おばさんと呼ばないで

Seabolt

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デデデデ・・・デートですか?

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あの事件のあった日、一緒に帰っていると・・・ぼそりと高取が呟いた。

「明日・・デートしないか・・・」

 明日・・・か・・・そう今日は金曜日だった。けど、気になったことがあった。それは明後日、お兄ちゃん達が出発することだった。

「でも・・・明日が最後よ・・・一緒にいられるの・・」

「いいんだよ・・・新婚さんには、新婚らしくいてほしいし・・・それに俺も暇だから・・・」

 暇って何よ暇って、私がいつも暇なようじゃない!!って思っている一方で嬉しい気持ちで満たされる私・・・そして、ふと高取を見るといつもと違って目を合わさない・・・不可解な行動、しばらく悩んでいると溜息混じりに

「いいんだよ・・・別に・・・忙しいなら・・・」

 そんな高取の言葉に思わずポロリと出た本音・・・

「あ・・・そうじゃなくて・・・」

 すると高取はようやく目をあわし微笑んだ。

「じゃぁ・・いいんだね・・」

 その笑顔を見た瞬間、何も考えず即答してしまった。

「あ・・うん・・・」

「じゃぁ・・明日・・・10:00にT駅前で・・・」

「うん・・・わかった・・・じゃぁ・・10:00にT駅ね・・・」


 
 部屋に入った私が喜びを爆発させた瞬間、くしゃみがでた。

クシュン!!

 あ・・お風呂に入らないと・・・慌てて着替えをしているとポケットからゴトリよ携帯が床に落ちた。それを拾ってみたが・・・やはり電源が・・ついていない・・とうとう壊れたか・・携帯を机に置いた。すると再びくしゃみが襲ってきた。

クシュン!!

は・・・早く行かねば・・・私は、慌てて風呂場へ向った。

笑顔が止まらない

 湯船に使っている私は完全に舞い上がっていた。今日の高取の優しさ・・そして、その後のデートのお誘い。これ以上のことはあるのだろうか・・・そして、湯船から出た私は、シャワーに手をかけ、蛇口をひねった。あれ?でない・・・ともう一度蛇口をひねるとしばらくして冷たい水が出てきた。

「きゃっ!!冷たい!!」

 慌てて蛇口を閉めた私・・・・ふと、温度設定を見ると水になっていた。水を刺された私が顔をあげると鏡に映る自分の姿が目に入って来た。そして、鏡に映る自分を指差した。

「何浮かれているのよ・・・わかってる?・・・俊介と私は付き合っている振りをしているだけよ」

 そんな言葉を吐いた瞬間、さっきまで浮かれていた自分が情けなくなってきた。そして、思い出したくないあの言葉が心の奥底から甦ってきた。

”俺も・・・いるから”

う~自己嫌悪・・・・

あ!!

ドタン!!

 風呂場で立ち上がった瞬間ひっくり返ってしまった。

「痛った~!!」

 脛を強打した私・・・しばらく、その場で蹲っていた。

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