エセ関西人(笑)ってなんやねん!? 〜転生した辺境伯令嬢は親友のドラゴンと面白おかしく暮らします〜

紫南

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14th ステージ

149 かなり美人やったっ

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パキンッ


気持ちの良い高い音が響き、続いて、ガラスが細かく崩れるようなシャラシャラとした音が鳴る。

そして、一気にその気配が場を支配した。

「「「「「っ!!」」」」」

ヒストリアの居た洞窟から、大量の魔力が暴風となって噴き出してくる。

「っ……!」

一番近くに居たリンディエールは吹き飛ばされ、体を丸くしてクルクルと空中で回転しながら手にしていた小太刀でその魔力の暴風を切り裂き、道を作って着地する。

それから自身の周りに固定の結界を張って風から身を守る。

「っ、これはすごいなあ……っ」

グランギリアの方へ目を向けると、兄達がうずくまっており、グランギリアが前に立って結界を張っていた。

辛そうな顔をしていたため、リンディエールはすぐに結界を広げる。

「っ、リン様……っ、助かりました」
「ええよ。けど、ほんまにすごいわ……これはアレやろか。ヒーちゃんが封じられとる間に充満しとったやつか」
「おそらく……」

その時、不意に風が止まり、今度は急激に吸い込まれるように風向きが逆になった。

「っ、前方だけにせんで良かった……」

魔力を余分に使うが、結界を半球状にしたのは正解だったとほっとする。

放出された魔力が洞窟内に吸い込まれていくと、そこに人が立っていた。

「っ……」

その正体は明らかだ。

リンディエールは真っ直ぐにその人を見る。

腰までの黒に近い濃い紫の髪。しかし、左側に流れる一房だけが銀の色になっている。

服装はほぼ黒。そこに鮮やかな青のラインが入っている足首近くまである長いジャケットにズボン、所々にあるベルトのようなものがかっこいい。更に、銀のボタンや紐、装飾があり、それらが光を集めている。足下は黒い皮の長めのブーツだ。

そして、その人がゆっくりと目を開く。

「「「「「っ……」」」」」」

誰もが息を呑んだ。

恐ろしく整った顔に、ルビーのような赤と濃い紫のオッドアイ。その瞳があることで、美しいと思える青年から、どこか畏怖を覚える異質な存在に雰囲気が変わった。

しかし、リンディエールだけは、ほうと息を吐く。

「きれい……」

いつの間にか結界は消えており、その言葉がぽつりと響いた。

それが聞こえたのだろう。その人は優しく目を和ませ、リンディエールの方へと早足で近付いてくる。

そして、リンディエールの脇に手を入れて持ち上げた。その顔には、隠す事のない歓喜があった。

「リンっ、ようやくだっ。ようやく触れられたっ」
「っ……ひ、ヒーちゃん?」
「ははっ。ああ、俺だ。どうだ? 想像と違ったか?」
「っ……!」

軽々と持ち上げてくるりと回る。さらさらの紫の長い髪が広がるように靡いて、とても綺麗だった。それを見て、リンディエールは素直な感想を述べる。

「思ったより、かなり美人やったっ。そんで若いっ」
「え? 若いか? グランと同じくらいだろう?」
「いや、色気が若いもん。めちゃくちゃモテそうやっ!」
「色気が若いって……くくくっ、なんだそれっ」

笑いながら、ゆっくりとリンディエールを下ろして、今度は抱きかかえる。

きっと、若い父親と娘に見えるだろう。そんなことは気にせず、リンディエールは当たり前のようにヒストリアの首に腕を回した。

「もっと大人の色気ムンムンでイケオジ系の姿でも良かったんやで?」
「あ~……リンは年上キラーだもんな」
「うちの好みの話やないわっ。もちろん大好物やけどもっ」
「いいんじゃないか」
「ええけどなっ!」

今までと変わらない言い合いに、リンディエールはほっとしながらヒストリアの肩に顔を埋めた。

「良かった……やっとや……っ」
「ああ……ありがとう。リン」
「ん」

しばらく抱きしめあって、気持ちを落ち着ける。

顔を上げたリンディエールは、いつものように不適な笑顔を見せるせた後、当然のように問いかけた。

「ほんで? ヒーちゃんどこに住む? 今から家建てたるでなっ」
「……今から?」
「当たり前やんっ。設計図ももう貰っとるしなっ」
「あ、いや……確かに理想の家の設計図は書いたが……俺を励ますだけのものだと……」

ヒストリアの封じが解けるまで、先も見えない未来を思って、リンディエールが提案してくれたのだと思っていたのだ。

本気で封じが解けたら住む家として考えているとは思っていなかった。

「あれは、本当に半分冗談で……こういうのがいいな~という……俺は、ここの……あの家で充分なんだが……?」

転移門を中に設置した家がここにはある。それなりに立派な一軒家だ。ヒストリアとしては、そこに住めばいいなと思っていたのだ。

しかし、リンディエールの主張は違った。

「何言うてんの! アレは休憩所や! ヒーちゃんの家には相応しくないわっ!」
「いや、だが……」
「待っとって! すぐに! すぐに造るでなっ! ここでええんやろ!?」
「あ、ああ……」
「ほんならっ!」

ヒストリアの腕から飛び降り、リンディエールはキョロキョロとこの場を見回してから、一つ頷くと魔力を練り上げていた。










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読んでくださりありがとうございます◎
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