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第十三章
526 よろしくお願いします
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棚卸しの報告を一通り終えて、休憩を挟んでから、今度は招いていた者達を会議室に入れて再開することになっていた。
初顔合わせになるということで、コウヤが一人一人紹介していく。
シーレス、タリス達を紹介した後、次はとエルフ族の方へ手を向ける。
「エルフの里長の一人、ユキさんとその補佐のフミさんとトキトさんです」
「「「よろしくお願いします」」」
ユキは、薬草などにもとても詳しい。ユースールに居るナチやゲンとも何度か手紙などをやり取りをして、薬の研究をしている。
「ユキさん達には、迷宮内で採取できる薬草関係についてご相談をさせていただきたくお呼びいたしました」
迷宮内に存在する、冒険者では判断できない、知らない薬草についての調査をお願いすることになっている。
「次に獣人の里から、ティエルさん、マートさん、クティルさんです」
「「「よろしくお願いします……」」」
少し緊張気味に、三人は頭を下げた。
あれから、里を解放した彼らだが、かなり衰弱している者が多く、体力も落ちていた。
それで里から出るというのは危ないことだ。里の辺りには、魔獣や魔物が多くなっていた。
長く狩りもしていなかった範囲では、魔獣や魔物が実に生き生きと、大繁殖していたのだ。
それを知った獣人の冒険者達が、ため息混じりにそれらを間引いた。そして、里の者達に支援を申し出たのだ。
最初は渋っていた里の者達も、神であるエリスリリアにもダメ出しされたこともあり、かなり反省し落ち込んでいたらしい。
これにより、変に意地を張らず、きちんと謝れたようだ。
エルフの里もだが、獣人族の里も冒険者ギルドが復興に全面協力したこともあり、彼らは里の者達以外には頭が上がらないということだった。
外に出ることの恐怖もあったらしい。そこで、外に出て行った者達の覚悟を知り、更に頭が上がらなくなったとのこと。
冒険者の獣人族達はこれに笑っていた。殺される事に怯えながらも生きてきた彼らだが、許したようだ。仕方ないという呆れ顔でだったが。
『あんな耳とかぺったんこにされたらなあ』
『俺ら、耳とか嘘つけねえもんな~』
『プルプル震えて申し訳ないとか言われたらさあ』
『『『しゃあねえよな』』』
大の男も、耳や尻尾を寝かせて頭を下げた。それも、かなり痩せていたこともあり、憎む気持ちもあったが、どうしても見捨てられなかったらしい。
「彼らには、食べられるもの……木の実や植物系の判断に協力してもらうことになります」
獣人族が、狩りに出られなくても生き延びられたのは、そういった知識が多いためだ。種族特性として、毒性のある植物などが匂いで判断できる。
「そして、こちらがドワーフ族のメブラさん、スナドさん、バルザさんです」
「「「よろしくっ」」」
「タリスマスターの親戚の方だそうです」
「祖父の血筋でね。活気盛んなおじさん達だよ」
「「「いや、お前よりマシだから」」」
「……ごめんなさい……」
タリスが子どものようだった。コウヤは微笑ましくそれを見てから、次にと目を向ける。
「最後に、商業ギルドの統括とその補佐の方々です」
これは、自己紹介を任せることにした。
その人達は、突然丁度良いところにと来る事になった。トルヴァランの王都支部でゴタゴタを片付けている最中だった。
突然『お邪魔します』と言って現れたコウヤに驚愕しながらやって来た彼らの表情は、紹介される人たちを見ながらも引き攣っていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
次回30日です!
初顔合わせになるということで、コウヤが一人一人紹介していく。
シーレス、タリス達を紹介した後、次はとエルフ族の方へ手を向ける。
「エルフの里長の一人、ユキさんとその補佐のフミさんとトキトさんです」
「「「よろしくお願いします」」」
ユキは、薬草などにもとても詳しい。ユースールに居るナチやゲンとも何度か手紙などをやり取りをして、薬の研究をしている。
「ユキさん達には、迷宮内で採取できる薬草関係についてご相談をさせていただきたくお呼びいたしました」
迷宮内に存在する、冒険者では判断できない、知らない薬草についての調査をお願いすることになっている。
「次に獣人の里から、ティエルさん、マートさん、クティルさんです」
「「「よろしくお願いします……」」」
少し緊張気味に、三人は頭を下げた。
あれから、里を解放した彼らだが、かなり衰弱している者が多く、体力も落ちていた。
それで里から出るというのは危ないことだ。里の辺りには、魔獣や魔物が多くなっていた。
長く狩りもしていなかった範囲では、魔獣や魔物が実に生き生きと、大繁殖していたのだ。
それを知った獣人の冒険者達が、ため息混じりにそれらを間引いた。そして、里の者達に支援を申し出たのだ。
最初は渋っていた里の者達も、神であるエリスリリアにもダメ出しされたこともあり、かなり反省し落ち込んでいたらしい。
これにより、変に意地を張らず、きちんと謝れたようだ。
エルフの里もだが、獣人族の里も冒険者ギルドが復興に全面協力したこともあり、彼らは里の者達以外には頭が上がらないということだった。
外に出ることの恐怖もあったらしい。そこで、外に出て行った者達の覚悟を知り、更に頭が上がらなくなったとのこと。
冒険者の獣人族達はこれに笑っていた。殺される事に怯えながらも生きてきた彼らだが、許したようだ。仕方ないという呆れ顔でだったが。
『あんな耳とかぺったんこにされたらなあ』
『俺ら、耳とか嘘つけねえもんな~』
『プルプル震えて申し訳ないとか言われたらさあ』
『『『しゃあねえよな』』』
大の男も、耳や尻尾を寝かせて頭を下げた。それも、かなり痩せていたこともあり、憎む気持ちもあったが、どうしても見捨てられなかったらしい。
「彼らには、食べられるもの……木の実や植物系の判断に協力してもらうことになります」
獣人族が、狩りに出られなくても生き延びられたのは、そういった知識が多いためだ。種族特性として、毒性のある植物などが匂いで判断できる。
「そして、こちらがドワーフ族のメブラさん、スナドさん、バルザさんです」
「「「よろしくっ」」」
「タリスマスターの親戚の方だそうです」
「祖父の血筋でね。活気盛んなおじさん達だよ」
「「「いや、お前よりマシだから」」」
「……ごめんなさい……」
タリスが子どものようだった。コウヤは微笑ましくそれを見てから、次にと目を向ける。
「最後に、商業ギルドの統括とその補佐の方々です」
これは、自己紹介を任せることにした。
その人達は、突然丁度良いところにと来る事になった。トルヴァランの王都支部でゴタゴタを片付けている最中だった。
突然『お邪魔します』と言って現れたコウヤに驚愕しながらやって来た彼らの表情は、紹介される人たちを見ながらも引き攣っていた。
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