ホワイト・ルシアン

たける

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第22章.式典会場

2.

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式典会場から1つ、エレベーターを降りた会議室に案内された。中は空調もきいておらず、酷く冷える。

「まずは温かい飲み物でもどうだ?」

そう棟方社長は言い、秘書の鷹殿──ボルゾイみたいな顔だ──にお茶を用意させた。

「さっきの会食より、値は落ちるがね」

さぁ、と、手で示され──そうされると、飲まざるを得なくなり──口をつける。温かい緑茶が、体の隅々にまで熱を運んでくれるようだ。

「それでは社長、私は一旦失礼いたします」

メガネをくいと持ち上げ、鷹殿が一礼して退室する。残された俺は、社長と目を合わせないよう俯いた。


──やっぱり、社長を直に相手しなきゃいけないのかなぁ……?


そんな事を考えていると、体の芯が熱くなってくるのを感じた。その、どこかで感じた事のある感覚を思い出そうとしていると、社長が椅子を勧めてきたので、取り敢えず座る。

「剣崎君、どうかしたか?」

そう言って、社長が髪を撫でてきた。そしてその指で──太く短い──頬をなぞってくる。俺は体にやはり熱く震えるものを感じ、社長を見遣った。

「いえ、何でも……ありません」
「何でもない事はないだろう?君はさっき、媚薬を飲んだんだからなぁ!」

社長の口から、信じられない言葉が発せられた。


──今、媚薬、と言わなかった?


再び、あの接待が悪夢となって甦る。

「これから君の体を試させてもらうからな」

そう言った社長に、突然キスをされた。舌が絡まり、息苦しい。と同時に、不快感で背筋が震える。

「んぅ……ハァハァ……ん」

口角から、唾液が垂れた。だが、それすら飲み込めない。苦しくて、もがくように社長のジャケットを握ると、漸く唇が放れた。

「なっ……!」

抗議しようと口を開くと、今度は股間を揉み始めた。
乱雑で強引な手淫だが──媚薬を飲まされた──俺の体は、それですら感じて跳ねる。

「じっとしてなさい」


──そう言われても……!


相手が社長なだけに、嫌だからって殴って逃げる訳にもいかない。第一、力が入らない。

「そう、そうしていなさい」

再びそう言うと、社長は口角を上げて笑った。その間も、股間を揉む手は止まらない。

「はッ……あッ……!」

堪らず声が漏れた。止めようと唇を噛み締めても、その声は閉じた唇を押し開くように漏れる。
耳が熱い。それ以上に、社長の触れる場所が──媚薬のせいで──熱かった。

「うん、相変わらずいい声だ」

いつの間にかシャツを乱されていて、社長の空いている方の手が、胸元を撫でている。それは生き物のようにはいずり回り、俺は小刻みに体を震わせた。

「あッ……ハァハァ……ん!」

乳首が弄られる。股間をまさぐっていた手が、ジッパーを下げて中に入って来た。

「感度も、なかなかだな」

下着の上から──ペニスの形に沿うように──撫でられる。

「はッ……い……あッ……!社長……や……」

指が下着の中へ潜り込んで来た。直にペニスをなぞられ、ビクリと体が震える。

「感じているんだな。君の可愛い乳首もほら、固くなってきているぞ?」

そう言って乳首を摘むと、社長は指の腹で擦るように弄った。

「ひァッ……!や、め……」

涙が滲んで来た。視界が歪み始め、どうしようもない自分に、悲しくなる。

「こっちも、濡れてきたぞ?苦しくなってきたんじゃないか?」

ペニスを扱くように手を上下に動かされ、俺は腰を浮かせた。

「あッ……!社長……お願い……です、止め……」
「近藤君からも言われていただろう?抵抗や拒否は許さんぞ」

そう言い放つと、社長は俺の前に膝をついた。そして俺のズボンを下着ごと足首までずらすと、足を開かせる。

「うん、苦しいって、君のも言ってるぞ?」

開かされた足の中心には──勃起して──苦しげに震えているペニスがある。それは先走りで濡れていて、テラテラと光っていた。

「苦しいなら、出しても構わないからな?」

そう言うと、社長は俺のペニスをくわえた。

「しっ……社長……!そんな……!」

慌ててそう言うが──構わず舌を這わせ──わざとらしく音を立てながらしゃぶり始める。

「あッ……!あッ……!はッ……ハァハァ……あッ……」

体中が痺れてきた。俺はもう、抵抗を諦めていたものの、社長の──もう62歳になるのに──性欲に驚かされていた。

「クチュ……ハァ……ハァ……剣崎君……チュプ、チュプ……ニチュッ……チュッチュッ……」
「しゃ……ちょ……あァッ……ハッ……ハッ……」

感覚の全てが、社長のしゃぶるペニスに集中し、頭が真っ白になって来た。
全て媚薬のせいだ。そのせいで──体が勝手に──気持ちいい、と、思ってしまっている。
次第に射精感が強まり、内股を震わせた。

「射精、したいんだろう?私に構わず、出しても構わんぞ」

そう言うと、社長は強くペニスに吸い付き、根本に舌を這わせてくる。そして先端の割れ目に指を押し付け、煽るようにいじくり始めた。

「ああァッ……!あァッあッ……!あァッ!」

快感に声が止まらない。そして、射精したい感覚も強まった。

「あーッ……!あァッあッあッ……あーッあーッ!」

我慢出来ず──半ば叫ぶように声を上げて──精液を放った。それは社長の顔やら手やらにかかり、糸を引きながら床に落ちる。

「ふふ……上出来だ」

笑みを零し、社長は立ち上がった。そして、ぐったりとした俺の頬に触れると、再度唇を重ねる。
射精の後の脱力感で動けない俺は、されるがままになっていた。


──もう、どうなったって、何をされたっていい。


「やはり君は、とてもいい体をしているなぁ」

そう言って机に押し倒される。

「早く挿れてしまいたいところだが、ちゃんと慣らさないとな」

微笑んだ社長が、足を撫でてきた。そしてそのまま手を尻の方へ滑らせると、指先で蕾の回りをくすぐってくる。

「すぐ慣れるから」

そう言い、中指を挿入してきた。

「あッ……!」

挿入された中指は太く──生き物のようにナカで動いている──探るように内壁を擦ってくる。軽く抜き差しされる度に、俺の蕾は収縮した。

「はッ……あァ……」

ため息混じりに声を漏らすと、社長は指の抜き差しを早めた。

「もう、痛くないか?」

そう言った社長の言葉に、ピチャピチャと水音が混じっている。

「あッ……はッ……あッ」

更に速度を増した抜き差しで、蕾は収縮する間隔を早めた。

「吸い付いてくるみたいだな!」

人差し指も挿入され──指が2本になると──更に圧迫感が増す。双方の指がバラバラに動かされ、俺は荒い呼吸を繰り返した。

「ハッ……ハッ……あッ……はッ……あァッ……あッ、あッ……!」

更にいやらしく水音が立ち始めると、社長は指を引き抜いた。ねっとりとした指を眺め、俺を見下ろしてくる。

「早く欲しいんだな?よしよし、今挿れてやろう」

そう言うと社長は、胸ポケットに隠しておいたチューブを取り出した。

「まずは君に」

チューブの中身──恐らくローションだ──を俺の蕾に、丁寧に塗り付ける。襞へ指を撫でつけ──指を挿入し──指を回しながら塗ると引き抜き、再びチューブから中身を指に取ると、今度はそれを自身へと塗り付けた。

「これで、準備万端だ」

そう言うなり、社長は俺の足を撫で──ペニスを蕾に宛がうと──ゆっくりと挿入した。

「ひッ……あぁァあッ!」

体が悶える。社長は俺を机へ押さえ付けた。そして更に深くペニスを挿入する。

「あーッ!しゃ……ちょ……!やァッ……!」
「ふふ、じきに嫌じゃなくなる。そして、気持ち良くなるぞ」

根本まで、全てを挿入し終えると──社長は俺の足を抱え──ゆっくりと腰を振り始めた。

「あーッ……!あッ、あァッ!」

ズブッ、ズブッと、抜き挿しされる度、泣きたくなってくる。


──どうして俺は、いつまでたっても騙され、こんな扱いを受けるんだろう……?


朋樹の顔が浮かぶが、すぐに泡のように消えてしまった。

「ほら、もう、良くなってきただろ?」

机が軋む。

「はッはッ……あッ……社長……あッ!あッあッ!」

痺れは酷くなり、快感が増して行く。それに伴い、俺の声は悲鳴に近い物になって行った。

「ひッ……!あッあッあンッ……!はッん……!」

パンッパンッと、腰を叩きつけられる。

「もっと、声を聞かせてくれ!」

更に律動が強くなると、社長は唇を重ねてきた。
荒い──酒臭い──呼気が顔にかかり、顔を背ける。

「社……長……!あッあッ!ひゃアンッあンッ!も、駄目で……あッああアッ!」

再び射精感が近付き、小刻みに体が震えた。

「もう、限界か?そうだな、私も、早く出したい!」

そう言うと社長は腰を回し──前立腺を突き上げてくる──そこばかりにペニスを擦りつけてきた。

「ひッうッあッ……!やだ……出ちゃ……」

ニュブンッ、ニュブンッ、とわざとらしく音を立てられ、俺は白濁を放った。社長も──ほぼ同時に──ナカへ精液を放つ。と、俺の体に重なるよう、覆いかぶさった。




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