魔法適性率0な私は、魔法殺し《マギアエタンドラー》と呼ばれているそうです。

栗花落多瑠音(玉蜀黍)

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1章 退学篇

6話 ──魔法の天才/決戦

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 私は生まれつき魔法に恵まれていた。物心着いた頃には既に召喚魔法を取得していたらしい。

 六つになった頃、エルマレーヌ女学園の小等課に入学した。けども、たった四ヶ月で卒業し、中等科へ入り込んだ。
 入り込んだは良いが、あまりの賢さに五ヶ月ちょいで卒業してしまった。
 それから高等科へ入り込む。
 そこで全学年の授業と学科を一つ一つ受講していき、私はあっという間に全ての学科を制覇してしまった。

 コレットは、最年少七歳と二ヶ月で身に付けたのだ。

 普通であれば取得に三年は掛かる魔法も、彼女にとっては一週間で取得出来てしまう。

 「あーあ、大したことこと無いな」

 そう無聊するコレットの前に、一人の女性が姿を現す。

 「──宜しければ、教師をしてみませんか」

 そう声を掛けた女性は、私に手を差し伸べる。

 「変えたいと思ってるんでしょ? 学園や授業を」

 「え~私何かで良いの? 子供だよ、私」

 「全ての学科を制覇した天才な貴女なら出来ますよ」

 女性教師の提案に、愛くるしい瞳でそう言う。

 しかし──扱いになれてるかのように、褒め上げる。

 「しっかたないな~。天才な私が先生をやって上げても良いよ」

 「コレットさん、是非お願いします」

 七歳半と言う若さで、コレットは教師へと昇格を遂げた。

 翌日からは、彼女専用の制服を着て教師へ着任した。

 専用とは言えサイズが大きく、袖が長い。

萌え袖と言う奴だ。

 着任そうそう授業を行うことに。

 彼女の授業はレベルが高く、難しい。

 追い付けない生徒も生徒もいた。

 分かりやすく伝える術を知らないコレットは、他の先生の手助けによって分かりやすい授業へと変わっていく。

 それから月日は経ち、真面目だった彼女に緩みが出始める。

 授業には遅れるは、授業中に遊ぶはとやりたい放題。

 コレットがが主導権を握り始めると、自分に逆らう者をどんどんと学園から追い出していく。
 逆らう者だけでなく、魔法に適してないものも同様に落として行く。

 名目上は学園に必要の無い不要物として…

 ──私は願ったの。何時か手応えのある相手と戦うことを。そして変えてくれる人と出会うのを

 それが本当に来るのか、コレットには分からない。

 だからこそ彼彼女は、強く願う。
──そう、願った。

 そして最近、その可能性のある者を見付けた。

 その人物は魔法が使えない。

 だからどうすることも出来ないと思うが、あくまでも可能性の話だ。

 確率で言うなら、四十パーセントあるか無いかと言ったところか。

 昔のことに、コレットは浸かっていた。
 まあ、昔と言っても言うほど昔ではないが…

─────────────

 猶予を与えられたシャネルは、その期間を活用出来ずに本番を向かえていた。

 初めて袖を通すバトルウェアに心踊らすシャネル。

 今はそう言ってる余裕はないが。

 準備を整えたシャネルが学園の庭にやって来ると、そこには学園長とコレット、そしてもう一人──見慣れない少女が待っていて…

「ちゃんと来て何より」

「そちらは何方ですか?」

 「わたしか。わたしはナディアだ」

 ナディアと名乗った少女は。

「学園最強の魔法使いだ」

 「これが隠してたもう一人の相手···」

 ナディアの肩書きを聞いて、シャネルは呟く。

 「事前に決めた通り、貴女が一勝した時点で貴女の退学を取り下げて上げます。間違いなく」

 学園長は約束を守ると言い切る。

「精々頑張りたまえ」

 と言うと学園長は少し離れた所へ移動し、ナディアも離れていく。

「楽しませてね~」

「宜しくお願いします」

 握手を交わす。そして試合が始まった。

「〈アイシクル·レイン〉」

 大気中に無数の氷柱が出現した。

その氷柱は鋭い。

 鋭い氷柱は、少し離れた所にいたシャネルの頭上へ降っていく。

 後ろへ飛び退いたシャネルは、降る氷柱の余韻を身を捻って躱す。

 「お姉さん、凄いね。あれを躱すなんて」

「偶々です」

 驚くコレットは何処か楽しそう。

「〈ロー·トルナード〉」

 突然にして刹那──虚空から激しい水の竜巻が起こる。

 その竜巻は次第に大きくなっていく。

 巨体な竜巻に迄成長すると、シャネルを襲う。

──逃げ場など無い。

 回避すら難しいのではないか。

 回避出来ずにいたシャネルを、竜巻が襲った。

「ぐはっ…」

 抵抗空しく攻撃を食らってしまい、至る所に傷を負う。

──まだ終わらない。

 「〈オーロラ·ミエッション〉」

 オーロラのような輝きを放つ巨大なエネルギーの波動を放つ。

 放たれた波動を、間一髪で回避したシャネル。

 「ちょこまかと逃げちゃって」

楽しそうにコレットが言う。

「〈スノーストーム〉」

 激しい雪を伴い、雪崩を呼び寄せる。

更には──

「〈アーソンブレイズ〉」

 雪崩によって埋もれたシャネル。

 その雪崩が起こった周辺に、次々と火柱を発生させる。

 取り囲むように燃え上がる炎が、次第にシャネルを捕らえ灼かれてしまう。

「〈フラム·フレッシュ〉」

 弓矢の如く、コレットは矢のような形をした炎を放つ。

 普通のフラム·フレッシュとは威力が違う。

 強力な炎の矢を食らったシャネルは。

「ごあっ…」

心臓を灼かれて踠き苦しむ。

「これで終わり」

そう言うと。

 「空間魔法〈キューブ〉」

 シャネルを空間に閉じ込め、そのまま押し潰す。

 試合の様子を終始見ていた生徒や先生からは呆れの声が飛び交う。

 この調子だと次も無理だろうと思う人も少なからずいるだろう。

「〈リカーム〉」

 コレットが唱えると、瀕死状態だったシャネルがどんどんと回復していく。

 「流石はコレット。見事でしたよ」

「まあ当然なんだけどね」

 学園長に褒められたコレットは、まな板な胸を張る。

「次で全て決まります」

次は落とすことが出来ない。

 だからと言って、勝てるような相手ではないのだが…

 「この学園からは去って貰うから」

 強くそう無表情で言われてしまい。

「それじゃあ、つっくるよ」

 と言うと、安全の為に別空間を作り出す。

 「終わったら分かるし、頑張ってねー」

 「言われずとも勝つに決まってるから」

 手を振るコレットへ、捨て台詞を残して中へ入っていく。

「早速始めまる」

小さく息を吸い、吐くと。

「〈グレールタンペット〉」

 ナディアが行きなり仕掛けてきた。

 雹や霰を伴った嵐を発生させた。

嵐はシャネルを巻き込む。

 巻き込まれたシャネルは、飛ばされていく。

 飛ばされた少女を追い、ナディアが翔ける。

追い付いたナディアが──

「〈エクレール〉」

呪文を唱えた。

 すると、凄まじい威力の稲妻がシャネル目掛けて落ちていく。

 ギリギリの所で、何と回避して見せ…

相手との距離を取る。

「中々良い動きだ」

と少女の事を褒めてから。

 「〈プワゾンディスパーション〉」

 大量の毒液を、シャネルへ浴びせて攻撃しようとした。

 攻撃をしたは良いが、そこには既にシャネルの姿はなく。  

 少し距離のあるところへと、移動していた。

「ちょこまかちょこまかと」

 一筋縄ではいかなく、少し苛立ち始め…

「〈ミストラル〉」

 小竜巻を伴う暴風雨を発生させた。

 再び竜巻に呑み込まれていく。

 呑み込まれたシャネルはふらふらになってしまい。

「〈ロシェプレス〉」

 呑み込まれたシャネルへ、巨大なごつごつした岩を作り出し、少女の位置に落とす。

──逃げることも出来ない。

 落下の衝撃で普通ならば肉片がぐちゃりと飛び散っても可笑しくない。

 しかしシャネルはそうではないらしく。

 肋骨と脳に損傷がある程度で済んでいた。

 「今度こそこれで決めるから」

 大きく息を吸い、吐くと同時に。

「〈エトワルヴァグ〉」

 巨大な蒼白い衝撃波をシャネルへ向け、放つ。

更には──

「〈スエテエトワル〉」

 宇宙の広範囲に発生させた魔力を、シャネルに集中させながら落とす。

 同時に二つの攻撃を食らい、口から血を吐き出す。

 体もボロボロで、長くは持たない。次で決まりそうだ。

 「もう貴女は終わりだから。次の一撃で」

そう言うと、魔法を唱える。

 ──私まだ退学したくない。折角入って、友達だって出来たのにここで終わるなんて嫌。けどこのままじゃ…

 諦めきれないシャネルは、頭を働かせるも上手く機能しない。

 ──これは不味い。まだ負けたくはない。終わりたくない。

 少女の願いを、気にすることの無いナディアが、呪文を唱えた。

 「〈アルカンシエル·レヨン〉…」

が──不発した。

 「え···!? どうなってんのやら?」

 ──意味が分からない。どうして不発した? 今までそんなこと一度も起きたこと無いのに

 起きた出来事に追い付けないナディア。
 ただ一つハッキリとしていることがある。

それは──

 この状況で起きたのだから、シャネルが何かしたと考えるべきではないか。


それならば──

 「今回は見逃してやるから」

「今回はと言うことは···」

 ナディアの発言に対し、そう呟く。

 別空間から出てきた二人を見て、ナディアに駆け寄ったコレットが。

 「ナディア、どうだった? お姉さんは?? やっぱり退学だよね」

 「どう考えても勝てるはずの無い組合せなのだから、そうなんでしょう」

 二人からは期待な声が聞こえるも、

 「──否、面白いから。退学は先伸ばしにした方がいい」

と無表情で言う。

 「半年後にある゛交流祭〝そこまで延長と言うことだから。良いですよね? 学園長」

 「良かろう。では交流祭で全て決めることにしよう」

 交流祭にて全て決まることになった。

 在留も決まったことで、それぞれ解散した。

 試合の結末を見ていた生徒や先生らは驚きを隠しきれていないらしい。

 その証拠に試合見学後からは授業がまともに進まなくなるくらいなのだから。

 試合を終えたシャネルは一人部屋に戻っていった。

 ──シャネル·ネージュ。最初に見たときから面白い子だと思ってたけど、ホントに面白い子。けど貴女の望む未来は無いよ

 とマノンが心の中で思うと、教室の方へと戻っていく。

 
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