18 / 267
第1章 立身篇
第18話 村人 修行をする
しおりを挟む
目の前には小さな角がある老人が立っている。片手に持っている杖でコンコンと俺の頭を叩きながら
「何をしに来た?」
「たまたま、立ち寄っただけで・・」
するとその老人は
「フン!!何やら戦っておったようだが、貴様・・・その不釣り合いな格好はいかに?」
俺は、忍者スーツを着ている。その姿を見て行っているのだろうか?と思っていると
「むむむ・・・!!」
俺をじろじろと見たかと思うと手を引いて
「こっちへ来い!!」
こうして連れてこられたのは、その老人の家だった。そして、
「あそこで立ち話をしていてはまずい。お前を襲った黒の騎士がうろついておったでな」
「あいつのことですか?なら、今すぐに」
俺が立ち上がるとその老人はにこやかな表情を浮かべ
「まぁ・・・あやつはあのままでいいから・・・ほっといておけ」
「なぜです?」
するとその老人は、お茶を持ってきて机に座った。
「実は、今、カルロス伯爵の息子が古代神殿を発掘しているだろう?」
「はい・・・私は、その補給部隊の者なのですが・・」
「ほう・・そうか・・それであ奴は君たちを襲ったのか」
一人勝手に納得をしてしまっている。俺には何のことかさっぱりわからない。
「あの・・・一体どうなっているのですか?」
「実は、あの遺跡は、サンカルロスから南西の方角にあるのじゃ、サンカルロスは今でこそ、カルロス伯爵の領都であるが、その歴史は古く、サントス王国の旧都でもあった。さらに、古代でもあの地は都として作られ、その時の南西にあったのが今の神殿だ。実は、サンカルロスの北東にはさらに大きな神殿が眠っている」
「神殿がですか?」
「おっと・・・話をし過ぎてしまった。それより、お前じゃ!!お前は何者だ!!」
「私は村人です」
「わかっとるは、雑魚キャラのは、で?その能力はどうやって手に入れた」
ドキッとする一言だ。俺の能力を見抜いたのは今まで誰一人いないのだから。
「実は、目を覚ましたらこうなっていました」
「そうか・・実は、わしも同じ能力を持っているんだが、君の場合は、制御が全然できていないし、戦闘経験がないから、このままでは実に危ない存在になる」
「どういう意味ですか?」
「能力が大きすぎるのだ、あまりにも大きな能力は破滅をもたらす。だからだろう、ワシの所にやってきたということは、単なる偶然でもなさそうだな。わしの所で修業をせぬか?」
いきなりの提案に驚いた。俺は、今補給部隊の一員、このままでは、脱走兵扱いになってしまう。するとその老人は、
「修行と言っても7日間だけじゃ」
「7日間ですか?」
「その間であれば、帰るのに時間がかかったとでも嘘をつけばいい。それより、神殿の龍(ドラゴン)が目覚める前にお前を仕上げねば」
こうして連れてこられたのは時乃間(ときのま)と言われる空間だった。7日間で1年分の修行が可能だとか、そこで俺は、この老人と修行をすることになった。まずは、力のコントロールからだった。基本的には法力(フォルス)と言っているんだが、そのフォルスを源流にサイコキネシス系とテレキネシス系、テレポーテーション系、テレパシー系とがあり、難しい理論はわからないのだが。これらを組み合わせることで様々な攻撃、防御、情報収集が可能だとか、例えば、サイコキネシスで遠くの空間で人が話している声をとらえてテレポーテーションで耳元まで持ってくるとその音を聞くことが出来る地獄耳とか、岩石を爆発させることもできるそうだ。
こうして、俺は、7日間、俺の時間では1年間みっちりと修行させられたのだった。しかし、見栄えは全く変わらない。筋肉ついたわけでもなく、あいかわらず、格好は、雑魚キャラのままだった。
「ぼちぼち7日たっただろう・・神殿の方は多分大騒ぎをしている頃だろう」
「どういう意味ですか」
「南西の隅落としである門番の龍(ドラゴン)が目を覚ましているはずじゃ。じゃが、あ奴は、門番に過ぎない。しかし、誰もドラゴンと会話ができない。じゃから何人たりともドラゴンは通すまいと戦ってくるはずじゃ。そして、唯一話ができるのはテレパシーだ。それを持っているお主だけじゃ、ドラゴンとはテレパシーなしでは会話はできない。いいな・・よく、諭すのじゃ、魔除けのドラゴンは生かしておくのじゃ、決して倒すのではないぞ。わかったな・・」
「はい・・ありがとうございました」
そして、最後にこの老人は、自分の名を言った。ワシの名は役の小角じゃ・・・また会う機会があるだろう。修行したかったらまた来い。いつでも相手をしてやるから・・こうして、俺は、役の小角と別れたのだった。
野営地に戻ると俺を見つけたラークちゃん、アリスちゃん、シャンリーちゃんが抱きしめてきた。
「お帰りなさいませ」
一方で、アホヤネンとパーヤネンからなぜ逃げたんだという質問に、おれは、敵と戦っているうちに道に迷ったと説明をした。すると、アホヤネンが
「黒の騎士か?」
「くろ?あああ・・・黒い格好をしていたよ。そいつ・・・」
「そうか・・・ごくろうであった」
いきなり上から目線だ。しかたない。そう言えば、あの戦闘で、レネゲート、トライゾンは戦死ということになっている。雑魚キャラの俺には本当のことは伝えられないままだ。こうして、一通りの事情聴取をおえて、久々の3人との一夜を過ごした
翌日
野営地は騒然となった。
「ドラゴンが出たぞ!!!」
「何をしに来た?」
「たまたま、立ち寄っただけで・・」
するとその老人は
「フン!!何やら戦っておったようだが、貴様・・・その不釣り合いな格好はいかに?」
俺は、忍者スーツを着ている。その姿を見て行っているのだろうか?と思っていると
「むむむ・・・!!」
俺をじろじろと見たかと思うと手を引いて
「こっちへ来い!!」
こうして連れてこられたのは、その老人の家だった。そして、
「あそこで立ち話をしていてはまずい。お前を襲った黒の騎士がうろついておったでな」
「あいつのことですか?なら、今すぐに」
俺が立ち上がるとその老人はにこやかな表情を浮かべ
「まぁ・・・あやつはあのままでいいから・・・ほっといておけ」
「なぜです?」
するとその老人は、お茶を持ってきて机に座った。
「実は、今、カルロス伯爵の息子が古代神殿を発掘しているだろう?」
「はい・・・私は、その補給部隊の者なのですが・・」
「ほう・・そうか・・それであ奴は君たちを襲ったのか」
一人勝手に納得をしてしまっている。俺には何のことかさっぱりわからない。
「あの・・・一体どうなっているのですか?」
「実は、あの遺跡は、サンカルロスから南西の方角にあるのじゃ、サンカルロスは今でこそ、カルロス伯爵の領都であるが、その歴史は古く、サントス王国の旧都でもあった。さらに、古代でもあの地は都として作られ、その時の南西にあったのが今の神殿だ。実は、サンカルロスの北東にはさらに大きな神殿が眠っている」
「神殿がですか?」
「おっと・・・話をし過ぎてしまった。それより、お前じゃ!!お前は何者だ!!」
「私は村人です」
「わかっとるは、雑魚キャラのは、で?その能力はどうやって手に入れた」
ドキッとする一言だ。俺の能力を見抜いたのは今まで誰一人いないのだから。
「実は、目を覚ましたらこうなっていました」
「そうか・・実は、わしも同じ能力を持っているんだが、君の場合は、制御が全然できていないし、戦闘経験がないから、このままでは実に危ない存在になる」
「どういう意味ですか?」
「能力が大きすぎるのだ、あまりにも大きな能力は破滅をもたらす。だからだろう、ワシの所にやってきたということは、単なる偶然でもなさそうだな。わしの所で修業をせぬか?」
いきなりの提案に驚いた。俺は、今補給部隊の一員、このままでは、脱走兵扱いになってしまう。するとその老人は、
「修行と言っても7日間だけじゃ」
「7日間ですか?」
「その間であれば、帰るのに時間がかかったとでも嘘をつけばいい。それより、神殿の龍(ドラゴン)が目覚める前にお前を仕上げねば」
こうして連れてこられたのは時乃間(ときのま)と言われる空間だった。7日間で1年分の修行が可能だとか、そこで俺は、この老人と修行をすることになった。まずは、力のコントロールからだった。基本的には法力(フォルス)と言っているんだが、そのフォルスを源流にサイコキネシス系とテレキネシス系、テレポーテーション系、テレパシー系とがあり、難しい理論はわからないのだが。これらを組み合わせることで様々な攻撃、防御、情報収集が可能だとか、例えば、サイコキネシスで遠くの空間で人が話している声をとらえてテレポーテーションで耳元まで持ってくるとその音を聞くことが出来る地獄耳とか、岩石を爆発させることもできるそうだ。
こうして、俺は、7日間、俺の時間では1年間みっちりと修行させられたのだった。しかし、見栄えは全く変わらない。筋肉ついたわけでもなく、あいかわらず、格好は、雑魚キャラのままだった。
「ぼちぼち7日たっただろう・・神殿の方は多分大騒ぎをしている頃だろう」
「どういう意味ですか」
「南西の隅落としである門番の龍(ドラゴン)が目を覚ましているはずじゃ。じゃが、あ奴は、門番に過ぎない。しかし、誰もドラゴンと会話ができない。じゃから何人たりともドラゴンは通すまいと戦ってくるはずじゃ。そして、唯一話ができるのはテレパシーだ。それを持っているお主だけじゃ、ドラゴンとはテレパシーなしでは会話はできない。いいな・・よく、諭すのじゃ、魔除けのドラゴンは生かしておくのじゃ、決して倒すのではないぞ。わかったな・・」
「はい・・ありがとうございました」
そして、最後にこの老人は、自分の名を言った。ワシの名は役の小角じゃ・・・また会う機会があるだろう。修行したかったらまた来い。いつでも相手をしてやるから・・こうして、俺は、役の小角と別れたのだった。
野営地に戻ると俺を見つけたラークちゃん、アリスちゃん、シャンリーちゃんが抱きしめてきた。
「お帰りなさいませ」
一方で、アホヤネンとパーヤネンからなぜ逃げたんだという質問に、おれは、敵と戦っているうちに道に迷ったと説明をした。すると、アホヤネンが
「黒の騎士か?」
「くろ?あああ・・・黒い格好をしていたよ。そいつ・・・」
「そうか・・・ごくろうであった」
いきなり上から目線だ。しかたない。そう言えば、あの戦闘で、レネゲート、トライゾンは戦死ということになっている。雑魚キャラの俺には本当のことは伝えられないままだ。こうして、一通りの事情聴取をおえて、久々の3人との一夜を過ごした
翌日
野営地は騒然となった。
「ドラゴンが出たぞ!!!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる