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581 あの日の事を
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2017. 4. 17
**********
ティアは混乱していた。恐らく、サティアであった時から考えても生まれて初めて経験する混乱具合だった。
「兄様が……?」
なぜ、どうしてという思いと、予想できるその理由。けれどそれは認めたくない。そんな思いが渦を巻く。
「ティ、ティア……えっと……」
カランタの声でまともに空気を吸えた。
もうすっかり元通りのカランタは、立ち上がってから、百面相するティアの肩をそっと労わるように撫でた。
そこで一気に頭が回転を始める。そして、カランタをキッと睨みつけた。
「……何で黙ってた……?」
「えっ……え~っと……」
カランタはティアの肩にあった手を離し、大きく一歩下がってから目を逸らそうとする。しかし、それを逃すティアではない。
大切に抱きしめるように持っていた剣や武具をあっさり手放して床に落とす。それから、カランタの胸ぐらを掴み上げた。
「知ってただろっ! お前が知らないはずがないっ。なんで言わなかったっ!!」
「うっ、くっ、苦しいっ……っ」
大きな混乱は、そのまま怒りにシフトした。これは堪ったものではない。
「なんで兄様が眠ったままなのよっ。天使ならちゃんと導きなさいよっ」
「ううっ、だ、だって、あるんだよっ。転生可能な状態ってのがっ」
「だったらその状態になるようにしなさいよっ」
「そ、それは……仕事の一つだけど……」
「ほら見なさい! さっさと戻ってやって来い!!」
「やっ、ヤダよ! ティアとまだ離れる気ないもんっ!」
「フザケンナ! 人が相手じゃ役に立たない天使がいて何になる!」
「うぅ~っ、それでもイヤだ!」
「子どもかっ」
これが現在の父娘の会話かと思うと、周りはドン引きだ。
近くにいたシェリスさえ距離を取っていた。
「だっ、大丈夫だもん! それに、僕が相手をするのは天使なんだからっ」
「……あんた……それであの状態だったんじゃないの?」
「うっ……」
「役に立ってないじゃないかっ。それでまた刺されるなんてゴメンだっ」
「っ……」
「……っ」
思わず言ってしまったと、ティアは気まずげに目をそらす。傷付いた瞳が目の前で揺れていた。刺したのはカランタの意思ではない。それは分かっている。
見かねて歩み寄ってきたのはカルツォーネだった。
「ほらほら、落ち着いて。ティアはせっかく綺麗にドレスアップしているんだから、男の人に掴みかかってはダメだよ」
「っ……だって……」
手を離すタイミングを逸していたティアは、そっとその手の力を抜く。手を離し、半歩後ろへ下がった。
そんなティアを後ろから抱きしめ、カルツォーネが囁くように続けた。
「何があったかは分からないけれど、君は彼が心配なんだよね。上での役割りもあるけど、地上に居ることが良くないと思っているんだろう?」
「……」
「ティア……」
カランタの姿が見えないように、今度はティアの方が顔をそらす。
「ねぇ、ティア。これから戦いに行くんだろう? 教えてくれないかい? 君が今、不安に思っている事を」
「……不安……?」
少しだけカルツォーネの方へ首を回す。すると、横からカルツォーネが覗き込んでくる。
「そう。君は何か隠してる。だから、必要以上にお兄さんの事を怒ったんだろう?」
「……そう……なのかな……」
自分でも気付けない、無意識の思い。そうだ。マティアスから彼女の分身とも呼べる武器を譲り受け、これから敵を攻めようとしているのに、高揚する思いの中にもやもやとはっきりしない感情がある。
それが何なのか。考えたくないと思っているようなのだ。知りたくないと。
そうしてまとまらない思いに苦戦しているティアを、カルツォーネだけでなく、全員が見つめてその答えを待っている。
心配してくれている事が分かる。だからかもしれない。ティアはぽつりぽつりと言葉にしていった。
「私は知らなかったんだ……そんなものが……神具が国にあったなんて……私は第四王女で……どれだけ強くなっても、みんな子ども扱い……守る側に立てるのに、守られる側に居れば良いって……だから知らなかった……」
これを話せなかったのは、言葉に出来ない。説明出来ないと思っていたからだろう。今の感情と同じだ。どうしてもまとまらない。
上手く言えないと思っていたからかもしれない。けれど、今言わなくてはいけない気がした。これから向かう先が、恐らくこのモヤモヤとした不安と向き合う場所になるから。
「レナード兄様が、何かずっと考えてるのは感じてた。父様の具合が悪くて、内政をやりきれいないから、手伝っているんだって言って忙しく動き回ってたけど……あの頃は、何日かに一度顔を見る程度だった。それで突然『すぐに嫁げ』って言われて、その日の内に追い出されるみたいに国を出る事になった……」
わけが分からなかった。自分は嫁ぐ必要はないはずだ。それも、当時の王家では異例の他国の王家へなど、あり得ないと思った。
ふっと感じたのは、兄が自分を何かから離そうとしているのではないかという事。その何かは父だと思った。だが、実は違ったのかもしれない。
「おかしいって思った……国を出る時に姉様達も、王妃達も変な顔をしてたから……」
「どんな?」
カルツォーネから伝わってくる体温が、穏やかに当時の情景を思い浮かび上がらせる。
ティアは目をゆっくりと閉じてそれを思い出した。
「……何か覚悟を決めた人の顔だったの。おかしいでしょ? 妹が嫁ぐんだよ? 悲しむとか、寂しがれってわけじゃないけど、あんなの……決然と、他の何かを見てるような……今なら分かる……あれは多分、最期を決めた決意の顔だった……」
「最期……?」
これは思い出したくないんだ。そう、今になって気付いた。自分自身の気持ちを初めて知った。
不安。そう、それは不安だ。いつからだろう。今ではない。少し前から、その不安はティアの中で目を覚ましていた。
一体いつから、どうしてと自分の中で答えを探していると、シェリスが一歩近付き、ティアの瞳を見つめて言った。
「ずっと、聞きたいと思っていました。あなたは、兄姉を殺す事は出来ない。そんな事が出来るはずがない……何があったのです? 教えてください」
「シェリー……」
ティアも、それを聞きたそうにしているのは知っていた。それでも聞こうとはしなかった。気になっているだろうに、友人達がこれまで何度も口を無理やり閉ざしていた事を知っている。
サクヤも片手を組んで、心配そうに見つめているのが、顔を見なくても視線の熱で分かった。
カルツォーネは、優しく労わるように頭に口付ける。離れた場所にいるファルやルクス達も、静かに呼吸して待っていた。
だから、心が痛んでも言わなくてはならないと思った。
「……あの日、王宮に帰ったら……母様の部屋に集まって、倒れて……死にかけてた……」
「っ……全員……?」
カルツォーネの押し出すような声が低く空気を揺らし、腕に力が入った。だが、それに違うと首を小さく横に振る。
「……その時はまだ……マリナ姉様とターナ姉様は無事で……私が部屋に入らないように、結界を張った。それから『自分達が最後だから』って言って、毒を飲んだ……わざわざ、私の知らない毒を探したんだって笑って……」
ティアはその時十五歳。多くの毒を知っていた。それでも、近くの床に溢れている毒の色は、ティアの知らない赤紫色をしていた。
姉達が飲み干すその杯から流れる色も同じ。遠くても、王妃達や他の兄姉達が倒れて浅く呼吸をする様子が分かる。その指が細かく震えていた。それでも穏やかに眠るような表情。ティアの知る毒の中で、そんな症状が出るものはなかった。
「結界の外で、一人ずつ息を止めていくのを見る事しか出来なかった……」
看取る事しか出来なかったのだ。自分にもっと知識があったらよかった。もしくは、今のように魔力が上手く使えれば、姉達の結界を解く事が出来たのに。
そんな後悔の念が今でも湧き上がってくる。叫び出してしまいそうな、そんな思いを我慢出来たのは、ティアを必死で今に繋ぎ止めようとするカルツォーネのキツイ抱擁だ。
そして、サクヤも、ティアがそんな後悔の念に押し潰され、その過去に囚われる事がないようにと次を促す。
「そこにお兄さんも?」
レナードもいたのかと尋ねる。
「ううん……結界が解けて、二人ももうダメだって知った時に、いない事に気付いた……」
誰も動かなくなったという現実を完全に受け止める事が出来なくて、唯一の希望に頭を切り替えた。生きていてと願いながら立ち上がり、その場から逃げるように後にしたのだ。
**********
舞台裏のお話。
シアン「ねぇ、フィスターク。今頃、ティアちゃん達は楽しんでいるかしら……」
フィスターク「そうだね……」
シアン「何だか、さっきからこの辺りがざわざわするの……ティアちゃんの事、こんな風に気になるのは初めてだわ……」
フィスターク「君もかい?」
シアン「フィスタークも? もしかして、お義父様もかしら……外に行かれたきりだわ」
フィスターク「そうかもしれないね……どう思う? リジット」
リジット「……」
フィスターク「リジット?」
リジット「は、はい……申し訳ございません……」
シアン「どうしたの?」
フィスターク「珍しいね……何か知っているのかい?」
リジット「……お嬢様の事ですね……少々、王宮で問題があったようでして……」
シアン「まぁ……っ、なら、行かなくちゃ」
フィスターク「ちょっ、シアン。ダメだよ。座って」
シアン「でもっ」
リジット「大丈夫です。お嬢様なら……それに、精霊達が先ほどからこう申しております」
フィスターク「精霊……って事は、ティアの事が分かるよねっ」
リジット「はい」
シアン「何て言ってるの?」
リジット「……『そうりょくせんのじゅんびはじめ』……だそうです……」
フィスターク「……そ、そう……」
シアン「『走力戦』? 駆けっこかしらっ。楽しそうだわ」
フィスターク「え……あ、そ、そうだね……走るのかも……」
リジット「……やはり、奥様は最強でございますね……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
競走なんだそうです。
ようやく明らかになる過去。
重なる何かがあるのでしょう。
次回、金曜21日の0時です。
よろしくお願いします◎
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ティアは混乱していた。恐らく、サティアであった時から考えても生まれて初めて経験する混乱具合だった。
「兄様が……?」
なぜ、どうしてという思いと、予想できるその理由。けれどそれは認めたくない。そんな思いが渦を巻く。
「ティ、ティア……えっと……」
カランタの声でまともに空気を吸えた。
もうすっかり元通りのカランタは、立ち上がってから、百面相するティアの肩をそっと労わるように撫でた。
そこで一気に頭が回転を始める。そして、カランタをキッと睨みつけた。
「……何で黙ってた……?」
「えっ……え~っと……」
カランタはティアの肩にあった手を離し、大きく一歩下がってから目を逸らそうとする。しかし、それを逃すティアではない。
大切に抱きしめるように持っていた剣や武具をあっさり手放して床に落とす。それから、カランタの胸ぐらを掴み上げた。
「知ってただろっ! お前が知らないはずがないっ。なんで言わなかったっ!!」
「うっ、くっ、苦しいっ……っ」
大きな混乱は、そのまま怒りにシフトした。これは堪ったものではない。
「なんで兄様が眠ったままなのよっ。天使ならちゃんと導きなさいよっ」
「ううっ、だ、だって、あるんだよっ。転生可能な状態ってのがっ」
「だったらその状態になるようにしなさいよっ」
「そ、それは……仕事の一つだけど……」
「ほら見なさい! さっさと戻ってやって来い!!」
「やっ、ヤダよ! ティアとまだ離れる気ないもんっ!」
「フザケンナ! 人が相手じゃ役に立たない天使がいて何になる!」
「うぅ~っ、それでもイヤだ!」
「子どもかっ」
これが現在の父娘の会話かと思うと、周りはドン引きだ。
近くにいたシェリスさえ距離を取っていた。
「だっ、大丈夫だもん! それに、僕が相手をするのは天使なんだからっ」
「……あんた……それであの状態だったんじゃないの?」
「うっ……」
「役に立ってないじゃないかっ。それでまた刺されるなんてゴメンだっ」
「っ……」
「……っ」
思わず言ってしまったと、ティアは気まずげに目をそらす。傷付いた瞳が目の前で揺れていた。刺したのはカランタの意思ではない。それは分かっている。
見かねて歩み寄ってきたのはカルツォーネだった。
「ほらほら、落ち着いて。ティアはせっかく綺麗にドレスアップしているんだから、男の人に掴みかかってはダメだよ」
「っ……だって……」
手を離すタイミングを逸していたティアは、そっとその手の力を抜く。手を離し、半歩後ろへ下がった。
そんなティアを後ろから抱きしめ、カルツォーネが囁くように続けた。
「何があったかは分からないけれど、君は彼が心配なんだよね。上での役割りもあるけど、地上に居ることが良くないと思っているんだろう?」
「……」
「ティア……」
カランタの姿が見えないように、今度はティアの方が顔をそらす。
「ねぇ、ティア。これから戦いに行くんだろう? 教えてくれないかい? 君が今、不安に思っている事を」
「……不安……?」
少しだけカルツォーネの方へ首を回す。すると、横からカルツォーネが覗き込んでくる。
「そう。君は何か隠してる。だから、必要以上にお兄さんの事を怒ったんだろう?」
「……そう……なのかな……」
自分でも気付けない、無意識の思い。そうだ。マティアスから彼女の分身とも呼べる武器を譲り受け、これから敵を攻めようとしているのに、高揚する思いの中にもやもやとはっきりしない感情がある。
それが何なのか。考えたくないと思っているようなのだ。知りたくないと。
そうしてまとまらない思いに苦戦しているティアを、カルツォーネだけでなく、全員が見つめてその答えを待っている。
心配してくれている事が分かる。だからかもしれない。ティアはぽつりぽつりと言葉にしていった。
「私は知らなかったんだ……そんなものが……神具が国にあったなんて……私は第四王女で……どれだけ強くなっても、みんな子ども扱い……守る側に立てるのに、守られる側に居れば良いって……だから知らなかった……」
これを話せなかったのは、言葉に出来ない。説明出来ないと思っていたからだろう。今の感情と同じだ。どうしてもまとまらない。
上手く言えないと思っていたからかもしれない。けれど、今言わなくてはいけない気がした。これから向かう先が、恐らくこのモヤモヤとした不安と向き合う場所になるから。
「レナード兄様が、何かずっと考えてるのは感じてた。父様の具合が悪くて、内政をやりきれいないから、手伝っているんだって言って忙しく動き回ってたけど……あの頃は、何日かに一度顔を見る程度だった。それで突然『すぐに嫁げ』って言われて、その日の内に追い出されるみたいに国を出る事になった……」
わけが分からなかった。自分は嫁ぐ必要はないはずだ。それも、当時の王家では異例の他国の王家へなど、あり得ないと思った。
ふっと感じたのは、兄が自分を何かから離そうとしているのではないかという事。その何かは父だと思った。だが、実は違ったのかもしれない。
「おかしいって思った……国を出る時に姉様達も、王妃達も変な顔をしてたから……」
「どんな?」
カルツォーネから伝わってくる体温が、穏やかに当時の情景を思い浮かび上がらせる。
ティアは目をゆっくりと閉じてそれを思い出した。
「……何か覚悟を決めた人の顔だったの。おかしいでしょ? 妹が嫁ぐんだよ? 悲しむとか、寂しがれってわけじゃないけど、あんなの……決然と、他の何かを見てるような……今なら分かる……あれは多分、最期を決めた決意の顔だった……」
「最期……?」
これは思い出したくないんだ。そう、今になって気付いた。自分自身の気持ちを初めて知った。
不安。そう、それは不安だ。いつからだろう。今ではない。少し前から、その不安はティアの中で目を覚ましていた。
一体いつから、どうしてと自分の中で答えを探していると、シェリスが一歩近付き、ティアの瞳を見つめて言った。
「ずっと、聞きたいと思っていました。あなたは、兄姉を殺す事は出来ない。そんな事が出来るはずがない……何があったのです? 教えてください」
「シェリー……」
ティアも、それを聞きたそうにしているのは知っていた。それでも聞こうとはしなかった。気になっているだろうに、友人達がこれまで何度も口を無理やり閉ざしていた事を知っている。
サクヤも片手を組んで、心配そうに見つめているのが、顔を見なくても視線の熱で分かった。
カルツォーネは、優しく労わるように頭に口付ける。離れた場所にいるファルやルクス達も、静かに呼吸して待っていた。
だから、心が痛んでも言わなくてはならないと思った。
「……あの日、王宮に帰ったら……母様の部屋に集まって、倒れて……死にかけてた……」
「っ……全員……?」
カルツォーネの押し出すような声が低く空気を揺らし、腕に力が入った。だが、それに違うと首を小さく横に振る。
「……その時はまだ……マリナ姉様とターナ姉様は無事で……私が部屋に入らないように、結界を張った。それから『自分達が最後だから』って言って、毒を飲んだ……わざわざ、私の知らない毒を探したんだって笑って……」
ティアはその時十五歳。多くの毒を知っていた。それでも、近くの床に溢れている毒の色は、ティアの知らない赤紫色をしていた。
姉達が飲み干すその杯から流れる色も同じ。遠くても、王妃達や他の兄姉達が倒れて浅く呼吸をする様子が分かる。その指が細かく震えていた。それでも穏やかに眠るような表情。ティアの知る毒の中で、そんな症状が出るものはなかった。
「結界の外で、一人ずつ息を止めていくのを見る事しか出来なかった……」
看取る事しか出来なかったのだ。自分にもっと知識があったらよかった。もしくは、今のように魔力が上手く使えれば、姉達の結界を解く事が出来たのに。
そんな後悔の念が今でも湧き上がってくる。叫び出してしまいそうな、そんな思いを我慢出来たのは、ティアを必死で今に繋ぎ止めようとするカルツォーネのキツイ抱擁だ。
そして、サクヤも、ティアがそんな後悔の念に押し潰され、その過去に囚われる事がないようにと次を促す。
「そこにお兄さんも?」
レナードもいたのかと尋ねる。
「ううん……結界が解けて、二人ももうダメだって知った時に、いない事に気付いた……」
誰も動かなくなったという現実を完全に受け止める事が出来なくて、唯一の希望に頭を切り替えた。生きていてと願いながら立ち上がり、その場から逃げるように後にしたのだ。
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舞台裏のお話。
シアン「ねぇ、フィスターク。今頃、ティアちゃん達は楽しんでいるかしら……」
フィスターク「そうだね……」
シアン「何だか、さっきからこの辺りがざわざわするの……ティアちゃんの事、こんな風に気になるのは初めてだわ……」
フィスターク「君もかい?」
シアン「フィスタークも? もしかして、お義父様もかしら……外に行かれたきりだわ」
フィスターク「そうかもしれないね……どう思う? リジット」
リジット「……」
フィスターク「リジット?」
リジット「は、はい……申し訳ございません……」
シアン「どうしたの?」
フィスターク「珍しいね……何か知っているのかい?」
リジット「……お嬢様の事ですね……少々、王宮で問題があったようでして……」
シアン「まぁ……っ、なら、行かなくちゃ」
フィスターク「ちょっ、シアン。ダメだよ。座って」
シアン「でもっ」
リジット「大丈夫です。お嬢様なら……それに、精霊達が先ほどからこう申しております」
フィスターク「精霊……って事は、ティアの事が分かるよねっ」
リジット「はい」
シアン「何て言ってるの?」
リジット「……『そうりょくせんのじゅんびはじめ』……だそうです……」
フィスターク「……そ、そう……」
シアン「『走力戦』? 駆けっこかしらっ。楽しそうだわ」
フィスターク「え……あ、そ、そうだね……走るのかも……」
リジット「……やはり、奥様は最強でございますね……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
競走なんだそうです。
ようやく明らかになる過去。
重なる何かがあるのでしょう。
次回、金曜21日の0時です。
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