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第六章 秘伝と知己の集い
259 事実確認しておきます
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結論から言うと、陽は察していたらしい。
「奥さん達とあんな写真を撮るくらいだから、親しい付き合いをしてるんだろうなとは思っていたよ」
智紀と浩司はペコペコと頭を下げており、高耶が説明する。
「妹との関係上、事情も話していまして、子ども達だけというのも問題になるので」
「うん。分かる……分かるけど……っ、これはやっぱりズルいでしょっ」
「「抜け駆けしてすみません!」」
ドアを通り、案内されたそこは別世界だ。自然いっぱいの夢の世界が広がっている。
「社長。その……案内しますっ」
「高耶君、ここは任せてくれていいからっ」
そう夫達が言うのを聞いて、美奈深と由香理も手を挙げた。
「あ、なら私たちも案内するわ。月子さんもどうです?」
「私たち、伊達に通ってないですから~」
二人なら確かによく知っているだろう。任せても安心だ。月子もこの場の不思議に唖然としながらも、嬉しそうに微笑んだ。
「お願いしようかしら」
ここで、優希からも意見が。
「お兄ちゃん。ユウキたち、シュンヤお兄ちゃんとか、あっちのお姉さんたちをあんないする!」
俊哉がいづきや、瀬良姉弟を案内して来たらしい。その後ろには、時島と那津を連れてやって来た両親がいた。残りの招待客は、連盟の方から出入りすることになるので、家の戸締まりもしてきたはずだ。
「お兄ちゃんはまだ、おでむかえする人とかいるんでしょう? だから、まかせてっ」
美奈深達が案内すると聞いて、優希達子ども組も案内する気満々だ。
高耶はそんな優希の頭を撫でて笑う。
「分かった。頼むぞ。時間になったら、誰か呼びに来てくれるだろうし、よろしくな」
「うん!」
ここに危険はないし、あってもムクが居るから安心だ。俊哉も居るなら、上手く誘導もしてくれるだろう。何気に俊哉は面倒見が良い。頼むとは言ってやらないが、そこは信頼していた。
「なら、美奈深さん達もお願いします。疲れない程度に、ですよ」
「「は~い」」
美奈深と由香理は遊べる大人だ。今回は年代もバラバラなので、無茶させないようにと念を押しておいた。本人達も、そこは気を付けようと自覚してくれるだろう。
高耶は一旦、瑶迦の屋敷へ戻ることにした。
そこで、電話が入っていることに気付く。
「この番号は……」
誰だったかと考えながら、瑶迦の顔を見ようと屋敷の廊下を歩いていると、統二が慌てた様子で駆けてきた。
「兄さん!」
「ん? なんだ? 何かあったのか?」
「さっき、本家から……兄から連絡があって、父と数人が……死にかけてるって」
「……は?」
何を言っているのか、すぐに把握できなかった。しかし、統二は話を続ける。
「ごめん、兄さん……数日前から、兄から何度か電話で……仕事で無茶して、父が寝込んでるって聞いてたんだ……けど……大したことないだろうって……思って……っ」
「……」
「嘘だと思ってっ……父に、帰って来いって言われてたから……だから……っ」
統二には時折、連絡が行っていたようだ。その度、帰らないと返事をして、頑なに帰らずにいた。
しかし、さきほど、勇一から改めて連絡があったという。
「たぶん、もう、保たないから……っ、顔を、見せに来てくれって……っ」
勇一の声は真剣だったと言う。心境の変化があったらしい勇一が、今更そんな嘘を付くとも思えない。
どうすればいいのか分からないと、不安そうに涙を滲ませる統二の頭に、高耶はそっと手を置いた。
「俺も行こう」
「え……」
「当主としては、家の者の異変を無視するわけにいかないからな」
「兄さん……」
顔を上げた統二に、頷いてやれば、少しだけ目に力が戻った。
「だが、事実確認も必要だ。じいさん」
《おうよ。ちょっくら覗いて来てやるよ》
「頼む。俺は、連盟に関わった仕事についての確認をしてから向かう」
《おう》
そして、それぞれの仕事を記録している連盟の事務局へと連絡を入れたのだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「奥さん達とあんな写真を撮るくらいだから、親しい付き合いをしてるんだろうなとは思っていたよ」
智紀と浩司はペコペコと頭を下げており、高耶が説明する。
「妹との関係上、事情も話していまして、子ども達だけというのも問題になるので」
「うん。分かる……分かるけど……っ、これはやっぱりズルいでしょっ」
「「抜け駆けしてすみません!」」
ドアを通り、案内されたそこは別世界だ。自然いっぱいの夢の世界が広がっている。
「社長。その……案内しますっ」
「高耶君、ここは任せてくれていいからっ」
そう夫達が言うのを聞いて、美奈深と由香理も手を挙げた。
「あ、なら私たちも案内するわ。月子さんもどうです?」
「私たち、伊達に通ってないですから~」
二人なら確かによく知っているだろう。任せても安心だ。月子もこの場の不思議に唖然としながらも、嬉しそうに微笑んだ。
「お願いしようかしら」
ここで、優希からも意見が。
「お兄ちゃん。ユウキたち、シュンヤお兄ちゃんとか、あっちのお姉さんたちをあんないする!」
俊哉がいづきや、瀬良姉弟を案内して来たらしい。その後ろには、時島と那津を連れてやって来た両親がいた。残りの招待客は、連盟の方から出入りすることになるので、家の戸締まりもしてきたはずだ。
「お兄ちゃんはまだ、おでむかえする人とかいるんでしょう? だから、まかせてっ」
美奈深達が案内すると聞いて、優希達子ども組も案内する気満々だ。
高耶はそんな優希の頭を撫でて笑う。
「分かった。頼むぞ。時間になったら、誰か呼びに来てくれるだろうし、よろしくな」
「うん!」
ここに危険はないし、あってもムクが居るから安心だ。俊哉も居るなら、上手く誘導もしてくれるだろう。何気に俊哉は面倒見が良い。頼むとは言ってやらないが、そこは信頼していた。
「なら、美奈深さん達もお願いします。疲れない程度に、ですよ」
「「は~い」」
美奈深と由香理は遊べる大人だ。今回は年代もバラバラなので、無茶させないようにと念を押しておいた。本人達も、そこは気を付けようと自覚してくれるだろう。
高耶は一旦、瑶迦の屋敷へ戻ることにした。
そこで、電話が入っていることに気付く。
「この番号は……」
誰だったかと考えながら、瑶迦の顔を見ようと屋敷の廊下を歩いていると、統二が慌てた様子で駆けてきた。
「兄さん!」
「ん? なんだ? 何かあったのか?」
「さっき、本家から……兄から連絡があって、父と数人が……死にかけてるって」
「……は?」
何を言っているのか、すぐに把握できなかった。しかし、統二は話を続ける。
「ごめん、兄さん……数日前から、兄から何度か電話で……仕事で無茶して、父が寝込んでるって聞いてたんだ……けど……大したことないだろうって……思って……っ」
「……」
「嘘だと思ってっ……父に、帰って来いって言われてたから……だから……っ」
統二には時折、連絡が行っていたようだ。その度、帰らないと返事をして、頑なに帰らずにいた。
しかし、さきほど、勇一から改めて連絡があったという。
「たぶん、もう、保たないから……っ、顔を、見せに来てくれって……っ」
勇一の声は真剣だったと言う。心境の変化があったらしい勇一が、今更そんな嘘を付くとも思えない。
どうすればいいのか分からないと、不安そうに涙を滲ませる統二の頭に、高耶はそっと手を置いた。
「俺も行こう」
「え……」
「当主としては、家の者の異変を無視するわけにいかないからな」
「兄さん……」
顔を上げた統二に、頷いてやれば、少しだけ目に力が戻った。
「だが、事実確認も必要だ。じいさん」
《おうよ。ちょっくら覗いて来てやるよ》
「頼む。俺は、連盟に関わった仕事についての確認をしてから向かう」
《おう》
そして、それぞれの仕事を記録している連盟の事務局へと連絡を入れたのだ。
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