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好きという気持ち
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「あのー……怒ってます?」
帰ってくるなり執務室の隣で寝泊まりしている部屋とは別の部屋に入ると、天音をバスローブのままベッドへ下ろしたエリオットはプイッと背中を向けてベッドの端に座ったまま動かない。
天音が恐る恐る声をかけると、エリオットはピクリと動いてこちらを振り返った。
「お前の口から説明してもらおうか」
「うっ……はい」
有無を言わさない気迫に押されて、天音はこちらとは違う世界から来たこと、気が付いたら猫になっていたこと、カラスに襲われているところをエリオットに助けられてからテオドールに攫われたときのこと、自分の身体が昼は人間で夜は猫になってしまうことをぽつりぽつりと言葉を選んで話した。
「じゃあ、お前はイオであることを黙って働いていたんだな」
「………………すみません」
(絶対嫌われた……。)
顔が上げられない。エリオットがどんな表情をしているのか確かめるのが怖い。
俯いたまま天音は涙が出そうになるのを堪えた。
(俺、やっぱり好き、なんだ。殿下のこと。)
自分の気持ちに気づいたと同時に涙が溢れる。俯いたまま流れる涙が落ちてシーツを濡らす。
「──おい!」
乱暴に肩を掴まれ、驚いて顔を上げると焦ったような表情でエリオットがこちらを覗き込んでいた。
「何泣いているんだ」
「殿下が……怒ってると思って……」
「怒ってない!……いや怒ってはいるが……違う。お前が身体に関して黙っていたことには怒っていない。俺が怒っているのはお前がテオドールを頼ったことだ」
「え……」
エリオットは苛立ったように髪をかきむしった。
「俺は泣かせてばかりだな……。いや、テオドールしか事情を知らないからアイツを頼ったのはわかるが……。すまん、その……俺は……」
しどろもどろになったかと思うとエリオットは突然顔を赤くして頭を抱えた。エリオットは顔を埋めたままピタリと動かなくなってしまった。
急に様子がおかしくなったエリオットに慌てた天音はオロオロとしながら「殿下?」と声をかけた。すると突然天音の手首が強い力でつかまれる。
「好きだ」
俯いたまま呟かれたエリオットの言葉に思考が停止する。
(え……今のって)
聞き間違いかと思った天音が何も答えずにいるとつかまれた手首が強く力を込められる。
「で、んか」
「好きなんだ」
顔を上げたエリオットの真剣な顔がすぐそこにあった。エリオットの薄氷の瞳から視線が離せない。
「俺も、好きです」
思わず口が動いていたことに気づいたときには、エリオットは柔らかく微笑んだ後だった。
帰ってくるなり執務室の隣で寝泊まりしている部屋とは別の部屋に入ると、天音をバスローブのままベッドへ下ろしたエリオットはプイッと背中を向けてベッドの端に座ったまま動かない。
天音が恐る恐る声をかけると、エリオットはピクリと動いてこちらを振り返った。
「お前の口から説明してもらおうか」
「うっ……はい」
有無を言わさない気迫に押されて、天音はこちらとは違う世界から来たこと、気が付いたら猫になっていたこと、カラスに襲われているところをエリオットに助けられてからテオドールに攫われたときのこと、自分の身体が昼は人間で夜は猫になってしまうことをぽつりぽつりと言葉を選んで話した。
「じゃあ、お前はイオであることを黙って働いていたんだな」
「………………すみません」
(絶対嫌われた……。)
顔が上げられない。エリオットがどんな表情をしているのか確かめるのが怖い。
俯いたまま天音は涙が出そうになるのを堪えた。
(俺、やっぱり好き、なんだ。殿下のこと。)
自分の気持ちに気づいたと同時に涙が溢れる。俯いたまま流れる涙が落ちてシーツを濡らす。
「──おい!」
乱暴に肩を掴まれ、驚いて顔を上げると焦ったような表情でエリオットがこちらを覗き込んでいた。
「何泣いているんだ」
「殿下が……怒ってると思って……」
「怒ってない!……いや怒ってはいるが……違う。お前が身体に関して黙っていたことには怒っていない。俺が怒っているのはお前がテオドールを頼ったことだ」
「え……」
エリオットは苛立ったように髪をかきむしった。
「俺は泣かせてばかりだな……。いや、テオドールしか事情を知らないからアイツを頼ったのはわかるが……。すまん、その……俺は……」
しどろもどろになったかと思うとエリオットは突然顔を赤くして頭を抱えた。エリオットは顔を埋めたままピタリと動かなくなってしまった。
急に様子がおかしくなったエリオットに慌てた天音はオロオロとしながら「殿下?」と声をかけた。すると突然天音の手首が強い力でつかまれる。
「好きだ」
俯いたまま呟かれたエリオットの言葉に思考が停止する。
(え……今のって)
聞き間違いかと思った天音が何も答えずにいるとつかまれた手首が強く力を込められる。
「で、んか」
「好きなんだ」
顔を上げたエリオットの真剣な顔がすぐそこにあった。エリオットの薄氷の瞳から視線が離せない。
「俺も、好きです」
思わず口が動いていたことに気づいたときには、エリオットは柔らかく微笑んだ後だった。
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