34 / 50
第八章 虫と獣の戦争
大乱闘 前編
しおりを挟む
息をするのさえ躊躇われる緊張感の中。
レオンは頭をフル回転する。
対する相手は数が多い。
虫系のモンスターは総じて炎に弱い。
ただ、ここは地下空間。
炎系の魔法には向かない環境ではある。
ただ、出口を塞がれている以上この中で完結するために必要最低限の魔法は必須だ。
魔法はレオンとサラが担当。
ハイデンとウェライで時間を稼いでもらう作戦がセオリーだろう。
ポックからの情報で思念波の効果は薄い。
短期決着が前提となる。
「魔法を解除するよ」
レオンの言葉に頷く面々。
魔法を解除した瞬間、スカラベの親玉の羽が開き、中から大量の子分たちが放出された。
さながら津波のように押し寄せるスカラベの大群。
サラの魔法が、巨大な火の玉と化した炎を巻き起こしたのを皮切りに戦闘が開始した。
大群の相手はサラとレオン。
二人して炎の魔法を絨毯のように平たく放つことで滴のようなスカラベの集団を押し返した。
その傍らでマンティスナイトの巨大な鎌がハイデンを襲う。
ハイデンは風のようにマンティスナイトの攻撃を避けるとヒラリと飛び上がるが早いか目にも止まらぬ回し蹴りをマンティスナイトの即頭部に叩き込む。
しかしマンティスナイトもさるもので、少し身体の軸が揺らいだだけで次の瞬間には鎌を振り上げて回転切りを放ってきた。
すんでのところでかわすハイデン。
あわや切り身にされるところを身体をのけぞってかわし、バク転して土煙をたてて身体を切り返す。
そこに巨大な鎌の一撃が襲いかかる。
ハイデンは転がるように避けるとハイデンがいた場所には地面に大きな窪みができた。
即座にハイキックを放つが、マンティスナイトの鎌にクリーンヒットしたハイデンの蹴りはキィーンと澄んだ音をたてて僅かにぶれただけだった。
大したダメージを与えているとは到底思えない。
むしろ痺れるような衝撃を受けたのはハイデンの足の方だった。
虫の中では珍しいとも言えるが、毒気の無いモンスターだが、パワーは相当なもの。
しかも動きは残像しか残らないほど素早い。
ハイデンは僅かに危機感を感じていた。
パワーとスピード。
ちょっとした油断で身体は真っ二つにされてしまうだろう。
レオンたちの魔法で何とか補助を頼みたいが、残念ながらスカラベ相手にその余裕はなさそうだ。
しかもマンティスナイトは風魔法も織り混ぜてくる。
二度目の攻撃からは風の刃がプラスされた攻撃も放たれ始めた。
魔法特性の無いハイデンにとっては難敵であると言える。
ハイデンはふわりと跳び跳ねながらかわしつつ攻撃を放つが、強固なマンティスナイトの身体に弾かれる。
小柄なハイデンにとって戦闘が長引けば長引くほど不利だ。
敵の柔らかいところを狙って一発集中で責めなければ勝機はない。
頭、鎌、身体も鎧のようなマンティスナイト。
狙うのは…。
首か腕の関節部分。
力に分が悪い分はスピードとテクニックでカバーするしかなさそうだ。
ハイデンは未だにさざ波のように押し寄せる虫の大群を相手にするレオンをちらりと見た。
「レオン!忙しいところすまない!速度強化の魔法を頼む!」
鎌の猛攻をかわしつつ、そう叫んだ。
レオンはとびきり大きな火の玉を放ってスカラベの集団を蹴散らすと、掌をハイデンに向けると緑色の光を放った。
風をまとったような感覚の後、ハイデンはジグザグに飛ぶように走るとマンティスナイトの首筋に回し蹴りを放った。
バキッという嫌な音をたててマンティスナイトの首があらぬ方向へ曲がった。
一瞬の隙だったが、動きを止めるマンティスナイト。
その隙をハイデンは見逃さなかった。
懐から刃のついた特殊なバックルを取り出すと、マンティスナイトの懐に飛び込み、両腕を開く格好で一撃を放つ。
マンティスナイトの唯一とも言える柔らかい場所、腕の関節をバックルで切り裂いた。
速度強化の魔法でマンティスナイトの対応速度を越えるスピードで放たれた一撃にマンティスナイトの両腕は無惨にも寸断されてしまった。
最後の一蹴りで顔の半分くらいが変形してしまったマンティスナイト。
鎌のなくなったマンティスナイトに万に一つも勝ち目はなかった。
床に転がったマンティスナイトの亡骸を見下ろし、ハイデンは荒い息を吐いた。
レオンは頭をフル回転する。
対する相手は数が多い。
虫系のモンスターは総じて炎に弱い。
ただ、ここは地下空間。
炎系の魔法には向かない環境ではある。
ただ、出口を塞がれている以上この中で完結するために必要最低限の魔法は必須だ。
魔法はレオンとサラが担当。
ハイデンとウェライで時間を稼いでもらう作戦がセオリーだろう。
ポックからの情報で思念波の効果は薄い。
短期決着が前提となる。
「魔法を解除するよ」
レオンの言葉に頷く面々。
魔法を解除した瞬間、スカラベの親玉の羽が開き、中から大量の子分たちが放出された。
さながら津波のように押し寄せるスカラベの大群。
サラの魔法が、巨大な火の玉と化した炎を巻き起こしたのを皮切りに戦闘が開始した。
大群の相手はサラとレオン。
二人して炎の魔法を絨毯のように平たく放つことで滴のようなスカラベの集団を押し返した。
その傍らでマンティスナイトの巨大な鎌がハイデンを襲う。
ハイデンは風のようにマンティスナイトの攻撃を避けるとヒラリと飛び上がるが早いか目にも止まらぬ回し蹴りをマンティスナイトの即頭部に叩き込む。
しかしマンティスナイトもさるもので、少し身体の軸が揺らいだだけで次の瞬間には鎌を振り上げて回転切りを放ってきた。
すんでのところでかわすハイデン。
あわや切り身にされるところを身体をのけぞってかわし、バク転して土煙をたてて身体を切り返す。
そこに巨大な鎌の一撃が襲いかかる。
ハイデンは転がるように避けるとハイデンがいた場所には地面に大きな窪みができた。
即座にハイキックを放つが、マンティスナイトの鎌にクリーンヒットしたハイデンの蹴りはキィーンと澄んだ音をたてて僅かにぶれただけだった。
大したダメージを与えているとは到底思えない。
むしろ痺れるような衝撃を受けたのはハイデンの足の方だった。
虫の中では珍しいとも言えるが、毒気の無いモンスターだが、パワーは相当なもの。
しかも動きは残像しか残らないほど素早い。
ハイデンは僅かに危機感を感じていた。
パワーとスピード。
ちょっとした油断で身体は真っ二つにされてしまうだろう。
レオンたちの魔法で何とか補助を頼みたいが、残念ながらスカラベ相手にその余裕はなさそうだ。
しかもマンティスナイトは風魔法も織り混ぜてくる。
二度目の攻撃からは風の刃がプラスされた攻撃も放たれ始めた。
魔法特性の無いハイデンにとっては難敵であると言える。
ハイデンはふわりと跳び跳ねながらかわしつつ攻撃を放つが、強固なマンティスナイトの身体に弾かれる。
小柄なハイデンにとって戦闘が長引けば長引くほど不利だ。
敵の柔らかいところを狙って一発集中で責めなければ勝機はない。
頭、鎌、身体も鎧のようなマンティスナイト。
狙うのは…。
首か腕の関節部分。
力に分が悪い分はスピードとテクニックでカバーするしかなさそうだ。
ハイデンは未だにさざ波のように押し寄せる虫の大群を相手にするレオンをちらりと見た。
「レオン!忙しいところすまない!速度強化の魔法を頼む!」
鎌の猛攻をかわしつつ、そう叫んだ。
レオンはとびきり大きな火の玉を放ってスカラベの集団を蹴散らすと、掌をハイデンに向けると緑色の光を放った。
風をまとったような感覚の後、ハイデンはジグザグに飛ぶように走るとマンティスナイトの首筋に回し蹴りを放った。
バキッという嫌な音をたててマンティスナイトの首があらぬ方向へ曲がった。
一瞬の隙だったが、動きを止めるマンティスナイト。
その隙をハイデンは見逃さなかった。
懐から刃のついた特殊なバックルを取り出すと、マンティスナイトの懐に飛び込み、両腕を開く格好で一撃を放つ。
マンティスナイトの唯一とも言える柔らかい場所、腕の関節をバックルで切り裂いた。
速度強化の魔法でマンティスナイトの対応速度を越えるスピードで放たれた一撃にマンティスナイトの両腕は無惨にも寸断されてしまった。
最後の一蹴りで顔の半分くらいが変形してしまったマンティスナイト。
鎌のなくなったマンティスナイトに万に一つも勝ち目はなかった。
床に転がったマンティスナイトの亡骸を見下ろし、ハイデンは荒い息を吐いた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる