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閑話 海野事件
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「また告白されたんだって?」
珍しく九条から話してきたのは、とある月曜日の授業前の特別室、そう私が今週の雑用を言いつけられる日だった。
「また・・・って・・どういう意味よ」
何んとなくばつが悪いんだけど、またというのが気になる。金田一君に告白されたのはついこの間なんだけど、まだ返事は保留中、最近、敦子と恭子がうるさいと思っていると、九条は私の方をじっと見ていた。
「だから?またって、どういう意味よ。金田一君には言われたけど」
するとプイと横を向いて、
「この間、どっかの学校のやつが、松本に告白しただろう」
少し冷汗がたらりと落ちた。静まり返っている特別室、あいつね
「あ・・あれは、ノーカウント」
「どういう意味だ」
こうして、私は、嫌なことを思い出し、話す羽目になった。
***
それは、少し前のこと、この日、私はとあることで九条と言い合いになっていた。それは、4月に入ってから、気を取り直して恭子とのデートプランを練り直している最中だったんだけど、今後、校外学習までデートはやめとくと煮え切らない九条に少し切れてしまった。そして、その苛立ちを持ったまま学校を出ようとした時だった。
校門の前に、今時、角刈りので、ボンタンズボンのポケットに手を突っ込んで、肩を怒らせ、周りにガンを飛ばして立っている。どう見てもこの学校には、ありえない異様な身なりをした男子学生が立っていた。 当然のこと、この学校の生徒たちは、彼を避けて通っているので、その場所だけが異様な雰囲気が充満した空白地帯となっていた。 そして、その学生が私を見つけた瞬間だった。
「松本さん!!これを読んでください。」
そう言って、今どき珍しい白い封筒に赤いハートのシールで封をしたラブレターを渡して、走り去って行ったのだった。そんな光景を見ていたこの学校の方々は、結構、冷ややかな目で見ていた。敦子と恭子を除いて、しかし、この話には続きがあった。
結局、このラブレターを開いた私は、その衝撃の内容に怒りで体が震えだすほどだった。そのラブレターにはこう書かれてあった。
果たし状
松木数期、お釜の用な気様と蹴りを着けたい、一対一のタイマンだ、5月30日、場所、白川河川敷にて待っている。
異常、夜露死苦
これを読んだ私はブチ切れたのであった。当日、彼が指定した白川河川敷へ行くと私を見つけて驚いた表情を浮かべる海野の姿がそこにあった。彼は、私が転校する前の中学校出身で、あの当時は、周りからかなりいじめられていたのを記憶していた。学校で問題になったくらいだったんだけど、そんな彼が、何の因果かよくわからないけど、同じ地域の別の学校であんな格好をしている。けど、私にはそんなことはどうでもよかった。
「なんで」
海野がその言葉を放った瞬間に、私の正拳が彼の鳩尾をとらえた。
「うっ・・」
その瞬間に私は、かがんでそのまま彼の顎へ昇竜拳を浴びせた。そして・・・ふらついている彼を見つけ、もう一度飛び上がり、額に向けて踵落としを食らわせ、そのまま彼は地面に叩きつけらた彼は、立ち上がることはなかった。
「ふん!!」
という恥ずかしい話を九条に話すと
「やはり、松本は凶暴な奴だな」
って、う~だから、話したくなかったのに・・更に
「で、金田一はどうする気だ?一年では、注目される奴だぞ、ただでさえ松本は女子から目をつけられているんだから」
九条にしては、珍しく話をするなぁと感心しているとそのことに気付いた九条、軽く咳をして
「あ・・・これはだな・・・」
なんか言い訳っぽいことを言い始めた。
「私、彼とは付き合う気がないので、・・・でも・・・どうやって断ったらいいのやら・・」
思わずつぶやいてしまった。
珍しく九条から話してきたのは、とある月曜日の授業前の特別室、そう私が今週の雑用を言いつけられる日だった。
「また・・・って・・どういう意味よ」
何んとなくばつが悪いんだけど、またというのが気になる。金田一君に告白されたのはついこの間なんだけど、まだ返事は保留中、最近、敦子と恭子がうるさいと思っていると、九条は私の方をじっと見ていた。
「だから?またって、どういう意味よ。金田一君には言われたけど」
するとプイと横を向いて、
「この間、どっかの学校のやつが、松本に告白しただろう」
少し冷汗がたらりと落ちた。静まり返っている特別室、あいつね
「あ・・あれは、ノーカウント」
「どういう意味だ」
こうして、私は、嫌なことを思い出し、話す羽目になった。
***
それは、少し前のこと、この日、私はとあることで九条と言い合いになっていた。それは、4月に入ってから、気を取り直して恭子とのデートプランを練り直している最中だったんだけど、今後、校外学習までデートはやめとくと煮え切らない九条に少し切れてしまった。そして、その苛立ちを持ったまま学校を出ようとした時だった。
校門の前に、今時、角刈りので、ボンタンズボンのポケットに手を突っ込んで、肩を怒らせ、周りにガンを飛ばして立っている。どう見てもこの学校には、ありえない異様な身なりをした男子学生が立っていた。 当然のこと、この学校の生徒たちは、彼を避けて通っているので、その場所だけが異様な雰囲気が充満した空白地帯となっていた。 そして、その学生が私を見つけた瞬間だった。
「松本さん!!これを読んでください。」
そう言って、今どき珍しい白い封筒に赤いハートのシールで封をしたラブレターを渡して、走り去って行ったのだった。そんな光景を見ていたこの学校の方々は、結構、冷ややかな目で見ていた。敦子と恭子を除いて、しかし、この話には続きがあった。
結局、このラブレターを開いた私は、その衝撃の内容に怒りで体が震えだすほどだった。そのラブレターにはこう書かれてあった。
果たし状
松木数期、お釜の用な気様と蹴りを着けたい、一対一のタイマンだ、5月30日、場所、白川河川敷にて待っている。
異常、夜露死苦
これを読んだ私はブチ切れたのであった。当日、彼が指定した白川河川敷へ行くと私を見つけて驚いた表情を浮かべる海野の姿がそこにあった。彼は、私が転校する前の中学校出身で、あの当時は、周りからかなりいじめられていたのを記憶していた。学校で問題になったくらいだったんだけど、そんな彼が、何の因果かよくわからないけど、同じ地域の別の学校であんな格好をしている。けど、私にはそんなことはどうでもよかった。
「なんで」
海野がその言葉を放った瞬間に、私の正拳が彼の鳩尾をとらえた。
「うっ・・」
その瞬間に私は、かがんでそのまま彼の顎へ昇竜拳を浴びせた。そして・・・ふらついている彼を見つけ、もう一度飛び上がり、額に向けて踵落としを食らわせ、そのまま彼は地面に叩きつけらた彼は、立ち上がることはなかった。
「ふん!!」
という恥ずかしい話を九条に話すと
「やはり、松本は凶暴な奴だな」
って、う~だから、話したくなかったのに・・更に
「で、金田一はどうする気だ?一年では、注目される奴だぞ、ただでさえ松本は女子から目をつけられているんだから」
九条にしては、珍しく話をするなぁと感心しているとそのことに気付いた九条、軽く咳をして
「あ・・・これはだな・・・」
なんか言い訳っぽいことを言い始めた。
「私、彼とは付き合う気がないので、・・・でも・・・どうやって断ったらいいのやら・・」
思わずつぶやいてしまった。
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