秘密の学園生活

Seabolt

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落ちた成績

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 あの日から何事もなかったのように過ごしている清水谷さん。噂が立っていないことから、たぶん、小溝君は、厳重な口止めがされているのだろう。それとも、最初から彼女達はグルたっだのだろうか?それに彼女が言っていた。秘密とは一体なんなのだろうか?そんな気が気でない日々を過ごしているある日、私の学生生活を左右する出来事が起きた。



 それは、中間テストの結果だった。



 その結果を見て、ビックリ!!せ・・・成績が落ちている・・・しかも一気に50番も・・・これまで見たことがないような成績に驚いた私・・・と紫苑様はしっかりと第一位をキープされいる。私は、いつも紫苑様と恭子と3つ巴の戦いを繰り広げていたんだけど・・そんな・・・って言うか、私にとっては、大ピンチ!!次回で10位以内に戻らないと特待生としての権利がなくなる。
 実は、冷泉学園はそんなにゆるい学校でもない、お金持ちの方々にとっては、いい学校かもしれないけど、単なるお金持ちでは、いけないのか、基本、文武両道で特に文に関しては、結構厳しい、だから、赤点なんて取った人たちは、まさに、地獄、月一回行われる月例試験で挽回しないといけない。その前に再試験があって、それをクリアしないといけないんだけど、それだけではない。そんな彼らにはとてつもない量の宿題が渡されるのだ。そんな厳しい学校だから、特待生にだって容赦しない、上位50番にいないといけないのだ、ただ、体調もあると言うことで、一度は許されるんだけど・・・2度目はないのだ。もし2回連続で50番以内にいないと特待生として扱われなくなり、ウルトラ高い授業料を払わないといけなくなる。
 だいたい、40人しかいない特待生だから、普通は当然なのかもしれないけど・・・今回、なんと53番って・・・一体何が起きたのやら・・・当然私の勉強不足というよりは、寝不足が原因だったんだけど・・・試験に身が入らなかったと言うのが本音だった。
 しかし、私に対しての世間の目は冷たかった。

 「召使の癖に、男におぼれるなんて・・・ま・・・そのまま退学でしょう」

 なんて噂が真しとやかに流れているんだけど、否定できない自分が情けない。確かに、相手が違うんだけど、男におぼれていました。
 そんな私を心配してくれる人がいるだけまだましだった。ただ、彼女達も少し論点がずれているだけに怖い・・・

 三条様はいつものおっとりした感じで

 「そんなに成績が落ちるくらい恋しているの?うらやましいわ・・・私もそんな恋をしてみたい・・」

 って、三条様だったら・・・この学園のお嬢様の中でNO.1の存在なんだから・・・すぐに付き合うことが出来そうなんだけど、逆に相手が敬遠するかも、そういえば前に紫苑様のことを聞いたときにこうおっしゃられた。

 「私にとっては、九条様とお付き合いできたらさぞかし良いことでしょう。しかし、それは、別な意味で破滅が待っている場合もあるのよ」

 「どういう意味ですか?」

 「あら・・知らないの?NO.1がNO.1を追い求めても結局、破局になるって聞いてますし、それに、最悪の場合、お家までおとりつぶしの憂き目にあうって」

 三条様・・・なんか悪い小説の読みすぎじゃないんでしょうか?なんて聞くわけもいかず、ただ、愛想笑いをするしかなかったのを憶えている。

 敦子は、いつものウルトラスーパーいてまえマシンガントークで聞いてきた。

 「大丈夫?そんなに成績落ちて!!だいたい、恋愛が許されたからって、成績が落ちるまで・・・(えんえんと続いた)」

 「だから・・・少し寝不足が・・・」

 この言葉を言った瞬間、敦子の目がきらりと光った。そして、ゴゴゴゴッと言う感じで顔を近づけ私の顔をなめるように見回した。そして

 「まぁ!!寝不足って・・一体何をしていらっしゃるの。そんなに寝不足になるまで・・」

 し・・しまった・・・敦子に余計なことを言ってしまった・・・どうしよう・・・あ・・・そうだ・・・今流行のラインでごまかそう

 「ラインとか・・・」

 「まぁ!!ラインなんて!!(またしばらくチクチクとした小言を言われた)」

 これって心配してくれているのかな?敦子・・・

 そして、恭子は

 「そんなに落ち込まないでよ。次に頑張ったらいいんだから・・でも・・夜も程ほどにね」

 あ・・・相変わらず恭子の一言は怖い・・・

 今日ほど落ち込んだ日はない。しかも、学食に行くことになっていて、お嬢様方の視線が痛い。さっきも聞こえていたけど、私たちが学食に入った瞬間、シーンと静まり返って、視線がグサグサと突き刺さってきた。まるで、この冷泉学園に入学してきた初日を思い出す。そして、私はかけそばを買ったのだった。すると恭子が

「また、かけそばなの?あの時もそうだったわね…」

それは、私が入学した初日のお昼のことだった。
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