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脱出
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ーーーーメリッサルー……餓狼蜘 支部
…コンコンコンッ
ドアをノックする軽快な音がする。
「あ"ぁ~なんだぁ?」
ここは餓狼蜘と呼ばれる犯罪組織の支部だ。
当然セキュリティーの面から、ノックの回数やリズムは決まっている。
それなのに当たり前のように聞こえてくる普通のノックに、入り口前で酒を飲みながら番をする男は怪しんだ声と反応を示す。
このアジトは墓地の管理所を隠れ蓑にした、隠し通路を通った先の地下にある。
上には当然、管理人兼仲間の男がいる筈だ…
それが、何の合図も無しに一般人が迷い込んで来るなど構造上あり得ない。
誰かが呼んだ来客なのであれば、扉番をする自分に話が回って来ないと言うのもあり得ない。
…ゴトッ
男は壁に立て掛けていた手斧を持つと、分厚い扉に付いている小さな覗き窓を見た。
「…はっ!?」
…するとそこに居たのは、絶世の美女だった。
青い髪に青い目、整った目鼻立ちにスタイルも抜群…
身に纏うドレスもセクシーで、その女性の美しさをさらに引き立たせている。
「…ごくりっ。」
見た事も無いような美女に、賊の男は息を飲む。
だが同時に何故こんな美女が、わざわざこんなむさ苦しい地下アジトに…何をしに来たのか考える。
…追い返すのは簡単だ。
しかし、追い返して失う淡い期待に無理矢理考えを矯正してしまう。
もし、この美女が娼婦で仲間の誰かが呼んだのであれば、自分もお零れに預かれるのでは無いか…と妄想してしまう。
ダメだ…
このまま無言では、悪戯だと思い帰ってしまうかもしれない…
「と、取り敢えず、要件を聞くべきか」
…どうせ、こんな美女が自分より強い訳は無いし、開けて何かあっても大丈夫だろう。
と、本来であれば絶対にしないような言い訳を、自分にしながら男は高を括って扉を開ける。
…ギ…ギギギィィ…
扉が開くと…
外に居た美女は片手でスカートを摘むと、エロスを含んだ笑みで挨拶をしてくる。
…ドレスのスリットから見える生脚が強力だ。
「……こんばんわ。ですわ。」
「おっ、お前、一体…誰に呼ばれて来たんだ?」
既に男の脳内では自分の都合のいい娼婦案がある為、問い掛ける質問自体が「誰に呼ばれたのか?」になってしまう。
緊張から声を裏返す男に…
美女は「ウフフ」と笑うと、当たり前のように男の体に抱きつく。
男は彼女から漂う甘い香りと、直接感じる肌の温もりと身体の柔らかさや触り心地に
…全てがどうでも良くなった。
同時に、この女を自分の物にしたいと。
このアジトのカシラが呼んだのであったとしても、先に見つけたのは自分で、伝言をしなかったカシラが悪いのだ!
…と、自分に言い聞かせる。
そして手斧を取り落とすと、抱きしめ返そうとする…
が、
手が…
腕が、…動かない。
「あ"っれ…?」
…変な声が出る。
さらに首に熱い感触がしたと思ったら…
目の前が真っ暗になった。
…ヌルッ
メリッサは男のうなじから短剣を引き抜くと、男を横に転がしゴミを見る目で呟く。
「扉を開けてくれて、ありがとう…ですわ。」
思ってもいない事を吐き捨てると、そのままメリッサはアジトの奥にどんどん進んで行く。
このアジトの構造は、上に居た男を拷問してあげると何でも話してくれたので、大体の場所は把握済みだ。
通路の左右には、色々な部屋があるが、監禁したり、陵辱したり、殺したりするだけの…特に大した事無い物ばかり。
奥まで進むと突き当たりになって、左右に別れるT字路に見えるが…
「ここですわね。」
その突き当たりにある何も無い壁の部分を見て、メリッサは聞いていた情報と一致していた、と確認の意味を込めて呟く。
…この扉は隠し扉になっていて、壁に付いているロウソク立てを捻ると、音と共に鍵が開き壁に隙間が生まれる。
その壁扉を横にスライドすると…
大きな天蓋付きのベッドがある部屋が見えた。
そして、そのベッドには横たわる数人の裸の女達と、ベッドに腰掛けてパイプ煙草を燻らせる褐色の肌の男が居た。
「…なんだテメーは。新しい奴隷か?」
隠し扉を突然開けたのが女だった事で、男はメリッサを嘲るように、舐めるように全身をチェックしながら、静かに問い掛けてくる。
メリッサも沈黙したまま見つめ返し、スキル【サーチ】を使う。
…レベルは60で、ジョブは見たまんま盗賊…はぁ、ゴミね。
メリッサはスキルで解析した男の情報を見て、心の中でそう吐き捨てる。
ただ…そう判断しながらも笑顔で近づいて行く。
…ヒュン!…ドスッ!
「…おっと、それ以上、俺に近づくな。お前さんのLVが見えねぇ。」
男はメリッサのレベルが見えない事と、自分の持つ看破スキルと同等の隠蔽スキルを持っている可能性を考え、万が一を考えて近づかないよう短剣を投げつけた。
そんな男の姿を見てメリッサはげっそりする。
「はぁ~…頭が悪そうな見た目の割には以外と気が小さいのですわねぇ」
大きな溜息の後、頭を振るとクスリと笑い足元に突き刺さった短剣を抜くと、悩ましい声で男に尋ねる。
「わたくしの様な美女を…抱きたいとは思いませんのぉ?」
「あいにく今し方、出したばっかで間に合ってるんだよ。」
妖艶な笑顔を向けてくる、誘惑の塊であるメリッサを見ても、男は動じない。
性欲が少ない状態と言うのもあるが、自分から誘ってくるような、『上手い話』には毒があると理解しているから尚更だ。
「…テメー、ほんとに何モンだ?」
男は吐き捨てる様にそう言うと、ベッドに置いていたサーベルのような武器を抜く。
そして、近くに居た女を抱きかかえると…
首筋に刃を向ける。
メリッサはつまらなさそうに、男と女を交互に見る。
「…それは一体、なんのつもりですの?」
「はっ!…俺に攻撃しようとしたらコイツをぶっ殺すぞ。」
「…うっ……うぅぅ」
抱えられた女は何かをされているのか、刃を向けられても唸り涎を垂らすだけだ。
「…ふふふふっ」
メリッサは笑いながドレスのスリットに手を伸ばす。
「テメェ!何がおかしい!!動くんじゃねぇっ」
…男がドスの効いた声で叫んだ次の瞬間
…ドスドスドスドスッ!
「ぐぅあぁぁあっ!」
スリットの下に隠していたナイフを、男の両手と右足…そして、チン…急所に投げ刺した。
あまりの激痛に男は女を放り投げ、股間を抑えて蹲る。
…スタスタスタッ
メリッサは軽い足取りで近づくと、そのまま男の髪の毛を掴んで自分の方を向かせる。
「ゔぅ…いだぁあぁ……」
涙を流しながら、言葉に出来ない言葉を紡ぐ男に、甘い声でささやく…
「貴方にはぁイロイロとぉ~聞きたいコトがありますのぉ…ですからぁ、わたくしと"イイコト"いたしましょう?」
…男の顔は恐怖に歪み
…メリッサの顔はニヤリと歪む
ーーーーールサリィ ルート
「きぃやぁぁあ!おにいちゃぁあん!」
…ルサリィの悲鳴が洞窟に響き渡る。
俺はデザートゴブリンが振るった、ルサリィを狙う斧の一撃を庇って受け…吹き飛んだ。
威力を殺しきれずに一緒に飛ばされたルサリィが、慌てて叫びながら俺の元に駆け寄って来る。
そんな俺達を見て、ゴブリンは「ゲギャギャギャ…」と、笑いながら近寄って来る…
俺をやった手応えから、俺達を自分よりだいぶ弱いと判断したのだろう。
…まぁ実際、間違ってはいないが
斧を持った手を振り上げながら、ニヤニヤ近づいてくるゴブリンが、俺にトドメを刺そうと斧を振りかぶる。
「ダメェェッ!!」
ルサリィが小さい体で俺を守ろうとしてくれる…
だが、ゴブリンはルサリィ諸共、俺を殺す気で斧を振り下ろそうとしてきた…
だが、俺がシンドラの短剣を振る方が早いっ!
「グゥギャア!」
短剣から繰り出されたアイスバーストを受けると、吹き飛んで壁に激突する。
「ちっ!」
氷塊の一撃を受けてもコボルトはまだ死んではいないようで、血が出る腹を抑えこちらに向かってこようとしている。
俺は、もう一度シンドラの短剣を振ろうと手に力を込める。
が…
…タッタッタッタ…バシュン!
背後から振り下ろされた剣閃にゴブリンは真っ二つに割れた…
「ご無事ですか!ユウト様…」
「…ぐすんっ、ぐすっ、おにいちゃん…」
駆けつけながら放った、背後からの一撃で俺達を助けてくれたティファが、慌てた様子で俺の顔を覗き込んでくる。
…そんなティファと、泣きながら俺を抱えるルサリィに自分の首元の防御の宝珠を見せる。
…パリンッ
……うあっぶね!割れてるよ…
どうやら、規定回数で割れてしまったようで、宝珠を見ながら俺は二人に苦笑いをしておいた。
「良かった…ご無事でしたか…」
ティファが安堵した表情で抱き着いてくる。
「…ユウトお兄ちゃん、ごめんなさい…」
涙を拭きながら謝るルサリィの頭を撫でて、無事で良かったんだから気にするなと伝える。
俺は二人をいったん落ち着かせて、座らせると…
ティファの後ろにはシャーロットが居た…
…えっ!?シャーロットたん、居たんですかっ!
俺は、飛び上がりそうになる気持ちを何とか押さえ、まずはシャーロットを下ろして寝かせると皆の無事の確認と状況を聞いていく。
……
「そうかっ!ロードを倒した上に、クエストアイテムゲットなんて、やるなぁ!さすがティファだ。」
俺の賛辞に恭しくティファが答える。
「いえ、勿体ないお言葉です。ありがとうございます。」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
ティファに抱きつき、ケモ耳をぴくぴくさせるルサリィにその場の空気が和んでいく。
「…あ、あのぉ…」
しかしバツの悪そうな声で、シャーロットが割り込んできた。
「大変言いにくいのですが…どなたか、私の従者…レンを見ておられませんか?」
…忘れてた。
そういや、レンの姿が見えない。
お、おそらく、一人で彷徨ってるんだろう…
「あっ…ちょ、ちょうど、その事も今から確認しようかと…思って…ごにょごにょ」
レンを忘れてませんでしたよ、アピールは…できませんでした!
「…あ、あー、いえ、こちらの事で、ご迷惑は承知していますので…」
ジト目を向けてくるシャーロットに、俺はさらに焦る。
「よっ、よし!こっちの用事は片付いたし、レンを探しにレンツラゴー…」
寒い…そして視線が痛い……
「あっ…その件も、申し訳ないのですが…私は力の使い過ぎでその…先程も、そちらのティファさんに背負って頂いてたので……」
かなり気まずそうに言い、ティファに頭を下げる。
…せ、背負う。
……な、なんですとっ!?
うひょー!そのご馳走は是非私めに!
…と言いたかった、
言いたかった!が、しかし…
自重した。
「あぁ、それなら、マインドポーションがあるから、使いますか…」
マジックバックを漁ってポーションを出す。
「ポーション!?いえ…そんな貴重な物はいただけません。…回復薬か、応急薬があれば…」
あぁ、そう言えばポーションも貴重だったか…
下位互換の、~薬が一般的で、ポーションは高値で取引されてるから、簡単に貰えないのか…
う~ん、困ったな。
「気にする必要はありませんよ、シャーロット。
ユウト様はその程度の事は気にされませんから。」
ティファから絶好のアシストが!
…俺もそれに乗じて、誰かの手が塞がるのもアレやら、いざと言う時に、君の力が必要やら、なんなら俺に背負わせてくだし…やら、
…何とか説得して、ポーションを飲ませる。
「…こく、こく、ごくん。」
…えっ!?い、いや、飲んでる姿をガン見なんて…そんな…事…は…
「…っ!?」
「凄い!ポーションだと、こんなにも効果が違うのですね!」
飲み干したシャーロットが、興奮気味にポーションの効果を伝えてくる。
…か、顔が近い
「あっ…す、すみません……」
向こうも、近さに気付いたのか、俺から離れて行ってしまう。
…ざ、残念だ。
「…さぁ、それでは向かいましょうか。」
ティファの仕切りで、レン捜索隊は動き出す。
フォーメーションは一直線の隊列になる。
ティファ、シャーロット、ルサリィ、俺、
の順番で歩く。
…俺に殿が務まるのだろうか?
一抹の不安はあったが、ティファがほぼ蹴散らしたので、俺はたまにシンドラの短剣を振るっただけに留まった。
俺が敵を倒す度にルサリィが、ぴょんぴょん飛んで褒めてくれるので、モチベーションは常時最高!!
であったのを…付け足しておこう。
…しかしあれだな?二人で洞窟を彷徨う間にティファとシャーロットは、少し打ち解けた…のだろうか?
俺は二人とも好きだから、仲良くしてくれると嬉しいなっ!
…きゃっ!どさくさに紛れて『好き』とか言っちゃった(ハート)
…俺のデレも喜んでくれよっ!!
くそっ!
「…しっ、戦闘音が聞こえます!」
俺がしょーもない事を考えていると、ティファが何かに気付いたようだ。
「…この斬撃音は、あの男かと思われます。」
音で分かるのっ!?すごい能力だな…
「レンッ!!」
シャーロットが走りだそうとするが、危ないからとティファに止めらて、全員揃って少し早足で向かう。
通路を抜けると…
一面、蜘蛛の巣だらけだった…
「…おぉ!皆待ってたで!何度もすまんけど、助けたってくれー‼︎」
割と余裕そうには見えるんだろうけど…
おそらく蜘蛛の巣が絡まって攻撃し辛いんだろう。
…良くこんな状況で戦えるな、と俺は感心する。
「…ユウト様、炎龍の牙をご使用頂けますか?」
「ん?あぁ、構わないよ?」
ティファが横から聞いてくる。
ほいほい使うアイテムでは無いけど、出し惜しむ程じゃないし、俺は問題無いとティファに同意する。
「では、合図したらお使い下さい。」
「シャーロット!あなたはユウト様とルサリィを障壁で守って下さい。」
「…えぇっ!?でも、このスキルは一人しか……」
ティファの無茶振りにシャーロットが返答に詰まる。
「…あの時、あれ位は足掻けたのでしょう?あなたなら、必ず出来ますよ!」
どこかのシーンを思い出したのか、ティファが軽く微笑むと、シャーロットの顔付きが変わる。
「…分かりました。お二人とも私の後ろにっ!!」
俺とルサリィは、大人しくシャーロットの後ろに回る。
「おい!そこの男!範囲攻撃が来ます。死なないようにしなさいっ」
「んなっ、無茶な!」
レンにも無茶振りするティファから声が掛かる!
「…ユウト様っ!!」
…ええいっ、ままよ!
「リロードオン!炎龍の牙」
「絶対障壁!」
手の牙が消えると共に、障壁が展開される…
俺とルサリィも範囲に入ってる!
「…うぐぐ…」
シャーロットは苦しそうだが、前方で起こる大爆発は俺達には届いてこない。
蜘蛛の巣に引火した事で、アイテムはさらに凶悪な威力になっていた、炎龍の牙は巣を焼き払うだけでなく、ギガントスパイダーにもダメージを与えている!
「…今です!合わせなさい!」
「……無茶ゆうでっ!」
ティファとレンが煙の中から現れ、さらに二人で斬撃をお見舞いする。
…バシュッ!…スパンッ!!
地に落ちていた巨大蜘蛛は、二人の攻撃で切り裂かれ…力無く倒れた。
俺とルサリィはティファの元に、シャーロットはレンの元に駆け寄る。
…どうやら、二人共無事のようで良かった。
「二人共、良くあんな爆発耐えれるよな…」
「まぁ、レベルが高いし、何とかなったわ!ほんまおおきにな…上での事と言い、そこのお姉ちゃんとユウトには借りが出来てもうたなぁ…」
頭を掻きながら礼を言うレンに、
「じゃぁ、これからはレンって呼び捨てにするからなっ?」
と言ったら…皆笑ってくれた。
…その後は、皆で地上を目指して、何とか脱出することができた。
出た頃には、既に朝日が眩しかったけど…
…そう言えば、脱出は出来たけど、今回一番助かったのは、サンドスネーク達が待っていてくれた事だな。
もし居なかったら、砂漠を延々と歩く所だったよ。
お利口な蛇さん達、ありがとう!!
…今回のルサリィクエストは、結構軽い気持ちで始めた割にずいぶん苦労した。
…だけど、たぶん無駄じゃ無かった。
それに帰ったら、メリッサとレアにも話をしないとなっ!
…コンコンコンッ
ドアをノックする軽快な音がする。
「あ"ぁ~なんだぁ?」
ここは餓狼蜘と呼ばれる犯罪組織の支部だ。
当然セキュリティーの面から、ノックの回数やリズムは決まっている。
それなのに当たり前のように聞こえてくる普通のノックに、入り口前で酒を飲みながら番をする男は怪しんだ声と反応を示す。
このアジトは墓地の管理所を隠れ蓑にした、隠し通路を通った先の地下にある。
上には当然、管理人兼仲間の男がいる筈だ…
それが、何の合図も無しに一般人が迷い込んで来るなど構造上あり得ない。
誰かが呼んだ来客なのであれば、扉番をする自分に話が回って来ないと言うのもあり得ない。
…ゴトッ
男は壁に立て掛けていた手斧を持つと、分厚い扉に付いている小さな覗き窓を見た。
「…はっ!?」
…するとそこに居たのは、絶世の美女だった。
青い髪に青い目、整った目鼻立ちにスタイルも抜群…
身に纏うドレスもセクシーで、その女性の美しさをさらに引き立たせている。
「…ごくりっ。」
見た事も無いような美女に、賊の男は息を飲む。
だが同時に何故こんな美女が、わざわざこんなむさ苦しい地下アジトに…何をしに来たのか考える。
…追い返すのは簡単だ。
しかし、追い返して失う淡い期待に無理矢理考えを矯正してしまう。
もし、この美女が娼婦で仲間の誰かが呼んだのであれば、自分もお零れに預かれるのでは無いか…と妄想してしまう。
ダメだ…
このまま無言では、悪戯だと思い帰ってしまうかもしれない…
「と、取り敢えず、要件を聞くべきか」
…どうせ、こんな美女が自分より強い訳は無いし、開けて何かあっても大丈夫だろう。
と、本来であれば絶対にしないような言い訳を、自分にしながら男は高を括って扉を開ける。
…ギ…ギギギィィ…
扉が開くと…
外に居た美女は片手でスカートを摘むと、エロスを含んだ笑みで挨拶をしてくる。
…ドレスのスリットから見える生脚が強力だ。
「……こんばんわ。ですわ。」
「おっ、お前、一体…誰に呼ばれて来たんだ?」
既に男の脳内では自分の都合のいい娼婦案がある為、問い掛ける質問自体が「誰に呼ばれたのか?」になってしまう。
緊張から声を裏返す男に…
美女は「ウフフ」と笑うと、当たり前のように男の体に抱きつく。
男は彼女から漂う甘い香りと、直接感じる肌の温もりと身体の柔らかさや触り心地に
…全てがどうでも良くなった。
同時に、この女を自分の物にしたいと。
このアジトのカシラが呼んだのであったとしても、先に見つけたのは自分で、伝言をしなかったカシラが悪いのだ!
…と、自分に言い聞かせる。
そして手斧を取り落とすと、抱きしめ返そうとする…
が、
手が…
腕が、…動かない。
「あ"っれ…?」
…変な声が出る。
さらに首に熱い感触がしたと思ったら…
目の前が真っ暗になった。
…ヌルッ
メリッサは男のうなじから短剣を引き抜くと、男を横に転がしゴミを見る目で呟く。
「扉を開けてくれて、ありがとう…ですわ。」
思ってもいない事を吐き捨てると、そのままメリッサはアジトの奥にどんどん進んで行く。
このアジトの構造は、上に居た男を拷問してあげると何でも話してくれたので、大体の場所は把握済みだ。
通路の左右には、色々な部屋があるが、監禁したり、陵辱したり、殺したりするだけの…特に大した事無い物ばかり。
奥まで進むと突き当たりになって、左右に別れるT字路に見えるが…
「ここですわね。」
その突き当たりにある何も無い壁の部分を見て、メリッサは聞いていた情報と一致していた、と確認の意味を込めて呟く。
…この扉は隠し扉になっていて、壁に付いているロウソク立てを捻ると、音と共に鍵が開き壁に隙間が生まれる。
その壁扉を横にスライドすると…
大きな天蓋付きのベッドがある部屋が見えた。
そして、そのベッドには横たわる数人の裸の女達と、ベッドに腰掛けてパイプ煙草を燻らせる褐色の肌の男が居た。
「…なんだテメーは。新しい奴隷か?」
隠し扉を突然開けたのが女だった事で、男はメリッサを嘲るように、舐めるように全身をチェックしながら、静かに問い掛けてくる。
メリッサも沈黙したまま見つめ返し、スキル【サーチ】を使う。
…レベルは60で、ジョブは見たまんま盗賊…はぁ、ゴミね。
メリッサはスキルで解析した男の情報を見て、心の中でそう吐き捨てる。
ただ…そう判断しながらも笑顔で近づいて行く。
…ヒュン!…ドスッ!
「…おっと、それ以上、俺に近づくな。お前さんのLVが見えねぇ。」
男はメリッサのレベルが見えない事と、自分の持つ看破スキルと同等の隠蔽スキルを持っている可能性を考え、万が一を考えて近づかないよう短剣を投げつけた。
そんな男の姿を見てメリッサはげっそりする。
「はぁ~…頭が悪そうな見た目の割には以外と気が小さいのですわねぇ」
大きな溜息の後、頭を振るとクスリと笑い足元に突き刺さった短剣を抜くと、悩ましい声で男に尋ねる。
「わたくしの様な美女を…抱きたいとは思いませんのぉ?」
「あいにく今し方、出したばっかで間に合ってるんだよ。」
妖艶な笑顔を向けてくる、誘惑の塊であるメリッサを見ても、男は動じない。
性欲が少ない状態と言うのもあるが、自分から誘ってくるような、『上手い話』には毒があると理解しているから尚更だ。
「…テメー、ほんとに何モンだ?」
男は吐き捨てる様にそう言うと、ベッドに置いていたサーベルのような武器を抜く。
そして、近くに居た女を抱きかかえると…
首筋に刃を向ける。
メリッサはつまらなさそうに、男と女を交互に見る。
「…それは一体、なんのつもりですの?」
「はっ!…俺に攻撃しようとしたらコイツをぶっ殺すぞ。」
「…うっ……うぅぅ」
抱えられた女は何かをされているのか、刃を向けられても唸り涎を垂らすだけだ。
「…ふふふふっ」
メリッサは笑いながドレスのスリットに手を伸ばす。
「テメェ!何がおかしい!!動くんじゃねぇっ」
…男がドスの効いた声で叫んだ次の瞬間
…ドスドスドスドスッ!
「ぐぅあぁぁあっ!」
スリットの下に隠していたナイフを、男の両手と右足…そして、チン…急所に投げ刺した。
あまりの激痛に男は女を放り投げ、股間を抑えて蹲る。
…スタスタスタッ
メリッサは軽い足取りで近づくと、そのまま男の髪の毛を掴んで自分の方を向かせる。
「ゔぅ…いだぁあぁ……」
涙を流しながら、言葉に出来ない言葉を紡ぐ男に、甘い声でささやく…
「貴方にはぁイロイロとぉ~聞きたいコトがありますのぉ…ですからぁ、わたくしと"イイコト"いたしましょう?」
…男の顔は恐怖に歪み
…メリッサの顔はニヤリと歪む
ーーーーールサリィ ルート
「きぃやぁぁあ!おにいちゃぁあん!」
…ルサリィの悲鳴が洞窟に響き渡る。
俺はデザートゴブリンが振るった、ルサリィを狙う斧の一撃を庇って受け…吹き飛んだ。
威力を殺しきれずに一緒に飛ばされたルサリィが、慌てて叫びながら俺の元に駆け寄って来る。
そんな俺達を見て、ゴブリンは「ゲギャギャギャ…」と、笑いながら近寄って来る…
俺をやった手応えから、俺達を自分よりだいぶ弱いと判断したのだろう。
…まぁ実際、間違ってはいないが
斧を持った手を振り上げながら、ニヤニヤ近づいてくるゴブリンが、俺にトドメを刺そうと斧を振りかぶる。
「ダメェェッ!!」
ルサリィが小さい体で俺を守ろうとしてくれる…
だが、ゴブリンはルサリィ諸共、俺を殺す気で斧を振り下ろそうとしてきた…
だが、俺がシンドラの短剣を振る方が早いっ!
「グゥギャア!」
短剣から繰り出されたアイスバーストを受けると、吹き飛んで壁に激突する。
「ちっ!」
氷塊の一撃を受けてもコボルトはまだ死んではいないようで、血が出る腹を抑えこちらに向かってこようとしている。
俺は、もう一度シンドラの短剣を振ろうと手に力を込める。
が…
…タッタッタッタ…バシュン!
背後から振り下ろされた剣閃にゴブリンは真っ二つに割れた…
「ご無事ですか!ユウト様…」
「…ぐすんっ、ぐすっ、おにいちゃん…」
駆けつけながら放った、背後からの一撃で俺達を助けてくれたティファが、慌てた様子で俺の顔を覗き込んでくる。
…そんなティファと、泣きながら俺を抱えるルサリィに自分の首元の防御の宝珠を見せる。
…パリンッ
……うあっぶね!割れてるよ…
どうやら、規定回数で割れてしまったようで、宝珠を見ながら俺は二人に苦笑いをしておいた。
「良かった…ご無事でしたか…」
ティファが安堵した表情で抱き着いてくる。
「…ユウトお兄ちゃん、ごめんなさい…」
涙を拭きながら謝るルサリィの頭を撫でて、無事で良かったんだから気にするなと伝える。
俺は二人をいったん落ち着かせて、座らせると…
ティファの後ろにはシャーロットが居た…
…えっ!?シャーロットたん、居たんですかっ!
俺は、飛び上がりそうになる気持ちを何とか押さえ、まずはシャーロットを下ろして寝かせると皆の無事の確認と状況を聞いていく。
……
「そうかっ!ロードを倒した上に、クエストアイテムゲットなんて、やるなぁ!さすがティファだ。」
俺の賛辞に恭しくティファが答える。
「いえ、勿体ないお言葉です。ありがとうございます。」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
ティファに抱きつき、ケモ耳をぴくぴくさせるルサリィにその場の空気が和んでいく。
「…あ、あのぉ…」
しかしバツの悪そうな声で、シャーロットが割り込んできた。
「大変言いにくいのですが…どなたか、私の従者…レンを見ておられませんか?」
…忘れてた。
そういや、レンの姿が見えない。
お、おそらく、一人で彷徨ってるんだろう…
「あっ…ちょ、ちょうど、その事も今から確認しようかと…思って…ごにょごにょ」
レンを忘れてませんでしたよ、アピールは…できませんでした!
「…あ、あー、いえ、こちらの事で、ご迷惑は承知していますので…」
ジト目を向けてくるシャーロットに、俺はさらに焦る。
「よっ、よし!こっちの用事は片付いたし、レンを探しにレンツラゴー…」
寒い…そして視線が痛い……
「あっ…その件も、申し訳ないのですが…私は力の使い過ぎでその…先程も、そちらのティファさんに背負って頂いてたので……」
かなり気まずそうに言い、ティファに頭を下げる。
…せ、背負う。
……な、なんですとっ!?
うひょー!そのご馳走は是非私めに!
…と言いたかった、
言いたかった!が、しかし…
自重した。
「あぁ、それなら、マインドポーションがあるから、使いますか…」
マジックバックを漁ってポーションを出す。
「ポーション!?いえ…そんな貴重な物はいただけません。…回復薬か、応急薬があれば…」
あぁ、そう言えばポーションも貴重だったか…
下位互換の、~薬が一般的で、ポーションは高値で取引されてるから、簡単に貰えないのか…
う~ん、困ったな。
「気にする必要はありませんよ、シャーロット。
ユウト様はその程度の事は気にされませんから。」
ティファから絶好のアシストが!
…俺もそれに乗じて、誰かの手が塞がるのもアレやら、いざと言う時に、君の力が必要やら、なんなら俺に背負わせてくだし…やら、
…何とか説得して、ポーションを飲ませる。
「…こく、こく、ごくん。」
…えっ!?い、いや、飲んでる姿をガン見なんて…そんな…事…は…
「…っ!?」
「凄い!ポーションだと、こんなにも効果が違うのですね!」
飲み干したシャーロットが、興奮気味にポーションの効果を伝えてくる。
…か、顔が近い
「あっ…す、すみません……」
向こうも、近さに気付いたのか、俺から離れて行ってしまう。
…ざ、残念だ。
「…さぁ、それでは向かいましょうか。」
ティファの仕切りで、レン捜索隊は動き出す。
フォーメーションは一直線の隊列になる。
ティファ、シャーロット、ルサリィ、俺、
の順番で歩く。
…俺に殿が務まるのだろうか?
一抹の不安はあったが、ティファがほぼ蹴散らしたので、俺はたまにシンドラの短剣を振るっただけに留まった。
俺が敵を倒す度にルサリィが、ぴょんぴょん飛んで褒めてくれるので、モチベーションは常時最高!!
であったのを…付け足しておこう。
…しかしあれだな?二人で洞窟を彷徨う間にティファとシャーロットは、少し打ち解けた…のだろうか?
俺は二人とも好きだから、仲良くしてくれると嬉しいなっ!
…きゃっ!どさくさに紛れて『好き』とか言っちゃった(ハート)
…俺のデレも喜んでくれよっ!!
くそっ!
「…しっ、戦闘音が聞こえます!」
俺がしょーもない事を考えていると、ティファが何かに気付いたようだ。
「…この斬撃音は、あの男かと思われます。」
音で分かるのっ!?すごい能力だな…
「レンッ!!」
シャーロットが走りだそうとするが、危ないからとティファに止めらて、全員揃って少し早足で向かう。
通路を抜けると…
一面、蜘蛛の巣だらけだった…
「…おぉ!皆待ってたで!何度もすまんけど、助けたってくれー‼︎」
割と余裕そうには見えるんだろうけど…
おそらく蜘蛛の巣が絡まって攻撃し辛いんだろう。
…良くこんな状況で戦えるな、と俺は感心する。
「…ユウト様、炎龍の牙をご使用頂けますか?」
「ん?あぁ、構わないよ?」
ティファが横から聞いてくる。
ほいほい使うアイテムでは無いけど、出し惜しむ程じゃないし、俺は問題無いとティファに同意する。
「では、合図したらお使い下さい。」
「シャーロット!あなたはユウト様とルサリィを障壁で守って下さい。」
「…えぇっ!?でも、このスキルは一人しか……」
ティファの無茶振りにシャーロットが返答に詰まる。
「…あの時、あれ位は足掻けたのでしょう?あなたなら、必ず出来ますよ!」
どこかのシーンを思い出したのか、ティファが軽く微笑むと、シャーロットの顔付きが変わる。
「…分かりました。お二人とも私の後ろにっ!!」
俺とルサリィは、大人しくシャーロットの後ろに回る。
「おい!そこの男!範囲攻撃が来ます。死なないようにしなさいっ」
「んなっ、無茶な!」
レンにも無茶振りするティファから声が掛かる!
「…ユウト様っ!!」
…ええいっ、ままよ!
「リロードオン!炎龍の牙」
「絶対障壁!」
手の牙が消えると共に、障壁が展開される…
俺とルサリィも範囲に入ってる!
「…うぐぐ…」
シャーロットは苦しそうだが、前方で起こる大爆発は俺達には届いてこない。
蜘蛛の巣に引火した事で、アイテムはさらに凶悪な威力になっていた、炎龍の牙は巣を焼き払うだけでなく、ギガントスパイダーにもダメージを与えている!
「…今です!合わせなさい!」
「……無茶ゆうでっ!」
ティファとレンが煙の中から現れ、さらに二人で斬撃をお見舞いする。
…バシュッ!…スパンッ!!
地に落ちていた巨大蜘蛛は、二人の攻撃で切り裂かれ…力無く倒れた。
俺とルサリィはティファの元に、シャーロットはレンの元に駆け寄る。
…どうやら、二人共無事のようで良かった。
「二人共、良くあんな爆発耐えれるよな…」
「まぁ、レベルが高いし、何とかなったわ!ほんまおおきにな…上での事と言い、そこのお姉ちゃんとユウトには借りが出来てもうたなぁ…」
頭を掻きながら礼を言うレンに、
「じゃぁ、これからはレンって呼び捨てにするからなっ?」
と言ったら…皆笑ってくれた。
…その後は、皆で地上を目指して、何とか脱出することができた。
出た頃には、既に朝日が眩しかったけど…
…そう言えば、脱出は出来たけど、今回一番助かったのは、サンドスネーク達が待っていてくれた事だな。
もし居なかったら、砂漠を延々と歩く所だったよ。
お利口な蛇さん達、ありがとう!!
…今回のルサリィクエストは、結構軽い気持ちで始めた割にずいぶん苦労した。
…だけど、たぶん無駄じゃ無かった。
それに帰ったら、メリッサとレアにも話をしないとなっ!
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