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突然拐われ、見知らぬ場所に連れてこられたジュリアは、狼狽えながら捕獲者を振り返った。
「何の理由で?」
「突然すまない。だが我々は、早急に医師の手当てを必要としているのだ」
蟹のような口が左右にパカパカと開き、そう言われた。
「貴方は……誰なの?ここはどこなの?」
「私はヨラヌス星のモハンド。この艦の副艦長をしている」
そう言うと、モハンドはジュリアから放れた。そして少し離れた場所にいる、同種族に声をかけた。
「艦長、すみません。医師ではありませんが、看護婦を連れて参りました」
「何故医師ではないのだ」
振り返ったヨラヌス人は、口元に灰色の髭を生やしている。
「手近にいたのが看護婦でしたので。ですが、医師を連れてくる時間をかけていられませんでしたので……」
「まぁ、いいだろう。すぐに治療をさせるんだ」
頭を下げたモハンドは、再びジュリアの脇へ立った。彼は背が高く、ジュリアより頭3つ分ほど大きい。
「あの、一体……」
戸惑うジュリアを連れ、モハンドは歩き出した。ブリッジを出ると、あちこちが破損し、怪我人が通路に溢れていた。
「君の艦が放ったフェイザー砲が、医務室を破壊し、医師は全滅してしまった。だが見ての通り、乗組員が多く負傷してしまっている。そこで君に、治療を頼みたいのだ」
ジュリアは、じっと怪我人を見ながら考えた。
──ジョシュは、何か原因があって攻撃したのね……でも……
もしかしたら敵かも知れない──いや、大いに敵である可能性のある彼等を──自分が治療していいのだろうか?
たが怪我人を前に職務を放棄する事は、ジュリアには出来なかった。
「分かりました。出来る限りの事はさせてもらいます」
そう言うと、モハンドは無表情に頷いた。
「何の理由で?」
「突然すまない。だが我々は、早急に医師の手当てを必要としているのだ」
蟹のような口が左右にパカパカと開き、そう言われた。
「貴方は……誰なの?ここはどこなの?」
「私はヨラヌス星のモハンド。この艦の副艦長をしている」
そう言うと、モハンドはジュリアから放れた。そして少し離れた場所にいる、同種族に声をかけた。
「艦長、すみません。医師ではありませんが、看護婦を連れて参りました」
「何故医師ではないのだ」
振り返ったヨラヌス人は、口元に灰色の髭を生やしている。
「手近にいたのが看護婦でしたので。ですが、医師を連れてくる時間をかけていられませんでしたので……」
「まぁ、いいだろう。すぐに治療をさせるんだ」
頭を下げたモハンドは、再びジュリアの脇へ立った。彼は背が高く、ジュリアより頭3つ分ほど大きい。
「あの、一体……」
戸惑うジュリアを連れ、モハンドは歩き出した。ブリッジを出ると、あちこちが破損し、怪我人が通路に溢れていた。
「君の艦が放ったフェイザー砲が、医務室を破壊し、医師は全滅してしまった。だが見ての通り、乗組員が多く負傷してしまっている。そこで君に、治療を頼みたいのだ」
ジュリアは、じっと怪我人を見ながら考えた。
──ジョシュは、何か原因があって攻撃したのね……でも……
もしかしたら敵かも知れない──いや、大いに敵である可能性のある彼等を──自分が治療していいのだろうか?
たが怪我人を前に職務を放棄する事は、ジュリアには出来なかった。
「分かりました。出来る限りの事はさせてもらいます」
そう言うと、モハンドは無表情に頷いた。
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