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WW-I

束の間の休息

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ラプラス艦隊との激闘により第7艦隊は、旗艦エンタープライズをはじめ、戦艦マイン・タタラも大破、タカミナ級護衛艦、沈没7、大破3、残る7隻も何らかの損傷を受けていた。戦艦ヤマトも損傷を受けていたが、かろうじて健在であった。これは森下艦長、操艦術の見事さにある。あれだけの攻撃をかわし続けたのであった。記録によると敵艦隊は、魔導防壁か回復するまでの間に数百発の神の雷を発射したがこれをかわし切れたのは唯一ヤマトだけであった。
しかし、これで第7艦隊はほぼ壊滅したと言っていい、ヤマトを除くすべての艦は修理を余儀なくされ、母校のダイバースクエアーへ帰還することになった。そこで問題となったのはラプラス艦隊と対峙する戦力がなくなったことだ。
ヤマト1艦では、抑止力にもならないと考えていたのだ。徹甲弾は、敵の重厚な盾をぶち抜くだけの能力を有している。それは、レールガンによって初速1800m/sで発射された砲弾は全長約2m重量1.5tもあるだ。実験では、人工的に作っている魔導防壁を確実に破ることができる砲弾となっている。
つまり、現状兵器では防ぐことができない兵器となっている。しかし、これには発射する時の魔力の消耗が激しいという欠陥があって、このことが村人たちを悩ませる原因となっていた。
ちなみにレールガンは、ナガト、コンゴウに41センチ砲として、搭載されている。

一方、ラプラス側では、徹甲弾の存在によって、盾作戦が失敗したという結論に至った。そして、ヒップスキーは失脚した。しかも、ヤマトそのものが脅威となっていた。攻撃が全く効かない魔導防壁がある上に、自軍の魔導防壁を貫く物理攻撃、しかも、戦艦を一撃で沈めるほどの攻撃力を持っていると思っていた。つまり、欠点には気づいていなかったのだった。ただ、村人のバリアーによって防いでいたにすぎなかったのだが、そのことには彼らは気づいていなかった。このことが起因して、ラプラスの侵攻はしばらく収まったのだった。このことを束の間の休息(モーメントオブブレス)と呼ばれていた。

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