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第一章 Diving Shop DEEP BLUE
ゼブラガニ
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ゼブラガニ。
体長2cmほどの小さなカニだ。
名前の通り、体は白と黒のストライプ。
目付きは悪く、毒のあるウニの体に住んでいるくらいなのでかなり強かだ。
彼らはラッパウニに取りつき、小さなハサミを器用に使ってラッパ型のとげを刈り取って道を作る。
そして管足と呼ばれる柔らかい部分を食べている。
ラッパウニにしたら迷惑な片利共生、場合によっては寄生とも言える共同生活をしている。
なぜこのような共同生活がなされるのは研究者の中でも謎なのだそうだ。
何はともあれ、ラッパウニにとっての小さな悪魔は、ダイバーの宝探しの的だ。
明日香も手に乗せたりラッパウニに返したりしながら写真を撮る。
明日香のカメラは裸でも水深15m以上に耐えられるタフなカメラだ。
画素数もかなり高い。
ゼブラガニの目付きの悪さまで鮮明に写すことができる。
『そろそろ帰ろか?』
もう海に潜って40分以上経っている。
水深15m程度で明日香ほどの腕ならたいした時間ではないが、日が傾いて海が暗くなり始めた。
明日香はOKサインを送るとカメラをBCDジャケット(タンクと繋がっていて空気を出し入れできる特殊なジャケット)に装着した。
そしてゆっくりと浮上を始める。
浮上は空気が水面に上がっていくスピード以下がベター。
明日香は教科書通りの浮上で船に上がった。
途中、体の中の窒素を抜く安全停止(タンクの中身は酸素以外に窒素が入っている。長時間潜った後は3-5mの辺りで安全停止と言って窒素を体の外に出す作業をする。)も、ロープに掴まることなく水深4mでピタリと止まって浮かんでいた。(簡単そうだが初心者は何も掴まらないとかなり難しい)
船に上がるとちょうど夕日が半島の向こう側に沈もうとしていた。
柔らかい風が海人の前髪を撫でるように吹きすぎた。
アンカーをはずし、船はあっという間に港についた。
『どうでしたか?』
店に戻ると器材を洗って、シャワーを浴び、着替えてブリーフィングルームでデブリーフィング(海の振り返り)をする。
「ホントに引きの強い海人さんと潜ると楽しいわぁ。大物狙いじゃなければこんなに素敵な海、世界広しと言えどもここに敵う海はなかなか無い。」
明日香もご満悦だ。
確かにこの海は都会から近いわりにはたくさんの珍しい魚たちに出会える。
この海でダイビングを始めた人々が沖縄や海外のリゾートダイブを経て再びここに帰ってくるという話はよく聞く。
「背伸びせずに潜れて癒されるのが良いんよね。」
明日香はそう言ってログブック(ダイビングの記録をするノート)に今日見たたくさんの魚を書き込んだ。
『またいつでも遊びに来てくださいね。』
海人はホワイトボードに大きくそう書いて明日香を見送った。
「ありがとうございました。海人さんも頑張ってね。」
海人にそう言うとすでに器材を積み込んだ車に向かって歩き始めた。
「海人さんのこと、好きやった。」
ちょっと寂しげにそう呟いた明日香の声は、海人に背中を向けられた後だったので海人には聞こえなかった。
体長2cmほどの小さなカニだ。
名前の通り、体は白と黒のストライプ。
目付きは悪く、毒のあるウニの体に住んでいるくらいなのでかなり強かだ。
彼らはラッパウニに取りつき、小さなハサミを器用に使ってラッパ型のとげを刈り取って道を作る。
そして管足と呼ばれる柔らかい部分を食べている。
ラッパウニにしたら迷惑な片利共生、場合によっては寄生とも言える共同生活をしている。
なぜこのような共同生活がなされるのは研究者の中でも謎なのだそうだ。
何はともあれ、ラッパウニにとっての小さな悪魔は、ダイバーの宝探しの的だ。
明日香も手に乗せたりラッパウニに返したりしながら写真を撮る。
明日香のカメラは裸でも水深15m以上に耐えられるタフなカメラだ。
画素数もかなり高い。
ゼブラガニの目付きの悪さまで鮮明に写すことができる。
『そろそろ帰ろか?』
もう海に潜って40分以上経っている。
水深15m程度で明日香ほどの腕ならたいした時間ではないが、日が傾いて海が暗くなり始めた。
明日香はOKサインを送るとカメラをBCDジャケット(タンクと繋がっていて空気を出し入れできる特殊なジャケット)に装着した。
そしてゆっくりと浮上を始める。
浮上は空気が水面に上がっていくスピード以下がベター。
明日香は教科書通りの浮上で船に上がった。
途中、体の中の窒素を抜く安全停止(タンクの中身は酸素以外に窒素が入っている。長時間潜った後は3-5mの辺りで安全停止と言って窒素を体の外に出す作業をする。)も、ロープに掴まることなく水深4mでピタリと止まって浮かんでいた。(簡単そうだが初心者は何も掴まらないとかなり難しい)
船に上がるとちょうど夕日が半島の向こう側に沈もうとしていた。
柔らかい風が海人の前髪を撫でるように吹きすぎた。
アンカーをはずし、船はあっという間に港についた。
『どうでしたか?』
店に戻ると器材を洗って、シャワーを浴び、着替えてブリーフィングルームでデブリーフィング(海の振り返り)をする。
「ホントに引きの強い海人さんと潜ると楽しいわぁ。大物狙いじゃなければこんなに素敵な海、世界広しと言えどもここに敵う海はなかなか無い。」
明日香もご満悦だ。
確かにこの海は都会から近いわりにはたくさんの珍しい魚たちに出会える。
この海でダイビングを始めた人々が沖縄や海外のリゾートダイブを経て再びここに帰ってくるという話はよく聞く。
「背伸びせずに潜れて癒されるのが良いんよね。」
明日香はそう言ってログブック(ダイビングの記録をするノート)に今日見たたくさんの魚を書き込んだ。
『またいつでも遊びに来てくださいね。』
海人はホワイトボードに大きくそう書いて明日香を見送った。
「ありがとうございました。海人さんも頑張ってね。」
海人にそう言うとすでに器材を積み込んだ車に向かって歩き始めた。
「海人さんのこと、好きやった。」
ちょっと寂しげにそう呟いた明日香の声は、海人に背中を向けられた後だったので海人には聞こえなかった。
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