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18th ステージ
200 ワンコロだな
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次期リフス家当主となるのは、順当にいけば長男のケルディアだ。しかし、兵士達からすれば、とても頼りない。
リフス家には、極端に武に優れている者が生まれる場合が多い。しかし、それでも精神力と根性が大事だと身に沁みれば、文の方も力が入るようになり、苦手意識も克服していく。何よりも、ただ強いだけでは立ち行かなくなる。多くの者達の上に立って指揮を執る者が、頭が弱いというのは困るのだ。
当代のベンディは珍しいタイプで、コツコツ一人で何かを突き詰めるのが幼い頃から好きだった。武術にも打ち込むが、勉強の方が好きで、気分転換に剣を振るということが既に十代半ばには当たり前になっていた。それも集中力が違うため、ただ振るだけではなく、確実に実力も伸びる。
「我らが当主様は、口数が少ないのが気になるが、万能型だからなあ」
「俺らだと、どっちか疎かになるよな~」
「いやいや、どっちも中途半端になるわ……」
「すげえ人だよ……」
「俺ら、あの人に勝てた事ないし」
「いや、頑張れよ」
「お前もな」
兵士や文官達の憧れでもある。
ベンディは歴代でも恐らく随一の文武両道タイプ。それに比べられてしまえば、誰も納得できる後継者は居ないだろう。
兵士や文官達も、決してベンディと同じことができる後継者をなんて思ってはいない。頼りになり、絶対的な安心感があるため、伸び伸びと仕事や訓練に打ち込めるが、もう少し頼ってももらいたいのだ。だから、多少は出来なくても構わない。
「完璧に全部やられてもな……年齢的にも、ちょっと出来ない方が可愛げがある」
「だなあ。親父達が酔っ払うと今でも言うが、今の当主様、わからないことがあったりすると、年齢関係なく質問とか、コツとか聞いてたんだろ? ちゃんと最後に頭下げてさ」
ベンディの父親は、早くに当主の座を譲っていた。自分よりもしっかりしているからと、ベンディが成人してしばらくしてからさっさと引退したらしい。
息子を頼りにしていたと言えば聞こえは良いが、実際は夫婦仲が破綻していた妻達と離れたかったからだとベンディは思っているという。
「貴族の坊ちゃんが、平民にも感謝したらきちんと頭下げるって、すげえことだよな」
「今でもあるしな」
「リンちゃんが言ってたっス! 貴族なら簡単に頭下げるなとか言ってるやつほど、他人に感謝を示されないことに不満を持つクズだって」
「お前……それ、屋敷の中で言うなよ?」
ギロリと周りの兵士達も口の軽い元気な後輩に視線をやる。
「大丈夫ですって! リンちゃんが言ったことですし~。リンちゃんが言ってたって言えば平気っスよ~。奥様方も、リンちゃんには勝てないっスもん!」
「お前は……一番気をつけるのは、当主様の前でだぞ……」
「え?」
「当主様より、リンちゃんと親しいとか、当主様が気にするに決まってんだろ……」
「あ……」
そんな状況で、未だ勉強や机に向かうということに拒否感があり、文官を見下す様子も感じられる当主の子ども達に、武官も文官もとりあえずは静観を決め込んでいた。
そして今、不要と追い出された三男、シェラビーシェルに軽くあしらわれている長男と次男を、戦いの準備を急ぎながら横目で見る。
ようやく最近、父の凄さが分かるようになったケルディアは、その父に追いつけるか自信を失くしているようだ。それは、フィリクス達との交流のお陰だ。そして、自分のことも見えるようになってきた。
「……出来ないこと、苦手なことを認めるのは勇気がいるからな……」
「……下だと思っていた相手に、負けてることを認めるのにも……な」
相手にもされない事に、ケルディアは泣きそうになっているようだ。それもしっかり兵士達は確認し、物資などのチェックをする文官達もチラ見していた。散々文官達もケルディアにはバカにされて来たため、ふんっと鼻を鳴らして笑う者もいた。
次に問題なのは次男のガルセルス。こちらは、出来ないものは出来ないと、幼い頃に早々に開き直っている。
だが、こちらの矯正はやりやすそうだというのが兵士達の見解だ。何より、野性の勘というのだろうか、彼は既に分かっているのだ。本能で。
「ガル坊っちゃんはなあ……ありゃあ、既に尻尾丸めたワンコロだな」
「わざと大声出したりしてるがなあ……」
ベンディと同年の兵士達は、困った子どもを見るような目で見ていた。
「それにしても……あれがシェラビーシェル坊っちゃんとはなあ……」
「訓練用の木剣さえ重くて持てもしなかった坊っちゃんがなあ……」
「俺でもあの坊っちゃんが強いって分かる……」
熟練の兵士はもちろん、多くの兵士達は、シェラビーシェルの立ち姿を見るだけで『あれは強いわ……』と言葉を失くす。武に優れたこのリフス家の者達だからこそ分かるものだ。
そして、文官達もシェラビーシェルの仕草や言葉選び、視線の動きから、彼が優秀であると感じていた。
「……これほどの人物になるとは……」
「我々の目も節穴でしたね……」
少し悔しく思っているのだ。今のシェラビーシェルならば、次の当主として押したいと思うほどに。
その気持ちは当主の現在の補佐達も抱いている。とはいえ、今更シェラビーシェルを取り戻すことも出来ないと分かっていた。
「はあ……あの母親達に洗脳されたお二人が、今回のことでどう変化するか……楽しみですね、ベンディ」
「っ……本当に楽しそうだな……」
「ええ。コレでダメなら、リンさんに土下座して教いっ……ご指導をお願いしますから、心配はありませんよ?」
「……教育となぜ言い切らなかった……」
「なんとなくです」
「なんとなく……」
「はい」
「……そうか……」
ベンディはこの時、補佐達の苛立ちを感じた。それは、息子達の母親の勝手を許した事に対してでもあり、周りの想いに気付かず、成長しない二人の息子へのものでもあった。
「さあ、気合いを入れないといけませんよ。情けない姿をリンさんに見せないように」
「っ、ああ」
「息子さん達の勇姿も見て来てください」
「ああ」
そうして、ここでも戦いが始まった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
リフス家には、極端に武に優れている者が生まれる場合が多い。しかし、それでも精神力と根性が大事だと身に沁みれば、文の方も力が入るようになり、苦手意識も克服していく。何よりも、ただ強いだけでは立ち行かなくなる。多くの者達の上に立って指揮を執る者が、頭が弱いというのは困るのだ。
当代のベンディは珍しいタイプで、コツコツ一人で何かを突き詰めるのが幼い頃から好きだった。武術にも打ち込むが、勉強の方が好きで、気分転換に剣を振るということが既に十代半ばには当たり前になっていた。それも集中力が違うため、ただ振るだけではなく、確実に実力も伸びる。
「我らが当主様は、口数が少ないのが気になるが、万能型だからなあ」
「俺らだと、どっちか疎かになるよな~」
「いやいや、どっちも中途半端になるわ……」
「すげえ人だよ……」
「俺ら、あの人に勝てた事ないし」
「いや、頑張れよ」
「お前もな」
兵士や文官達の憧れでもある。
ベンディは歴代でも恐らく随一の文武両道タイプ。それに比べられてしまえば、誰も納得できる後継者は居ないだろう。
兵士や文官達も、決してベンディと同じことができる後継者をなんて思ってはいない。頼りになり、絶対的な安心感があるため、伸び伸びと仕事や訓練に打ち込めるが、もう少し頼ってももらいたいのだ。だから、多少は出来なくても構わない。
「完璧に全部やられてもな……年齢的にも、ちょっと出来ない方が可愛げがある」
「だなあ。親父達が酔っ払うと今でも言うが、今の当主様、わからないことがあったりすると、年齢関係なく質問とか、コツとか聞いてたんだろ? ちゃんと最後に頭下げてさ」
ベンディの父親は、早くに当主の座を譲っていた。自分よりもしっかりしているからと、ベンディが成人してしばらくしてからさっさと引退したらしい。
息子を頼りにしていたと言えば聞こえは良いが、実際は夫婦仲が破綻していた妻達と離れたかったからだとベンディは思っているという。
「貴族の坊ちゃんが、平民にも感謝したらきちんと頭下げるって、すげえことだよな」
「今でもあるしな」
「リンちゃんが言ってたっス! 貴族なら簡単に頭下げるなとか言ってるやつほど、他人に感謝を示されないことに不満を持つクズだって」
「お前……それ、屋敷の中で言うなよ?」
ギロリと周りの兵士達も口の軽い元気な後輩に視線をやる。
「大丈夫ですって! リンちゃんが言ったことですし~。リンちゃんが言ってたって言えば平気っスよ~。奥様方も、リンちゃんには勝てないっスもん!」
「お前は……一番気をつけるのは、当主様の前でだぞ……」
「え?」
「当主様より、リンちゃんと親しいとか、当主様が気にするに決まってんだろ……」
「あ……」
そんな状況で、未だ勉強や机に向かうということに拒否感があり、文官を見下す様子も感じられる当主の子ども達に、武官も文官もとりあえずは静観を決め込んでいた。
そして今、不要と追い出された三男、シェラビーシェルに軽くあしらわれている長男と次男を、戦いの準備を急ぎながら横目で見る。
ようやく最近、父の凄さが分かるようになったケルディアは、その父に追いつけるか自信を失くしているようだ。それは、フィリクス達との交流のお陰だ。そして、自分のことも見えるようになってきた。
「……出来ないこと、苦手なことを認めるのは勇気がいるからな……」
「……下だと思っていた相手に、負けてることを認めるのにも……な」
相手にもされない事に、ケルディアは泣きそうになっているようだ。それもしっかり兵士達は確認し、物資などのチェックをする文官達もチラ見していた。散々文官達もケルディアにはバカにされて来たため、ふんっと鼻を鳴らして笑う者もいた。
次に問題なのは次男のガルセルス。こちらは、出来ないものは出来ないと、幼い頃に早々に開き直っている。
だが、こちらの矯正はやりやすそうだというのが兵士達の見解だ。何より、野性の勘というのだろうか、彼は既に分かっているのだ。本能で。
「ガル坊っちゃんはなあ……ありゃあ、既に尻尾丸めたワンコロだな」
「わざと大声出したりしてるがなあ……」
ベンディと同年の兵士達は、困った子どもを見るような目で見ていた。
「それにしても……あれがシェラビーシェル坊っちゃんとはなあ……」
「訓練用の木剣さえ重くて持てもしなかった坊っちゃんがなあ……」
「俺でもあの坊っちゃんが強いって分かる……」
熟練の兵士はもちろん、多くの兵士達は、シェラビーシェルの立ち姿を見るだけで『あれは強いわ……』と言葉を失くす。武に優れたこのリフス家の者達だからこそ分かるものだ。
そして、文官達もシェラビーシェルの仕草や言葉選び、視線の動きから、彼が優秀であると感じていた。
「……これほどの人物になるとは……」
「我々の目も節穴でしたね……」
少し悔しく思っているのだ。今のシェラビーシェルならば、次の当主として押したいと思うほどに。
その気持ちは当主の現在の補佐達も抱いている。とはいえ、今更シェラビーシェルを取り戻すことも出来ないと分かっていた。
「はあ……あの母親達に洗脳されたお二人が、今回のことでどう変化するか……楽しみですね、ベンディ」
「っ……本当に楽しそうだな……」
「ええ。コレでダメなら、リンさんに土下座して教いっ……ご指導をお願いしますから、心配はありませんよ?」
「……教育となぜ言い切らなかった……」
「なんとなくです」
「なんとなく……」
「はい」
「……そうか……」
ベンディはこの時、補佐達の苛立ちを感じた。それは、息子達の母親の勝手を許した事に対してでもあり、周りの想いに気付かず、成長しない二人の息子へのものでもあった。
「さあ、気合いを入れないといけませんよ。情けない姿をリンさんに見せないように」
「っ、ああ」
「息子さん達の勇姿も見て来てください」
「ああ」
そうして、ここでも戦いが始まった。
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