431 / 464
第七章 秘伝と任されたもの
431 平和な休日
しおりを挟む
翌日は流石に高耶も疲れて一日中家に居ることにした。
「お兄ちゃん。今日は一日いるの? おしごとは?」
それを優希が口にしたのは、昼ご飯の時。今日は休日なので、父母も居る。
「そういえば、珍しいわね。高耶が昼間に家に居るなんて」
「朝も起きて来なかったもんねえ」
どれだけ仕事人間だと思われているかわかる会話だ。
「ん~、まあ、たまには。昨日まで忙しかったから今日は休みだ」
「なにしてたの?」
「統二の所の学校の土地神様を復活……というか、元気にしてたんだ。統二も、今日は疲れてまだ寝てるかもな」
瑶迦の所で世話になっている統二が、食事時にも来ないということは、勉強が忙しい時か、疲れて休んでいる時だ。勉強をするという時でも、一度はこちらに顔を見せるので、今日は本当に動けないのかもしれない。
昨晩の騒動では、色々と能力を限界まで使う所があった。余裕があった者達でも、撤収する時に土地神が心置きなく休めるよう、近場で悪さをしそうな妖を掃除したりしてから帰ったのだ。統二もかなり活躍していたと聞いている。
おかげで、おそらく今日明日は連盟で動ける者は半数以下のメンバーになるだろう。
「大変だったの? あ、昨日いつ帰って来たのか知らないわ」
「確かに。朝方、物音がした気がしたけど……」
高耶は、父母に秘伝家の事を知られる前までは、未成年ということもあり、夜に仕事に出ることはあまりなかった。帰宅はせめて九時までにと連盟の方でも気にしてくれていたようだ。
しかし、家業のことも話したことと、成人したということで、最近は日を跨ぐギリギリになって帰って来ることも稀にあった。
「帰って来たのは、朝の五時くらいだったかな……休日があるとはいえ、学校の校庭に色々置いたままってことには出来なくて、片付けとかしたからな……」
「一晩中頑張ってたの?」
「ああ。一晩中……派手に戦うことは無かったが……精神的に疲れた」
鬼の方の相手をすれば良かったと思ったほどだ。肉体的な疲労より、精神的な疲労感の方が高耶は苦手だった。
そこに口を挟んだのは、珀豪だ。
《主は、土地神交代で土地に囚われる危険性も感じていたのだろう。あの土地神が回復し、人を許さねば、最悪土地は見放され、代わりに主が土地神として選ばれていた可能性が高い》
「それ、お兄ちゃん、ダメなやつ」
これがあって、イスティアやキルティスも参加したのだ。口にはしないが、高耶のための保険だった。
《その通り。正しい神楽を捧げて土地神の注意を引き、かつて間違って攻撃したことを人の代表として詫びた……土地を安定させ、土地神の怒りを解いたが……中々に厄介であったな》
「……人型にならない神は、言葉で訴えかけてもほとんど通じないからな……チャンネルも合いにくい」
《うむ……》
あの土地神は、虫の姿だった。そうなると伝えられるのは感情と行動で示すことだけ。意思の疎通を図るには、周波数を合わせる的なものも必要。それさえも、相手の意志がなければできない。
「言葉が通じないってこと?」
「そう……信頼関係を築くことができれば、ある程度通じるようになるんだけど、人間不信に拍車がかかっている状態だったから、通じるようになるのは下手したら何十年も先かも……」
虫でもなんでも、長く付き合っていくと、不意に言ってることが分かっているんじゃないかという様子を見せることがある。猫や犬なんかがわかりやすいだろうか。しかし、これは信頼関係がなければ生まれてこないものだ。あちらが知ろうとしなければ、言葉の意味なんて考えもしないのだから。これが周波数を合わせるということにも関係してくる。
《うむ。しかし、幸い、神楽は完璧だ。その内、こちらの声を聞こうとしてくれるだろうよ》
「そうだな……」
きっかけとなる繋がりは、神楽によって出来ている。なんとかなるだろう。それでゆっくりと時間をかけて歩み寄っていくしかない。
「あの土地神は、子ども好きのようだし、何とかなる……はずだ」
《文化祭という祭りもあることだしな》
「ああ……」
祭りは良い。楽しい気持ちが溢れる場所では、良い気が巡り、そこから家路につくことでその気を広げてくれる。土地に気を巡らせやすくなるものだ。
「文化祭かあ。楽しみだよねえ。その文化祭の準備だって言って、後片付けは後にすれば良かったのに」
「さすがに……祭壇とか神楽の舞台とかは目立つんで……」
《テントぐらいならば良いのだがな。それに、早く土地神を説得せねば、一夜にして生えた神木がな……》
「え? 生えた?」
「神木って、大きそうねえ」
《大樹であった。三本もな。果泉の力を少々甘く見ておった……》
「「あ、果泉ちゃんか……」」
可愛く笑って、とんでもない事をするのが果泉だ。もう美咲と樹は分かっている。
「アレのお陰で色々と上手くいった所があるんだがな……女王が居てくれて良かった。今の土地神の力では、亜空間に三本も入れ込めなかったからな」
「女王さま!? どんな人!?」
これには優希が食いつく。
「あ~……」
呼ぶのはどうかと思うし、迷う所だ。しかし、そこでエリーゼが思い出す。
《ご主人様っ。あのセキュリティー担当の人たちが、カメラに映るようにしてくれていませんでしたか?》
「あ……」
「おしゃしんあるの!?」
《ありますよ~。お仕事用のカメラがご主人様のお部屋に。それに撮ってあるはずです》
「見る!!」
《取ってきますね》
「ああ」
それから、のんびりと久し振りの休暇を楽しんだ。
いよいよ、次の土日には文化祭だ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「お兄ちゃん。今日は一日いるの? おしごとは?」
それを優希が口にしたのは、昼ご飯の時。今日は休日なので、父母も居る。
「そういえば、珍しいわね。高耶が昼間に家に居るなんて」
「朝も起きて来なかったもんねえ」
どれだけ仕事人間だと思われているかわかる会話だ。
「ん~、まあ、たまには。昨日まで忙しかったから今日は休みだ」
「なにしてたの?」
「統二の所の学校の土地神様を復活……というか、元気にしてたんだ。統二も、今日は疲れてまだ寝てるかもな」
瑶迦の所で世話になっている統二が、食事時にも来ないということは、勉強が忙しい時か、疲れて休んでいる時だ。勉強をするという時でも、一度はこちらに顔を見せるので、今日は本当に動けないのかもしれない。
昨晩の騒動では、色々と能力を限界まで使う所があった。余裕があった者達でも、撤収する時に土地神が心置きなく休めるよう、近場で悪さをしそうな妖を掃除したりしてから帰ったのだ。統二もかなり活躍していたと聞いている。
おかげで、おそらく今日明日は連盟で動ける者は半数以下のメンバーになるだろう。
「大変だったの? あ、昨日いつ帰って来たのか知らないわ」
「確かに。朝方、物音がした気がしたけど……」
高耶は、父母に秘伝家の事を知られる前までは、未成年ということもあり、夜に仕事に出ることはあまりなかった。帰宅はせめて九時までにと連盟の方でも気にしてくれていたようだ。
しかし、家業のことも話したことと、成人したということで、最近は日を跨ぐギリギリになって帰って来ることも稀にあった。
「帰って来たのは、朝の五時くらいだったかな……休日があるとはいえ、学校の校庭に色々置いたままってことには出来なくて、片付けとかしたからな……」
「一晩中頑張ってたの?」
「ああ。一晩中……派手に戦うことは無かったが……精神的に疲れた」
鬼の方の相手をすれば良かったと思ったほどだ。肉体的な疲労より、精神的な疲労感の方が高耶は苦手だった。
そこに口を挟んだのは、珀豪だ。
《主は、土地神交代で土地に囚われる危険性も感じていたのだろう。あの土地神が回復し、人を許さねば、最悪土地は見放され、代わりに主が土地神として選ばれていた可能性が高い》
「それ、お兄ちゃん、ダメなやつ」
これがあって、イスティアやキルティスも参加したのだ。口にはしないが、高耶のための保険だった。
《その通り。正しい神楽を捧げて土地神の注意を引き、かつて間違って攻撃したことを人の代表として詫びた……土地を安定させ、土地神の怒りを解いたが……中々に厄介であったな》
「……人型にならない神は、言葉で訴えかけてもほとんど通じないからな……チャンネルも合いにくい」
《うむ……》
あの土地神は、虫の姿だった。そうなると伝えられるのは感情と行動で示すことだけ。意思の疎通を図るには、周波数を合わせる的なものも必要。それさえも、相手の意志がなければできない。
「言葉が通じないってこと?」
「そう……信頼関係を築くことができれば、ある程度通じるようになるんだけど、人間不信に拍車がかかっている状態だったから、通じるようになるのは下手したら何十年も先かも……」
虫でもなんでも、長く付き合っていくと、不意に言ってることが分かっているんじゃないかという様子を見せることがある。猫や犬なんかがわかりやすいだろうか。しかし、これは信頼関係がなければ生まれてこないものだ。あちらが知ろうとしなければ、言葉の意味なんて考えもしないのだから。これが周波数を合わせるということにも関係してくる。
《うむ。しかし、幸い、神楽は完璧だ。その内、こちらの声を聞こうとしてくれるだろうよ》
「そうだな……」
きっかけとなる繋がりは、神楽によって出来ている。なんとかなるだろう。それでゆっくりと時間をかけて歩み寄っていくしかない。
「あの土地神は、子ども好きのようだし、何とかなる……はずだ」
《文化祭という祭りもあることだしな》
「ああ……」
祭りは良い。楽しい気持ちが溢れる場所では、良い気が巡り、そこから家路につくことでその気を広げてくれる。土地に気を巡らせやすくなるものだ。
「文化祭かあ。楽しみだよねえ。その文化祭の準備だって言って、後片付けは後にすれば良かったのに」
「さすがに……祭壇とか神楽の舞台とかは目立つんで……」
《テントぐらいならば良いのだがな。それに、早く土地神を説得せねば、一夜にして生えた神木がな……》
「え? 生えた?」
「神木って、大きそうねえ」
《大樹であった。三本もな。果泉の力を少々甘く見ておった……》
「「あ、果泉ちゃんか……」」
可愛く笑って、とんでもない事をするのが果泉だ。もう美咲と樹は分かっている。
「アレのお陰で色々と上手くいった所があるんだがな……女王が居てくれて良かった。今の土地神の力では、亜空間に三本も入れ込めなかったからな」
「女王さま!? どんな人!?」
これには優希が食いつく。
「あ~……」
呼ぶのはどうかと思うし、迷う所だ。しかし、そこでエリーゼが思い出す。
《ご主人様っ。あのセキュリティー担当の人たちが、カメラに映るようにしてくれていませんでしたか?》
「あ……」
「おしゃしんあるの!?」
《ありますよ~。お仕事用のカメラがご主人様のお部屋に。それに撮ってあるはずです》
「見る!!」
《取ってきますね》
「ああ」
それから、のんびりと久し振りの休暇を楽しんだ。
いよいよ、次の土日には文化祭だ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
482
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~
タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。
時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま!
「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」
ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは――
公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!?
おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。
「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」
精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる