【選択小説】枯男は生還したい。〜旧校舎の神隠し〜

ルナ

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エピソード0【月神】

【誰かの記憶③】新天地

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 私以外の団員がいなくなったゴッドムーンは事実上の解散。渚の頭蓋骨に封印したツクヨミは研究所に送り届けた。
 派遣した研究員が全員死亡した事実に向こうのお偉いさん達は顔をしかめ、私を叱責した。しかし、例の惨状を見てもらうと私に同情してくれた。何も知らずに酷く叱責した事への謝罪として、後片付けは全て向こうが引き受け、私の役割と居場所をくれた。

「学さん。あなたは教師になりなさい」

 私は昔に教員免許を取得している。短いが高校教師をやっていた時期がある。すぐ辞めてしまったが。
 彼らの話を聞くと、どうやらあの近くに研究所を置きたいと言う。だが、地上に置くと誰の目につくか分からない。なので地下に設置するのだが、何かあっても怪しまれないように、皆の視線を集めるカモフラージュとして真上に学校でも建てようと言うのだ。そしてそこで教師を勤めろと私に言う。
 あまりにもぶっ飛んだ提案に私が返答に困っていると、物陰から誰か出てきた。

「どーもどーも、面白そうな話をしますなぁ~」
「っ!?…誰だ!?」

 知らない男性だ。オカルト団員でも研究員でも無い。薄汚れた帽子とコートを身に纏っている。

「どーも初めまして、俺は探偵の松谷まつや枯男かれおと申します。久しぶりにちょっとした依頼が入りましてね。行方不明の彼を探してくれ。と」

 依頼人は恐らく研究員の親族か何かだろう。全く、余計な事をしてくれた。

「そしたら思ってた以上に面白そうな話をしとるじゃないですか。どれ、ちょっとオジサンにも教えてくれますかね」
「ふむ…あなた教員免許は何かありますか?」
「んぁ?んなもん持ってねーよ。俺は今は探偵一筋なんでね」
「ならば研究員として加わりなさい。仮にも探偵ならば多少の知恵はありでしょう?もちろん、報酬は出します」
「ん…まぁ、報酬が出るなら…」

 こうして胡散臭い探偵が一人研究の仲間に加わった。





☆●◇■△▼*▽▲□◆○★





 あれからは思いの外上手く事が進んだ。ツクヨミは暴走する事無く、研究は進む。怪しい探偵もなかなかに使える人材だ。
 カモフラージュにと建設した「月神高校」にかなりの数の生徒が集まった。
 しかしこの学校、時間も経費も削減して建てたせいか少々脆い。近いうちに使えなくなるだろうと危惧した我々は、初代月神高校を建て終わってすぐ隣に二代目校舎の建設に取り掛かった。
 それから数年何事も無く月日が流れ、二代目校舎の建設が完了し、初代校舎の廃校を決定した。
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