DEEP BLUE OCEAN

鼓太朗

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第五章 南洋大橋計画

岬に架ける破壊橋

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海人の3歳年上に洋平。
海人の7歳年下に潮音。
実は海人と潮音の間には三男がいる。
名前を三波みなみ
海人の3歳年下。
海人の兄弟はみんな3歳違いだ。
海人が中学生の時に両親は離婚した。
三波以外は父親に。
三波は母親に預けられた。
会うのは何年かに1回。
元々仲のいいわけでもなく、海人の記憶の中の三波は母親にくっついて離れない暗い子という印象だった。

そんな三波から電話がかかってきたのは数日前。
洋平が電話に応じた。
洋平はのっけから不機嫌だ。
口調から推測するに怒鳴ってはいなかったが明らかに話の内容には怒気が含まれている。
長い電話の末叩きつけるように受話器を置いた。
『三波?』
海人が尋ねると洋平は口をへの字にして頷く。
『あの話?』
海人にはだいたいの予想がついた。
「あの話、またしてきた。けったくそわるい話や。」
洋平はイライラとした口調で話す。

三波は大学を卒業し、大学院に進学、大学院を卒業後は、大手の建設会社に就職した。
彼の会社の計画ではDEEP BLUEを取り囲む湾を横断する橋の建設をしようとしている。
工事が始まれば海流にも影響を与えるだろうし、海洋汚染の心配も拭えない。
そんなことをすればここの生態系は無くなってしまう。
もちろんそんな計画に海人たちは反対だが、その渦中にいるのが自分の弟というのが許せなかった。
父親の残した店と美しい海を破壊しようとしていることが海人も不快にした。
泣き虫で甘えん坊、父親になつかなかった三男が、父親の遺産を潰そうとしている。

湾は大きく、橋ができれば本州最南端の岬までかなりの時間短縮がはかれる。
ただ需要面で考えれば疑問だ。
オーシャンビューの橋はそれはそれは美しいだろうが、それは人間のエゴだろう。
三波はその辺りをどれくらい理解しているのかが謎だ。
あって話をしたいところだが、仕事が忙しいという三波になかなか会えない。
まぁあったところでどれだけ深い話ができるのか…。

兄弟の中で唯一泳ぎが苦手な三男坊。
ダイビングも全くと言って良いほど興味を示さなかった。
そんな弟に理解してもらうこと自体が無理な話なのだろうか。
海人は暗い気持ちでため息をついた。
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