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第一章
005 やる気を引き出すのも仕事
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2018. 10. 4
**********
ようやく樟嬰が領城に着く頃には、月が中点を過ぎる時刻になっていた。
広い城の廊下を室に向かって静かに歩く。すると、前方から明かりが近付いてきた。どうやら待ち構えていたらしい。
「遅かったですね。また着替えに手間取りましたか」
「朶輝か。紅璃姉さんには参るよ。情報が入るのは良いんだけどな」
「でも、見る目は確かで……」
「何だ?」
「いえっ。情報は確かですからねっ」
そう言いながらも朶輝の目は樟嬰の姿を眩しそうに見つめていた。
美しい濃紺の衣が月明かりに不思議と映え、纏めた長い髪も、銀の簪が美しく彩っている。誰にも会う予定はないが、もし何等かの会見か、議会があったなら、誰より人目を引くだろう。
恐らく、紅璃はこんな遅い時間から執務に精を出さねばならない彼や官吏達の励みになればと選んだのだ。それは正しく作用し、疲れを見せていた朶輝の心を一気にやる気で満たした。
「日が昇る前に送らせていただきますので、早く室へ参りましょう」
「あぁ……? 何でかお前達は、送りたがるな。別に迷子になったりしないぞ?」
「いえっ。最近は、何かと物騒ですからっ」
気づいていないのは本人だけなのだ。朶輝の心配を余所に、薄暗い廊下を歩く。執務室の中では、嘩羅と叉獅が書類をまとめていた。
「お帰りなさいませっ。樟嬰……さ……まっ……」
「何だ? 叉獅。ネジ切れの人形のように」
「いっいえっ。紅璃殿の今日の仕事はもう終わったようで……」
「あぁ。よく分かったな」
「えぇ。そりゃぁもう……」
気合いの入った樟嬰の姿を見れば、紅璃が念入りに時間を掛けたのも理解できる。一気に体が熱くなるような完璧な美しさを見せられれば、眠気も吹き飛ぶというものだ。よく分かっていると紅璃には頭の上がらない叉獅だ。
それと反対に、素直に感情を口にするのが副官補佐の嘩羅。年齢はまだ十二頃なので、その様子はとても好ましい。
「お美しいですっ。樟嬰様っ。感激ですっ」
「っこらっ。何口走ってやがる嘩羅っ」
「ちょっ、叩く事ないだろっ。僕は正直なんだっ。叉獅みたいに感性が欠落した奴の方がおかしいよ」
二人はしょっちゅうこうしてぶつかり合う。その様は樟嬰から見れば、お互い戯れているとしか見えなかった。
「うるせぇっ。何でもかんでも口にしてんじゃねぇよっ。お前っ本当は頭悪いだろ」
「何だと野蛮人っ。お前みたいなのが樟嬰様の側近として居る事自体間違ってるっ。即刻籍を返上しろっ」
「っんだとっ。なよっちぃお前の方が役に立たねぇんだから、籍を返上すんのはそっちだろっ」
とはいえ、その間、作業の手が止まってしまうので、忙しい時はやめて欲しいと思う。
「朶輝。お前、止めないのか?」
「いらぬ火の粉は浴びるものではありませんし、放っておきましょう。そのうち勝手に鎮火します。危険ですから、なるべくあのお馬鹿さん達から離れてくださいね」
今や取っ組み合いになっている二人から大袈裟に距離をおいて、書類を前に座った。
「なぜこうなる?」
二人を見て首を捻る。確かに紅璃の意図は達成された。しかし、元気になりすぎるのも考えものだ。端では、静かに朶輝が溜息をついていた。
◆ ◆ ◆
本日分の決裁を終え、集まった報告書に全て目を通した後、樟嬰は重い息を吐く。
「予想通り過ぎて呆れるな……全く、民を何だと思っているんだ」
上がってきた報告書は、王都の様子についてだった。降下の原因として上げられる大きな問題の一つが、王の行いだ。
年若い姿の今代の玉に入れ込んでいるという女王は、度々問題を起こす。だから、今回も何かしらやらかしているのではないかと探らせたのだが、結果は予想通りといえるものだった。
先日、民達は重い税に喘ぎ、王都を中心に乱が起きた。当然だ。妖魔が少ない王都といっても、降下に連れて土は痩せ細っていく。
それでも民達は前王の時代から変わらず八割の税を課せられていた。子は生まれてもすぐに死んでしまう。口減らしにあったり、病で呆気なく逝ってしまうのだ。現状では大人達でさえも危うい。遠からず起きる事態だった。
「今代の玉も見る目がねぇな」
「若いみたいだし。まぁ、先代があれじゃぁね~」
いつの間にか乱闘騒ぎにも片がついたらしく、ちゃっかり二人とも仕事を終えて話に加わっている。
「人と成りも見ずに勝手に言うものではない。結果がこうなっただけで、評価しては駄目だろ」
「そうですね。玉になるという事は、天臣が籍を渡す事とは違います。天へとお窺いを立て、魂の質を問う。今代の玉は、史上最年少で選ばれ、就任式の時にお受けになる託宣も確かなものであったと聞きます」
玉とは、王を選定し、この方舟の中で生きる者達を庇護する役目を負っている。人々が死に耐えることがないように。漂う舟となったこの地の絶望を知ることがないようにまとめる者だ。
地を浄化するような特別な力はないが、玉は神籍を持っており、使命を終えて次代へと引き継ぐまでは不老不死となる。
そして、就任の折、玉は天上の神族から託宣を受けるのだ。それは未来を予知するものであったり、特別な使命を与えるものであったりする。
「どんな託宣だったのでしょうね~。でもこの事態ですよ。どうします? 樟嬰様。さっさと王から民を助けましょうよ。命令通りに妻子を捕らえに動いているなら、全員が捕まって刑が執行されるまでには時間があります。でも悠長な事やってたら警告の段階が終わって、天命が下ってしまいますよ?」
守るべき人を殺すのだ。愚行でしかなかった。降下は警告であり、実行されなければそれは止まる。
「……」
「どうなさったんですか樟嬰様。いつもの樟嬰様ならとっくに決断をしているでしょう。俺達が出て行きゃあ、すぐに片がつきます。何を迷う事があるんです」
「……樟嬰様?」
最強と名高いこの葉月の領軍が出張って行って抗議すれば、すぐにでも王は決定を取りやめるだろう。王は天臣ではあるが、天臣は不死ではないのだ。武力行使に出たなら頭は冷えるだろう。
しかし、それを知っていても樟嬰は迷っていた。
「……お前達は、天意を本当に信じているのか?」
「どういう意味です?」
絶対と信じている天を批難するような言葉に、三人の側近達は顔を青くする。一歩間違えれば、今の言葉で、主である樟嬰が天に裁かれかねない。
そう。この世界には天罰というものがあると信じられているのだ。それは過去に多々確認されてきているのだから。
「……今のご冗談ですよね? ねっ、樟嬰様っ」
「あぁ……いやっ、すまない……民を助け出さなければならないのは確かだ。だが、これだけが原因ではないように思う。もう少し調べてくれ。これだと決め付けず、どんな些細な情報でも逃さぬように」
「「「はい」」」
見れば三人の側近は、釈然としない顔をそれぞれ向けていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回、また明日5日です。
よろしくお願いします◎
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ようやく樟嬰が領城に着く頃には、月が中点を過ぎる時刻になっていた。
広い城の廊下を室に向かって静かに歩く。すると、前方から明かりが近付いてきた。どうやら待ち構えていたらしい。
「遅かったですね。また着替えに手間取りましたか」
「朶輝か。紅璃姉さんには参るよ。情報が入るのは良いんだけどな」
「でも、見る目は確かで……」
「何だ?」
「いえっ。情報は確かですからねっ」
そう言いながらも朶輝の目は樟嬰の姿を眩しそうに見つめていた。
美しい濃紺の衣が月明かりに不思議と映え、纏めた長い髪も、銀の簪が美しく彩っている。誰にも会う予定はないが、もし何等かの会見か、議会があったなら、誰より人目を引くだろう。
恐らく、紅璃はこんな遅い時間から執務に精を出さねばならない彼や官吏達の励みになればと選んだのだ。それは正しく作用し、疲れを見せていた朶輝の心を一気にやる気で満たした。
「日が昇る前に送らせていただきますので、早く室へ参りましょう」
「あぁ……? 何でかお前達は、送りたがるな。別に迷子になったりしないぞ?」
「いえっ。最近は、何かと物騒ですからっ」
気づいていないのは本人だけなのだ。朶輝の心配を余所に、薄暗い廊下を歩く。執務室の中では、嘩羅と叉獅が書類をまとめていた。
「お帰りなさいませっ。樟嬰……さ……まっ……」
「何だ? 叉獅。ネジ切れの人形のように」
「いっいえっ。紅璃殿の今日の仕事はもう終わったようで……」
「あぁ。よく分かったな」
「えぇ。そりゃぁもう……」
気合いの入った樟嬰の姿を見れば、紅璃が念入りに時間を掛けたのも理解できる。一気に体が熱くなるような完璧な美しさを見せられれば、眠気も吹き飛ぶというものだ。よく分かっていると紅璃には頭の上がらない叉獅だ。
それと反対に、素直に感情を口にするのが副官補佐の嘩羅。年齢はまだ十二頃なので、その様子はとても好ましい。
「お美しいですっ。樟嬰様っ。感激ですっ」
「っこらっ。何口走ってやがる嘩羅っ」
「ちょっ、叩く事ないだろっ。僕は正直なんだっ。叉獅みたいに感性が欠落した奴の方がおかしいよ」
二人はしょっちゅうこうしてぶつかり合う。その様は樟嬰から見れば、お互い戯れているとしか見えなかった。
「うるせぇっ。何でもかんでも口にしてんじゃねぇよっ。お前っ本当は頭悪いだろ」
「何だと野蛮人っ。お前みたいなのが樟嬰様の側近として居る事自体間違ってるっ。即刻籍を返上しろっ」
「っんだとっ。なよっちぃお前の方が役に立たねぇんだから、籍を返上すんのはそっちだろっ」
とはいえ、その間、作業の手が止まってしまうので、忙しい時はやめて欲しいと思う。
「朶輝。お前、止めないのか?」
「いらぬ火の粉は浴びるものではありませんし、放っておきましょう。そのうち勝手に鎮火します。危険ですから、なるべくあのお馬鹿さん達から離れてくださいね」
今や取っ組み合いになっている二人から大袈裟に距離をおいて、書類を前に座った。
「なぜこうなる?」
二人を見て首を捻る。確かに紅璃の意図は達成された。しかし、元気になりすぎるのも考えものだ。端では、静かに朶輝が溜息をついていた。
◆ ◆ ◆
本日分の決裁を終え、集まった報告書に全て目を通した後、樟嬰は重い息を吐く。
「予想通り過ぎて呆れるな……全く、民を何だと思っているんだ」
上がってきた報告書は、王都の様子についてだった。降下の原因として上げられる大きな問題の一つが、王の行いだ。
年若い姿の今代の玉に入れ込んでいるという女王は、度々問題を起こす。だから、今回も何かしらやらかしているのではないかと探らせたのだが、結果は予想通りといえるものだった。
先日、民達は重い税に喘ぎ、王都を中心に乱が起きた。当然だ。妖魔が少ない王都といっても、降下に連れて土は痩せ細っていく。
それでも民達は前王の時代から変わらず八割の税を課せられていた。子は生まれてもすぐに死んでしまう。口減らしにあったり、病で呆気なく逝ってしまうのだ。現状では大人達でさえも危うい。遠からず起きる事態だった。
「今代の玉も見る目がねぇな」
「若いみたいだし。まぁ、先代があれじゃぁね~」
いつの間にか乱闘騒ぎにも片がついたらしく、ちゃっかり二人とも仕事を終えて話に加わっている。
「人と成りも見ずに勝手に言うものではない。結果がこうなっただけで、評価しては駄目だろ」
「そうですね。玉になるという事は、天臣が籍を渡す事とは違います。天へとお窺いを立て、魂の質を問う。今代の玉は、史上最年少で選ばれ、就任式の時にお受けになる託宣も確かなものであったと聞きます」
玉とは、王を選定し、この方舟の中で生きる者達を庇護する役目を負っている。人々が死に耐えることがないように。漂う舟となったこの地の絶望を知ることがないようにまとめる者だ。
地を浄化するような特別な力はないが、玉は神籍を持っており、使命を終えて次代へと引き継ぐまでは不老不死となる。
そして、就任の折、玉は天上の神族から託宣を受けるのだ。それは未来を予知するものであったり、特別な使命を与えるものであったりする。
「どんな託宣だったのでしょうね~。でもこの事態ですよ。どうします? 樟嬰様。さっさと王から民を助けましょうよ。命令通りに妻子を捕らえに動いているなら、全員が捕まって刑が執行されるまでには時間があります。でも悠長な事やってたら警告の段階が終わって、天命が下ってしまいますよ?」
守るべき人を殺すのだ。愚行でしかなかった。降下は警告であり、実行されなければそれは止まる。
「……」
「どうなさったんですか樟嬰様。いつもの樟嬰様ならとっくに決断をしているでしょう。俺達が出て行きゃあ、すぐに片がつきます。何を迷う事があるんです」
「……樟嬰様?」
最強と名高いこの葉月の領軍が出張って行って抗議すれば、すぐにでも王は決定を取りやめるだろう。王は天臣ではあるが、天臣は不死ではないのだ。武力行使に出たなら頭は冷えるだろう。
しかし、それを知っていても樟嬰は迷っていた。
「……お前達は、天意を本当に信じているのか?」
「どういう意味です?」
絶対と信じている天を批難するような言葉に、三人の側近達は顔を青くする。一歩間違えれば、今の言葉で、主である樟嬰が天に裁かれかねない。
そう。この世界には天罰というものがあると信じられているのだ。それは過去に多々確認されてきているのだから。
「……今のご冗談ですよね? ねっ、樟嬰様っ」
「あぁ……いやっ、すまない……民を助け出さなければならないのは確かだ。だが、これだけが原因ではないように思う。もう少し調べてくれ。これだと決め付けず、どんな些細な情報でも逃さぬように」
「「「はい」」」
見れば三人の側近は、釈然としない顔をそれぞれ向けていた。
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次回、また明日5日です。
よろしくお願いします◎
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