目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第2章 開拓篇

第93話 村人 ライム一武闘会に参加する

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こうしてうやむやのうちに余興に出ることになったんだけど、さてどうしたものか。そう思っているとすでに余興が始まっていて、俺は、武闘会場のリングの片隅にたっていた。

「皆さま!!お待ちかねの武闘会がはじまります。とりあえず、本戦の前にエキジビションマッチをおこないます!!」

おお!!

「赤コーナー、村人村からやってきた。人間、村人!! ギルドランクは・・・え?これ本当ですか?」

俺のランクを見て驚いて、放送席に駆け寄って確認をしている。

「なんと!!ギルドランクはDだぁあああ!!」

しーん

そうだろDランクのただの人間が出てきて、しかも、どう見てもザコキャラにしか見えない俺は、戦闘服を忘れてきているので普段着でいるものだから、さらにザコキャラ感満載の状態だ。こんな人間を見た観客は呆れかえっているといっていい。そこへ

「青コーナー ヨーゼフ領からやってきた筆頭魔導士 ハイドライド!!ギルドランクはなんとSだぁあああ!!」


どぉおおお!!

観客のどよめきはすごかった。俺たちはそんなどよめきの中、リング中央に集められた。するとハイドライドが話しかけてきた。

「フフフ・・・村人さんよ、どんな奴かと思いきや、本当にランクDか?それもあやしいな・・・」

そして、彼は右手人差し指を高々と上げて叫んだ。

「1分だ!!」

どぉおおおお!!!

その言葉に観客は大いに沸いたんだけど、さてと、どうしようか、相手は一分で俺を倒すと言っているけど、どうしようかな

「村人、貴様!!本当に場違いなところに来たな。ま・・・命がなくなっても恨まないでくれよ。俺も殺人はしたくないかなら、おっと、俺にはリサーチ能力もある何もかもお見通しだからな、ここで土下座してまいったといえばゆるしてやるけど」

ライムのやつ、本当に今回は意地悪をしてきたな。カレーパンを先にフウガに食べさせたがいけなかったのだろうか。だったら今度は、特注中華まんを目の前で食って、食べさせてくれと懇願させてやる。俺の視線に気づいたのかへらへらと笑っている。

「おい!!」

「へ?」

「どこを見てるんだ?」

「あ・・・ライム殿をみていたんだが」

「貴様!!」

「あの~そろそろお時間です」

間にいたDJが俺たちを呼び止めた。

「さて!!これから開始のゴングが鳴ります。制限時間なしの一本勝負だぁあああ!!」

ぐぁあああーーーーん!!

1分で倒すと言っていたこともあり、ハイドライドは俺に向かって走って来てパンチを打ってきた。

「悪く思うなよ!!魔導拳!!」

俺の腹へ直接あたるくらいの所に繰り出されたパンチは、青白く輝いていた。俺はそのパンチをバリヤーで受けたと同時にテレポーテーションでその場から離れ、パンチを放ち終えた瞬間、元の場所へテレポーテーションした。すると俺の後方で

ズバババーーン!!

爆発音がした。振り返ると後方の魔導防壁に何かが当たって爆発していたのだった。その様子を見たハイドライドは

「ほう…これをよけるとは?」

すると今度は、何やら呪文を唱えると両手が怪しく橙色の光を放ち始めた。俺は、右手でハイドライドに向けクナイを放った。

ちーん

はうっ!!!

クナイの標的は彼の股間だった。直撃の瞬間、彼の顔は口の中がこれでもかといわんくらい酸っぱくなったようなしわい顔になり、その表情はみるみる青くなっていき、股間を抑えたまま、その場でうずくまってしまったのだ。

「おおっと!!いったい何が起こったのでしょうか?ハイドライド選手が股間を抑えてうずくまっております」

そらそうだろう。無抵抗な股間に音速に近い速度で飛ばしたクナイを直撃させてのだから、たまたまは壊れない程度に調整してみたけど、やっちゃったかな?

「んぐ!!」

股間を抑えて食いしばって立っている。ということは、たまたまチャンは無事なようだな。この時点ですでに1分を超えていた。
ぴょんぴょんと飛び跳ね、たまたまチャンを元の位置に戻そうとあがいている。

「1分、過ぎましたよ」

「貴様~!」

蒼ざめた表情で俺を睨んでいる。さてと、このままではかわいそうなので、参ったと言わせるか、近づいていくとハイドライドは身構えて叫んだ。

「ブラストアタック!!」

彼から放たれたブラストアタックは俺を直撃せずスルーしていき、後方の魔導防壁で炸裂していたのだった。

「へ?」

鼻水をたらし驚いているハイドライドに俺は近づいていき、トンと肩を押した。そのままじたばたと数歩後ろに下がったので、もう一回トンと肩を押すとさらに数歩、後ろに下がっていった。これを数回繰り返したころ、股間の痛みが消えたのか、ぐっと俺を睨んで

「貴様!!私を怒らせたな!!」

再び身構えて

「アルティメットグラビティ―アタック!!」

今度は、黒く輝く光がビカビカと怪しい稲光を上げて出現してきた。

「ライム様。あれは、相当な魔力攻撃ですぞ!!」

フウガが叫んだ時、本部席で見ていたライム殿も

「まずい!!」

そう叫んだ。

「フフフ、これで終わりだ」

ハイドライドは渾身の一撃を放ち、その稲光とともに黒く輝く怪しい光が俺の方へ飛んできたのでバリヤーを展開した手で地面にたたきつけた。

ばちん!!

どす!!

いとも簡単にその怪しい光を放つ物体は地面にたたきつけられ、それを見たハイドライドは驚いていた。

「へ?」

地面に落としたのはいいのだが、未だにバチバチと怪しい光を放っている。

って?こいつは爆発してやばい奴だと思い。バリヤーで地面に押さえつけるとその光は徐々に小さくなっていき、やがて完全に消滅させたのだった。

「あ・・・あ・・・」

自分の必殺技をいとも簡単に消されてしまい呆然としてるハイドライドに俺はにっこりとほほ笑んで聞いてみた。

「さて?次はどんな攻撃を・・・」

「わぁぁああああ!!」

錯乱したハイドライドは、めちゃくちゃに魔術を使い、攻撃をしてきたが、俺には一切通用しない。本部席で戦いを見ていたライムとフウガは

「はやりただ者ではないですね」

「ああ…アルティメットグラビティは、究極系の魔法だからな、ギルドランクSでも扱えないやつが多い魔法だ。それをいとも簡単に消せるのか。あいつは…」

その横でフフフと笑っているはアーチャンだった。

「村人か…俺、あいつと戦えるのか?」

「たぶん・・・アーチャン様、無茶はしないでくださいね」

「わかっておる!!」

試合はまだ続いている。いまだに錯乱した状態ででたらめな魔法攻撃をしてくるハイドライドの目の前まで行くと

「あ・・・あ・・・」

頭をツンと押すとそのまま卒倒した。

「はっ・・・」

地面に倒れたハイドライドに俺は威嚇を使って、彼の恐怖心をあおった。その様子に気付いたフウガが

「今度は威嚇ですか・・・しかも、龍族クラスでも神龍族級の威嚇ですぞ」

「ああ・・・あんな迫力の威嚇ははじめてだ。ハイドライドがおびえ始めている」

俺の目の前で腰を抜かし、身動きが取れないハイドライド、威嚇によって動くことはできないようだ。本来なら気絶(シンコペーション)で気絶されるのだが、それでは面白くない。俺は両足を持った。

「わぁ・・・・あ・・・あ・・・」

無抵抗なハイドライドの両足を開いた。俺の行動にライム殿は気になったようだ。

「村人は何をするきだ?」

俺はゆっくりと右足を上げた

「まさか!!」

俺は股間に向け思いっきり足を落とした。

「わぁあああああ!!!」

ずん!!

「ぎゃぁああああああ!!!」

俺の足を勢いよく股間に落とした時、何かがプチンとはじける感触が足から伝わってきた。そして、ハイドライドは、口から泡を吹いて気絶していたのだった。

「勝者!!村人!!」

こうして余興は無事終わったのだった。その様子を股間を抑えながらライムたちは見ていたのだった。







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