ホワイト・ルシアン

たける

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第13章.接待

4.

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大の男に見られながらのセックス──しかも相手は、愛しく想う人だ──は、恥ずかしく、屈辱的で、後ろめたく、辛い。だが──幸いにも──彼の意識は随分と混濁しているようだった。

「あッ、ひゥッ!」

震える足で立ち上がり、彼の元へ近付く。球体の上に座らされていると思っていたが、違うようだ。とにかく、彼をそこから下ろしてやろうと、そっと肩に触れる。が、触った途端、彼は酷く怯えて──懇願するように──謝った。

「ごめんなさ……あァッ、い!も、もう、あンッ!ゆる、してェッ!」
「け、剣崎君」

ギュッと抱きしめ──いやいやをする──彼の耳に囁いた。

「私だ、沢村だ……」
「ひッ……うぅ……さ、わ……むら……?」

少し意識が、こちらに向いたようで、私は更に、優しく──彼等に聞こえないよう──囁いた。

「そうだ、沢村康介だ……澪、私が今から君を抱く」
「や、あァーッ!」
「辛いだろうが、私だけを感じていてくれ」

彼の体は──きつく抱きしめていても──大きく震えている。


──可哀想に……


「ハァッ……ハァッ……」
「とにかく、そこから下ろすから」

取り敢えず拘束をほどき、彼を脇から抱え上げた。すると──驚くべき事に──彼はペニスを模した玩具の上に座らされていたようで、ズルリと抜けたソレは、酷く濡れていた。しかもソレは、もの凄い早さで上下に──人間ではまず不可能な速度だ──動き続けていている。

「抜いてしまうのか?」

社長の言葉を無視し、畳へとそっと、彼を横たえさせる。荒い呼吸で──口角から唾液も溢れ流れ落ちている──辛そうだ。

「まぁ、沢村のやり方を見物するか……」

様子を見る、と言う社長は、ニヤニヤと笑っている。

「うぅん……フゥッ……」

目隠しはそのままにし、彼の体を撫でた。汗ばみ、ペニスは白濁まみれになっている。

「沢村君」

そう言って近藤社長──体格が良く、スポーツでもしていたかのようだ──が、私の背後に立った。

「棟方社長はレイプを見たがってる。分かるね?」

反吐が出そうな台詞を耳元に囁かれ、大層不愉快になる。が、だからか、と、得心もする。


──この奇妙な玩具も目隠しも、レイプを演出する小道具だったと言う訳か……


「……分かりました」

誓って言うが、私にそのような願望はない。乱暴にしたり、酷くしたりするのは苦手で、やった事もない。

「なら、頼んだよ」

そう言って離れて行くが、その言に従える筈もない。

「こ……すけ、さ……」
「うん?何だい?」

彼の唇に耳をあてる。ボソボソと、か弱い声がした。

「僕、康介さんになら、構わないです……」
「なっ……何を言ってるんだ」
「だって、そうしないと……合併の話が……」


──そんなのはどうだっていい!


なんて、今の彼を見て言える筈がなかった。
彼が──合併の件を気にして──この仕打ちに堪えようとしているのだから。
糞食らえだと思うが、私も──今は──堪えるしかないだろう。

「……分かった」

心を鬼にして、やってみよう。
彼が微かに微笑したのを見てから、貪るようにキスをした。彼が腕の中で──ビクリと──跳ねる。

「ん……ふ、んンッ……ぁ、こぅすけさん……」

潤む瞳にもう、恐怖はない。私は舌を絡め、時に吸いながら、彼のペニスを握り込み、扱いた。ヌチュヌチュと音が鳴り、先走りが糸を引く。

「さぁ、入れてやろう……!」

自身のズボンと下着を少しだけずらすと、仰向けに倒したまま、彼の腰を──膝上に乗せて──持ち上げ、勢いよく突き入れた。ジュグリ、と、滑り、深くまで飲み込まれる。

「ひゥッ!あ、ハッ……ハッ……」
「凄い滑るじゃないか……犯されてるのに、感じてるのか?」

精一杯、酷い事を言いながら、彼を強く突く。さっきまで──あの玩具に──犯されていたから、感度はかなりのものだ。内壁を擦り、激しく抜き挿しするだけで、彼は幾度も射精した。

「あッ!あッ!あッ!」
「い……やらしい、体だな……ッ!」

1度ペニスを引き抜き、四つん這いにさせる。後孔は収縮し、もっと、と、言っているようだ。

「焦らなくても、すぐに入れてやるよ!」

ズチュンッ、と突き刺し、強く腰を叩きつける。パンッパンッと肌がぶつかり、すぐに彼は上体を崩してしまった。

「まだだ……まだ……」

彼の背に覆い被さり──片手で腰を抱いて──両手首を掴む。そうすれば、尚レイプっぽいのではと、私なりの浅はかな知恵なのだが。

「凄く……絞まってるぞ……?気持ちいいのか?」
「あァンッ!き、気持ち……いィッ!」

何度も何度も彼を往復し、やがて私も──ナカに──射精する。引き抜くと、彼のナカから白濁が溢れ出た。

「沢村、いいぞ。だがな、私にも見えるように犯してくれないか?」

チラと社長を見遣ると──スボンの中で──勃起しているようだった。そしてその顔は好色満面で、目がギラついている。

「……はい」

仕方なく了承し、彼を膝上に座らせる。

「すまない……」

そっと耳に呟き、彼の片足を高く持ち上げた。
社長に、彼の秘部が丸見えになる。

「おぉっ!す、凄い!」

浮き足だった社長が、自身の股間を揉み始めた。

「は、早く入れろ!」

躊躇なく、彼へペニスを突き入れる。

「あァーッ!」
「ハァッ……ハァッ……」

腰を抱きながら彼を突き上げ、もう片手で胸の突起を捏ねるように弄る。ギュゥッとペニスを絞めつけられ──更に強く──突いた。ジュプンッジュプンッ、と快楽の音と、社長の荒い息が、部屋中に響く。

「あッ!あッ!あッ!も、だめ……!」
「どうして?もっと虐めて欲しいんじゃないのか?少なくとも、君の体は、まだ私を……欲しがっているみたいだが?」

ジュポンッジュポンッと、わざとらしく音を立てて攻めていると、彼の体がまた、大きく跳ね上がり始めた。


──さすがにもう、限界だろう……


そう思っていると、社長がまた、私に命令してきた。

「しっ、潮を吹かせろ!」
「えぇっ?」

これ以上、追い込めと?無理だ、と思っても、皆笑っていて──期待の眼差しだ──拒否すら出来ない、異様な空気感に包まれている。

「やるんだ沢村、社長命令だぞ」
「し……しかし……!」
「それで最後だ、解放してやろう」
「……っ!わ……かり、ました……」

解放されるなら、と、私は彼の耳を舐め、そっとペニスを握り込んだ。

「もう終わるから、堪えてくれ……」

小さく頷くのを見て、私は彼にキスをした。


──本当に終わりだろうか……?いや、終わらせなければ!


男が潮を吹く、と言うのは、随分と苦痛を伴うものだ。だが、しないと終わらない。
ギュウと彼のペニスを強く握り、先端部を弄りまくる。すると──痛むのだろう──彼の体が激しく震え出した。

「あッ!い、やァッ!あッあッあッ!」
「潮を吹いた事はあるか?」

まだ続く──レイプ──プレイに、私は意地悪くそう聞いた。すると彼は、ブンブンと首を振る。

「そんな……い、やだァンッ!」
「初めてか?なら、相当クるだろう」

私も吹いた事は──勿論見た事も──ないし、吹かせた事もない。出来るのか不安ではあるが、もう引き返せないのだ。
更に指の腹や──時に爪を軽く立てて──指で挟んだり、揉んだり扱いたりしていると、段々彼の震えが大きくなっていく。

「あァッ!あッ!や、やァッ……!」
「澪……!」

ズグッとペニスを挿入し、勢いよく突き上げながら扱き続けていていると、やがて彼は勢いよく──文字通り──潮を吹いた。

「あァーッ!」

誰しも、放尿には──自分の意志とは関係なしに、しかも強引に──強い抵抗がある。なのにそれをさせられると言う事は、酷い羞恥心があっただろう。


──本当にすまない……


ぐったりとした──意識を失った──彼を抱きながら、私もナカへ射精する。

「ハァッ……ハァッ……も……もう、いいでしょう……?」
「あぁ、素晴らしい!良くやった、沢村!」

誉められても、何にも嬉しい事などない。
ただただ、罪悪感だけが、私の胸を押し潰そうとしていた。




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