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第三章
081 決意と覚悟
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樟嬰は払ってもすぐに奥から湧いてきた瘴気の気配に、不快感を隠し切れなかった。だからこそ、朔兎も早くこの場を後にしようと、珍しく喋っているのだろう。
「ここには礼儀も知らない者が居るとか……手を借りたくないと言うのです。このような者たちのいる場所など自滅するのをただ見ていればいい。この国が降下しきる前に死滅させれば、憂いなく上に行けます」
確かになと思わなくもない。まとまらねばならないこの時に、彼らと言い争うのは時間の無駄だ。だが、これ以上未練を残す死を許すことはできない。とはいえ、結果はあまり変わらない気もしている。
このまま長くここに滞在するのは遠慮したい。なので、朔兎には少し落ち着いてもらう。
「朔兎」
「……はい。失礼しました」
「いい。分かっている。だが、このままでは……恐らく、降下しきる前に崩壊が始まる」
「っ……」
朔兎が驚いて樟嬰を見る。それに、未だ瘴気が吹き上げている外へと視線を向けて苦笑で答えた。
「一度、第二階を降りたことで、瘴気の溜まりやすい場所が活性化していたんだろう。そこにきて、王城の奥に瘴気が発生しては……大地の力は一気に衰える」
第一階は瘴気が渦巻く大地だ。それに近付いたことで、瘴気が必要以上に溜まってしまったのだろう。
「多少ならば地霊が浄化してくれたのだが……この辺りには既に地霊は存在しないからな。儀式も断られたのだ。もはや、どうにもならん」
「なるほど….….では、これはここに居る者たちが招いた結果ですね」
朔兎は鼻で笑い飛ばす。そして、自覚を促す。お前達が悪いのだと。
「そうなるな」
樟嬰がはっきりと認めたことで、敵意を向けていた者たちが顔色を変えた。しかし彼らは、自分達に非があるなど認めない人種だ。
「っ、それを説明しなかったのが悪い!」
「そうだ! 結果を、分かっていて!」
「我らを破滅させようとしたのだろう!」
はっきり言って、いい加減鬱陶しい。これに、樟嬰は感情を消して返した。
「否定はせんぞ。口しか動かせぬ役立たずがこの地に居ることは本来許されん。ここは元来、神族も認める清廉な魂を持った者が集うべき場所だ。果たして、お前達の魂は清廉といえるか?」
「っ……そ、そんなことっ」
「ど、どうやって分かるというのだ!」
くだらない。
そう思ったのは、樟嬰だけではなかった。
「その口を閉じなさい!」
「「「っ!?」」」
「玉様……っ」
いつも声を荒げたりしない玉が、本気で怒っていた。
「私でも分かります! あなた方は清廉などという言葉さえ聞くに値しない存在だ!」
「な、なんてことを!」
「玉様といえど、そのような暴言っ……!」
「黙りなさい! 華月院の力は、命を削るのです。あなた方は、この方の命を削ってまで守らねばならないものにはなり得ない!」
倫駿は怒りで震えていた。だが、今は樟嬰を失うことが怖くて震えている。
「こ、こんな小娘が我らより価値が……」
「上です! 少なくとも、葉月やその周辺の領民達や私にとってはっ」
「っ……」
倫駿の怒りに満ちた目を見て、反発していた者たちは声を失った。それほどまでに、強い光を宿していた。
何より、玉は天が決めるもの。その怒りを買うなど、彼らにとってはあってはならないことだ。
しばらく玉に睨まれ、沈黙が続いた。そんな中で恐る恐る口を開いたのは将軍だ。
「……お聞きしたいのですが……崩壊とは……どうなるのですか……」
樟嬰は奥の気配を慎重に探っていた。そこにきて、ようやくの質問。目を瞬いて将軍を見た。
「ん? ああ。そのままの意味だ。大地が崩れていく。瘴気は重さだと思えばいい。瘴気が少ないほど上にいける。今はここに特大の瘴気の塊りがあるのだ。どうなるか分かるだろう」
なんてことないように、それが当たり前だと説明する樟嬰。だが、それを聞いた者たちはそれどころではなかった。
「っ……ここが崩れ落ちる?」
「そういうことだ。後数日も放置すれば確実だろう。あの辺の……口が先に動く奴らも、瘴気の影響を受けているからな。この城はそれほど保たなかっただろう」
「え……」
あの辺と言われた者達は、何を言われたかと必死で考えを巡らせ、ゆっくりと理解して腰を抜かす。
彼らに代わり、将軍は答えを求める。
「っ……影響を……? では、あの方達は……」
「天臣としての加護ももう消えかけている。早くわかって良かったな。堕ちきる前にあれらの臣籍を返上させろ。でなければ、天臣の数が減るぞ」
「っ、まさかっ『国事の書』にある『堕ちた天臣は消滅する』というのは……」
次に顔色を失くしたのは倫駿だった。不老となる天臣の籍は数が限られている。
「ああ。天臣の籍が同時に消滅するという意味だ。『正しく民を導く者を天臣とせよ。清廉なる者であれ』とあるだろう。神族に毒となる瘴気を内に宿す者を守れるわけがない。もう影響も出ているのではないか? どこかに老いが……そうだな。手とか髪に出てきていないか?」
「っ……!」
膝をついていた多くの者が震え始める。長い袖に手を隠す。その仕草を、周りは見逃さなかった。鋭い視線が、彼らに注がれる。
「では、老いが天臣として相応しくない証拠ですね」
朔兎の言葉に、樟嬰は頷いた。
「そうだな。関わりのない私には分からないが、周りになら違いが分かるかもしれんな」
証明しろといわれても、樟嬰には分からない。なので、どう答えようかと考えていたのだが、問題なさそうだ。それが清廉ではないという証拠だろう。
先ほどよりもはっきりとした表情で、将軍が再度問いかける。
「彼らを籍から外せば、崩壊は止まりますか」
「いや、言っただろう。奥の……大元を正さねば無理だ。だいたい、ここは神族との交流の要の地だったのだ。そこを穢されてただで済むわけがない」
「で、ではっ」
「そろそろ、降下も始まっていよう。まったく、せっかく引き上げたというのに、困ったものだ」
「……降下……っ、ですがまさかっ」
そこに駆け込んでくる者があった。
「っ、申し上げます! 黄城から『降下が確認された』と!」
「「「っ!?」」」
「……こんなに早く……っ」
誰もが絶望した。だが、樟嬰と朔兎は顔色を変えない。分かっていたことだ。
「二階で留まれるようにせんとな……人の形が危ういところまで来ているとなれば……」
「樟嬰様、無茶は……」
朔兎が真っ直ぐに見つめてくる。それに苦笑を、返すことしかできない。そっとその頬へ手を伸ばした。
「分かるだろう朔兎。これは華月院の当主としてやるべきことだ」
「っ、貴女に何かあったら私は……っ」
樟嬰は朔兎に近付く。そして、その胸に額を預けて告げた。
「少しだけ、眠ることになるだろう。私は天臣にはなれないが、この血自体がその資格を有しているようなものだ。だから、お前をおいて逝くことはないと約束する」
「っ……はい……」
「私が眠ったら、下へ連れて行ってくれ。地上では回復が遅くなる。その間……影達よ」
顔を上げた樟嬰の前に、ここへやって来ていた影が十数人膝をついて現れる。そんな彼らに向けて命じた。
「私が不在の間、この国の平定に当たれ、玉の補佐を。それと、半数は母上と葉月領を頼む。指揮は朔兎と嘩羅に。嘩羅、母上と葉月領の方を頼む」
「っ、姉様……っ、はい! お戻りになるまで、必ず!」
嘩羅は涙を浮かべていた。この指示だけで、しばらく会えなくなるのだと正確に察したのだ。
「朔兎。そんな顔をするな。大丈夫だ」
「……はい……必ず、お戻りください。それが叶わなかった場合……この国は私が終わらせます」
「ふふ。分かった。それでいい。だが、信じて待っていてくれ」
朔兎は一度痛みを堪えるように目を閉じた。そして、頷いてから影達に指示を出す。
「……はい。っ、各員、伝達を。これより、樟嬰様がお戻りになるまで、国の守護に当たる」
「「「はっ!!」」」
影達は姿を消した。
「では、行こう。元を正しにな」
「お供いたします」
当然だが朔兎はついてくる。そこで、樟嬰は将軍へ目を向けた。
「将軍殿。案内を頼めるだろうか。まだ私を疑わしく思うだろが、なんとか王を人に戻すと約束しよう。この国のため、協力願う」
「っ、わ、分かりました。それに、疑うなど……貴女は……この国のために命を賭けてくださるのですね……先ほどまでのご無礼、お許しください」
「構わないさ。初めから国の守りとして頼りになる将軍だと感心しきりだ。貴殿とならば、我が領の将軍とも話が合うだろう」
「っ、一度ご挨拶させていただきます」
恐縮しながら、将軍は案内に立った。しかし、数歩歩き出したところで、倫駿から声がかかる。
「私も行きますっ」
「足手まといです」
「っ……」
すぐに反応して切り返したのは朔兎だ。
「それでも……私は玉です。見届けなくてはならない」
「ふふ。朔兎、落ち着け。将軍殿も居るのだ。何とかなろう」
「……分かりました。ですが、何があっても邪魔だけは許さない」
「っ、はい……もちろんです」
そうして、結局は玉とその補佐二人を加え、奥へと向かったのだ。
************
読んでくださりありがとうございます◎
また来月10日になります。
よろしくお願いします◎
「ここには礼儀も知らない者が居るとか……手を借りたくないと言うのです。このような者たちのいる場所など自滅するのをただ見ていればいい。この国が降下しきる前に死滅させれば、憂いなく上に行けます」
確かになと思わなくもない。まとまらねばならないこの時に、彼らと言い争うのは時間の無駄だ。だが、これ以上未練を残す死を許すことはできない。とはいえ、結果はあまり変わらない気もしている。
このまま長くここに滞在するのは遠慮したい。なので、朔兎には少し落ち着いてもらう。
「朔兎」
「……はい。失礼しました」
「いい。分かっている。だが、このままでは……恐らく、降下しきる前に崩壊が始まる」
「っ……」
朔兎が驚いて樟嬰を見る。それに、未だ瘴気が吹き上げている外へと視線を向けて苦笑で答えた。
「一度、第二階を降りたことで、瘴気の溜まりやすい場所が活性化していたんだろう。そこにきて、王城の奥に瘴気が発生しては……大地の力は一気に衰える」
第一階は瘴気が渦巻く大地だ。それに近付いたことで、瘴気が必要以上に溜まってしまったのだろう。
「多少ならば地霊が浄化してくれたのだが……この辺りには既に地霊は存在しないからな。儀式も断られたのだ。もはや、どうにもならん」
「なるほど….….では、これはここに居る者たちが招いた結果ですね」
朔兎は鼻で笑い飛ばす。そして、自覚を促す。お前達が悪いのだと。
「そうなるな」
樟嬰がはっきりと認めたことで、敵意を向けていた者たちが顔色を変えた。しかし彼らは、自分達に非があるなど認めない人種だ。
「っ、それを説明しなかったのが悪い!」
「そうだ! 結果を、分かっていて!」
「我らを破滅させようとしたのだろう!」
はっきり言って、いい加減鬱陶しい。これに、樟嬰は感情を消して返した。
「否定はせんぞ。口しか動かせぬ役立たずがこの地に居ることは本来許されん。ここは元来、神族も認める清廉な魂を持った者が集うべき場所だ。果たして、お前達の魂は清廉といえるか?」
「っ……そ、そんなことっ」
「ど、どうやって分かるというのだ!」
くだらない。
そう思ったのは、樟嬰だけではなかった。
「その口を閉じなさい!」
「「「っ!?」」」
「玉様……っ」
いつも声を荒げたりしない玉が、本気で怒っていた。
「私でも分かります! あなた方は清廉などという言葉さえ聞くに値しない存在だ!」
「な、なんてことを!」
「玉様といえど、そのような暴言っ……!」
「黙りなさい! 華月院の力は、命を削るのです。あなた方は、この方の命を削ってまで守らねばならないものにはなり得ない!」
倫駿は怒りで震えていた。だが、今は樟嬰を失うことが怖くて震えている。
「こ、こんな小娘が我らより価値が……」
「上です! 少なくとも、葉月やその周辺の領民達や私にとってはっ」
「っ……」
倫駿の怒りに満ちた目を見て、反発していた者たちは声を失った。それほどまでに、強い光を宿していた。
何より、玉は天が決めるもの。その怒りを買うなど、彼らにとってはあってはならないことだ。
しばらく玉に睨まれ、沈黙が続いた。そんな中で恐る恐る口を開いたのは将軍だ。
「……お聞きしたいのですが……崩壊とは……どうなるのですか……」
樟嬰は奥の気配を慎重に探っていた。そこにきて、ようやくの質問。目を瞬いて将軍を見た。
「ん? ああ。そのままの意味だ。大地が崩れていく。瘴気は重さだと思えばいい。瘴気が少ないほど上にいける。今はここに特大の瘴気の塊りがあるのだ。どうなるか分かるだろう」
なんてことないように、それが当たり前だと説明する樟嬰。だが、それを聞いた者たちはそれどころではなかった。
「っ……ここが崩れ落ちる?」
「そういうことだ。後数日も放置すれば確実だろう。あの辺の……口が先に動く奴らも、瘴気の影響を受けているからな。この城はそれほど保たなかっただろう」
「え……」
あの辺と言われた者達は、何を言われたかと必死で考えを巡らせ、ゆっくりと理解して腰を抜かす。
彼らに代わり、将軍は答えを求める。
「っ……影響を……? では、あの方達は……」
「天臣としての加護ももう消えかけている。早くわかって良かったな。堕ちきる前にあれらの臣籍を返上させろ。でなければ、天臣の数が減るぞ」
「っ、まさかっ『国事の書』にある『堕ちた天臣は消滅する』というのは……」
次に顔色を失くしたのは倫駿だった。不老となる天臣の籍は数が限られている。
「ああ。天臣の籍が同時に消滅するという意味だ。『正しく民を導く者を天臣とせよ。清廉なる者であれ』とあるだろう。神族に毒となる瘴気を内に宿す者を守れるわけがない。もう影響も出ているのではないか? どこかに老いが……そうだな。手とか髪に出てきていないか?」
「っ……!」
膝をついていた多くの者が震え始める。長い袖に手を隠す。その仕草を、周りは見逃さなかった。鋭い視線が、彼らに注がれる。
「では、老いが天臣として相応しくない証拠ですね」
朔兎の言葉に、樟嬰は頷いた。
「そうだな。関わりのない私には分からないが、周りになら違いが分かるかもしれんな」
証明しろといわれても、樟嬰には分からない。なので、どう答えようかと考えていたのだが、問題なさそうだ。それが清廉ではないという証拠だろう。
先ほどよりもはっきりとした表情で、将軍が再度問いかける。
「彼らを籍から外せば、崩壊は止まりますか」
「いや、言っただろう。奥の……大元を正さねば無理だ。だいたい、ここは神族との交流の要の地だったのだ。そこを穢されてただで済むわけがない」
「で、ではっ」
「そろそろ、降下も始まっていよう。まったく、せっかく引き上げたというのに、困ったものだ」
「……降下……っ、ですがまさかっ」
そこに駆け込んでくる者があった。
「っ、申し上げます! 黄城から『降下が確認された』と!」
「「「っ!?」」」
「……こんなに早く……っ」
誰もが絶望した。だが、樟嬰と朔兎は顔色を変えない。分かっていたことだ。
「二階で留まれるようにせんとな……人の形が危ういところまで来ているとなれば……」
「樟嬰様、無茶は……」
朔兎が真っ直ぐに見つめてくる。それに苦笑を、返すことしかできない。そっとその頬へ手を伸ばした。
「分かるだろう朔兎。これは華月院の当主としてやるべきことだ」
「っ、貴女に何かあったら私は……っ」
樟嬰は朔兎に近付く。そして、その胸に額を預けて告げた。
「少しだけ、眠ることになるだろう。私は天臣にはなれないが、この血自体がその資格を有しているようなものだ。だから、お前をおいて逝くことはないと約束する」
「っ……はい……」
「私が眠ったら、下へ連れて行ってくれ。地上では回復が遅くなる。その間……影達よ」
顔を上げた樟嬰の前に、ここへやって来ていた影が十数人膝をついて現れる。そんな彼らに向けて命じた。
「私が不在の間、この国の平定に当たれ、玉の補佐を。それと、半数は母上と葉月領を頼む。指揮は朔兎と嘩羅に。嘩羅、母上と葉月領の方を頼む」
「っ、姉様……っ、はい! お戻りになるまで、必ず!」
嘩羅は涙を浮かべていた。この指示だけで、しばらく会えなくなるのだと正確に察したのだ。
「朔兎。そんな顔をするな。大丈夫だ」
「……はい……必ず、お戻りください。それが叶わなかった場合……この国は私が終わらせます」
「ふふ。分かった。それでいい。だが、信じて待っていてくれ」
朔兎は一度痛みを堪えるように目を閉じた。そして、頷いてから影達に指示を出す。
「……はい。っ、各員、伝達を。これより、樟嬰様がお戻りになるまで、国の守護に当たる」
「「「はっ!!」」」
影達は姿を消した。
「では、行こう。元を正しにな」
「お供いたします」
当然だが朔兎はついてくる。そこで、樟嬰は将軍へ目を向けた。
「将軍殿。案内を頼めるだろうか。まだ私を疑わしく思うだろが、なんとか王を人に戻すと約束しよう。この国のため、協力願う」
「っ、わ、分かりました。それに、疑うなど……貴女は……この国のために命を賭けてくださるのですね……先ほどまでのご無礼、お許しください」
「構わないさ。初めから国の守りとして頼りになる将軍だと感心しきりだ。貴殿とならば、我が領の将軍とも話が合うだろう」
「っ、一度ご挨拶させていただきます」
恐縮しながら、将軍は案内に立った。しかし、数歩歩き出したところで、倫駿から声がかかる。
「私も行きますっ」
「足手まといです」
「っ……」
すぐに反応して切り返したのは朔兎だ。
「それでも……私は玉です。見届けなくてはならない」
「ふふ。朔兎、落ち着け。将軍殿も居るのだ。何とかなろう」
「……分かりました。ですが、何があっても邪魔だけは許さない」
「っ、はい……もちろんです」
そうして、結局は玉とその補佐二人を加え、奥へと向かったのだ。
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読んでくださりありがとうございます◎
また来月10日になります。
よろしくお願いします◎
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