目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第1章 立身篇

第39話 村人 スクルド様に会う

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「村人様は、龍の力もお持ちの様ですが、魔力が0なので、威嚇以外は発動できませんね。身体系のパワーもこの体ですと発動すると体自体が崩壊してしまいます。それに、身体系のパワーも魔力があってこそ100%発揮できるもの今のままですと魔王と戦っても勝てる見込みはありません」

メイヴが俺の体を鑑定した結果がその言葉だった。横にはお竜もいる。

「確かに村人様だけでは厳しいでしょう。しかし、ここに私とメイヴ殿もおります。3人いれば何とかなるのでは?」

「そうだよ。雑魚は僕たち3人に任せればいいし」

ラークの言葉にシャンリーとアリスも頷いている。確かに役仙人からはこの3人で戦うようにと話をされている。そのことを話するとメイヴが顔を横に振った。

「それはできません」

「なぜ?」

「封印の棺を作る材料がありませんし、それに…」

「それに?」

「例え封印の棺が出来たとしても、ロクテン大魔王は封印できないかと思います」

「それはなぜ?」

「進化しているのです」


『進化!!』


メイヴがもたらす情報に一同が息をのんでいると

「あの封印の中でロクテン大魔王は進化し続けていています。これは我々しか持っていない情報です。更に封印の棺は崩壊が進んでいます」

「崩壊しているのですが」

「はい、崩壊してます。封印が解けるのも時間の問題でしょう」

「それだとなおさら急がないと」

「確かに…」

メイヴは”ふむ”と考えこんでしまった。今の話では、ロクテン大魔王が復活する日が近い。だったらなおさら、急がないといけない。

「だったら、メイヴ!!迷宮の森を解いてくれないか?」

「解くのは簡単なんだけど」

「けど…」

「森のバランスが崩れて精霊族の安全にも影響が出るかもしれない。だから、少し時間がほしいんだ」

「わかった」

そんな事情があるのでは仕方がない。とりあえず、ベースキャンプまで戻るとするか。と思っているとメイヴが

「村人様!!その間にスクルド様とお会いされてはいかがですか?」

「スクルド様?」

「ええ…スクルド様という神様がいらっしゃるのですが一度お会いされたらどうです?」

「それはいいですが、どこにいらっしゃるのですか?」

「北東神殿のはるか向こうにあるクルドの泉があるところに、スクルド様がいらっしゃる神殿があります」

「「「私も行きたい!!」」」

みんなが言うとメイヴは制止した。

「クルドの泉までは行けますが、後は村人様しかお会いできません」

「なぜ?」

「私自身もスクルド様に会ったことはありません。というより魔粒子濃度が非常に濃く物凄い魔力に満ちているからです。魔力を有している我々は、その魔粒子の濃さに耐えることはできない」

「そんな…」

「でも、おかしいわよね!!神様が魔力を持っているのは」

「おかしくないわよ。神様は魔力も持っていて、我々に与えてくれるのよ。じゃないと私達が魔力を持つことすらできないわ」

「わかった…そこへ行ってみよう」

こうして、俺達は、クルド泉へテレポーテーションをしたのだった。そこは、苔に覆われた石造りの建物群があり、その横には川が流れていた。するとメイヴは建物の奥を指さした。

「あそこよ!!」

しばらく遺跡群を進んでいくと木々が生い茂る中、美しいコバルトブルーの池が見えてきた。

「ここです」

***

クルドの泉にある古代遺跡…

俺はそこへ向かって行こうとすると、みんなが足を止めた。

「魔粒子の濃度が濃い過ぎます」

「はい?」

その言葉を最初に行ったのはシャンリーだった。そのすぐ後にアリスも私もとラークに至っては

「ぼく…もうだめ…気持ち悪い…」

「お前ら、いつも俺にはもっと濃いいいの?とか言ってくるけど」

「その濃いいとは違います!!」

「とにかく、私たちは、このままでは気絶してしまいます」

みんながそう言うのだが、俺には、全く理解ができないし、何も感じることすらできないのだった。すると、ラークが俺にこれをと手渡したのは、マイクのようなものが付いた機械だ。見た目はハンディーサイズで画面のようなところに数字が表示されている。昔これと似たようなものを見たことがある。それはハンディーカラオケという商品だった。

「これは?カラオケをする道具?」

「違います。これは、マジカルカウンタ―と言う魔道具です。ここの先で魔粒子を感知して、数値化するものです」

そして、パチンとマジカルカウンターのスイッチを入れるとピピピピと文字が表示された。数値としては1.05を示した。


「うそ…1を超えてるわ」

「これはまずいわ」

「村人様避難しましょう」

一旦、遺跡の外に出てるとマジカルカウンターは0.0001まで値が下がった。

「あの遺跡の中だけ、魔粒子が多すぎるわ」

そこへメイヴが

「この奥にスクルド様がいらっしゃるはずですが、私も入ることはできません」

「私たちも同じです」

「どうして?」

俺の質問に

「私たちは、魔粒子とよばれる魔力の源から魔法を使っています。個々にそれを作り出すことが出来るのです。また、魔粒子を吸い込むことによって利用することも出来るのですが、その量が多すぎるとパンクすることになります」


こうして、俺は一人、遺跡の奥に入っていくことになった。

そして、進むことしばらく…一人の美少女に出会った。

彼女は一言

「濃いいのほしいの」

俺には、”おしりがかぃいー”のとしか聞こえてなかった。すると目の前の彼女は俺をじっと見つめている。何が言いたいんだろうか?やっぱりお尻がかゆいのだろうか?

「どうしたの?」

「濃いいのほしいの」

やっぱりお尻がかゆいのか、素直に聞いてみた。

「お尻がかゆいのですか?」

「はい?」

彼女はハッと顔を赤くして、ムカッとした表情をしている。やっぱりお尻がかゆいのか

「おしりかゆいの?掻いてあげようか?」

「な!!何をバカな?」

お尻を抑えて彼女は吠えた。なんだ、俺の聞き違いか

「そうですよね」

その少女の顔は怒っている

「当然です」

どうやら魔粒子濃度の主は彼女ではない様だ。それは、彼女との会話を辞めようと思っていると

「私を無視する気ですか?」

「はい?」

「私がここの守護神です…」

「そうですか?」

俺がさらりとと話を受け流し、更に奥へ行こうとすると

「ちょっと待て!!」

「はい?」

俺は、目の前の美少女に呼びとめられたとしか思っていない。ちなみにマジカルカウンターは数値が9.99999となっていて、数値を振り切っていたので彼女は全く関係ないと判断していのだ。素っ頓狂な返事をしたのだが、そんな俺の返事を彼女は気に食わないらしい。

「貴様!!私を侮辱するのか?」

「いえいえ、滅相もない。私はスクルド様にお会いしに来たのです。ひょっとして、スクルド様をご存知ですか」

すると彼女は、いきなり飛び膝蹴りをしてきた。

「この!!うつけもの!!」

「ぐぁああ!!」

彼女の飛び膝蹴りは俺の鳩尾にさく裂した。流石に物理的な攻撃には俺も弱い。しかも、美少女がパンチラというか、全開パンツ丸見えで飛び膝蹴りをしてくるなんて、予想外の出来事に俺も何も準備していない。というか、全開パンチラに目がいって、直撃をそのまま素直に受けた方が正しいと言っていいという。

「ゲホゲホゲホ…」

ぐぃ・・

鳩尾を抑え、咽ている俺の頭を押さえつけた彼女の足、視線を上に向けると彼女のパンツは丸見えだった。かわいいパンツをはいている。

「貴様…ここまで来て、私を無視するのか?」

「い…いえ…」

結構可愛いパンツだ…イチゴの柄のパンツに、リボンには、イチゴがぶら下がっている。

「貴様!!私のパンツを見て何を考えている!1」

彼女の感は鋭い…彼女の可愛いパンツが丸見えである。すると、俺の頭を抑える足の圧力が強くなってきた。

「貴様…いい度胸しているな…」

「いえ…そんなことは…」

俺を抑える足を押しのけるのは簡単かもしれない。そのまま、押し倒して、逃げるかなんて考えていると…

「ほー…逃げ切れると思っているのか?それとも…私を押し倒せると思っているのか?」

全て読まれている。これでは、何もできない。

「すべてお見通しですか…」

「当然じゃ…わらわの名はスクルド…この世界の神の一人…雑魚キャラ如きの心を読めぬはずがない」

「なるほど…では、私が今何を考えているのかご存知のはず」

「ふーむ…ここから如何に逃げようか…そう…それが賢明な考え方じゃ…しかし、残念じゃな…スクルド様にはそんな戯言は通用せぬわ!!どうする?村人!!」

何もかもお見通しかよ…絶対に勝てるはずがない。俺は、物理的な攻撃をサイコキネシスで取り除くことを考えた。しかし…

バチバチバチ!!

普通は発生しない稲光が発生したのだった。俺にとっては予想外の出来事だ。サイコキネシスで彼女の足を押し上げようとしただけなのに、稲光が起きることはまずありえない。しかし、その稲光の攻防は

バリバリバリ!!

と徐々に増していった。すると彼女が

「ほう…こんな能力を持っているとは…」

無理か…彼女は、神なのだから…勝てるはずもない。しかし、これしかに…俺は能力の限界まで高めた。


バリバリバリ

バリーン!!

次の瞬間、彼女の足と俺の足の間で衝撃波が発生した。そして、俺は、壁まで吹き飛ばされた。

サイコキネシス!!

そう念じて、壁への衝突は防げた。しかし、次の瞬間、俺は敗北を感じた。目の前に、彼女がいたのだった。

「ほう…私の力を止めるとは…貴様…」

すると彼女の顔が真っ赤になっていて、俺の頬に両手を添えた。

「ドゥルマン」

そう言って俺にキスをしてきたのだった。








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