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第二章
065 聞いていませんよ……
あの日。
第一王子の誕生日。その日は一年に一度と決めた貴族の十歳を迎えた子息子女達の身の証を立てる式典だった。
正しく血筋を確認するためにもと、大陸全土にある国が一年に一度、それぞれこの式典の日を定めた。
それと同時に、民達にも通達が行われ、十歳以上であれば、誰でもいつでも教会で確認が出来るようになった。よって、平民達には貴族とは違い、十歳で洗礼式をしようと教会から提案が出ている。
混乱ももちろんあったようだ。本来の貴族家や王家の当主の子どもが偽者だったり、あらぬ所からその子どもが出てきたりと、特に王侯貴族の者達は忙しなく走り回っていた。
神の祝福も得られるとの喧伝もあり、貴族達には、理由なく式典に出席しないということが出来ない雰囲気があった。避けようとする、反対する者は、やましい所があるのだとする流れだ。
お陰であの一妃、アルマリアも、避けることができなかった。しかし、対策はしようとしていたようだ。半年程前から何かに付けて王子の体調が悪いと言っていた。
王子自身はいつも通りわがままを言い、癇癪を起こして過ごしていたが、それも体調が悪いからだと言い訳にしていたようだ。
「当初の予定では、そのまま仮病で寝込ませる気だったのでしょう。貴族の子息子女があの儀式を受けられるのは年に一度、定められた日の式典でだけとしましたので、あの日さえ避ければ、翌年以降はうやむやにしても良いと思っていたようです。結局はただ浅はかなだけの方だった」
ベルトリードは、同じ様に馬上の人となっている兄、ハイラウス辺境伯と馬を並べ、そう辛辣にアルマリアを評した。
一妃アルマリアを捕え、その立場も剥奪したことで、ようやく二妃クレアノールは王宮での自由を手に入れた。本来の立場になったと言える。これにより、三妃であるベルトリードも同時に王妃としての立場を返上し、王妃クレアノールの護衛騎士に戻ることができた。
これらの立場を確立するのに、そう時間はかからなかった。こうあるべきだと、アルマリアの一派以外は常に思っていたのだ。ようやく本来のものになったと安心した所だった。
「なるほど……しかし、暗殺者まで雇っていたのだろう?」
アルマリアに周りの者達は、十歳になった子が神の前で身の証を立てることで、神の祝福を得られると囁き続けていた。
受ければ父親が違うことが露見する。しかし、十歳の子どもに授けられる神の祝福は特別だ。しばらく色々と葛藤があっただろう。とはいえ、彼女の本質は母になっても変わらなかった。
「いかに神の祝福が良いものなのかと、市井で我々が喧伝させたことも効果があったのでしょうね。それに、実際にいくつか奇跡が起きていたようです。行方不明だった母親が帰ってきたり、家族の病が治ったり、逆に害にしかならなかった者が遠ざけられたりと、偶然にしてはおかしなものだと」
「なるほど……確かに、奇跡かもしれん……強欲と噂されるあの一妃が、その恩恵を得られないというのは、耐えられないだろう……」
「ええ。ですが、それよりも自分の立場の方が大事だった……王子を失うことになっても」
「……とんでもないな……」
最悪、子どもはまた産めばいいのだ。今度こそ王の子を。その自信もあったのだろう。だから、自身の子どもを消そうと思った。
「はい……そうなれば、本来の第一王子殿下にも手が及んだでしょう。あの女には、自分の息子が第一王子でなくてはならなかったのですから」
第一王子を殺したところで、クレアノールの子が第一王子に繰り上がる。それではいけない。だから、一度リセットする。今の王家に王子などいなかったことに。
「考えが異常だな……しかし、殿下には問題はなかったかもしれん」
「どういう意味です? 殿下の身に何かあってからでは遅いのですよ?」
ベルトリードはハイラウスを睨み付ける。彼女達が殿下と呼ぶのは、キリアルートだけだ。クレアノールの息子となれば、絶対的に守らなくてはならない存在。それを危険な目にあっても良かったと言ったように受け取っては、怒るのも当然だ。
しかし、彼は冷静だった。
「あの方には、誰も、指一本触れられやしないさ……周りを固めている者達が只者ではない……」
「あの騎士達ですか……確かに、只者ではない様子でしたが……」
式典の折に見た騎士達を思い出すベルトリード。同じ騎士としてある者として、強さは何となく感じ取っていた。
「ああ……付いていた二人の女性達も単独で西の森の奥まで行ける実力者だ。その上に、聖女と大聖女。そして、騎士は勇者と剣聖だ」
「……は? 聖女はまあ……しかし、勇者と……剣聖?」
「そうだ。剣聖セルティ殿。我らの先祖だ。殿下は……聖下は、守護霊を実体化させる技をお持ちなのだ……幼い頃から……」
「霊を……実体化? 幼い頃とは……」
「私が知ったのは、五才の頃だ。迷宮発見当初、騎士団は暴走した西の森の魔獣の群れに壊滅しかけた。その時、助けてくれたのが今の大聖女と勇者、そして、実体化された剣聖セルティ殿。それと、殿下の従魔達だ。だった数人で、怪我人を癒し、魔獣を討伐した」
「……聞いていませんよ……」
「殿下の事を報告するなと言われていたからな」
「……」
確かにとベルトリードは黙るしかなかった。
今は辺境伯領がそろそろ見えるという頃。ベルトリードがどうこれらの話をクレアノールと王に伝えるべきかと考えていれば、剣戟の音に気付いた。
「ん? 傭兵と……盗賊か?」
遠目に、盗賊らしき者達と傭兵が戦っているのが確認できた。そこでハイラウスが、馬の綱を引き、声を張り上げる。
「馬車を止めろ!」
「……駆け抜けるには厳しいか?」
「できなくはないが、恐らくケリが付く方が早い」
「なぜだ? 人数差がある様に見えるが……」
目を凝らしながら、ベルトリードがそう話していれば、王が窓から顔を出す。
「どうした?」
「盗賊です。ただ、傭兵達が既に交戦中でして、兄が……」
「っ、あれは!」
「ハイル?」
王は驚いた様に声を上げたハイラウスに声をかける。二人は学友で、それなりに気心も知れている。とはいえそれぞれが王や辺境伯となってからは疎遠だった。今回の王都滞在中での交流で、再び友誼を結んだ仲だ。
「賞金首だ。隣の伯爵領で荒稼ぎしていると報告があった奴で間違いない」
「傭兵……が優勢ですが……兄上。騎士を出すのは……」
傭兵の多くは、騎士を毛嫌いする。反対に騎士も傭兵達を見下す者が多いため、こうした時に加勢することで事態をややこしくしてしまう場合がある。ベルトリードが躊躇っているのはそんな事情を理解しているからだ。
しかし、ハイラウスの治める辺境伯領ではその事情が違ってくる。助け合わなくては生きていけない土地だったのだ。辺境伯領に腰を据えている傭兵達や騎士はお互い支え合う仲だった。こうした時も共闘するのが寧ろ当たり前だ。
とはいえ、今回は加勢は必要なさそうだった。
「見知った者がいるから、騎士だからと反発はされないだろうが……いや、待て……」
「兄上?」
「ハイル?」
ハイラウスが更に目を凝らしていれば、何かに気付いた。
「っ……キリア様の従魔がいる」
殿下ではなく、いつものようにキリア様と呼んでしまうくらい驚きと動揺を見せるハイラウス。
「っ、では、殿下が!?」
「っ!」
王も少し身を乗り出すようにして見ようとする。
「いや、従魔だけだ。傭兵に協力しているようだな。従僕がいる」
「殿下の?」
「ああ。そろそろ終わりそうだ。私が話してくる。しばらくここで待っていてくれ」
「……分かった」
渋々といったように頷く王。それを見てすかさずベルトリードが口を開く。
「兄上、私も参ります」
キリアルートの従魔と従僕が気になるのだろう。王と馬車の中から縋るように見つめてくるクレアノールに気付き、ベルトリードは頷いて見せる。従魔や従僕がどんな存在なのかの確認は、二人の意思でもあるようだ。
「わかった……では、行って来ます」
「すぐに戻ります。お待ちください」
「頼む」
「頼むわね」
「はい」
「……」
ハイラウスは、念を押されているベルトリードを横目に、馬を進めた。すぐにベルトリードが追ってくる。
向かった先には、生き残った盗賊を縛り上げていく傭兵達。それを見守るのは、淡い橙と赤の不思議な毛を持つ魔獣、緋炎虎のミュールだ。
「っ、まさか、緋炎虎……!?」
ベルトリードがその存在感に圧倒されて立ち止まる。
ミュールは、五年前は子猫にしか見えなかったが、今や武具を纏った大人の男も背に乗せられるくらいの大きさになっていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
第一王子の誕生日。その日は一年に一度と決めた貴族の十歳を迎えた子息子女達の身の証を立てる式典だった。
正しく血筋を確認するためにもと、大陸全土にある国が一年に一度、それぞれこの式典の日を定めた。
それと同時に、民達にも通達が行われ、十歳以上であれば、誰でもいつでも教会で確認が出来るようになった。よって、平民達には貴族とは違い、十歳で洗礼式をしようと教会から提案が出ている。
混乱ももちろんあったようだ。本来の貴族家や王家の当主の子どもが偽者だったり、あらぬ所からその子どもが出てきたりと、特に王侯貴族の者達は忙しなく走り回っていた。
神の祝福も得られるとの喧伝もあり、貴族達には、理由なく式典に出席しないということが出来ない雰囲気があった。避けようとする、反対する者は、やましい所があるのだとする流れだ。
お陰であの一妃、アルマリアも、避けることができなかった。しかし、対策はしようとしていたようだ。半年程前から何かに付けて王子の体調が悪いと言っていた。
王子自身はいつも通りわがままを言い、癇癪を起こして過ごしていたが、それも体調が悪いからだと言い訳にしていたようだ。
「当初の予定では、そのまま仮病で寝込ませる気だったのでしょう。貴族の子息子女があの儀式を受けられるのは年に一度、定められた日の式典でだけとしましたので、あの日さえ避ければ、翌年以降はうやむやにしても良いと思っていたようです。結局はただ浅はかなだけの方だった」
ベルトリードは、同じ様に馬上の人となっている兄、ハイラウス辺境伯と馬を並べ、そう辛辣にアルマリアを評した。
一妃アルマリアを捕え、その立場も剥奪したことで、ようやく二妃クレアノールは王宮での自由を手に入れた。本来の立場になったと言える。これにより、三妃であるベルトリードも同時に王妃としての立場を返上し、王妃クレアノールの護衛騎士に戻ることができた。
これらの立場を確立するのに、そう時間はかからなかった。こうあるべきだと、アルマリアの一派以外は常に思っていたのだ。ようやく本来のものになったと安心した所だった。
「なるほど……しかし、暗殺者まで雇っていたのだろう?」
アルマリアに周りの者達は、十歳になった子が神の前で身の証を立てることで、神の祝福を得られると囁き続けていた。
受ければ父親が違うことが露見する。しかし、十歳の子どもに授けられる神の祝福は特別だ。しばらく色々と葛藤があっただろう。とはいえ、彼女の本質は母になっても変わらなかった。
「いかに神の祝福が良いものなのかと、市井で我々が喧伝させたことも効果があったのでしょうね。それに、実際にいくつか奇跡が起きていたようです。行方不明だった母親が帰ってきたり、家族の病が治ったり、逆に害にしかならなかった者が遠ざけられたりと、偶然にしてはおかしなものだと」
「なるほど……確かに、奇跡かもしれん……強欲と噂されるあの一妃が、その恩恵を得られないというのは、耐えられないだろう……」
「ええ。ですが、それよりも自分の立場の方が大事だった……王子を失うことになっても」
「……とんでもないな……」
最悪、子どもはまた産めばいいのだ。今度こそ王の子を。その自信もあったのだろう。だから、自身の子どもを消そうと思った。
「はい……そうなれば、本来の第一王子殿下にも手が及んだでしょう。あの女には、自分の息子が第一王子でなくてはならなかったのですから」
第一王子を殺したところで、クレアノールの子が第一王子に繰り上がる。それではいけない。だから、一度リセットする。今の王家に王子などいなかったことに。
「考えが異常だな……しかし、殿下には問題はなかったかもしれん」
「どういう意味です? 殿下の身に何かあってからでは遅いのですよ?」
ベルトリードはハイラウスを睨み付ける。彼女達が殿下と呼ぶのは、キリアルートだけだ。クレアノールの息子となれば、絶対的に守らなくてはならない存在。それを危険な目にあっても良かったと言ったように受け取っては、怒るのも当然だ。
しかし、彼は冷静だった。
「あの方には、誰も、指一本触れられやしないさ……周りを固めている者達が只者ではない……」
「あの騎士達ですか……確かに、只者ではない様子でしたが……」
式典の折に見た騎士達を思い出すベルトリード。同じ騎士としてある者として、強さは何となく感じ取っていた。
「ああ……付いていた二人の女性達も単独で西の森の奥まで行ける実力者だ。その上に、聖女と大聖女。そして、騎士は勇者と剣聖だ」
「……は? 聖女はまあ……しかし、勇者と……剣聖?」
「そうだ。剣聖セルティ殿。我らの先祖だ。殿下は……聖下は、守護霊を実体化させる技をお持ちなのだ……幼い頃から……」
「霊を……実体化? 幼い頃とは……」
「私が知ったのは、五才の頃だ。迷宮発見当初、騎士団は暴走した西の森の魔獣の群れに壊滅しかけた。その時、助けてくれたのが今の大聖女と勇者、そして、実体化された剣聖セルティ殿。それと、殿下の従魔達だ。だった数人で、怪我人を癒し、魔獣を討伐した」
「……聞いていませんよ……」
「殿下の事を報告するなと言われていたからな」
「……」
確かにとベルトリードは黙るしかなかった。
今は辺境伯領がそろそろ見えるという頃。ベルトリードがどうこれらの話をクレアノールと王に伝えるべきかと考えていれば、剣戟の音に気付いた。
「ん? 傭兵と……盗賊か?」
遠目に、盗賊らしき者達と傭兵が戦っているのが確認できた。そこでハイラウスが、馬の綱を引き、声を張り上げる。
「馬車を止めろ!」
「……駆け抜けるには厳しいか?」
「できなくはないが、恐らくケリが付く方が早い」
「なぜだ? 人数差がある様に見えるが……」
目を凝らしながら、ベルトリードがそう話していれば、王が窓から顔を出す。
「どうした?」
「盗賊です。ただ、傭兵達が既に交戦中でして、兄が……」
「っ、あれは!」
「ハイル?」
王は驚いた様に声を上げたハイラウスに声をかける。二人は学友で、それなりに気心も知れている。とはいえそれぞれが王や辺境伯となってからは疎遠だった。今回の王都滞在中での交流で、再び友誼を結んだ仲だ。
「賞金首だ。隣の伯爵領で荒稼ぎしていると報告があった奴で間違いない」
「傭兵……が優勢ですが……兄上。騎士を出すのは……」
傭兵の多くは、騎士を毛嫌いする。反対に騎士も傭兵達を見下す者が多いため、こうした時に加勢することで事態をややこしくしてしまう場合がある。ベルトリードが躊躇っているのはそんな事情を理解しているからだ。
しかし、ハイラウスの治める辺境伯領ではその事情が違ってくる。助け合わなくては生きていけない土地だったのだ。辺境伯領に腰を据えている傭兵達や騎士はお互い支え合う仲だった。こうした時も共闘するのが寧ろ当たり前だ。
とはいえ、今回は加勢は必要なさそうだった。
「見知った者がいるから、騎士だからと反発はされないだろうが……いや、待て……」
「兄上?」
「ハイル?」
ハイラウスが更に目を凝らしていれば、何かに気付いた。
「っ……キリア様の従魔がいる」
殿下ではなく、いつものようにキリア様と呼んでしまうくらい驚きと動揺を見せるハイラウス。
「っ、では、殿下が!?」
「っ!」
王も少し身を乗り出すようにして見ようとする。
「いや、従魔だけだ。傭兵に協力しているようだな。従僕がいる」
「殿下の?」
「ああ。そろそろ終わりそうだ。私が話してくる。しばらくここで待っていてくれ」
「……分かった」
渋々といったように頷く王。それを見てすかさずベルトリードが口を開く。
「兄上、私も参ります」
キリアルートの従魔と従僕が気になるのだろう。王と馬車の中から縋るように見つめてくるクレアノールに気付き、ベルトリードは頷いて見せる。従魔や従僕がどんな存在なのかの確認は、二人の意思でもあるようだ。
「わかった……では、行って来ます」
「すぐに戻ります。お待ちください」
「頼む」
「頼むわね」
「はい」
「……」
ハイラウスは、念を押されているベルトリードを横目に、馬を進めた。すぐにベルトリードが追ってくる。
向かった先には、生き残った盗賊を縛り上げていく傭兵達。それを見守るのは、淡い橙と赤の不思議な毛を持つ魔獣、緋炎虎のミュールだ。
「っ、まさか、緋炎虎……!?」
ベルトリードがその存在感に圧倒されて立ち止まる。
ミュールは、五年前は子猫にしか見えなかったが、今や武具を纏った大人の男も背に乗せられるくらいの大きさになっていた。
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