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第1章 天使との契り

11話 転入理由

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450号室 ヒョウガ達の部屋

「帰ったぞ!」

 ―――ヒョウガが部屋に入ると、そこにはルームメイトに加えてライディスまでいた。

 「お、お帰りなさい。ま、間違えたわ帰って来ちゃったのね」

「お帰り、ヒョウガ」

「お邪魔してるよ!」

 ツンの抜けたアミリは、思い出して言い直す。

 「転入生ってやっぱりライディスだったのか!? けど、ライディスはどうしてこっちに転入して来たんだ?」

 「それはな、僕のお父さんが仕事辞めたんだ。それで、こっちで新しい仕事探すって事で今に至るんだ」

 「そうなんですのね。ジャスさん、これから宜しくですの」

 ヒョウガがライディスに質問を問い掛けると、納得のいく答えを彼女は返す。

 「それより、このじゃがフライのコンソメ味食べましょう」

 ―――コンビニで買って来たお菓子を、袋から出す。

 「故郷パイ食べるかい? これ美味しんだよな」

 「俺、それ好きだぞ! アイスコーヒー味も入ってるぞ!?」

「わ、私も好きよ」

 アミリは何の迷いも無く、紅茶味を選んだ。

 この故郷パイはミックスで色んな味が入っているようだ。

 「そう言えばさ、皆の誕生日って何時だい? 僕は十一月二日だよ」

「俺は八月十四日だぞ!」

 「そ、そうなのね。私は六月十二日よ」

 他の四人も「私は十二月十一日」とカナミが言って、アーティナが「アタシは四月一日ですの」と答えた。ミューフィは「十二月二十一日です」と言って、サラは「二月二十九日ですー」と答えた。

 ―――お菓子が一段落した時には、すっかり陽が沈んでいた。
なので急いで片付けを済ます。

「じゃあ、僕は帰るよ!」

「ああ、じゃあな」

「またね! ライディス」

 「ま、又来て下さい。ジャスさん」

 他の三人も、ライディスにお別れの挨拶をして、ライディスは本当に部屋を出て行く。

 「なあ! そう言えば、ライディスのルームメイトってどんな奴らだろうな」

 「面白い人達とだと、賑やかになるんじゃない。屹度きっとライディスも楽しめる人達だよね」

 「ま、関わる事は無いだろうけどな」

 ふとヒョウガは、ライディスのルームメイトに興味を持つ。


―――その頃ライディスはと言うと。

 ライディスは自分の部屋に入った直後。

 「遅かったのじゃ。何処に行ってたのじゃ? 妾は遊び相手が居なくてつまらなかったのじゃじゃ」

 「ご免よ! ヒョウガ達の所に居たんだよ。チェレヌちゃん」

 「ヒョウガじゃと!? あの本気で戦わないで態度が悪くてDランクになったまんまじゃという。あの!?」

 チェレヌと呼ばれた幼女は、ライディスから彼の名前が出てくると驚いた顔を見せる。
 そして直ぐそしてに、嬉しそうな顔をしながら話し始め―――。

 「それより他の皆は何してるんだい?」

 「えっと、コロネは夕飯の準備なのじゃ。ガウェールとエボットは、テレビを見てるのじゃ。ザクは、本を読んでるのじゃじゃ」

 「へえ~そうなのか。晩ご飯は何だろうな」

 そうライディスがが呟くと、それを聞き取った彼女はが嬉しさの余りはしゃぐ。

その理由は―――

 「今日は、妾の大好物のハンバーグなのじゃ」

「そうなのか!」

 「お風呂の湧いた音がしたのじゃ」

 ―――ピピって音がして、リーフが言う。

 キッチンから遣って来たコロネが、他の皆を呼びに行く。

 そして四人は、両手にハンバーグに、キャベツとトマトが乗った皿を机に運ぶ。
 ガウェールとエボットは机を拭いたり、フライパンを洗ったりして。

 「さっ、先に夕飯を食べますよ」

 コロネが言うと、皆が席について食事の挨拶を済ませ…

 「どれどれ、ん…。このハンバーグ美味しいな」

 「そうなのじゃよ。コロネの作る料理は最高なのじゃじゃ」

「そうですか」

 ライディスに褒められ、おまけにリーフにも大袈裟に褒められてしまい。
 少し頬を赤らめたコロネは、照れ臭そうに言う。

 「確かにな。これなら毎日食べても飽きない」

 「嫌々、毎日食べたら飽きるやろ」

 ガウェールが納得と言わんばかりに褒め上げるも、エボットがツッコミを入れて。

 ―――皆が食べ終えるとコロネは、

「リー、お風呂入ろうね」

「妾は別に良いのじゃ」

 「否、俺と一緒に入ろうな、リーフちゃん。楽しい事しよう」

 「グレク先輩、そんなことしたら変態です。ロリコンですか? リーに卑猥な事するつもりですね。それか体全体を目で見て頭の中に焼き尽くすつもりですね。警備員隊呼びましょうか」

 コロネの言葉を聞いて、リーフはリビングから出る。
 扉の陰からガウェールへ警戒を向く。

 「冗談だ、冗談! だから警戒の目を向けないでくれ。後、さっさと入って来な」

 「それじゃあ、グレク先輩とエボット先輩、後片付け宜しくお願いします!」

 言い終えると、二人は脱衣所に向う。
 ―――コロネ達が出てくると、次にライディスが入りに行く。
 ライディスが出ると、エボット、ザク、ガウェールの順に入りに向かった。

 歯磨きも終わり皆が寝室でベットに就き寝ようとする。

「では、お休みなのじゃ!」

 リーフが言うと、皆がお休みを言って眠りに就く。

 こうして、ライディスの転入初日が終わった。

 それからは何事もなく平凡な日々は続きーーー月日は流れて翌月へ。



六月一日の夜。

 この日も何事もなく一日は終わり、ヒョウガ達は心地よい眠りに就こうとしていた時、

 「ねえ、ヒョウガ。もう直ぐシラキちゃんの誕生日だけど、プレゼント決まった?」

 「否、未だ決まっていないぞ」

 
 「じゃあさ、明日皆でデパートにでも行かない?」

「ん…それは良いな」

「じゃあ、決まりね」

 空いていた休日の予定が。アミリへの誕生日プレゼント選びで埋まった。

「じゃあ、お休み」

「ん….お休み」

 そう言って今度こそ眠りに就く。
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