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第3章 蒼き海原と氷雪の砦
64話 黒と青の二重奏
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「うおおお!」
雄たけびをこぼしながら正面から叩きつけられる氷の鞭を剣で弾き飛ばす。残念ながらその斬撃が氷の茨を両断することは敵わないが全力で打ち合えば何とか跳ね返せることは検証済みだ。アレウエの鞭打の大部分を俺が二刀で撥ね退け、対応できなかった死角からの一撃をカイナが受け流す。組んだのがたった二週間前という即興にもほどがあるタッグだったが思いのほか相性はいいようで、俺とカイナは茨を反射する三振りの刃となってひたすらにアレウエに近づいていく。
「寄るな、虫けらがあっ!」
俺たちの接近に焦りの表情を見せるアレウエは鞭打を中断して足で地面を踏み鳴らし、俺たちを隔てるように氷の壁を作り出した。突然の防御行動に意表を突かれたがここで立ち止まるわけにはいかない。幸い氷の壁は町の門に作られていたものほどは厚くない、これなら纏いで突破できるはずだ。並走するカイナの先を走ると左の剣を投げ捨て右手の剣を両手持ちで肩に構え、俺はマナを両腕に集中させる。竜皮症などもはやどうでもいい。
「はああッ!!」
スパイクの打たれたブーツで強く地面を踏みしめると漆黒の剣を纏いの加速に乗せて思い切り振りかぶった。紫の閃光が氷のドームを照らし、直後けたたましい騒音と衝撃が地面を揺らす。纏いによる消費と剣にかかるダメージ分でゴリゴリとマナが削られていきえも言えぬ虚無感がこみ上げるが俺は必死で剣を握り締めて力を込め続ける。いつまでこの地獄が続くのかとうんざりし始めたころ、ようやくビシリ! という軽快な音ともに氷の壁が弾け途端に剣にかかる抵抗がなくなった。またも驚愕の顔になるアレウエににやりと笑いながらも右腕に走るあまりの激痛に立ち止まる俺の背後からカイナが白い髪を揺らしながら飛び出した。
「いっけええカイナ!!」
俺がカイナに魔物との戦闘を教えていた時、驚かされたことが二つあった。
一つは彼の瞬発力。静止状態から一瞬でトップスピードに加速し魔物に駆け抜けていく様には感心せざるを得なかった。俺なんかでは長距離ではさほど差はつかなくとも、短距離ならばまず間違いなく敵わない──。
アレウエとカイナとの間にはおよそ五メートルほどの距離が空いている。しかし彼はそんな距離などないと等しいとでも言うかのように氷の壁の残骸を飛び越えて瞬時に距離を詰めた。対するアレウエはカイナを絡めとろうと茨を動かし始めるが反応しきれていない。そのままカイナは茨をかいくぐるとついにアレウエの懐に立ち入った。
「ふっ!!」
短く息を吐いてカイナは青く鋭い光を反射する短剣をまっすぐにアレウエの金色の左目に向かって突き出す。対象の弱点を肌で感じ取って恐ろしいほどに正確な一撃を叩きこむ、それこそが俺が彼に驚愕させられたもう一つの強みだった。薄青い刃が弾かれたように飛び出しアレウエの氷の眼窩にはめ込まれた光る眼を一文字に駆け抜けた。風切り音に甲高い、サンダーを当てたような摩擦音が混じり、短剣が通り過ぎた軌道にキラキラとしたパーティクルが光る。
「くっ! 前が見えな……っ!?」
アレウエが驚きの声を上げる。カイナの放った斬撃はアレウエを仕留めるためのものではない。氷でできた眼球に傷を作ってその視界を奪うことこそが彼の狙った作戦だったのだ。
「ソーマ!」
役目を終えたカイナが一声叫んでステップでアレウエの前から離れると同時に、ポーチに残る最後のポーション、もとい高濃度マナポーションを飲み下した俺が入れ替わるように飛び込む。ポーションの影響であふれるマナを右手に込めて斜め下に構え、接近と同時に纏いを発動させてアレウエに斬撃を放った。四十五度ほどで左斜め上方向に切り上げられた黒い刃は咄嗟に防御を試みた氷の茨を容易く断ち切りアレウエの体にまっすぐ深い割れ目を描く。一撃で胴体を分断するつもりだったがどうやら寸前で体を後方に逸らされたらしい。視界を奪われているはずなのにこれほどまでに鋭い感覚を持っていようとは敵ながら感心させられる。直後、剣を頭上に振り上げてがら空きになった俺の胴体に若干短くなった茨の鞭が殺到し次々に体を切り裂いていく。しかし──。
「ここで死んでたまるかッ!!」
町を丸ごと氷漬けにした張本人への義憤とは程遠い、ただの一人の人間としての生存本能が俺の体を再び突き動かす。振り上がった右手首をくるりと返し両手で柄を把持する。渦巻く体内のマナの大部分を両腕に乗せてアレウエの脳天に狙いを定めると、纏いの発動とともに氷の床を踏み割りながら全力で漆黒の刃を振り下ろした。纏いを発動した瞬間に眩い紫光が視界を塗りつぶしもはや目視での斬撃の軌道の確認はできなかったが、剣を必死に握りこむ両腕に何か猛烈に硬いものにぶつかる感覚だけはそれでも確かに伝わってきた。
「おああああッ!!」
すさまじい騒音と閃光で聴覚も視覚もまともに使えない状態でなお、両手に掴んだ感覚だけを頼りに俺は膂力とマナ、そして裂帛の気合を込めて剣を押し込んだ。一瞬とも永遠とも思えるような時間が経過した後、不意に静止していた剣ががくんと支えを失いそのまま地面に突き刺さった。纏いによる紫光が拡散し、復活し始めた視界に歪んだ表情を浮かべたアレウエが立っているのが見える。まさか、と最悪の予感が脳裏を駆け巡ったが、その予感を裏切って人形の身体にまっすぐ縦一本線が走った。そのまま白い線は太くなっていきアレウエの身体は真っ二つになってぐらりと地面に崩れ落ちた。がしゃがしゃとやかましい音を立てながら人形がバラバラになった後、ふわりとアレウエの左目の輝きが失せて不意に静寂が訪れる。
「終わった……?」
背後でカイナが掠れた声をそう呟いてぺたりと地面に座り込む。床に突き刺さったままの黒剣の魔法を解いて砕け散らせ俺はよろよろと体を起こした。最後の一撃で一気にマナが消費され右腕も袖まで赤く染まるほど出血しているためなかなか思考が定まらない。そのおかげで痛みに鈍感になっているのは不幸中の幸いといったところか。
確かに俺はこの手でアレウエを叩き切った。それにも拘らず拭いきれない嫌な予感が俺の胸中を満たしていた。回らない頭を強引に回転させて考える。なんだ? どこに違和感がある?
右腕を抑えながら辺りを歩き回って思案に暮れているとき、ふと俺の視界にアレウエの亡骸が映り込んだ。瞬間、鈍い頭がまるで纏いを発動したかのように急速に加速し一気に冷や汗が噴き出す。そうだ、なぜ俺は気がつかなかったのだ。アレウエが人間ではない魔物だというのならば、通例死亡した時に──。
「まずい……! カイナ! まだ終わってない!」
冷気でカラカラになった喉を酷使して俺はカイナに叫ぶ。しかしそれよりも早く事態は急変し始める。俺がカイナを引っ張り起こしたときにはすでに、地面、というよりこの塔全体がぐらぐらと振動を開始していた。
雄たけびをこぼしながら正面から叩きつけられる氷の鞭を剣で弾き飛ばす。残念ながらその斬撃が氷の茨を両断することは敵わないが全力で打ち合えば何とか跳ね返せることは検証済みだ。アレウエの鞭打の大部分を俺が二刀で撥ね退け、対応できなかった死角からの一撃をカイナが受け流す。組んだのがたった二週間前という即興にもほどがあるタッグだったが思いのほか相性はいいようで、俺とカイナは茨を反射する三振りの刃となってひたすらにアレウエに近づいていく。
「寄るな、虫けらがあっ!」
俺たちの接近に焦りの表情を見せるアレウエは鞭打を中断して足で地面を踏み鳴らし、俺たちを隔てるように氷の壁を作り出した。突然の防御行動に意表を突かれたがここで立ち止まるわけにはいかない。幸い氷の壁は町の門に作られていたものほどは厚くない、これなら纏いで突破できるはずだ。並走するカイナの先を走ると左の剣を投げ捨て右手の剣を両手持ちで肩に構え、俺はマナを両腕に集中させる。竜皮症などもはやどうでもいい。
「はああッ!!」
スパイクの打たれたブーツで強く地面を踏みしめると漆黒の剣を纏いの加速に乗せて思い切り振りかぶった。紫の閃光が氷のドームを照らし、直後けたたましい騒音と衝撃が地面を揺らす。纏いによる消費と剣にかかるダメージ分でゴリゴリとマナが削られていきえも言えぬ虚無感がこみ上げるが俺は必死で剣を握り締めて力を込め続ける。いつまでこの地獄が続くのかとうんざりし始めたころ、ようやくビシリ! という軽快な音ともに氷の壁が弾け途端に剣にかかる抵抗がなくなった。またも驚愕の顔になるアレウエににやりと笑いながらも右腕に走るあまりの激痛に立ち止まる俺の背後からカイナが白い髪を揺らしながら飛び出した。
「いっけええカイナ!!」
俺がカイナに魔物との戦闘を教えていた時、驚かされたことが二つあった。
一つは彼の瞬発力。静止状態から一瞬でトップスピードに加速し魔物に駆け抜けていく様には感心せざるを得なかった。俺なんかでは長距離ではさほど差はつかなくとも、短距離ならばまず間違いなく敵わない──。
アレウエとカイナとの間にはおよそ五メートルほどの距離が空いている。しかし彼はそんな距離などないと等しいとでも言うかのように氷の壁の残骸を飛び越えて瞬時に距離を詰めた。対するアレウエはカイナを絡めとろうと茨を動かし始めるが反応しきれていない。そのままカイナは茨をかいくぐるとついにアレウエの懐に立ち入った。
「ふっ!!」
短く息を吐いてカイナは青く鋭い光を反射する短剣をまっすぐにアレウエの金色の左目に向かって突き出す。対象の弱点を肌で感じ取って恐ろしいほどに正確な一撃を叩きこむ、それこそが俺が彼に驚愕させられたもう一つの強みだった。薄青い刃が弾かれたように飛び出しアレウエの氷の眼窩にはめ込まれた光る眼を一文字に駆け抜けた。風切り音に甲高い、サンダーを当てたような摩擦音が混じり、短剣が通り過ぎた軌道にキラキラとしたパーティクルが光る。
「くっ! 前が見えな……っ!?」
アレウエが驚きの声を上げる。カイナの放った斬撃はアレウエを仕留めるためのものではない。氷でできた眼球に傷を作ってその視界を奪うことこそが彼の狙った作戦だったのだ。
「ソーマ!」
役目を終えたカイナが一声叫んでステップでアレウエの前から離れると同時に、ポーチに残る最後のポーション、もとい高濃度マナポーションを飲み下した俺が入れ替わるように飛び込む。ポーションの影響であふれるマナを右手に込めて斜め下に構え、接近と同時に纏いを発動させてアレウエに斬撃を放った。四十五度ほどで左斜め上方向に切り上げられた黒い刃は咄嗟に防御を試みた氷の茨を容易く断ち切りアレウエの体にまっすぐ深い割れ目を描く。一撃で胴体を分断するつもりだったがどうやら寸前で体を後方に逸らされたらしい。視界を奪われているはずなのにこれほどまでに鋭い感覚を持っていようとは敵ながら感心させられる。直後、剣を頭上に振り上げてがら空きになった俺の胴体に若干短くなった茨の鞭が殺到し次々に体を切り裂いていく。しかし──。
「ここで死んでたまるかッ!!」
町を丸ごと氷漬けにした張本人への義憤とは程遠い、ただの一人の人間としての生存本能が俺の体を再び突き動かす。振り上がった右手首をくるりと返し両手で柄を把持する。渦巻く体内のマナの大部分を両腕に乗せてアレウエの脳天に狙いを定めると、纏いの発動とともに氷の床を踏み割りながら全力で漆黒の刃を振り下ろした。纏いを発動した瞬間に眩い紫光が視界を塗りつぶしもはや目視での斬撃の軌道の確認はできなかったが、剣を必死に握りこむ両腕に何か猛烈に硬いものにぶつかる感覚だけはそれでも確かに伝わってきた。
「おああああッ!!」
すさまじい騒音と閃光で聴覚も視覚もまともに使えない状態でなお、両手に掴んだ感覚だけを頼りに俺は膂力とマナ、そして裂帛の気合を込めて剣を押し込んだ。一瞬とも永遠とも思えるような時間が経過した後、不意に静止していた剣ががくんと支えを失いそのまま地面に突き刺さった。纏いによる紫光が拡散し、復活し始めた視界に歪んだ表情を浮かべたアレウエが立っているのが見える。まさか、と最悪の予感が脳裏を駆け巡ったが、その予感を裏切って人形の身体にまっすぐ縦一本線が走った。そのまま白い線は太くなっていきアレウエの身体は真っ二つになってぐらりと地面に崩れ落ちた。がしゃがしゃとやかましい音を立てながら人形がバラバラになった後、ふわりとアレウエの左目の輝きが失せて不意に静寂が訪れる。
「終わった……?」
背後でカイナが掠れた声をそう呟いてぺたりと地面に座り込む。床に突き刺さったままの黒剣の魔法を解いて砕け散らせ俺はよろよろと体を起こした。最後の一撃で一気にマナが消費され右腕も袖まで赤く染まるほど出血しているためなかなか思考が定まらない。そのおかげで痛みに鈍感になっているのは不幸中の幸いといったところか。
確かに俺はこの手でアレウエを叩き切った。それにも拘らず拭いきれない嫌な予感が俺の胸中を満たしていた。回らない頭を強引に回転させて考える。なんだ? どこに違和感がある?
右腕を抑えながら辺りを歩き回って思案に暮れているとき、ふと俺の視界にアレウエの亡骸が映り込んだ。瞬間、鈍い頭がまるで纏いを発動したかのように急速に加速し一気に冷や汗が噴き出す。そうだ、なぜ俺は気がつかなかったのだ。アレウエが人間ではない魔物だというのならば、通例死亡した時に──。
「まずい……! カイナ! まだ終わってない!」
冷気でカラカラになった喉を酷使して俺はカイナに叫ぶ。しかしそれよりも早く事態は急変し始める。俺がカイナを引っ張り起こしたときにはすでに、地面、というよりこの塔全体がぐらぐらと振動を開始していた。
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