目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第1章 立身篇

第18話 村人 修行をする

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目の前には小さな角がある老人が立っている。片手に持っている杖でコンコンと俺の頭を叩きながら

「何をしに来た?」

「たまたま、立ち寄っただけで・・」

するとその老人は

「フン!!何やら戦っておったようだが、貴様・・・その不釣り合いな格好はいかに?」

俺は、忍者スーツを着ている。その姿を見て行っているのだろうか?と思っていると

「むむむ・・・!!」

俺をじろじろと見たかと思うと手を引いて

「こっちへ来い!!」

こうして連れてこられたのは、その老人の家だった。そして、

「あそこで立ち話をしていてはまずい。お前を襲った黒の騎士がうろついておったでな」

「あいつのことですか?なら、今すぐに」

俺が立ち上がるとその老人はにこやかな表情を浮かべ

「まぁ・・・あやつはあのままでいいから・・・ほっといておけ」

「なぜです?」

するとその老人は、お茶を持ってきて机に座った。

「実は、今、カルロス伯爵の息子が古代神殿を発掘しているだろう?」

「はい・・・私は、その補給部隊の者なのですが・・」

「ほう・・そうか・・それであ奴は君たちを襲ったのか」

一人勝手に納得をしてしまっている。俺には何のことかさっぱりわからない。

「あの・・・一体どうなっているのですか?」

「実は、あの遺跡は、サンカルロスから南西の方角にあるのじゃ、サンカルロスは今でこそ、カルロス伯爵の領都であるが、その歴史は古く、サントス王国の旧都でもあった。さらに、古代でもあの地は都として作られ、その時の南西にあったのが今の神殿だ。実は、サンカルロスの北東にはさらに大きな神殿が眠っている」

「神殿がですか?」

「おっと・・・話をし過ぎてしまった。それより、お前じゃ!!お前は何者だ!!」

「私は村人です」

「わかっとるは、雑魚キャラのは、で?その能力はどうやって手に入れた」

ドキッとする一言だ。俺の能力を見抜いたのは今まで誰一人いないのだから。

「実は、目を覚ましたらこうなっていました」

「そうか・・実は、わしも同じ能力を持っているんだが、君の場合は、制御が全然できていないし、戦闘経験がないから、このままでは実に危ない存在になる」

「どういう意味ですか?」

「能力が大きすぎるのだ、あまりにも大きな能力は破滅をもたらす。だからだろう、ワシの所にやってきたということは、単なる偶然でもなさそうだな。わしの所で修業をせぬか?」

いきなりの提案に驚いた。俺は、今補給部隊の一員、このままでは、脱走兵扱いになってしまう。するとその老人は、

「修行と言っても7日間だけじゃ」

「7日間ですか?」

「その間であれば、帰るのに時間がかかったとでも嘘をつけばいい。それより、神殿の龍(ドラゴン)が目覚める前にお前を仕上げねば」

こうして連れてこられたのは時乃間(ときのま)と言われる空間だった。7日間で1年分の修行が可能だとか、そこで俺は、この老人と修行をすることになった。まずは、力のコントロールからだった。基本的には法力(フォルス)と言っているんだが、そのフォルスを源流にサイコキネシス系とテレキネシス系、テレポーテーション系、テレパシー系とがあり、難しい理論はわからないのだが。これらを組み合わせることで様々な攻撃、防御、情報収集が可能だとか、例えば、サイコキネシスで遠くの空間で人が話している声をとらえてテレポーテーションで耳元まで持ってくるとその音を聞くことが出来る地獄耳とか、岩石を爆発させることもできるそうだ。
こうして、俺は、7日間、俺の時間では1年間みっちりと修行させられたのだった。しかし、見栄えは全く変わらない。筋肉ついたわけでもなく、あいかわらず、格好は、雑魚キャラのままだった。

「ぼちぼち7日たっただろう・・神殿の方は多分大騒ぎをしている頃だろう」

「どういう意味ですか」

「南西の隅落としである門番の龍(ドラゴン)が目を覚ましているはずじゃ。じゃが、あ奴は、門番に過ぎない。しかし、誰もドラゴンと会話ができない。じゃから何人たりともドラゴンは通すまいと戦ってくるはずじゃ。そして、唯一話ができるのはテレパシーだ。それを持っているお主だけじゃ、ドラゴンとはテレパシーなしでは会話はできない。いいな・・よく、諭すのじゃ、魔除けのドラゴンは生かしておくのじゃ、決して倒すのではないぞ。わかったな・・」

「はい・・ありがとうございました」

そして、最後にこの老人は、自分の名を言った。ワシの名は役の小角じゃ・・・また会う機会があるだろう。修行したかったらまた来い。いつでも相手をしてやるから・・こうして、俺は、役の小角と別れたのだった。

野営地に戻ると俺を見つけたラークちゃん、アリスちゃん、シャンリーちゃんが抱きしめてきた。

「お帰りなさいませ」

一方で、アホヤネンとパーヤネンからなぜ逃げたんだという質問に、おれは、敵と戦っているうちに道に迷ったと説明をした。すると、アホヤネンが

「黒の騎士か?」

「くろ?あああ・・・黒い格好をしていたよ。そいつ・・・」

「そうか・・・ごくろうであった」

いきなり上から目線だ。しかたない。そう言えば、あの戦闘で、レネゲート、トライゾンは戦死ということになっている。雑魚キャラの俺には本当のことは伝えられないままだ。こうして、一通りの事情聴取をおえて、久々の3人との一夜を過ごした

翌日

野営地は騒然となった。

「ドラゴンが出たぞ!!!」




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