ホワイト・ルシアン

たける

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第22章.式典会場

4.

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会場があるフロアを全て探してみたが、その姿はない。なので、1つ階を──階段で──降りた。
活気あるさっきのフロアに比べ、ここは閑散としている。それもその筈で、ほとんどが──レンタル形式の──会議室だった。


──合併した、相手の社長と、営業マン……


客観的に見て、2人には接点がないように思う。あるとするなら、昨年末から放送されているCMだろう。


──そして、そんな2人がいない、となると……


沢村の様子から察するに、2人の関係を知ってる。
そんな事を考えながら廊下を歩いていると、突き当たりの扉が開き、棟方社長が現れた。思わず、電話をしているフリをしてやり過ごす。すると社長は──オレに気付かなかったのか──エレベーターに乗り込み、いなくなった。

「あの部屋か……」

一体どんな光景が広がるのか……好奇心で廊下を進み、そっと室内を覗く。と、机の上に仰向け──衣服は剥ぎ取られ、ほぼ全裸だ──に倒れる剣崎澪の姿があった。
カーテンの隙間から漏れる光が彼の体を照らし、理想的──それでいて官能的──なその姿が神々しく見える。

「へぇ……思った以上に綺麗な体なんだな」

つい、口から言葉が出た。彼は弾かれたように体を起こすと、慌てて衣服を掻き集めた。

「だ……誰にも言わないで下さい……!」
「はいはい、分かってる……けど、ちょっと、オレにも味見させてくれないかな?」

沢村が焦がれた人に──嫉妬もあったが──興味もあった。

「何言って……」

困惑している彼にのし掛かると、動けない──疲労からか、恐怖からかは不明だが──髪を撫でた。

「じゃあ早速、舐め回させてもらおうかな」
「え……?……ッ!あ、我孫子さ……止め……!」

言葉通りに舐め回し始める。
頭のてっぺんから始め、丹念に舐めながら下がって行く。
おでこ、瞼、鼻、頬。そして唇を重ね──微力な抵抗をされるが──咥内も舐め回してからまた下がっていった。

「綺麗な体だ……滑らかで……」

首筋、肩、鎖骨、胸へと滑って行き、乳首を吸うと、今度は腕を片方ずつ味わってから、また中心へと戻り、腋、腹、腰と続く。

「止め……!ひゥッ……」
「さぁ、楽しみは最後に取っておくとして……次は後ろだな」

彼を俯せに転がし、再び舐め始める。社長との情事の後だからか、彼は酷く感じているようだ。

「やッ……め、ハッ……」

肩、背筋、背筋に沿い、腰へ滑ると、今度は尻を舐め──割れ目も何回か往復し──足へと進む。

「本当に綺麗だな、君は……」

太股、膝裏、脹ら脛。足首を舐めてから、また彼を仰向けに転がすと、足の裏を舐め、手の時と同じ様に指を1本ずつ舐めていった。

「ハッ……ンッ!我孫子……さん、止め……」

舌を徐々に上げ、脛、膝、太股。そして──口では嫌でも昂りを見せている──ペニスをくわえる。

「はあァッ!いッ、やァ!」
「可愛い声を出すんだね……ジュッ……もっと、聞かせてくれないか?ニチュッ……チュプッ……」
「あンッ!アッ!やっ、やあァん!」

舐めると言うか、ペニスを強く吸い、そしてしゃぶってやると、彼は敢えなく射精してしまった。それを溜飲してから口を放す。と、荒い呼吸をする彼を見下ろした。

「次は、指で君を感じるとしよう」

指を動かして見せると、さっき舌で通った順に、また丹念に愛撫していく。

「乳首も勃ってるよ……?感じてる?」

念入りに乳首をこねくり回してから、また行為を再開した。

「はンッ!アッ!あッあッ!」

ペニスを激しく扱くと、また彼は射精する。

「さぁ、最後は……ねぇ?」

ズボンを下ろし、勃起したペニスを彼に見せる。それを見た彼は体を強張らせたが、それだけだった。


──大人しいもんだな……


尻を高く持ち上げ、迎え入れる体勢を取らせる。

「止めて下さい!お願い……!」
「どうしてだい?君も早く欲しいだろう」

そう言って──嫌々をするように──首を振る彼に、ペニスを突き挿した。

「あァッ!」
「いい絞まりだね。だけど、もっと奥まで挿入させてもらうよ?」

ペニスは──刃物のように──肉を掻き分ける。オレは恍惚に笑み、ずっと奥に挿入した。

「はァンッ!やッ……あッ!」

彼の手は机を引っ掻き、足の指がピンと伸びる。すぐに抜き挿しを始め──ペニスが彼のナカをうねるようにしながら擦り──抜き挿しを繰り返した。

「あッ!ハッ……あぁンッ!」


──気持ちいい……


悔しいが、正直にそう思う。

「あァッ!あァッ!あンッ!あ、びこさ……やッだァンッ!」

彼のペニスも興奮に再び勃起し、先走りは揺らされる度に飛沫している。それが彼の顔にもかかり──不愉快なのか──顔をしかめた。

「あぁ……君はこんなに気持ちいいんだな……!凄くいいよ」

激しさを増して行き、抜き挿しの速度も上げる。肌がぶつかるパンッパンッと言う音が部屋中に響き、犯しているのだと痛感する。

「あ、あ、あ、あ!だ……うぅンッ!だめぇ!」

我慢出来ず射精し、オレもナカに射精した。白濁は、体を起こしてやると足へ流れていった。

「イッた顔も可愛いんだね。実にエロチックだよ」


──そんな顔を、沢村にもして見せたのか?


言葉とは裏腹に、苛立ちが募る。

「君にも言っただろう?全ては、メダルを獲ってからだって」

腰を引き寄せ、指で尻を這い回した後、秘部へと挿入する。グチャグチャとナカを掻き回すと、彼の内腿は震えた。

「やンッ!あッ、も、止め……あッあッ!」
「遠慮するな。もっとして欲しいんだろう?なんなら今度は君が跨がるかい?」

そう言って床に転がし、彼をペニスがある位置へと座らせる。太いソレは再びナカへ突き入り、完全に彼のナカに収まった。

「ハッ……ハッ……」
「動いてごらん。じゃなきゃ、この事を朋樹に話してもいいんだぞ?」

本当に伝えるつもりはない。だが彼は、躊躇しながらも腰を前後させ、何度も自分で体を上下させる。その度に、粘質な水音がチュプチュプと鳴った。

「あァッ!あッあッあッ!あ……気持ち……いンッ!あンッ!あンッ!あァッ!」
「まるで獣だな。淫獣ってやつかい?」

オレも腰を突き上げると、彼は快感に身悶えた。

「あァッ!我孫子さん、もっと!もっとしてぇ!」

今にも吐露しそうなペニスは、激しい律動に揺れている。

「エッチな男だな、君は。そうやって、誰にでも足を開いて誘うのか?」

腰を掴み、更に強く突き上げた。もう彼の──秘部はヒクヒクし──ペニスはパンパンになっている。

「あッ、あッ、アァ―ッ!」

ビクビクと大きく震えながら射精すると、彼はそのままオレの体に倒れ込んだ。

「誰に躾られたんだか……ねぇ、君……」

彼は泣いていた。肩を震わせ、顔を隠して。
オレは彼に服を着るよう言い、自分も乱れを整えた。




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