エセ関西人(笑)ってなんやねん!? 〜転生した辺境伯令嬢は親友のドラゴンと面白おかしく暮らします〜

紫南

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7th ステージ

071 いっぱい食べてや〜

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闇ギルドの関係者が屋敷に入り込んでいたと聞いて、ブラムレース王やクイント達も目を丸くする。

それが、リンディエールが死にかけたという、まだ幼い頃の事と察していても、驚くものだ。

事情を知らない子どもたちやリュリエール王妃は首を傾げいる。そんな中で、フィリクスが誰にと指定することなく、問いかけた。

「それはいつのことですか?」

ギリアンとシュルツに向いた視線を受け、二人はディースリムとセリンへ目を向ける。その二人は気まずげに目を逸らした。落ち度があったことを自覚しているのだ。

だから、答えたのはヒストリアだった。

《リンが五歳の時だ。嫌がらせのために、君を誘拐しようとした者が居たらしい》
「私を……」
《問題ない。計画した者も既に捕らえられているからな》
「そうですか……ならいいのですが……」

ヒストリアは、これによりリンディエールが一度は誘拐され、殺されそうになったのだとは明かさなかった。

これにディースリムとセリンがほっとする。だが、その態度をフィリクスは見逃さない。今、ここでははばかりのある事なのだろうと一応納得し、後で問いただそうと目を細めていた。

《今は俺とリンの警戒網で、この領内には怪しい者は入れないようにしている。安心するといい》
「そんなことが……すごいですね。ありがとうございます」
《気にするな。少しでも住み心地のいい場所を目指しているだけだからな》

そうして、一通りの挨拶が終わった所で、食事だ。

「出来たで~」

リンディエールの声に振り向いた面々は、いつの間にか出来ていた大きなテーブルの上に用意された料理の数々に唖然とした。

「……今まで何も無かったのに……」

第一王子のマルクレースの呟きに、皆が無言で頷く。

だが、すぐにフィリクスは納得の声をあげた。

「リンだけでもこれくらいのことはしそうだし、グランやプリエラがいるから、まあ、出来なくはないのかな」
「……へえ……」

慣れたフィリクスにはこのくらい・・・・・だが、普通ではない。それに気付かないのはまずいかもしれない。よって、ヒストリアが注意する。

《リン達に慣れすぎるのは危険だぞ。君達はもうじき学園に通うのだろう? きちんとリンの周りは非常識だと頭の隅には置いておくようにな》
「……なるほど」
「たしかにそうですね」

マルクレースはそれもそうだなと頷き、フィリクスも笑って同意した。

「なんや? どないしたん?」
「うん? リンやリンの周りの人は、すごいことが出来るんだなって話だよ」
「そんなすごいことはしてへんけど、まあ、ええわ。早よおせんと、冷めるで!」
「そうだね。行こう、マルク」
「ああ。ユーア、レイシャ行こう」
「っ、はい」
「リンちゃんの手作り……楽しみ」

仲良く兄妹で手を繋いでテーブルへ向かう王子、王女に続いてフィリクスとスレイン、レングが歩き出す。

子ども達が動き出したので、大人達も移動を始める。

その間に、リンディエールは大きな給仕用の台車を引いてヒストリアの側に移動していた。

「ヒーちゃんもいっぱい食べてや~」
《毎度言うが、そんなに食べられないからな?》

ヒストリアはその体の大きさに見合った量を食べない。食べてもよく食べる冒険者の大人の男性の食べられる量までだ。

リンディエールと食べる時は、多少大きめに作るが、一般的な量を出している。

「ほんま、見た目と違おて少食やよなあ。馬鹿みたいに作らんでええのんはええんやけど、こう……納得いかん感じがなあ」
《まあ、器とかがな……少し使いにくくはあるが》
「食べとるように見えんもんなあ」

体に合わせたお皿をリンディエールとしては使ってみて欲しいのだが、そうなると今度は食べる量に合わない。困ったものだ。

《俺が人化出来ればな……》

そう苦笑して、ヒストリアは自身の足にはまる枷に視線を落とした。

これにリンディエールはいつものように気楽に笑って見せる。

「心配せんでも、十年以内にはウチが外したるでな!」
《リン……いや、そう急がなくていい》

リンディエールがこれに答えようと、息を吸い込んだ時、レイシャの落ち着いた声が響いた。

「その鎖……外れないんですか?」

今まで気にしないようにしていた大人たちも、痛ましげにそれに目を向けていた。

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読んでくださりありがとうございます◎
次回は一週空きます。
よろしくお願いします◎
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