42 / 54
042 ユジアの人物調査報告!
しおりを挟む
ご要望にお応えしまして、本日は人物紹介をさせていただきます!
ご案内はわたくし、ゼスタート侯爵家のスーパーでハイパーな家令! ユジアがいたしますぞ~!
わたくしの集めた裏情報も満載です!
では一応、家令としては先ずはゼスタート侯爵家の今代ご当主からご紹介いたしたいと思います。
一応。
【ベルタ・ゼスタート】
ゼスタート家は代々、第一騎士団を率いております。因みにこの国ヒルセント国に騎士団は三つございます。
ゼスタート家の率いる第一騎士団とマリエス侯爵の率いる第二騎士団。そして、その二つから選抜された者で構成される近衛騎士団であります。
旦那様は一言で表しますと……意固地になりやすい無口な騎士でしょうか。王家への忠誠心はあっぱれと思いますが……アレはダメでしたなあ。
「……ユジア、知っていたならなぜ言わない」
主人に意見するなどとんでもない!
「いつも好き勝手言っているだろうが!」
そうでしたかな? 最近物忘れが……次に行きましょう。
「お前は昔からそうゆう……」
「まあまあ、ユジアのこうゆう所が気に入って雇ったんじゃない。きちんと最初の売り込みの時に言っていたし」
はい。言いましたな。
『わたくし、主人をきちんと諫められます。煩いと言われましても言うことはきちんと言わせていただきます。ですが、あなた様は騎士。試練のお邪魔になることは申しません!』
逃げ道も作った見事な言い回しでしょう! これで言わなかった時も『試練のために』と言い訳できるというわけですな!
「……」
「ふふふっ。さすがはユジアだわ! そうゆうところ、良いと思うわ」
奥様は分かっておられますねえ!
【ジルナリス・ゼスタート】
旦那様の奥方様、侯爵夫人でいらっしゃいます。
『氷炎の剣鬼』の二つ名を持つ上級冒険者ジーナの顔をも持っておられますが、元伯爵令嬢でございます。
旦那様との馴れ初めは激しいものでしたなあ……騎士団のほとんどが凍傷という、この辺りでは経験しない状態を体験できて喜んでおりましたぞ!
「アレのどこが喜んでいたというのだ! というか、ユジアは居なかっただろう!」
ほ? 旦那様……まさか、わたくしの目が一つだなどと思っていたのですかな?
「一つだろうが…….一つだよな?」
左右に二つついておりますぞっ。
「っ、そんなものは見れば分かるわ!!」
「うふふ。ほらあなた、落ち着いて。ユジアは普通じゃないんだから。後ろにだって目があるかもしれないわ」
ほっほっほっ。正直には申しませんぞ~。家令たる者、外に目となるものを十や二十や百持っているものですぞ~。
「百って言ったかしら? それが近そうね」
これは、奥様には敵いませんなあ!
「……」
「父上? 何かありましたか? お疲れのよう……じいか……」
その目! その目『お前か……』というなんとも言えない憂いのある目! 旦那様にそっくりですなあ!
「じい……」
では次ですな!
【レイル・ゼスタート】(24才)
ゼスタート侯爵家の次期ご当主であります!
堅実で落ち着いた性格が顔にも出ておりまして、実年齢より年上に見えるのを昔から嫌がっております。
「……なんで知って……」
丸わかりでしたぞ? 今でも見た目三十代に見えますからなあ。
とはいえ、レイル様は見た目がよろしいです!
「……重要か?」
もちろんでございますよ! もう少し表情筋を使えるようにされますと、立派に『令嬢ホイホイ』となれますぞ! 結婚詐欺もお手の物です!
「……しない……」
なんと!? ですが、今回のシルフィ様の場合はソレですぞ!? まさか、自覚なしで……
「っ、か、彼女を騙そうなど思っていない!」
おや、そうでございましたか? 誓約で縛り、夫という立場を利用して……よからぬことを考えませんでしたかな?
「っ……私は……」
ほっほっほっ。悩むのが若者の受けるべき試練! お邪魔はいたしませんぞ~♪
レイル様の受ける試練は死と直結しかねませんがなあ。
「そりゃあ、俺らが相手だからな」
「そうですね。半端な実力しかない相手を師匠の相手になど……できるわけがありません」
「お前などすぐに殺せる」
「っ……」
これはこれは、けっこうな殺気……心地よいですなあ。
【ビスラ】(25才)⑥
第二騎士団の所属だったビスラ殿は、魔法師長殿の庶子です。
あの家は魔法の才能を重要視しますからなあ。
その反対に剣の才能を重視するのがマリエス侯爵家です。
【フラン】(25才)⑦
マリエス侯爵の庶子ですな。フラン殿は魔法の天才でしょう。なぜその才能を認めなかったのか、理解に苦しみます。
もちろん、これはビスラ殿の方にも言えますな。
「しゃあねえよ。もうどうでもいいしな」
「そうですね。だいたい、父親という認識も、もはやないです」
「それそれ。あれだ。お袋達の敵? だからとりあえず気に入らんって感じ」
「それが一番近い感覚かもしれませんね。なんだか、師匠に会ってから一気にどうでも良くなったんですよね」
「おう。立てた目標はやり遂げろって師匠が言うからな。それで続けただけだ」
なるほど。シルフィ様なら言いますなあ。
「目標に向かう熱意は集中力を持続させる……それは最も効率よく成長を促すことのできる機会だ……お師様はそう言われた」
おおっ。ミィア殿がこれほど喋るとは珍しい!
【ミィア(ミリアレフ)】(32才)⑤
この方は謎が多く、調べきれませんでした。さすがは若くして一国の暗部を取りまとめる実力者!
出自からしてちょっと言えない家ですな。こちらも庶子でありますから。
「……調べきれないか……」
ほっほっほっ。なんですかな? とっても鋭く突き刺さるようなその目!
素晴らしい!
「……なあ、兄貴、こいつ何者?」
「兄さんが警戒するというのは……中々やりますね」
なんの! ちょっとツテを多く持っているだけですぞ!
「……ユジアは……昔から……神出鬼没……」
【ケルスト】(29才)①
わたくしの親友ですな。
幼なじみ達に騙され、荷物持ちで冒険者ですらなかったケルストですが、今や特級の冒険者の一人!
素晴らしい!
武器は大剣を使いますぞ。
「……次早く……」
照れておりますなあ。
では後はざっくりと行きますぞ!
というか気になっておられるでしょう。シルフィ様のお弟子さんをまとめますぞ!
①ケルスト【大剣】特級
②---【レイピア】特級
③ヒリアリア【双剣】特級
④クルチス【ナイフ・投擲術】特級
⑤ミィア【暗殺術】上級
⑥ビスラ【長剣】上級
⑦フラン【魔法】上級
⑧マーティウィン【従魔法(獣・鳥類)】上級
⑨マリアナ【従魔法(爬虫類・魚類)】上級
⑩---【格闘術】中級
11---【治癒魔法】
12---【空間魔法】
この十二人ですな!
まだまだ出てきていない方がいらっしゃいます。
次は……わたくしの後継者とシルフィ様の所のお二人です。
【キリル】(19才)
若いながら、しっかりものです。すぐにでも後をお願いできると思っておりましたが……キリルがブチ切れるとは予想外。
それもこれも旦那様が悪いです。
「……すまん……」
もっともっと猛省くださいませ。
【ユキト】
シルフィ様が修理された『城塞執事』です。
古代兵器とも呼ばれる機械人形で、それはもう完璧な執事ですな。
主人を思うことに関しては右に出る者はいないでしょう。これぞ執事の鑑!
銀のような白の髪の美しい青年というのが、かなり他の方々の不安を煽っておるようです。
【サクラ】
彼女はメイドですな。正しく古代兵器。戦闘機の一体であります。
見た目はメイド。それ以外には見えませんが……戦いの場ではそれはもう……戦闘機です。
大事なことなので何度も言いますぞ!
戦闘機です!
そんな二機を目覚めさせてしまったのが、この方!
【シルフィスカ】(15才)
わたくしの第一印象は天才幼女!
強くて可愛らしくて勇ましいなど……最高にぞくぞくいたします!
「……相変わらずお前は変態だな。だから少し悩んで……いや、なんでもない」
ほ? どうされましたかな? どうぞお好きなだけ貶していただければ!
「いいから続けろ」
素っ気ない態度もイイですぞ!
「……」
んんっ、続けます。
シルフィ様は七つになった年の鑑定の儀の前日、四つ離れた姉の命を受けた呪術師によって治癒魔法を使えなくされたそうです。
【リンティス・ベリスベリー】(19才)
シルフィ様に治癒魔法の才能が自分よりもあることに気付き、そうしたのでしょうなあ。
この女の評判はすこぶる悪い!
ただし、十五になる歳に聖女の認定を受けてからは、誰も中々口にしなくなりましてなあ。それで調子に乗っております。
婚約者のいる男にも平気で媚びを売り、破局させてから放り出すというのもやっておりますな。
教会では姫扱い!
あんなものが姫なはずありますか!
『私が一番可愛い♪』と部屋で鏡に向かって言っておりましたぞ! さすがのわたくしも寒気がいたしました……あのゾクゾクは要りませんな……
「あまり近付くなよ? アレの傍にいる呪術師には気を付けろ」
承知しておりますぞ確か名は……
【アークィード】
でしたかな?
呪術師になるとそれまでの名が失くなるのだそうです。神に背いたとして、生まれた時に付けられた名を名乗れなくなるのだとか。
不思議です!
本来、呪術師は呪術を発動させて一年以内に非業の死を遂げるのですが……なぜかこの方、生きておるのですよ。
それも、一人術をかけるので精一杯のはずが、どうやら何度も、何人も術をかけている様子。
『聖女である私の従者ですものね?』
とかあの女、教会で自慢しておりました。
『さすがは聖女様! 呪術師さえお救いになるとは素晴らしい!』
なんて言われて舞い上がっておりましたな……
「ユジア……教会に忍び込むのも程々にしろよ?」
分かっておりますぞ!
おおっ。そろそろ時間が……
では今回はこのくらいで失礼いたします!
************
読んでくださりありがとうございます◎
次回、1日です。
よろしくお願いします◎
ご案内はわたくし、ゼスタート侯爵家のスーパーでハイパーな家令! ユジアがいたしますぞ~!
わたくしの集めた裏情報も満載です!
では一応、家令としては先ずはゼスタート侯爵家の今代ご当主からご紹介いたしたいと思います。
一応。
【ベルタ・ゼスタート】
ゼスタート家は代々、第一騎士団を率いております。因みにこの国ヒルセント国に騎士団は三つございます。
ゼスタート家の率いる第一騎士団とマリエス侯爵の率いる第二騎士団。そして、その二つから選抜された者で構成される近衛騎士団であります。
旦那様は一言で表しますと……意固地になりやすい無口な騎士でしょうか。王家への忠誠心はあっぱれと思いますが……アレはダメでしたなあ。
「……ユジア、知っていたならなぜ言わない」
主人に意見するなどとんでもない!
「いつも好き勝手言っているだろうが!」
そうでしたかな? 最近物忘れが……次に行きましょう。
「お前は昔からそうゆう……」
「まあまあ、ユジアのこうゆう所が気に入って雇ったんじゃない。きちんと最初の売り込みの時に言っていたし」
はい。言いましたな。
『わたくし、主人をきちんと諫められます。煩いと言われましても言うことはきちんと言わせていただきます。ですが、あなた様は騎士。試練のお邪魔になることは申しません!』
逃げ道も作った見事な言い回しでしょう! これで言わなかった時も『試練のために』と言い訳できるというわけですな!
「……」
「ふふふっ。さすがはユジアだわ! そうゆうところ、良いと思うわ」
奥様は分かっておられますねえ!
【ジルナリス・ゼスタート】
旦那様の奥方様、侯爵夫人でいらっしゃいます。
『氷炎の剣鬼』の二つ名を持つ上級冒険者ジーナの顔をも持っておられますが、元伯爵令嬢でございます。
旦那様との馴れ初めは激しいものでしたなあ……騎士団のほとんどが凍傷という、この辺りでは経験しない状態を体験できて喜んでおりましたぞ!
「アレのどこが喜んでいたというのだ! というか、ユジアは居なかっただろう!」
ほ? 旦那様……まさか、わたくしの目が一つだなどと思っていたのですかな?
「一つだろうが…….一つだよな?」
左右に二つついておりますぞっ。
「っ、そんなものは見れば分かるわ!!」
「うふふ。ほらあなた、落ち着いて。ユジアは普通じゃないんだから。後ろにだって目があるかもしれないわ」
ほっほっほっ。正直には申しませんぞ~。家令たる者、外に目となるものを十や二十や百持っているものですぞ~。
「百って言ったかしら? それが近そうね」
これは、奥様には敵いませんなあ!
「……」
「父上? 何かありましたか? お疲れのよう……じいか……」
その目! その目『お前か……』というなんとも言えない憂いのある目! 旦那様にそっくりですなあ!
「じい……」
では次ですな!
【レイル・ゼスタート】(24才)
ゼスタート侯爵家の次期ご当主であります!
堅実で落ち着いた性格が顔にも出ておりまして、実年齢より年上に見えるのを昔から嫌がっております。
「……なんで知って……」
丸わかりでしたぞ? 今でも見た目三十代に見えますからなあ。
とはいえ、レイル様は見た目がよろしいです!
「……重要か?」
もちろんでございますよ! もう少し表情筋を使えるようにされますと、立派に『令嬢ホイホイ』となれますぞ! 結婚詐欺もお手の物です!
「……しない……」
なんと!? ですが、今回のシルフィ様の場合はソレですぞ!? まさか、自覚なしで……
「っ、か、彼女を騙そうなど思っていない!」
おや、そうでございましたか? 誓約で縛り、夫という立場を利用して……よからぬことを考えませんでしたかな?
「っ……私は……」
ほっほっほっ。悩むのが若者の受けるべき試練! お邪魔はいたしませんぞ~♪
レイル様の受ける試練は死と直結しかねませんがなあ。
「そりゃあ、俺らが相手だからな」
「そうですね。半端な実力しかない相手を師匠の相手になど……できるわけがありません」
「お前などすぐに殺せる」
「っ……」
これはこれは、けっこうな殺気……心地よいですなあ。
【ビスラ】(25才)⑥
第二騎士団の所属だったビスラ殿は、魔法師長殿の庶子です。
あの家は魔法の才能を重要視しますからなあ。
その反対に剣の才能を重視するのがマリエス侯爵家です。
【フラン】(25才)⑦
マリエス侯爵の庶子ですな。フラン殿は魔法の天才でしょう。なぜその才能を認めなかったのか、理解に苦しみます。
もちろん、これはビスラ殿の方にも言えますな。
「しゃあねえよ。もうどうでもいいしな」
「そうですね。だいたい、父親という認識も、もはやないです」
「それそれ。あれだ。お袋達の敵? だからとりあえず気に入らんって感じ」
「それが一番近い感覚かもしれませんね。なんだか、師匠に会ってから一気にどうでも良くなったんですよね」
「おう。立てた目標はやり遂げろって師匠が言うからな。それで続けただけだ」
なるほど。シルフィ様なら言いますなあ。
「目標に向かう熱意は集中力を持続させる……それは最も効率よく成長を促すことのできる機会だ……お師様はそう言われた」
おおっ。ミィア殿がこれほど喋るとは珍しい!
【ミィア(ミリアレフ)】(32才)⑤
この方は謎が多く、調べきれませんでした。さすがは若くして一国の暗部を取りまとめる実力者!
出自からしてちょっと言えない家ですな。こちらも庶子でありますから。
「……調べきれないか……」
ほっほっほっ。なんですかな? とっても鋭く突き刺さるようなその目!
素晴らしい!
「……なあ、兄貴、こいつ何者?」
「兄さんが警戒するというのは……中々やりますね」
なんの! ちょっとツテを多く持っているだけですぞ!
「……ユジアは……昔から……神出鬼没……」
【ケルスト】(29才)①
わたくしの親友ですな。
幼なじみ達に騙され、荷物持ちで冒険者ですらなかったケルストですが、今や特級の冒険者の一人!
素晴らしい!
武器は大剣を使いますぞ。
「……次早く……」
照れておりますなあ。
では後はざっくりと行きますぞ!
というか気になっておられるでしょう。シルフィ様のお弟子さんをまとめますぞ!
①ケルスト【大剣】特級
②---【レイピア】特級
③ヒリアリア【双剣】特級
④クルチス【ナイフ・投擲術】特級
⑤ミィア【暗殺術】上級
⑥ビスラ【長剣】上級
⑦フラン【魔法】上級
⑧マーティウィン【従魔法(獣・鳥類)】上級
⑨マリアナ【従魔法(爬虫類・魚類)】上級
⑩---【格闘術】中級
11---【治癒魔法】
12---【空間魔法】
この十二人ですな!
まだまだ出てきていない方がいらっしゃいます。
次は……わたくしの後継者とシルフィ様の所のお二人です。
【キリル】(19才)
若いながら、しっかりものです。すぐにでも後をお願いできると思っておりましたが……キリルがブチ切れるとは予想外。
それもこれも旦那様が悪いです。
「……すまん……」
もっともっと猛省くださいませ。
【ユキト】
シルフィ様が修理された『城塞執事』です。
古代兵器とも呼ばれる機械人形で、それはもう完璧な執事ですな。
主人を思うことに関しては右に出る者はいないでしょう。これぞ執事の鑑!
銀のような白の髪の美しい青年というのが、かなり他の方々の不安を煽っておるようです。
【サクラ】
彼女はメイドですな。正しく古代兵器。戦闘機の一体であります。
見た目はメイド。それ以外には見えませんが……戦いの場ではそれはもう……戦闘機です。
大事なことなので何度も言いますぞ!
戦闘機です!
そんな二機を目覚めさせてしまったのが、この方!
【シルフィスカ】(15才)
わたくしの第一印象は天才幼女!
強くて可愛らしくて勇ましいなど……最高にぞくぞくいたします!
「……相変わらずお前は変態だな。だから少し悩んで……いや、なんでもない」
ほ? どうされましたかな? どうぞお好きなだけ貶していただければ!
「いいから続けろ」
素っ気ない態度もイイですぞ!
「……」
んんっ、続けます。
シルフィ様は七つになった年の鑑定の儀の前日、四つ離れた姉の命を受けた呪術師によって治癒魔法を使えなくされたそうです。
【リンティス・ベリスベリー】(19才)
シルフィ様に治癒魔法の才能が自分よりもあることに気付き、そうしたのでしょうなあ。
この女の評判はすこぶる悪い!
ただし、十五になる歳に聖女の認定を受けてからは、誰も中々口にしなくなりましてなあ。それで調子に乗っております。
婚約者のいる男にも平気で媚びを売り、破局させてから放り出すというのもやっておりますな。
教会では姫扱い!
あんなものが姫なはずありますか!
『私が一番可愛い♪』と部屋で鏡に向かって言っておりましたぞ! さすがのわたくしも寒気がいたしました……あのゾクゾクは要りませんな……
「あまり近付くなよ? アレの傍にいる呪術師には気を付けろ」
承知しておりますぞ確か名は……
【アークィード】
でしたかな?
呪術師になるとそれまでの名が失くなるのだそうです。神に背いたとして、生まれた時に付けられた名を名乗れなくなるのだとか。
不思議です!
本来、呪術師は呪術を発動させて一年以内に非業の死を遂げるのですが……なぜかこの方、生きておるのですよ。
それも、一人術をかけるので精一杯のはずが、どうやら何度も、何人も術をかけている様子。
『聖女である私の従者ですものね?』
とかあの女、教会で自慢しておりました。
『さすがは聖女様! 呪術師さえお救いになるとは素晴らしい!』
なんて言われて舞い上がっておりましたな……
「ユジア……教会に忍び込むのも程々にしろよ?」
分かっておりますぞ!
おおっ。そろそろ時間が……
では今回はこのくらいで失礼いたします!
************
読んでくださりありがとうございます◎
次回、1日です。
よろしくお願いします◎
152
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる