目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第1章 立身篇

第17話 村人 仙人と会う

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結局、パーヤネンが襲われたことに対して、山賊たちは

「あれは、あいつらが勝手にやったことだ。俺たちは関係ねぇ!!」

そう言っているらしい。死人に口なしとはこのことだ。しかし、彼らと協定を結んでいる以上、騒ぎを大きくしたくないというところが本音だろう。一方、神殿の方はというと、ようやく、地下へ通じる入り口を見つけ、現在、地下一階へいったところ、地下の魔獣たちが結構強いらしく、死人までは出ていないが怪我人が多く出ていてポーションが不足気味となっている。
だから、俺達、補給部隊も日々輸送に汗をかいている。ただ、パーヤネンが襲われたことによって5人一組で行動することが原則となった。そして、俺は、アホヤネン、パーヤネン、レネゲート、新入りのトライゾンと一緒のグループになった。
 こうして俺は4次元ポケットとテレポーテーションを使えないまま、みんなと行動を一緒にしていた。すると、わき道から俺たちの前に山賊が現れた。その数10名程

「野郎ども!!かかれ!!」

いきなり襲い掛かってきたと思った瞬間、後ろにも山賊が10数人現れたのだ。

ヤバイと俺が前後にバリヤーはると俺の後ろにいたレネゲートとトライゾンが

「アホヤネン!!」

「この裏切り者!!」

そう叫んで俺の方へ切りかかってきた。しかし

バン!!

勢いよく俺のバリヤーに直撃、間抜けな格好で気絶していた。その後ろでは驚いた表情をみせる山賊たち、一方、俺の前ではアホヤネンとパーヤネンが山賊と戦っていた。山賊は口々に裏切り者と呟いている。とりあえず、俺の後ろでそろそろとバリヤーを確認している山賊へクナイを投げる。

「うげっ・・」

「はへ?」

「ぎゃっ!」

「ぴょ!」

「ふぐ・・!!」

それぞれの腱を切ったところ、ポーションを使おうとしたので気絶しろと念じたら、その場で全員が気絶した。そして、振り返るとそこにいたはずの全員が気絶していた。アホヤネンもパーヤネンも、しかも、馬まで、しかも、山側から数名の人間が気絶してどさどざーと落ちてきたのだった。するとレネゲートとトライゾンが起き上がって辺りを見回すと俺に立ち上がり剣を抜いて、今度はゆっくりと近づいてきた。

「村人!!」

「貴様!!」

バン!!

「な・・なに・・」

バリヤーに驚いた二人だったが、今度は、彼らをバリヤーで挟んでやった。

「う・・」

「く・・」

バリヤーに挟まれ身動きが取れない二人は、じたばたをしている。俺はバリヤーの幅を徐々に狭めて行く

「村人!!仲間だろ!!」

「何をする!!」

そう叫んでいるが徐々に苦しくなってきているのは間違いない。

「何故!!俺たちを襲った!!」

「そんなこと言えるか!!」

俺が手を上げてバリヤーの幅をさらに縮める。体が徐々に押しつぶされている感じだ。多分、鼻は折れているだろう。

「ぐぁ・」

「うく・・」

「何故襲ったんだ?」

「言えるか!!」

俺が再び手を上げるとそろそろ限界だろう

「ま・・・待ってくれ!!言う・・言うからもうやめてくれ!!」

「話すんだな」

「ああ・・話すから命だけは助けてくれ」

俺はバリヤーをと解いて、金縛りをかけた。前、馬が暴れた時に試してできるのがわかっていので、今回は人間に試してみた。

「う・・動けない・・・」

すると話はこうだ。レネゲートとトライゾンは実は継母アントニアに使える黒の騎士の部下で、ゴーンの作戦を失敗させるために補給を断つ命令を受けていた。元々、アホヤネンはレネゲートと同じ黒の騎士の部下、しかし、その正体は、ゴーンの隠密部隊、その正体を知ったレネゲートは、アホヤネン殺害を計画するも失敗。山賊へは、出発した順番だけを連絡していたら、パーヤネンはお腹を下して、その間にアホヤネンが追い越した。その為、前回、パーヤネンが襲われることになった。
そして、今回、20人以上山賊を集めることができたレネゲートとトライゾンは、はじめから俺達3人を殺す気でいたらしい。雑魚キャラの俺は眼中になかったと言った。

「まさか、パーヤネンも隠密だったとは、更に誤算だったのは、村人、貴様だ!!貴様がこれほど強いとは思ってもみなかった。ぐはっ!!」

目の前で、鮮血が飛び散ると光の矢が山側から次々と飛んできて、トライゾンと山賊たちを次々と貫いていった。いきなりの出来事に俺は対応が遅れた。その光の矢は俺を襲ってきた

ゴン!!

辛うじて晴れたバリヤーに当たって、砕け散る光の矢、その光の矢が、アホヤネンとパーヤネンを狙う。慌ててバリヤーで防ぐ

ゴン!!

ごん!!

奴は驚いたに違いない。俺にはうっすらと黒い奴が見えたのだ。その方向へテレポートすると黒い格好の騎士が目に入って来た。奴の動きは速い、まるで拳銃を撃っているかのように光の矢を撃ってくる。俺は前面にバリヤーをはり、奴を挟もうとするが動きが早くてなかなかできない。しかし、奴も俺への攻撃が効かないと判断したのか、いきなり、大きな光の塊を俺の目の前で爆発させたのだった。そして、その光が無くなった時には奴は居なくなっていた。

気付くとセントポール山の中腹から突き出している通称セントポールという大きな岩が目にはいってきたので、そこに降り立って、これからどうしようかと考えていた。すると

ポカン!!!

「いて・・・」

いきなり後ろから頭を叩かれたのだった。

「ワシの住処に勝手に入って来るとはいい度胸だな」

そこには頭に小さな角がある老人が立っていた。

これがヤク仙人との出会いだった。
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