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忘れ去られた遺跡
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「リーダー!?危ないっ!」
「ぐっ!!」
兎族の魔術師が叫び、犬族の剣士であるリーダーが大剣で鋭い牙を弾き、何とか事なきを得る。
「ワンッ!ワンワンッ!!」
流線型のフォルムと鋭い牙、千切れた鎖を引き摺る飼い犬のような魔導兵が、無傷をアピールして威嚇してくる。
「や…やばいよリーダー、応援が来る前にやられちゃうって!」
「親玉が参加してないのに、この力ってヤバ過ぎだってよぉっ!」
人の様な熊である、拳闘士の男が文句を言いながらも果敢に攻めいる。
淡く光を帯びた鉄拳はダイナマイト型の魔導兵の腹部に突き刺さす。
ドゴッ!!…ジジジッ
「どうだっ!?」
熊男は手応えがあったと撃破を確信する。
この技を受けて無傷なんて今までありえなかった…
が、動きの止まっていた魔導兵は倒されるだけでは無く突如爆発を起こす。
目の前にいて回避できなかった熊男はもろに爆発のダメージを受けてしまう。
全身黒焦げになって膝から崩れる熊男…
「バグゥゥーッ!!」
神官の兎女が叫びながら回復魔法を飛ばす。
回復が功を奏し辛うじて一命を取り留めたものの、座り込む熊男の頭上には棘を備えた箱型の魔導兵が、ドッスン!と言わんばかりに落下しようとしていた。
「「させるかっ!」」
しかし、それを黙って仲間達が見過ごす訳は無く、魔獣に騎乗した二人の猫族調教師が熊男を担ぎさる。
ドスーンッ!
轟音を立てるも不発に終わった魔導兵に、魔道士の兎女から雷魔法が落ちる。
ピリビリッ…バチバチッ…
魔法は魔導兵を直撃したが効いている様子が薄く、帯電したまま再度宙に浮かびあがると回転し始めた。
「…ほらほら、ちゃんとガードしないと全員いっぺんに死んじゃうよ?」
さながら悪魔のような笑みを浮かべ、アキラが嬉しそうに自分の研究結果達を見つめる。
その忠告の間もグルグルと回転する魔導兵は、体に帯びた雷を辺り一帯に高速の槍と化して射出した。
「うぎゃあぁっ」
「あがががっ…」
狙いを定めるでも無く放たれた雷槍は、森も遺跡も獣族のパーティーも貫き散らす。
当然、他の魔導兵やアキラにも飛んでくるが、威力としては第六層程度のダメージしか無いのでアキラ達には当たらない。
まさに圧倒的であった。
自分は戦わず、手製の玩具達だけで歴戦のパーティーを圧するアキラ
獣族の面々で戦いを継続できそうな者は残っておらず、後はこのまま実験材料にされながら死を待つのみ…
「オーロラヒール!」
絶望的な場に、突如として癒しの光が舞い降りる。
「…だれだっ!?」
少しずつ回復されていく獣族達を見て、誰が実験を邪魔するのかと、藪の外に怒鳴るアキラ
「…ひとーつ、人より出来る奴。ふたーつ、二股かける奴。みーっつ、リア充みんな敵!正義の使者…ユウト見、参!!」
「…なんだ、アホか。」
「よしこらっ、お前ちょっとそこに正座しなさい!」
正義の名乗りを馬鹿にするアキラに正当な抗議をするユウト、と生暖かい目で背中を見守るアイアンメイデンの一行が藪を掻き分けて現れる。
「…ゆ、ゆうしゃ…様?」
「いやいや、『勇者』では無いからね、変なフラグは立てないようにしましょうね?」
あくまで勇者である事は否定していくスタンスを崩さないユウトに、溜息をつきながらも行動を開始するアイアンメイデンのメンバー
特に傷の酷かった拳闘士の熊男は、シャルの全体回復魔法では癒しきれない。
なので、追加で治癒が必要な人を確認して魔法とアイテムで回復させていく。
「お前は一体、何をやってんだ?話聞いてる途中で嫌な予感がしたんだよなぁ」
「…うるさいなぁ。変態ロリコン趣味の君には関係ない事だろ?」
「うぅっ…そ、それが何だよ!可愛いは正義なんだぞ?」
「…知らないよ。変態くん。」
最初から失礼全開でくるアキラに俺流で抗議するも効果は期待できないようだ。
一筋縄では行きそうに無いアキラに、レンが帝国との戦争で騎乗型の魔導兵に殺されかけたらしいな、と嫌味を言い返したら、ここに居る理由を簡単に教えてくれた。
「…なるほどな。現実世界に戻る為の調査か。」
「…こんな辺境の地にスタートホールがあるなんて良く知ってたもんだよ」
「ん?知らなかったのか、常識だよ常識!」
「……」
…何故か蔑んだ目で見られると言うご褒美を貰った。
そんなに喜ばれる発言をしただろうか。
マップの何処に何があるかなんて、1日の殆どをAAOのゲーム内で過ごしてた俺からすれば常識なんだがな。
ともかく、森で騒ぎになっている事や悪魔との疑いが掛かっている事をざっくりと説明してやる。
まぁ、助けて欲しいと泣きついてくるのなら助けてやらんことも無いけどな…
ちっぱいの触らせてくれるならな!
「…ちょうど良かったよ。このスタートホールの調査に魔力要員と人柱が欲しかったんだ」
「全無視かよ…」
当のアキラは精霊王達に狙われている事を気にする様子も無く、自分の要求だけ突き通そうとしてくる。
精霊王やエレメンタルガーディアン達を一人で倒せるつもりか、と聞いてみたら「あいつらはボクの事も何をしに来たのかも知ってるさ。それに、封印の蓋を開けたのは偶然だしね。」などと言い出す始末だ。
「…つまり、君達は嵌められたんだよ。まぁ、ボク達が知り合いだと知ってる可能性も否めないけどね」
ガーディアンの一人、メリダスなら喜んで襲ってきかねないとは危惧していたものの、全ては把握済みだから気にする必要は無いと告げるアキラ
…このまま討伐しないと、俺の森林内での知名度向上はどうなるのだろうか?
この獣族パーティーを脅し…頼んで討伐した事にしてもらうのが良いかな。いや、読まれてしまうか。
俺がどうするべきか悩んでるいると、アキラから交渉が入る。
失敗作の騎乗型魔導兵の外装と、俺たちの周りをウロウロしてる兵隊型の魔導兵を討伐の証として提供すると言う。
その代わり、魔力源の提供(レアを貸せ)と起動実験に使える人柱を用意しろと要求される。
「う~む。レアを貸すのは良いにしても、人柱の提供とか後味が悪すぎるだろ。」
「…別に誰でもいいからさ。多分成功したと思ったら、あの変態関西人を送り返すだけだし」
「……ご、ご主人…さま…ひど」
俺はレアに食べ物を与えてなだめつつ、人柱の件は保留して討伐報告をする事にした。
証人はもちろん獣族パーティーの皆さんにお願いして、激戦の上で討伐したんだと力説してもらおう。
人柱の件は誰かに相談しようか。
奴隷とかを送り込んだりするのも嫌なんだよなぁ。
とりあえずレアと食事係兼お目付役としてルサリィに残ってもらい、獣族パーティーの半分も雑用兼人質として置いていく。
俺と残りのメンバーは、報告の為に精霊王の元へと帰還する事にした。
……
「…と言う訳で、無事討伐完了してきたぜ!なっ?」
「ははは…はひぃっ!そ、そそ、その通りです。旦那達の強いのなんのって、あ、悪魔もびっくりの悪魔っぷりでしたワン」
「…それ、褒めてんのか?」
脂汗をかきながらウンウンと…いや、ワンワンと首を縦に振るアニマルファイターズのリーダー。
…なんだか、俺達が脅してるみたいじゃないかっ!
まっ、強制はしてるけどね。人質とって。
「…ほぉ。どおりで、内から放つものが…似ていると思ぉた…なるほどのぉ」
「か、かかか、勝手に人の心読まないでよねっ!」
「……」
勝手に納得して人の話を聞かない精霊王と、封印から帰って来ていたメリダスに睨まれ、思わず俺の隠されしツンデレキャラが顕現してしまう。
…お前らは事情知ってるんだから、そこは目を瞑ってくれよ!
なんとかなし崩し的に討伐は完了し、森の平和を守った勇者として俺の事を広めてくれる話になった。
あれっ?結局俺の勇者扱いは変わらないんじゃ…
腑に落ちないものは感じながらも、伝え方までは指定できないか、と諦めた。
…かくして、大森林での巻き込まれクエを達成した俺たちは、完全に忘れていた妖精の王女に会いに行く事にしたのであった。
「ぐっ!!」
兎族の魔術師が叫び、犬族の剣士であるリーダーが大剣で鋭い牙を弾き、何とか事なきを得る。
「ワンッ!ワンワンッ!!」
流線型のフォルムと鋭い牙、千切れた鎖を引き摺る飼い犬のような魔導兵が、無傷をアピールして威嚇してくる。
「や…やばいよリーダー、応援が来る前にやられちゃうって!」
「親玉が参加してないのに、この力ってヤバ過ぎだってよぉっ!」
人の様な熊である、拳闘士の男が文句を言いながらも果敢に攻めいる。
淡く光を帯びた鉄拳はダイナマイト型の魔導兵の腹部に突き刺さす。
ドゴッ!!…ジジジッ
「どうだっ!?」
熊男は手応えがあったと撃破を確信する。
この技を受けて無傷なんて今までありえなかった…
が、動きの止まっていた魔導兵は倒されるだけでは無く突如爆発を起こす。
目の前にいて回避できなかった熊男はもろに爆発のダメージを受けてしまう。
全身黒焦げになって膝から崩れる熊男…
「バグゥゥーッ!!」
神官の兎女が叫びながら回復魔法を飛ばす。
回復が功を奏し辛うじて一命を取り留めたものの、座り込む熊男の頭上には棘を備えた箱型の魔導兵が、ドッスン!と言わんばかりに落下しようとしていた。
「「させるかっ!」」
しかし、それを黙って仲間達が見過ごす訳は無く、魔獣に騎乗した二人の猫族調教師が熊男を担ぎさる。
ドスーンッ!
轟音を立てるも不発に終わった魔導兵に、魔道士の兎女から雷魔法が落ちる。
ピリビリッ…バチバチッ…
魔法は魔導兵を直撃したが効いている様子が薄く、帯電したまま再度宙に浮かびあがると回転し始めた。
「…ほらほら、ちゃんとガードしないと全員いっぺんに死んじゃうよ?」
さながら悪魔のような笑みを浮かべ、アキラが嬉しそうに自分の研究結果達を見つめる。
その忠告の間もグルグルと回転する魔導兵は、体に帯びた雷を辺り一帯に高速の槍と化して射出した。
「うぎゃあぁっ」
「あがががっ…」
狙いを定めるでも無く放たれた雷槍は、森も遺跡も獣族のパーティーも貫き散らす。
当然、他の魔導兵やアキラにも飛んでくるが、威力としては第六層程度のダメージしか無いのでアキラ達には当たらない。
まさに圧倒的であった。
自分は戦わず、手製の玩具達だけで歴戦のパーティーを圧するアキラ
獣族の面々で戦いを継続できそうな者は残っておらず、後はこのまま実験材料にされながら死を待つのみ…
「オーロラヒール!」
絶望的な場に、突如として癒しの光が舞い降りる。
「…だれだっ!?」
少しずつ回復されていく獣族達を見て、誰が実験を邪魔するのかと、藪の外に怒鳴るアキラ
「…ひとーつ、人より出来る奴。ふたーつ、二股かける奴。みーっつ、リア充みんな敵!正義の使者…ユウト見、参!!」
「…なんだ、アホか。」
「よしこらっ、お前ちょっとそこに正座しなさい!」
正義の名乗りを馬鹿にするアキラに正当な抗議をするユウト、と生暖かい目で背中を見守るアイアンメイデンの一行が藪を掻き分けて現れる。
「…ゆ、ゆうしゃ…様?」
「いやいや、『勇者』では無いからね、変なフラグは立てないようにしましょうね?」
あくまで勇者である事は否定していくスタンスを崩さないユウトに、溜息をつきながらも行動を開始するアイアンメイデンのメンバー
特に傷の酷かった拳闘士の熊男は、シャルの全体回復魔法では癒しきれない。
なので、追加で治癒が必要な人を確認して魔法とアイテムで回復させていく。
「お前は一体、何をやってんだ?話聞いてる途中で嫌な予感がしたんだよなぁ」
「…うるさいなぁ。変態ロリコン趣味の君には関係ない事だろ?」
「うぅっ…そ、それが何だよ!可愛いは正義なんだぞ?」
「…知らないよ。変態くん。」
最初から失礼全開でくるアキラに俺流で抗議するも効果は期待できないようだ。
一筋縄では行きそうに無いアキラに、レンが帝国との戦争で騎乗型の魔導兵に殺されかけたらしいな、と嫌味を言い返したら、ここに居る理由を簡単に教えてくれた。
「…なるほどな。現実世界に戻る為の調査か。」
「…こんな辺境の地にスタートホールがあるなんて良く知ってたもんだよ」
「ん?知らなかったのか、常識だよ常識!」
「……」
…何故か蔑んだ目で見られると言うご褒美を貰った。
そんなに喜ばれる発言をしただろうか。
マップの何処に何があるかなんて、1日の殆どをAAOのゲーム内で過ごしてた俺からすれば常識なんだがな。
ともかく、森で騒ぎになっている事や悪魔との疑いが掛かっている事をざっくりと説明してやる。
まぁ、助けて欲しいと泣きついてくるのなら助けてやらんことも無いけどな…
ちっぱいの触らせてくれるならな!
「…ちょうど良かったよ。このスタートホールの調査に魔力要員と人柱が欲しかったんだ」
「全無視かよ…」
当のアキラは精霊王達に狙われている事を気にする様子も無く、自分の要求だけ突き通そうとしてくる。
精霊王やエレメンタルガーディアン達を一人で倒せるつもりか、と聞いてみたら「あいつらはボクの事も何をしに来たのかも知ってるさ。それに、封印の蓋を開けたのは偶然だしね。」などと言い出す始末だ。
「…つまり、君達は嵌められたんだよ。まぁ、ボク達が知り合いだと知ってる可能性も否めないけどね」
ガーディアンの一人、メリダスなら喜んで襲ってきかねないとは危惧していたものの、全ては把握済みだから気にする必要は無いと告げるアキラ
…このまま討伐しないと、俺の森林内での知名度向上はどうなるのだろうか?
この獣族パーティーを脅し…頼んで討伐した事にしてもらうのが良いかな。いや、読まれてしまうか。
俺がどうするべきか悩んでるいると、アキラから交渉が入る。
失敗作の騎乗型魔導兵の外装と、俺たちの周りをウロウロしてる兵隊型の魔導兵を討伐の証として提供すると言う。
その代わり、魔力源の提供(レアを貸せ)と起動実験に使える人柱を用意しろと要求される。
「う~む。レアを貸すのは良いにしても、人柱の提供とか後味が悪すぎるだろ。」
「…別に誰でもいいからさ。多分成功したと思ったら、あの変態関西人を送り返すだけだし」
「……ご、ご主人…さま…ひど」
俺はレアに食べ物を与えてなだめつつ、人柱の件は保留して討伐報告をする事にした。
証人はもちろん獣族パーティーの皆さんにお願いして、激戦の上で討伐したんだと力説してもらおう。
人柱の件は誰かに相談しようか。
奴隷とかを送り込んだりするのも嫌なんだよなぁ。
とりあえずレアと食事係兼お目付役としてルサリィに残ってもらい、獣族パーティーの半分も雑用兼人質として置いていく。
俺と残りのメンバーは、報告の為に精霊王の元へと帰還する事にした。
……
「…と言う訳で、無事討伐完了してきたぜ!なっ?」
「ははは…はひぃっ!そ、そそ、その通りです。旦那達の強いのなんのって、あ、悪魔もびっくりの悪魔っぷりでしたワン」
「…それ、褒めてんのか?」
脂汗をかきながらウンウンと…いや、ワンワンと首を縦に振るアニマルファイターズのリーダー。
…なんだか、俺達が脅してるみたいじゃないかっ!
まっ、強制はしてるけどね。人質とって。
「…ほぉ。どおりで、内から放つものが…似ていると思ぉた…なるほどのぉ」
「か、かかか、勝手に人の心読まないでよねっ!」
「……」
勝手に納得して人の話を聞かない精霊王と、封印から帰って来ていたメリダスに睨まれ、思わず俺の隠されしツンデレキャラが顕現してしまう。
…お前らは事情知ってるんだから、そこは目を瞑ってくれよ!
なんとかなし崩し的に討伐は完了し、森の平和を守った勇者として俺の事を広めてくれる話になった。
あれっ?結局俺の勇者扱いは変わらないんじゃ…
腑に落ちないものは感じながらも、伝え方までは指定できないか、と諦めた。
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