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第三章
080 頼るべきところ
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樟嬰の所に黄城から応援要請が入ってしばらくした頃。
王城では王の居室である奥宮を封鎖して何とか体裁を保っていた。
「玉様……葉月領主様への連絡は閻梨様にお願いいたしました。恐らく、今頃届いております」
「そうですか……ありがとうございます」
王の姿を確認した補佐官二人と、いつも頼りになる将軍も、玉の側で座り込んでいた。体の芯から震えが来る感覚。整わない呼吸。どうすればいいのか分からない。
分からないながらに、助けを求めた。情けなく、みっともないけれど、それでも。
「……樟嬰様……っ」
握り込んだ石。緑黄神霊石は、奥宮から離れたこの場所でも瘴気を示す濃い緑のまま。それでも、あの王の側に行った時の色とは違う。あの時、緑であることさえ分からないほど黒く、暗く色を変えていたのだから。
吸瘴果も三分の一を残して使ってしまった。部屋を出て、王を閉じ込めるのにかなりの量を使ったのだ。
「うっ」
補佐官の一人が倒れた。それに慌てて手を伸ばす。だが、足に力が入らなかった。
青い顔の将軍も手を伸ばしていた。だが、倫駿と同じように、体に上手く力が入らないのだろう。届かない。
しかし、その時。倒れた補佐官に白く美しい手が触れる。その手から腕へと視線で辿れば、泣きそうになった。
「瘴気に当てられたようだな……」
「っ、樟嬰さま……っ」
信じられない思いでその人を見る。
「少し待て」
倒れた補佐官を仰向けで寝かせ、樟嬰は静かに立ち上がる。この場に居る誰もが、自然と目を向けてしまうほどの優雅な所作。そうして見惚れていると、樟嬰から光が放たれた。風となって王城を駆け抜けていく。
「っ、あ……息が……」
体が軽くなった。震えも止まっている。それが、浄化の力であったと気付き、樟嬰に改めて目を向けた。情けない顔をしていたのだろうか。
樟嬰はふっと倫駿を見て微笑んだ。
「っ……」
「もう、動けるだろう?」
「っ……あ、はい……っ、お手間を取らせました……」
「気にするな」
樟嬰はふと目線を下げる。それに気付き、同じ場所へ目を向ける。見ていたのは知らず、ずっと握っていたらしい緑黄神霊石。
手を広げると、そこにはまだ少し緑の強い色があった。
「やはり、全てをというのは無理だな……まだ出てきているか……」
「っ、それは、奥から……?」
倫駿はまた血の気が引く感覚を味わっていた。そんな様子を見て、樟嬰は目を細める。
「……人の形を保てていたか……?」
「っ……なぜっ……」
驚いて勢いよく顔を上げた。なぜ知っているのかと。だが、察することはできるものだ。吸瘴果などという物を持っていたくらいなのだから。
「っ、女っ、なぜそのようなことを知っているっ!」
将軍には、それが分からない。だから警戒するのも当然のこと。倫駿は慌てて立ち上がり、剣に手をかける将軍の前に立ちはだかった。
「将軍! この方は華月院樟嬰様です!」
「っ、この方……が?」
ざわざわと周りの者たちが騒ぎ出す。直接瘴気というものを感じ取れるようになった倫駿達ほどではないが、城の者たちは皆が感じていた。重苦しい空気が、先ほど樟嬰の力で消え去ったことを。そんなことが出来るのは華月院の当主だけであるということを思い出す。
だが、中には忌まわしく思う者も居た。
「華月院の者が何をしにきた!」
「王をお守りしろ! 華月院はこの国の実権を握りに来たのだ!」
「弱みにつけ込むとは、華月院がやりそうなことだ」
華月院の力は、国を治めることもできるほどのもの。だからこそ、後ろめたいことのある者たちは酷く警戒する。
樟嬰が当主となるまでは、華月院の老達と繋がり、甘い汁をすすってきた者も多い。そんな彼らも、樟嬰には警戒していた。
「ふふっ。嫌われたものだな」
「そんなっ……ッ」
倫駿は持ち前の記憶力でもって、樟嬰に敵意を向けた者達を全て記憶する。
今までは、使えるならばいいと思ってきた。だが、今は違う。絶対に排除すると心に決めた。どの道、そういう者たちの働きなど、ほとんど意味のないものだろう。倫駿と優秀な補佐官が居ればどうにか出来る。穴にもならないのだから問題はない。
「玉様っ。そのような者からは離れてください!」
「弱った所につけ込もうとしているのです」
「この騒動も、もしや……」
「有り得ないこともないっ。華月院ならば怪しげな術で王を……」
「なんと恐ろしい!」
こいつらは何を言っているのか。助けてくれようとする彼女に、何てことを。
「っ……そのような目を向けるな……ッ」
「玉様?」
不快感に爆発しそうになる怒り。それを再び口にしようとして、将軍が心配して声をかけてくる。
その時だ。
将軍が咄嗟に腕を引っ張った。
「っ……!?」
後ろに庇われてから気付く。
樟嬰を黒い装束を着けた者達が囲んでいた。その者たちは、身を低くして武器を構え、射殺しそうなほどの鋭い視線を、先ほど発言した者達へと向けていた。
「やめろ。気にするな」
「……」
彼らは樟嬰に宥められ、武器を納める。そして、ふっと姿を消した。瞬きしたら居なかったように、一瞬で消えたのだ。
「すまんな。驚かせた。王城にはあまり入るなとは言っておいたのだがな」
「……っ……あ、ご配慮、いたみいります」
領分を侵さないように気を付けてくれていたらしい。
「それより、答えをもらえるか?」
「答え……あ、姿……その……はっきりと見えなかったのです。黒い……瘴気が……」
「可視化するほどか……吸瘴果でも、そこまでいくと無理だな……早いのは、私が直接行くことだが……」
「いけません!」
その声は、唐突に降ってきた。樟嬰の傍らにその人は降り立つ。
「朔兎か……外はどうなった?」
「嘩羅に任せてきました。あなたが無茶をしそうでしたので」
「……そこまで無茶をする気はないが……」
「嘘ですね? 倒れる手前まではと思っていらしたはずです」
「ふっ、お前は……よく分かったな」
ニヤリと笑うその表情さえ美しかった。対する朔兎は揺るがない。
「開き直らないでください。絶対にダメです。それに……」
ここで朔兎から殺気を感じた。
「ここには礼儀も知らない者が居るとか……手を借りたくないと言うのです。このような者たちのいる場所など自滅するのをただ見ていればいい。この国が降下しきる前に死滅させれば、憂いなく上に行けます」
「……」
こんなに喋る人だったのかと、倫駿も驚いた。そして、とても黒い。
文句を言っていた者達が、軒並み腰を抜かしていた。
「……あの者……人を選んで殺気を……」
「え……」
将軍の言葉から察するに、樟嬰に敵意を向けた者だけに殺気を当てているらしい。それにはどれだけの技量が必要なのか想像もできない。ただ静かに後ろに控えるだけの存在ではないのだと、朔兎への印象を改めた。
「朔兎」
「……はい。失礼しました」
「いい。分かっている。だが、このままでは……恐らく、降下よりも先に崩壊が始まる」
「っ……!?」
嫌な予感がした。
************
読んでくださりありがとうございます◎
また来月10日です。
よろしくお願いします◎
王城では王の居室である奥宮を封鎖して何とか体裁を保っていた。
「玉様……葉月領主様への連絡は閻梨様にお願いいたしました。恐らく、今頃届いております」
「そうですか……ありがとうございます」
王の姿を確認した補佐官二人と、いつも頼りになる将軍も、玉の側で座り込んでいた。体の芯から震えが来る感覚。整わない呼吸。どうすればいいのか分からない。
分からないながらに、助けを求めた。情けなく、みっともないけれど、それでも。
「……樟嬰様……っ」
握り込んだ石。緑黄神霊石は、奥宮から離れたこの場所でも瘴気を示す濃い緑のまま。それでも、あの王の側に行った時の色とは違う。あの時、緑であることさえ分からないほど黒く、暗く色を変えていたのだから。
吸瘴果も三分の一を残して使ってしまった。部屋を出て、王を閉じ込めるのにかなりの量を使ったのだ。
「うっ」
補佐官の一人が倒れた。それに慌てて手を伸ばす。だが、足に力が入らなかった。
青い顔の将軍も手を伸ばしていた。だが、倫駿と同じように、体に上手く力が入らないのだろう。届かない。
しかし、その時。倒れた補佐官に白く美しい手が触れる。その手から腕へと視線で辿れば、泣きそうになった。
「瘴気に当てられたようだな……」
「っ、樟嬰さま……っ」
信じられない思いでその人を見る。
「少し待て」
倒れた補佐官を仰向けで寝かせ、樟嬰は静かに立ち上がる。この場に居る誰もが、自然と目を向けてしまうほどの優雅な所作。そうして見惚れていると、樟嬰から光が放たれた。風となって王城を駆け抜けていく。
「っ、あ……息が……」
体が軽くなった。震えも止まっている。それが、浄化の力であったと気付き、樟嬰に改めて目を向けた。情けない顔をしていたのだろうか。
樟嬰はふっと倫駿を見て微笑んだ。
「っ……」
「もう、動けるだろう?」
「っ……あ、はい……っ、お手間を取らせました……」
「気にするな」
樟嬰はふと目線を下げる。それに気付き、同じ場所へ目を向ける。見ていたのは知らず、ずっと握っていたらしい緑黄神霊石。
手を広げると、そこにはまだ少し緑の強い色があった。
「やはり、全てをというのは無理だな……まだ出てきているか……」
「っ、それは、奥から……?」
倫駿はまた血の気が引く感覚を味わっていた。そんな様子を見て、樟嬰は目を細める。
「……人の形を保てていたか……?」
「っ……なぜっ……」
驚いて勢いよく顔を上げた。なぜ知っているのかと。だが、察することはできるものだ。吸瘴果などという物を持っていたくらいなのだから。
「っ、女っ、なぜそのようなことを知っているっ!」
将軍には、それが分からない。だから警戒するのも当然のこと。倫駿は慌てて立ち上がり、剣に手をかける将軍の前に立ちはだかった。
「将軍! この方は華月院樟嬰様です!」
「っ、この方……が?」
ざわざわと周りの者たちが騒ぎ出す。直接瘴気というものを感じ取れるようになった倫駿達ほどではないが、城の者たちは皆が感じていた。重苦しい空気が、先ほど樟嬰の力で消え去ったことを。そんなことが出来るのは華月院の当主だけであるということを思い出す。
だが、中には忌まわしく思う者も居た。
「華月院の者が何をしにきた!」
「王をお守りしろ! 華月院はこの国の実権を握りに来たのだ!」
「弱みにつけ込むとは、華月院がやりそうなことだ」
華月院の力は、国を治めることもできるほどのもの。だからこそ、後ろめたいことのある者たちは酷く警戒する。
樟嬰が当主となるまでは、華月院の老達と繋がり、甘い汁をすすってきた者も多い。そんな彼らも、樟嬰には警戒していた。
「ふふっ。嫌われたものだな」
「そんなっ……ッ」
倫駿は持ち前の記憶力でもって、樟嬰に敵意を向けた者達を全て記憶する。
今までは、使えるならばいいと思ってきた。だが、今は違う。絶対に排除すると心に決めた。どの道、そういう者たちの働きなど、ほとんど意味のないものだろう。倫駿と優秀な補佐官が居ればどうにか出来る。穴にもならないのだから問題はない。
「玉様っ。そのような者からは離れてください!」
「弱った所につけ込もうとしているのです」
「この騒動も、もしや……」
「有り得ないこともないっ。華月院ならば怪しげな術で王を……」
「なんと恐ろしい!」
こいつらは何を言っているのか。助けてくれようとする彼女に、何てことを。
「っ……そのような目を向けるな……ッ」
「玉様?」
不快感に爆発しそうになる怒り。それを再び口にしようとして、将軍が心配して声をかけてくる。
その時だ。
将軍が咄嗟に腕を引っ張った。
「っ……!?」
後ろに庇われてから気付く。
樟嬰を黒い装束を着けた者達が囲んでいた。その者たちは、身を低くして武器を構え、射殺しそうなほどの鋭い視線を、先ほど発言した者達へと向けていた。
「やめろ。気にするな」
「……」
彼らは樟嬰に宥められ、武器を納める。そして、ふっと姿を消した。瞬きしたら居なかったように、一瞬で消えたのだ。
「すまんな。驚かせた。王城にはあまり入るなとは言っておいたのだがな」
「……っ……あ、ご配慮、いたみいります」
領分を侵さないように気を付けてくれていたらしい。
「それより、答えをもらえるか?」
「答え……あ、姿……その……はっきりと見えなかったのです。黒い……瘴気が……」
「可視化するほどか……吸瘴果でも、そこまでいくと無理だな……早いのは、私が直接行くことだが……」
「いけません!」
その声は、唐突に降ってきた。樟嬰の傍らにその人は降り立つ。
「朔兎か……外はどうなった?」
「嘩羅に任せてきました。あなたが無茶をしそうでしたので」
「……そこまで無茶をする気はないが……」
「嘘ですね? 倒れる手前まではと思っていらしたはずです」
「ふっ、お前は……よく分かったな」
ニヤリと笑うその表情さえ美しかった。対する朔兎は揺るがない。
「開き直らないでください。絶対にダメです。それに……」
ここで朔兎から殺気を感じた。
「ここには礼儀も知らない者が居るとか……手を借りたくないと言うのです。このような者たちのいる場所など自滅するのをただ見ていればいい。この国が降下しきる前に死滅させれば、憂いなく上に行けます」
「……」
こんなに喋る人だったのかと、倫駿も驚いた。そして、とても黒い。
文句を言っていた者達が、軒並み腰を抜かしていた。
「……あの者……人を選んで殺気を……」
「え……」
将軍の言葉から察するに、樟嬰に敵意を向けた者だけに殺気を当てているらしい。それにはどれだけの技量が必要なのか想像もできない。ただ静かに後ろに控えるだけの存在ではないのだと、朔兎への印象を改めた。
「朔兎」
「……はい。失礼しました」
「いい。分かっている。だが、このままでは……恐らく、降下よりも先に崩壊が始まる」
「っ……!?」
嫌な予感がした。
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読んでくださりありがとうございます◎
また来月10日です。
よろしくお願いします◎
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