154 / 216
ミッション12 舞台と遠征
472 蓄光力?
しおりを挟む
フィルズは、被害者達が少しでも納得できる落とし所を見つけることを優先した。そこで、どうせもう戻ってこられないのだから、言いたいことを全て言える場所を提供したというわけだ。それはまあ、正解であったと言えるだろう。
「ここでは、調書をまとめたりする事務官達が、ゆったり仕事出来るようにってのと、尋問待ちの奴らが自白するまでに、劣悪な環境で万が一にも死なないよう、清潔さと状態を複数人で見張れるようにと思ってさ~」
「ああ……そこで亡くなってしまった場合、見張りの者が責められますしね。その責任を分散することもできますね」
「そういうこと。目は多い方が良い。異変に気づきやすいからな。だからこそのガラス張りだ」
何人かの内、一人でも異常を感じれば状態を確認する。先ずないとはいえ、毒を持っていたり、仕込まれたりしては堪らない。
「ガラスは先ず割れないし、奥は一階の集中管理室からの遠隔操作でしかドアが開かないしな」
二重に扉があってそのどちらも集中管理室でそれぞれの場所を確認しながら、見張りや尋問官が一人にならないようにも考えている。
「相当数の目があるのですね。それで、常に捕まった者と職員の安全の確認をしながらやっていると」
「そう」
「逃げてもあの色の服では目立ちますしね」
「ヤバい色だよな! 黄色とオレンジと赤の縞様! それも発色いいやつ!」
蛍光色なのだ。それをちょっとオシャレに、横や縦ではなく、斜めに縞模様を作っている。そして、ツナギだ。脱いだらその下の下着は上下とも目が痛いほどの蛍光色の黄色だったりする。目立つからとツナギを脱いでも無駄ということ。裸は普通に捕まる案件だ。
「あのオレンジと黄色は蓄光の特殊染料使ってるから、暗いとこですげえ光るんだよ」
「……光る?」
下着も同じく。闇に潜むなんて出来ない。そして、一日中ずっと、夜寝る時も明るくしている部屋で過ごしている彼らは、これを知らない。脱走して夜にびっくりする仕様だ。
「夜に潜めねえのっ。マジお前何? ってくらい光るから。これも賢者のやつ。本気で、めちゃくちゃ光るんだよ。蓄光力? やべえの」
「ほお……」
「今度、これは塗料に混ぜて実験してみる。上手く行ったら見せるよ」
「分かりました。楽しみです」
普通にワクワクしていらっしゃる神殿長。新しい物好きだ。そして楽しい物がより良い。
「所で……彼らだけにしては、椅子やテーブルを置き過ぎでは?」
「見物? に来た事務官達が自分たちも目になるからって本当に良く来てたからな」
ここまでフィルズもテーブルや椅子を置く気はなかった。これは必要に迫られてというやっだ。
「中にはここに入れられてる奴らの様子を肴にメシを食いに来たり」
「お腹壊しません?」
とても消化に悪そうだと思える。だが、それが良いのだと喜んでいた。
「ここで奴らを眺めながら仕事したり」
「こうはならないようにという戒めじゃないですよね? 多分、いい気味だとかニヤつきながらやるんですよね?」
癒されるとはならないが、心が晴れるらしい。
「是非ともこれは共有したいって、若いのを連れて来たり」
「それも、気を付けようねというのではないでしょう? 珍しいものが見えるよと? 観光みたいな?」
こちらに入っているのが『何々しやがった奴です!』と後輩達に説明する者達は、生き生きしていたという。
「一応、出入りはきちんとチェックしてるし、個々に時間と名も控えるんだけど、ちょい来過ぎるくらいちょっと前まで人が来てたんだよ」
「立派な観光地ですね!」
動物園か水族館かと言うところ。作りはそれを参考にはしたが、そこまでの入りは想定しなかった。
「いやあ、マジで動物園的なものになっちまったわ」
そんなフィルズの呟きに反応したのは、綺羅だ。
《むっ! 動物園! 賢者が言っていたのを聞いたことがあるぞ! これがそうなのか!?》
一気に興奮していた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「ここでは、調書をまとめたりする事務官達が、ゆったり仕事出来るようにってのと、尋問待ちの奴らが自白するまでに、劣悪な環境で万が一にも死なないよう、清潔さと状態を複数人で見張れるようにと思ってさ~」
「ああ……そこで亡くなってしまった場合、見張りの者が責められますしね。その責任を分散することもできますね」
「そういうこと。目は多い方が良い。異変に気づきやすいからな。だからこそのガラス張りだ」
何人かの内、一人でも異常を感じれば状態を確認する。先ずないとはいえ、毒を持っていたり、仕込まれたりしては堪らない。
「ガラスは先ず割れないし、奥は一階の集中管理室からの遠隔操作でしかドアが開かないしな」
二重に扉があってそのどちらも集中管理室でそれぞれの場所を確認しながら、見張りや尋問官が一人にならないようにも考えている。
「相当数の目があるのですね。それで、常に捕まった者と職員の安全の確認をしながらやっていると」
「そう」
「逃げてもあの色の服では目立ちますしね」
「ヤバい色だよな! 黄色とオレンジと赤の縞様! それも発色いいやつ!」
蛍光色なのだ。それをちょっとオシャレに、横や縦ではなく、斜めに縞模様を作っている。そして、ツナギだ。脱いだらその下の下着は上下とも目が痛いほどの蛍光色の黄色だったりする。目立つからとツナギを脱いでも無駄ということ。裸は普通に捕まる案件だ。
「あのオレンジと黄色は蓄光の特殊染料使ってるから、暗いとこですげえ光るんだよ」
「……光る?」
下着も同じく。闇に潜むなんて出来ない。そして、一日中ずっと、夜寝る時も明るくしている部屋で過ごしている彼らは、これを知らない。脱走して夜にびっくりする仕様だ。
「夜に潜めねえのっ。マジお前何? ってくらい光るから。これも賢者のやつ。本気で、めちゃくちゃ光るんだよ。蓄光力? やべえの」
「ほお……」
「今度、これは塗料に混ぜて実験してみる。上手く行ったら見せるよ」
「分かりました。楽しみです」
普通にワクワクしていらっしゃる神殿長。新しい物好きだ。そして楽しい物がより良い。
「所で……彼らだけにしては、椅子やテーブルを置き過ぎでは?」
「見物? に来た事務官達が自分たちも目になるからって本当に良く来てたからな」
ここまでフィルズもテーブルや椅子を置く気はなかった。これは必要に迫られてというやっだ。
「中にはここに入れられてる奴らの様子を肴にメシを食いに来たり」
「お腹壊しません?」
とても消化に悪そうだと思える。だが、それが良いのだと喜んでいた。
「ここで奴らを眺めながら仕事したり」
「こうはならないようにという戒めじゃないですよね? 多分、いい気味だとかニヤつきながらやるんですよね?」
癒されるとはならないが、心が晴れるらしい。
「是非ともこれは共有したいって、若いのを連れて来たり」
「それも、気を付けようねというのではないでしょう? 珍しいものが見えるよと? 観光みたいな?」
こちらに入っているのが『何々しやがった奴です!』と後輩達に説明する者達は、生き生きしていたという。
「一応、出入りはきちんとチェックしてるし、個々に時間と名も控えるんだけど、ちょい来過ぎるくらいちょっと前まで人が来てたんだよ」
「立派な観光地ですね!」
動物園か水族館かと言うところ。作りはそれを参考にはしたが、そこまでの入りは想定しなかった。
「いやあ、マジで動物園的なものになっちまったわ」
そんなフィルズの呟きに反応したのは、綺羅だ。
《むっ! 動物園! 賢者が言っていたのを聞いたことがあるぞ! これがそうなのか!?》
一気に興奮していた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
3,011
あなたにおすすめの小説
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。