全なところに隠れて待ってることもできるけどどうする?」
俺の質問にカイナはわずかに目を見開いた。先ほどの惨状を見た上でさらに危険などと煽られればまあ至極当然の反応といえるだろう。戦闘の訓練を初めてたった二週間ほどのカイナをそんな戦場に無理やり連れて行くなんて真似は俺にはできない。
しかしその直後、カイナの薄藍色の目に強い光が宿った。それが何の感情の表れか瞬時に判別できずに恐らく揺れているであろう俺の目を凛と見つめたまま彼は口を開く。
「一緒に行くよ。せっかく戦い方を教えてくれたんだからさ」
「でも、死ぬかもしれないんだぞ? それでも本当についてくるの?」
多分俺はカイナを連れていきたくないのだろう。たとえカイナを留まらせるという行為が俺のエゴだったとしても、たった二週間ほどの付き合いだったとしても、それでもこの少年の命を散らしたくないのだ。しかしそんな俺のエゴをはねのけるように、カイナは俺に背を向けると灯台を見上げて言った。
「うん。だって危なくなったらこの前みたいにソーマが助けてくれるんでしょ?」
初めてカイナの口から放たれた言葉が軽口なのだと一瞬遅れて気づいておいおいと呟くと俺も大灯台を見据える。視界を埋める巨大な白い塔はさっき見たよりもほんの少しだけ小さくなって見えた。
「よし、行くか」
俺の言葉にカイナが頷いたのを見てにやりと笑い返すと、俺は鞘から長剣を抜き放って灯台の巨大な扉のノブに手をかけた。
「中もやっぱり凍っているみたいだな……」
重い扉を四十五度ほど開いて中に入り込んだ俺たちの目の先にあったのは一面の青い氷。氷の蔓で不格好につながれた上部の隙間からは陽光が差し込み、対照的に異様なほど滑らかに内壁を覆う氷を照らしていた。そして大規模な凍結によるものなのか、それまで灯台の最上階に上るためにあった中心を貫く柱と螺旋階段が跡形もなく消失していた。支柱を失った今でも倒壊を免れているのは恐らく氷が姿勢を維持しているからなのだろう。
階段がないのであれば力づくでよじ登るしかない。俺は逆手で短剣を抜くと氷の壁にえいやと刃を突き立てる。キン! という鉄琴のような甲高い音を響かせながら短剣は氷を深さ数センチ抉り取った。しばらく見ていても門を塞いでいた氷の壁のように復活する様子はなかったので一応は氷を削って足がかりにできるとは思うが、だとしても一手あたり数センチを頂上まで続けていられるほどの時間の余裕も体力の余裕もない。制御は難しいが魔法で足場を複数作って登るしかあるまい。
「テネロ・スレウド……」
壁に向けて左腕を突き出し式句を唱え始めたその時、不意につい最近耳にした声が上空から響いてきた。思わず詠唱を途中で止めてしまったために手のひらの先に形成されつつあった魔法陣はぼんやりと形を失って消え去る。氷を思わせる何の感情の包含も感じられない女の声は、まさしくゴーレムが現れる前に魔法陣から聞こえてきた犯人と思しき人物の声そのものだ。
「あらあら、てっきり私のゴーレムたちが全員まとめてすり潰したと思ってたんだけど、どうやら二匹取り逃したみたいね。私、そういう自己犠牲の擦り付け合いみたいなのが一番嫌いなのよね。……まあいいわ、神聖なる私の塔を拝めたことを感謝しながら虫けららしく死になさい」
なんとも不遜極まりない言葉を俺たちにひとしきり浴びせかけると再びその声は止んだ。人語を操るということは発言主も人間であるはずなのに、俺たちをまるで人間扱いしていない。自分が神であるとでも言いたいのだろうか。それに己の危険を顧みずに俺たちを送り出したマナーゼンたちを愚弄したことが俺の怒りをふつふつとこみ上げさせていた。
心の中の焦りを押しつぶす勢いで薄気味悪さと憤りがこみ上げてきた俺の目に、直後灯台の上空から急速に滑り降りてくる何かが映った。
「カイナ、扉の方に避けろ!」
カイナにそう叫ぶや否や俺も出口に向かって飛び出すと扉を蹴り飛ばして外に転がり出た。俺に続いて空いた扉をカイナが通り抜け、一瞬遅れて大質量の落下音が灯台内に響き渡った。なんとか体勢を持ち直して扉の隙間から中を覗くとそこにあった、いやいたのは先ほどとは異なる形状のゴーレムだった。胴体から透けて見える上部の半球状の頭部は全く同じだが、その胴体が前のよりも倍は径が大きく高さは半分ほど。そしてそんな体の側面から蜘蛛のような多脚が伸びている。
「くそ……ッ!」
どうしてこうも急がなけれなならないときに次々に障害が立ち塞がるのだ。俺は素早く剣を鞘に納めると再びカイナをひょいと左脇に抱えて纏いで地面を思い切り蹴り、重力に逆らって上空に飛び上がった。ゴーレムが入口を塞いでいるとなるともう外を無理やり登っていくしかあるまい。幸い灯台は他の建物と違って太い氷の蔓が巻き付いたような奇妙な凍り方をしているので足がかりとして使えないこともない。目標の着地地点を視界の端に捉えると空中でバランスを取りながら外壁に突っ込む勢いで氷に降り立った。一瞬滑落するかと不安がよぎったが、ブーツ裏のスパイクのおかげで存外しっかりと氷に立つことが出来る。続けて纏いを発動しようと膝を曲げたその瞬間、突如として氷を踏みつける足に鋭い激痛が走った。極寒の冷気で感覚を失いつつあった足の痛覚を強引に呼び覚ますほど強烈な刺すような痛みが足を伝って脳に響く。
「ああっ! なんだいきなり……!?」
痛みで焦点の定まらない目を凝らして下を見ると、氷の蔦を踏むブーツを貫通して両足の甲から氷柱が飛び出し絶え間なく赤い血を垂れ流していた。着地した直後はこんなもの生えていなかったはずなので俺の着地に反応して氷柱を生成したのだろう。よく考えれば灯台の内部を登れないようにして外周におあつらえ向きに蔓のような氷を巻きつけていたのはどう見てもトラップではないか。意識が飛びそうな激痛をこらえながら、今すぐこの場を離れるために改めて纏いを放とうとマナを集中させる俺に左脇のカイナが上空を見て叫ぶ。
「ソーマ! 上!」
言われるがままに空を見上げた俺の目に映ったのは、先ほどまで灯台の下層で入り口をふさいでいたはずのゴーレムが折れた灯台の隙間を無理やりこじりながら這い出てくる姿だった。
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