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第1章 立身篇

第38話 村人 精霊王と契約する

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すやすやと満足した表情で眠っている妖精王


彼女とも夜を共にしてしまった。


数時間前のこと

あへ顔で気絶している妖精王を前にシャンリー、アリス、ラーク、お龍がやって来て

「どうする?これ?」

「どうしたものだろう?」

するとハッと目を覚まして、辺りをきょろきょろと挙動不審者のように見回している妖精王が何かを思い出したかのように顔を真っ赤にしたかと思うと

「うぁあーん」

泣き出したのだった。すると後ろから

「早く抱きしめてあげて」

俺が妖精王を抱きしめる。彼女は俺の胸の中で泣きじゃくったのだった。

しばらくして、妖精王が

「決めた。村人と契約する」

「へ?」

「私に、あんなことしておいて・・・お願いだからそばにいさせて」

するとみんなが俺の周りに集まった。妖精王は

「いいわよ・・・何番目でも・・・」

するとシャンリーが

「あんなこと見せられて、我慢できないんですけど」

アリスも

「私も」

ラークも

「ぼくも」

お龍も

「私も」

流石にキャンプ地でするわけにいかない。だから、次元ポケットから鉢をだした。

「なに?」

「これに乗るんだ」

「どうやって?」

俺が鉢をこするとぐぐっと大人5人が十分乗れる大きさになった。

「どうぞ」

「ふしぎね・・」

そう言いながらも、みんなはその鉢に乗り込み俺の方をじっと見つめる。

「これからどうするの」

「これで家に帰るよ」

「どうやって」

「こうやって、テレポーテーション」

一瞬で家について、まずは、妖精王と契りを結んだのだった。こうして今に至る。

この後、みんなを相手にしたのは言うまでもなかった。

「どうだ、俺の体は?」

家に戻って俺の体を見せる。しかし、みんなの反応はかなり薄い。

「何にも変わってないわよ」

「村人様の体型の貧弱さはピカイチですから」

役仙人の所で散々修業したにもかかわらず、体型は村人のままだ。そこへ俺たちが帰ってるのを聞いた。サマンサがやってきた。

「村人様~♡!!会いたかったです」

しかし、彼女もメイヴが増えているの直ぐに気付いた。

「サマンサと申します。これから長い付き合いになるからよろしくね。ところで今何をしていたんですか?」

ラークが呆れた表情を浮かべながら説明を始めた

「村人様が修行の成果で相当筋肉をつけたと言われていたから期待したんですけど…どこに筋肉が」

シャンリーがお腹の当たりを人差し指でツンツンしてくる

「シックスパッドにもなっていない」

アリスが2の腕をフニフニと触っている。

「これのどこに筋肉がついているのかしら?」

そんな光景を見たサマンサが

「じぁ~今からリサーチしますね」

こうして、サマンサが俺をリサーチすることに、様子はこの間と同じだ。しかし、リサーチを終えたサマンサは

「ふぅ~…魔力0って‥‥軒並みあの時と全く変わって稲じゃない!!全てFランクよ」

サマンサの言葉は俺にぐさりと突き刺さった。あれだけきつい筋トレをしてきたのに、何も変わっていないなんて…

あんまりだー!!



その頃・・・

「村人!!どこ行った?」

勇者リンはようやく復活したのだった。
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