Love Trap

たける

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9.

後日サバルの地方新聞に「刑事行方不明!」の記事が踊った。
記事には、

サバル警察署に勤務するハンク・スティア刑事が行方不明だと言う事が公表された。捜査は遠方にまで延びたが、以前行方は知れないままだ。彼は先月友人を亡くしており、行方不明の原因はそれにある可能性も否定出来ない。

と書かれていた。
ハンクは両親を第二次世界大戦で亡くしていて、天涯孤独だった。幼少時代は施設で過ごし、十代にはアルバイトをしながら一人暮らしをしていた。そして二十代になり警察学校へ入り、今に至る。
フィックスには想像もつかないような孤独を、彼は知っていた。
ジグザ警部補が必死に捜索をしているが、ハンクは見つかる事はないだろう。
申し訳なく思う。
ハンクの両親が眠る墓地へ、彼を一緒に入れてやれなかった。その事を謝罪しに、いつか墓地を訪れよう。いつになるかまだ分からないが、必ず行く事を決意しながら、フィックスは新聞をたたんだ。

「ノッド、俺はどうしたら罪を償えるだろう?」

傍らに転がるノッドは、星空を見上げている。

「さぁ……償った、なんて、そんなの生きてる奴が思う事だからな。死ぬまでないんじゃないか?してもし足りないって思うもんだろ」

そう言って体を起こすと、ノッドはフィックスを抱き寄せた。

「忘れない事が、償いになるんじゃないか?」
「そうかも知れないな……」

フィックスはそう呟き、ノッドと同じように星空を見上げた。
この背中には沢山の罪を背負っている。その1つ1つを決して忘れない。
自分がこうして生きている事を知らない両親や、ジグザ警部補。そして相棒のエンカートや同僚達。
悔いと謝罪は尽きないが、生きている限りそれらを忘れない。

「フィックス、愛してる」
「俺もだ、ノッド。愛してる」

全ての人達に、幸福が降らん事を……そう強く願いながら、フィックスはノッドの胸元に頬を寄せた。

















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