arkⅣ

たける

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トラボタヌ石が見事治療薬に変貌した頃には、全てが終わっていた。ジョシュも工場の外でポプラ博士と対面し、ヨラヌス人について尋ねてみた。

「彼等は非常に心優しい人種です。自らが傷付くのを恐れていますが、同様に、他者が傷付く事も恐れます」
「生体はどのような構造に?」

ワイズが興味深げに尋ねた。ポプラ博士は、ヨラヌス人についての研究論文はまだ出してはおらず、また、アカデミーにあるものに詳細は書かれていなかった。

「あぁ、それはね……」

2人が生体学について熱く語り出した時、ジョシュの方ヘタルボルとモハンドがやって来た。

「デビット艦長、貴方は素晴らしい部下をお持ちですね」

無表情だったタルボルが、嬉々とした顔をしている。心の垣根が取れた、と言う事か、とジョシュは嬉しく思い、満面の笑みを浮かべた。

「ありがとうございます。無事ワムール艦を撃退出来ました」
「いやいや、礼を言うのはこちらの方だ。ありがとう。そこでなんだが、その……宇宙連邦平和軍と言うものについて、我々や我々の長に詳しく説明して頂けるかな?」

その言葉に驚いたのは、ワイズとポプラ博士だった。ジョシュはそれが当然の結果だと確信していたが、やはり驚いた顔をして見せた。

「勿論です!では、それに詳しい者を、宇宙連邦からこちらへ向かわせましょう」

これは一刻も早く、ノナカを連れて来なければ。きっと彼も驚き、そして喜ぶだろう。
ジョシュは通信器を開くと、アルテミス号を呼び出した。

『こちらホップスです。艦長、転送収容ですか?』
「いや、そうじゃないんだ。ファイを出してくれ」

そう言うと、ホップスは一瞬躊躇ったように間を置いた。まさか、ファイに何かあったのでは、と言う予感が胸を過る。

『副艦長は現在席を外しておられます。呼び出しましょうか?』
「そうしてくれ」


──席を外してるだって?どうしてブリッジにいないんだ?


『ファイです』

すぐに、いつもの落ち着いた口調が返ってきた。

「席を外しているそうだが、どうかしたのか?」
『いえ、なにも。心配はいりません』
「そうか……じゃあノッドに、第7宇宙基地からノナカ司令官を、ヨラヌス星へ連れてきてもらってくれ」
『加入される事になったのですね?おめでとうございます。すぐに向かわせます、以上』

通信器を閉じたジョシュは、タルボルを見遣った。

「すぐに連れて参ります。それまで、暫くお待ち下さい」
「そうですか。なら、私は長達を集めておきましょう。場所はモハンドに尋ねて下さい。それではまた……」

軽く頭を下げたタルボルは、再び工場へと戻って行った。その背中を見送っていたポプラ博士が、ジョシュの肩に手を置いた。

「凄いじゃないか、デビット艦長!彼等を納得させるなんて、一体、どんな魔法を使ったんだい?」
「魔法なんて……ただ、必要性を示しただけですよ」




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