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翌日 2
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挑発に乗って武を追いかけた私だったが、当然、武に追いつくはずもなく・・・先に息が上がってしまった・・・ぜぇぜぇ・・ああ・・・疲れた・・立ち止まってあたりを見るとすでに校内についていた・・・そんな私を見た武は、再び肩を叩いた。
「なんだ・・元気あるじゃないか・・・心配して損した・・・」
「何を!!」
「おおっと・・・じゃなぁ・・・」
私が右手を振りかざすと武はひょいっとよけてその場から去って行った。既に追いかける気力もない私は、武が去って行くのを目で見送った―――ほ・・・本当に・・・疲れた・・・そう思って俯いていると目の前に女性の足が見えた―――嫌な予感がする・・・この足は・・・とその足を中心にもう二人横に立っているのが見えた・・・やっぱり・・・・私は、くるりと回ってその場から逃げようとした。すると・・・
「待ちなさいよ!!」
「あ・・やっぱり・・?」
振り向いた私の前には悲しそうな顔をした少女とその両脇に対照的に怒りをあらわにする二人が立っていた・・・
実は、この3人の中の一人、真ん中で悲しそうな顔をしている女の子こそ・・・武の彼女、国府田美音(こうだみお)、彼女は、学校中の男子から人気の的の女の子・・・噂では一度モデルにスカウトされたとか・・・ってどうでもいいんだけど・・・その横にいるおつきの二人、角さんと助さんじゃなくて、角田樹里と矢田好子・・・国府田さんの親友と言うことで何故かいつも彼女の横にいる・・・
「真奈美・・来てくれる?」
左側の角さんじゃなかった角田が首を傾げ、私に手招きをした。
「私?」
「そうよ!!」
当然でしょ?といったような顔をして、しかも睨んでいるし・・・この角さんじゃない・・角田さんは、何せ怒らすと怖い・・・空手の有段者とか・・・仕方がない・・・ついて行こう・
しかたなくついて行った先は、校舎の裏―――こんなところまで来てどうする気?そう思っていると、矢田さんが私にこう言った。
「どういうつもり?幼馴染だからっていい気になんないでよ!!」
彼女達の方をちらりと見ると矢田さんの背中を引っ張り小さな声でやめてよ・・・そう呟く国府田さんの姿が見えた。―――なんだ・・そんなことか・・・思わず頬のあたりを掻いた私・・そんな私を見て、今度は角田さんが叫んだ。
「聞いてるの!?」
「まぁ・・まぁ・・単なる幼馴染のじゃれあいみたいなものだから・・・気にしないで・・・」
なんとかまるくおさめよう・・そう思って、話をしようとした腰を今度は矢田さんが思いっきり折って叫んだ。
「じゃれあいですって?いい加減にしてよ!!美音の気持ちわかんないの?」
右手で頭を抑えた―――あ・・・頭が痛い・・・なんで、あんたが・・・国府田さんの気持ちがわかるのよ!!・・・ただでさえ・・・そう思っていると私の姿を見て角田さんが再び叫んだ。
「聞いてるの!?」
その時だった。頭のどっかでこんな音が聞こえてきた。
ブチ・・・・
次の瞬間、私は思いっきり叫んでいた!!
「いい加減にしてよ!!、大体何よ!!おちょくってきたのは、武よ!!」
そこへ、私の後ろから武の声がしてきた。
「どうしたんだ?」
武の方を振り向いた私・・・
「た・・武・・・」
こう呟いた私が前を見ると誰もいなかった―――な・・・なんて逃げ足の早い・・・呆気にとられている私に武は後ろからこう言ってきた。
「真奈美・・・そこで何してるんだ・・・」
どう見ても間抜けな状態の私――― 一体・・・おさまらないこの怒り・・・・そして、振り返った私は、怒りの矛先を武に向けた。
「武!!だいたい!!あんたが・・・」
「待ってくれ!!」
私が言おうとした瞬間、武の右手が私の口を塞ぎ、この怒りのはけ口を私は失ってしまった。
「んん―――――――っ!!!」
突っ走った心だけが足払いを掛けられ・・・そのまま・・つんのめった状態の私・・両手にはぐぐぐと力が入りわなわなと震えてきていた。しかし、そんな状態だった私の頭が一瞬で真っ白になることを武は言ってきた。
「俊介が探していたぞ」
「なんだ・・元気あるじゃないか・・・心配して損した・・・」
「何を!!」
「おおっと・・・じゃなぁ・・・」
私が右手を振りかざすと武はひょいっとよけてその場から去って行った。既に追いかける気力もない私は、武が去って行くのを目で見送った―――ほ・・・本当に・・・疲れた・・・そう思って俯いていると目の前に女性の足が見えた―――嫌な予感がする・・・この足は・・・とその足を中心にもう二人横に立っているのが見えた・・・やっぱり・・・・私は、くるりと回ってその場から逃げようとした。すると・・・
「待ちなさいよ!!」
「あ・・やっぱり・・?」
振り向いた私の前には悲しそうな顔をした少女とその両脇に対照的に怒りをあらわにする二人が立っていた・・・
実は、この3人の中の一人、真ん中で悲しそうな顔をしている女の子こそ・・・武の彼女、国府田美音(こうだみお)、彼女は、学校中の男子から人気の的の女の子・・・噂では一度モデルにスカウトされたとか・・・ってどうでもいいんだけど・・・その横にいるおつきの二人、角さんと助さんじゃなくて、角田樹里と矢田好子・・・国府田さんの親友と言うことで何故かいつも彼女の横にいる・・・
「真奈美・・来てくれる?」
左側の角さんじゃなかった角田が首を傾げ、私に手招きをした。
「私?」
「そうよ!!」
当然でしょ?といったような顔をして、しかも睨んでいるし・・・この角さんじゃない・・角田さんは、何せ怒らすと怖い・・・空手の有段者とか・・・仕方がない・・・ついて行こう・
しかたなくついて行った先は、校舎の裏―――こんなところまで来てどうする気?そう思っていると、矢田さんが私にこう言った。
「どういうつもり?幼馴染だからっていい気になんないでよ!!」
彼女達の方をちらりと見ると矢田さんの背中を引っ張り小さな声でやめてよ・・・そう呟く国府田さんの姿が見えた。―――なんだ・・そんなことか・・・思わず頬のあたりを掻いた私・・そんな私を見て、今度は角田さんが叫んだ。
「聞いてるの!?」
「まぁ・・まぁ・・単なる幼馴染のじゃれあいみたいなものだから・・・気にしないで・・・」
なんとかまるくおさめよう・・そう思って、話をしようとした腰を今度は矢田さんが思いっきり折って叫んだ。
「じゃれあいですって?いい加減にしてよ!!美音の気持ちわかんないの?」
右手で頭を抑えた―――あ・・・頭が痛い・・・なんで、あんたが・・・国府田さんの気持ちがわかるのよ!!・・・ただでさえ・・・そう思っていると私の姿を見て角田さんが再び叫んだ。
「聞いてるの!?」
その時だった。頭のどっかでこんな音が聞こえてきた。
ブチ・・・・
次の瞬間、私は思いっきり叫んでいた!!
「いい加減にしてよ!!、大体何よ!!おちょくってきたのは、武よ!!」
そこへ、私の後ろから武の声がしてきた。
「どうしたんだ?」
武の方を振り向いた私・・・
「た・・武・・・」
こう呟いた私が前を見ると誰もいなかった―――な・・・なんて逃げ足の早い・・・呆気にとられている私に武は後ろからこう言ってきた。
「真奈美・・・そこで何してるんだ・・・」
どう見ても間抜けな状態の私――― 一体・・・おさまらないこの怒り・・・・そして、振り返った私は、怒りの矛先を武に向けた。
「武!!だいたい!!あんたが・・・」
「待ってくれ!!」
私が言おうとした瞬間、武の右手が私の口を塞ぎ、この怒りのはけ口を私は失ってしまった。
「んん―――――――っ!!!」
突っ走った心だけが足払いを掛けられ・・・そのまま・・つんのめった状態の私・・両手にはぐぐぐと力が入りわなわなと震えてきていた。しかし、そんな状態だった私の頭が一瞬で真っ白になることを武は言ってきた。
「俊介が探していたぞ」
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